西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月11日

(令和3年6月11日(金) 9:44~10:05  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 まず、昨日、政府対策本部を開催いたしまして、3つの県、群馬、石川、熊本につきまして6月13日をもって、まん延防止等重点措置を終了することといたしました。
 昨日、議運理事会でも説明申し上げましたけれども、新規陽性者の数も10万人当たり一桁台になっております。県全体に広がる恐れがなくなってきたと認められること、それから、病床も使用率が約3割ぐらいまで水準を改善してきておりますし、これらの県はいずれも入院をさせていますので、入院してもらっていますから入院率はもう6割を超えているということで、非常に病床の関係も改善したということで終了いたしました。
 それぞれの県によって対応は若干違いますけれども、段階的に解除していくということでありますし、引き続きそれぞれの知事から発信されているものと思いますけれども、幾つかの地域で緊急事態宣言は出ておりますので、それぞれの都道府県、市町村には対策本部がまだ残っていますし、それぞれ感染防止策を徹底していただくということが大事だと思っております。
 それから二点目に、今日、閣議におきましてテレワーク・デイズの話が出ました。7月19日から9月5日までの間、テレワークを集中的に実施するということであります。これはコロナ以前から、オリンピック期間中はどうしても都心が混雑するので、それを避けるためでありますけれども、7月19日から9月5日までの間、テレワーク・デイズということで実施していきます。
 緊急事態宣言の下で、経済界にはお願いし、また、どの程度やっているのかという、そういう情報開示もお願いしているところですけれども、もう一段、オリンピックを控える中で緊急事態宣言を今やっておりますので、是非、継続してテレワークということをお願いしたいと、出勤者数の削減をお願いしたいと思います。それについて、また経済界にも私からも話したいと思いますし、今日は関係省庁からそれぞれの団体に要請するということで確認がされたところであります。
 その関連で申し上げますと、マスクの着用率がちょっとこのところ落ちてきていまして。これ、全国のデータを取って、90%以上ずっとありますけれども、特にスーパー、コンビニ、それから公共交通機関、満員電車もまだありますので非常に高いですが、それでも、やはり95%ぐらいですから20人に1人ぐらいはしていないです。職場、学校で少し低下。それから、屋外、ちょっと暑くなってきたというのがあるので、屋外で、公園とかでジョギングをしたりするときは必ずしも、人がいなければマスクは外すこともあり得えますけれども、職場、学校でマスクの着用率が少し落ちてきていることを心配しております。
 先般から申し上げているとおり、マスクをしていても、アクリル板とか換気をしていても感染の事例が出てきていますので、変異株の下で、特にアルファ株、デルタ株という感染力が強いものが出てくる中で、引き続きマスクの着用はしっかりとお願いしたいとに思います。データ上、少し減ってきていることを懸念しております。暑くなってきたこと、熱中症対策もありますので、屋外はその時々の状況で対応していただければいいですけれども、ちょっと職場、学校で落ちてきていることを心配しております。
 それから、このデータも、よく言われていることですけれども、改めて取ってみると明らかになりますが、今、アルコールは提供しない、お酒は提供しないということで要請が出ています。アルコールありの場合となしの場合で会食の時間が、食事の時間がどのぐらいになるかということを取りました。
 アルコールなしだと、1時間程度というのが25%ぐらいですから4分の3は1時間以内。あと、1時間半、2時間となりますけれども、3時間、4時間というのは非常に少なくなります。他方、アルコールがあると、一番多いのはやはり2時間。それから1時間半とか、2時間半、3時間というのもかなり増えます。これの平均を取ると、やはりアルコールなしだと1時間、アルコールありだと2時間となりますので会食の時間が倍になります。皆さん方も、昼休みはお酒を飲まずにランチだと1時間以内で済ませると。夜はお酒を飲みながらで、いろいろ食べたり話したりすると2時間ぐらいになるというのは感覚的には感じられるのではないかと思いますけれども、データ上も、アルコールがあると倍ぐらい時間が増えるということでリスクは高まりますので、今、アルコールなし、カラオケなしということでお願いしています。
 スーパーコンピューターも活用して、どのぐらいリスクが高まるのか、特に変異株の下でどのぐらい高まるのかというシミュレーション、実証を、実際の実測もしながら対応してもらっていますけれども。いずれにしても、変異株で、マスクをしてこういう対策をやっていても感染が広がるケースも出てきていますし、アルコールが出ると通常は2倍ぐらいの時間になるとリスクは高まるということであります。これまで以上に距離もとっていただきたいですし、時間は短めに、人数は少人数でということでお願いしています。こうしたデータを揃えながら今後の対策に生かしていきたいと考えております。
