西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月4日

(令和3年6月4日(金) 9:50~10:29  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から何点か、まず申し上げます。
 まず、コロナの関係で、沖縄県の状況についてであります。
 昨日、玉城知事から連絡を頂きまして情報を共有いたしました。ご存じのとおり、10万人当たりの新規陽性者数は120人を超えておりまして、ステージ4の非常に高い水準が続いています。前週比でも1.2倍ということで、全国的に減少傾向が見えてきている中で、唯一と言ってもいいと思います、感染拡大しているエリアで唯一先週より伸びている地域であります。
 医療も病床使用率、重症者も100%に近い状況でありまして、私どもも現地の医師、沖縄県の対策本部のメンバーでもある医師ともやり取りをしております。私自身もやり取りをしておりますが、なんとか今、やりくりをしてしのいでいる状況でありますけれども、このまま今後、新規陽性者の数が高い水準が続くと非常に厳しいということもありますし、それから、沖縄県は都道府県知事に看護師さんの派遣の要請も行っています。私どもも看護師、保健師を必要であれば派遣するということで検討をやり取りしています。いずれにしても、非常に厳しい状況の中で最大の警戒、危機感を持って対応している状況であります。
 そうした中で、一つは昨日、沖縄県として対策を強化するということで、平日も含めたイベントの中止、延期要請を行うということ。それから、1,000平米を超える大規模施設に対して土日の休業要請を行うと。それから、6月7日から20日まで学校の休校を行うということで、これが実施されれば小中高の学校が休校されるということで。沖縄では、台風の時などこういった対策は取られていることで、県民にとっては非常に危機的な状況であるという大きなメッセージにもなるということで聞いております。そういう意味で、最大の危機感を持っての対応をされているということだと思いますので、私どもとしても全面的に支援していきたいと考えています。
 そうした中で、夜はかなり減っていますが、昼間の人流も少し減少傾向が見える中で、こうしたイベント、大型商業施設の休業要請を行うことによって、10日、2週間でさらに効果が見えてくると。もう既に減少傾向は見えていますので、これでさらに減少が見えれば、そういった効果が出てくるものと期待しているところであります。
 ちなみに、国としては厚労省の職員10名、クラスター対策班6名、DMAT5名を既に派遣しているところでありますが、県とは緊密に連絡を取り合って、先ほど申し上げた看護師、保健師をはじめ、必要な人材派遣を行っていきたいと。全面的に協力して、何としてもこの沖縄の感染拡大を抑えていくということに全力を挙げたいと考えております。
 それから二点目にテレワークについてであります。
 本日、河野大臣から公務員全体の、霞が関全体のテレワークの状況の発表がもう既にあったかと思いますが、六十数%ということで公表があったと思います。
 私のところの部局につきましては、コロナ以外の経済部局、経済、TPPなどを担当している部局は63.9%ということで、経済部局はデータの処理など、できる部分はできるだけテレワークをということで私からも指示を出しておりますので、かなりやってくれております。
 ちなみに、コロナ室、コロナ対応は現場での対応、日々の時間との競争がありますのでなかなか難しい部分はありますが、時間単位で午後だけとか午前中とか、そういったことも含めて今、テレワークを推進しておりまして、この1週間で延べ17名が実施しております。
 それから、昨年まではなかなかテレワークがコロナ室はできていなかったですけれども、3月以降で述べ131名がテレワークを行っておりますので、できる限りテレワークということでお願いしておりますし、私自身も土日に様々な土日の状況の報告を受けますけれども、これは全てテレワークで行っております。主として幹部とのやり取りですけれども、幹部との状況の確認など、あるいは県とのやり取りも基本的にテレワークで行っております。
 それから三点目、コロナに関して内閣府で定期的にアンケート調査、3回目の調査を行いましたので、その概要をポイントのみご説明します。事務方からも説明をこの後やってもらおうと思いますが。