 いずれにしても、今、アルコールは出さないということで要請がなされています。幾つかの店でお酒を出しているようでありますし、20時の時短にも応じていただけない店もあるようですが、それぞれの都道府県で、応じていただけるように文書で要請をしたり、命令を出されたりということで対応されています。是非、アルコールを出すとリスクが高まるということでご理解いただいて、何としても今、この緊急事態宣言の下で感染を抑えると、そして病床を安定的なものにしていくということが大事であります。
 引き続き関西圏、それから北海道、沖縄、さらには愛知、福岡、まだ病床が非常に厳しい状況があります。見ていただいたら分かりますとおり、北海道、愛知、福岡、沖縄と、非常に厳しい状態にあります。関西圏は若干改善してきていますが、まだ重症者の、兵庫も47%ですし、引き続きやはり感染経路不明も高い、東京、大阪は非常に高い状況が続いておりますので、何としても改善をすべく全力を挙げていきたいと考えております。
 それから、経済について一点申し上げます。
 本日、8時50分に公表いたしましたけれども、4-6月期の法人企業景気予測調査であります。企業の景気の判断について出しておりますけれども、今期は、4-6月期は非常に厳しい状況で、1-3月期に続いて、緊急事態宣言の下ですからこういう全産業、製造業、特に非製造業が非常に厳しい、飲食、宿泊が厳しいわけですが、翌期、つまり7-9月期と10-12月期は非常に高い期待感も示されておりますので、何とか緊急事態宣言の下で感染を抑え込んで、そしてワクチン接種を進める中で7-9月期以降の年後半の経済回復に期待したいと思いますし、必要な施策を機動的に対応していきたいと思っております。
 以前から申し上げていますとおり、昨年の4-6月期に非常に落ち込んだわけですが、その後、需要は非常に回復しております。自粛疲れということもありますが、まさに消費をしたいという意欲は高いものがあると思いますので、これを見ていただいても潜在的な強さは引き続きあるものと思いますので、何としても今の時期に緊急事態宣言の下で感染を抑え込んでいくということが大事だと思っています。
 ただ、中小企業は引き続き厳しい状況が翌期、翌々期もあります。製造業は少し年後半に良くなる見込みもありますけれども、引き続き厳しい時期。改善はしていく傾向ですが、良くなる傾向はありますけれども、中小企業の景気の判断は非常に厳しいものがありますので、引き続き日本政策金融公庫などの無利子・無担保の融資、それから飲食店には協力金をできるだけ早く支給すること、それから、月次の支援金、これもできるだけ早く。月20万円、個人事業主10万円です。これは、結果的には1月から6月まで出ますので、最大120万円出るということですから、昨年の持続化補助金に近い形になってきておりますので、これをできるだけ迅速に支給することが大事だと思っております。
 他方、設備投資は全産業、全規模で言いますと、本年の見通しは非常に高い数字になっております。昨年は緊急事態宣言を初めて発出したこともあって厳しい状況でしたけれども、今年は非常に高いものがあります。特に、ソフトウエアについて見れば、14.4%と非常に高い伸びが期待されます。私どもが進めておりますデジタル、DX、新しい時代のデジタル化の動きが引き続きそれぞれの企業で取組みが見られると思いますので、今回の骨太方針、成長戦略の中でお示ししたデジタル化の大きな支援策なども推進しながら、引き続き民間の投資を促していく。二百数十兆円の内部留保の現金がありますので、これをしっかりと支出していただいて、政府は今、呼び水となる支出をしますので、いわゆるデジタル・ニューディールで政府の支出、これが呼び水となって民間の投資、創意工夫、こういったものを期待したいと考えております。いずれにしても、民需主導の経済回復に戻っていくように、つながっていくように取り組んでいきたいと考えております。
 私から以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、まん延防止等重点措置の3県について解除を決めましたが、20日までの期限になっている10都道府県での緊急事態宣言を解除するかどうかの判断は来週後半に行うということでよろしいでしょうか。
 また、特に、先ほどご説明がありましたが、沖縄、北海道は病床使用率も含めて大変厳しい状況にありますが、解除になると、10都道府県全ての地域で解除するというのはなかなか難しい状況なのでしょうか。
 また、東京などでは既に人流の増加が顕著でありますので、解除した場合、リバウンドの懸念というのが出てくると思いますが、仮に宣言解除の場合、例えばまん延防止等重点措置に移行させるとか、そういったようなお考えはあるでしょうか。以上、よろしくお願いします。
(答)6月20日までの緊急事態宣言についてでありますが、全体としては、新規陽性者の数については減少傾向が見えてきております。厚労省のアドバイザリーボードでも示されているとおりであります。
 他方、その減少傾向が見えてきている中でも少し減少のスピードに差がありますが、多くの地域で人流は減少傾向にありますので、これは北海道、沖縄もそうですが、スピードに若干の差はあるとしても減少していくものと期待しているところであります。これはそれぞれの都道府県の国民の皆さんのご協力、事業者の皆さんも多くの皆さんがご協力していただいているということです。その成果が出てきているということだと思いますので、皆さま方のご協力に本当に感謝したいと思います
 その上で、今ご指摘がありましたように首都圏で、東京、大阪で少し人流が増えてきている。これはもう何度も申し上げていますけれども、一番大きいのはやはり情報効果でありまして、東京、大阪で1,000人を超えていた新規陽性者の数が300人、400人のレベル、大阪で言えば100人、200人のレベルになってきていますので、当然、もうだいぶ減ったという感じを持たれる。安心感で、先ほどの、ちょっと暑くなったこともありますけれども、職場を含めてもマスクを少し外してみたり、あるいは買い物を含めて人流が増えてきている。このことについて警戒感をもって今、見ているところでありますし、引き続き緊急事態宣言の下ですので、何としても今回は下げ切らなければいけないということだと思います。特に、まだ関西圏をはじめ、病床が必ずしも万全の状況でありませんので、かなり改善してきていますけれども、国民の皆さんの命を守るために、病床の体制、医療提供体制を安定的なものにしていくことが重要でありますから、是非、引き続き皆さま方にはご協力をお願いしたいと思います。
 ここで人流が増え、気持ちが緩んでマスクを外して会話が弾んだりすると、まさに10日後、2週間後、緊急事態を解除するころに増えてきてしまうということになりかねませんので、是非、皆さま方には引き続きご協力をお願いしたいと思います。事業者の皆さんにも、20時までの時短、あるいはお酒、カラオケの提供をやめていただくこと、さらには、大型店舗にも引き続き休業、時短の要請も出ているところもありますので、是非、ご協力をお願いしたいと思います。
 大事なことは2つです。一つは病床を安定的なものにできるかどうか。これは、繰り返し申し上げていますけれども、医療機関には今、コロナへの対応をお願いしている、一般医療もお願いしている、さらには、ワクチン接種で、これは土日も含めて、私の地元の医師会の皆さんも、もう土日も総出で接種を行ってくれています。そこに加えて、オリンピックで、どうしても熱中症の方が出たり、骨折やけがやいろんなことがありますので、その負荷もかかりますから、病床を安定的なものに、国民の皆さんに安心していただけるものにしないといけないということがあります。これが何より大事な視点だと思っております。
 そのためにも、新規陽性者、新規感染者の数を抑えていかないと。増えてくると、どうしても遅れて重症者の方が増えてきます。ですので、新規感染者の数を。必ずリバウンドは起こりますので、必ず起こると、これはもう尾身先生も言われていることであります。何度も起こるわけですけれども、大きなリバウンドにしないために、しっかりと抑えていくことが大事ですから、リバウンドに対処できる状態になっているかどうか、このことが2つ目に大事であります。
 そして、強いて3つ目を言えば、そのリバウンドに対処していくためにもワクチン接種をまずは重症化のリスクのある高齢者の皆さんに7月末で全員打っていただく。そして、7月10日までに1回目を打っていただく。そのためには、このめどを早くつけること。そして、目途がついたところから、次の64歳以下、基礎疾患のある方も含めて打っていく。そして、地域の事情、地域の判断でエッセンシャルワーカーの方々、人に接する機会が多い方々、新宿区は特に繁華街を抱えていますから20代、30代の感染をこれまで感染を広げてきた、感染が多く出た、そうした若い方を打とう、あるいは、福岡市は、保育士さんや教員やそういった方々に優先してやろうと、こういったそれぞれの地域の考え方もあると思います。もちろん、年代で60歳から64歳の方を先に優先するという考えのところも、多くの自治体でそうした形でやられていると思いますけれども。いずれにしても、それぞれの自治体で創意工夫をしながらできるだけ早くワクチン接種を進めるということで、今日も河野大臣ともいろいろとお話をしましたけれども、連携して私の立場でサポートしながらワクチン接種を円滑に、迅速に進めていくこと、これが非常に大事だと思います。そういった状況も見ながら、今申し上げたこと、病床、新規陽性者の数、そしてワクチン接種の状況、こういったものを見ながら6月20日の何日か前には専門家の皆さんのご意見を頂いて、最終的に政府として判断していくということになります。
 いずれにしても、6月20日まで何としても皆さま方のご協力をいただいて、政府としても協力金の支給を迅速にやるとか、都道府県と連携してそういったことにも取り組みながら、何としても感染を抑え、病床を安定的なものにしていきたいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)