 昨年6月に第1回、12月に第2回ということで、今回、ゴールデンウイーク期間中を含む4月30日から5月11日まで1万人規模のインターネット調査を行いました。いろんなところで引用されていまして、日経の経済教室、私の大好きな紙面の一つですけれども、今日か昨日も引用されていたと思いますが、1万人の調査、3回目であります。
 今のテレワークでありますけれども、全体として実施した人は5割増えています、東京都23区。全国的にも3割増えています。しかしながら、実際に一部でもテレワークをやったという人は増えていますが、この赤の部分が、ほぼ100%テレワークというのは、やはり昨年の5月はこれだけあったわけです。かなりあった部分が減って、去年の12月はほぼ同じです。23区で見ても、これを見ていただいたら分かりますとおり、昨年5月は、この赤の100%テレワークをやったという人が二十何%いたのが少し減って、4、5月は少し増えています。この茶色、テレワーク中心で定期的に出勤するという人が、こういう状況で、ここはちょっと増えています。他方、出勤中心で時々テレワーク、それから、基本的に出勤で不定期にテレワーク、定期的にテレワーク、不定期にテレワーク、これがちょっと、やはり昨年5月に比べると増えているということでありますので、テレワーク主体の割合が昨年5月に比べては減っていますが、12月に比べると少し増えているという状況で、是非この部分を増やしていきたいということであります。
 業種別は同じですので、また見ておいてください。
 やはり、現場のエッセンシャルワーカーと言われる方々がなかなかやりにくいのは当然でありまして、こういった方々への配慮が必要だということであります。
 実施した人の、これはテレワークをやった人が今後、さらにテレワークを希望するか。やっぱり、テレワークをやった人は8割がテレワークをやりたいということでありますので、やはりやった人はその良さが分かると。中止した人でも、やはり4割はやりたいということでありますので、そういう状況があります。
 これは就職、転職する際の選ぶ視点ですけれども、当然、堅実な経営とか給料がいいとか、成長できるとかいうことは大事ですが、五つ目、六つ目のポイントに、テレワークがしやすいとか、育児休暇を取得しやすいとか、SDGsに力を入れているとか、女性が登用されているとか、新しい視点がやはり若い世代には入っていますし、転職の一つの大事な点になってきていますので、昨日申し上げた経産省で発表しているテレワークの実施状況ですけれども、就職支援の企業にもしっかりと共有して、若い人たちにどういう企業がテレワークをどれだけ行っているかということはしっかり見てもらおうと思います。人材を確保していくという観点からも、テレワーク、育児休業など大事な視点になってきているということであります。
 それからリカレント教育でありますが、やはり若い世代にリカレントを実施している予定があると。若い世代ほど多いわけでありまして、この中堅社員のところをどうやっていくかというのは大きな課題。成長戦略、あるいは骨太の方針でも大事な視点だと思っています。
語学とかビジネス知識を広げる、これは後で見ておいてください。
 リカレントの障害。忙し過ぎるとか費用とか目指すべきキャリアが分からないというあたりがありますので、このあたりをしっかりと分析して、これまでも40歳でキャリアの棚卸しということを我々は提案していますけれども、兼業、副業などをやりながらいろんな経験を積んで、40歳の時点で将来設計を一度考えると。そして、様々な支援をしながら自身のキャリアを作っていくというところで、リカレント教育と組み合わせて、それぞれの多様な人材が能力を発揮できる環境をつくっていきたいと考えています。
 厳しい世帯で求職者支援制度、これは10万円という給付をもらいながら職業訓練を行う。こちらは、資格を取るために、最大4年間ですけれども、こちらも10万円ということで、試験を受けながら支援を受ける。看護師の資格とか様々な資格を取るわけですが、それぞれ知っているという人がこれだけしかいないわけです。2割とか1割ですので、やはり多くの人に知ってもらうと。特にこちらは一人親世帯の方ですけれども、知らなかった人で5割、6割が利用したいということでありますので、しっかりと対応していきたいと思います。
 それから非正規の方。やはり正規化を希望する方が4割、5割とおられます。もちろん、自身の希望で、それぞれの都合がありますから、正規で働きたいと思わないという人も一定いますけれども、いわゆる不本意不正規、本来正規社員になりたいけどなれないという人がこれだけの数いますので、短時間正社員とか地域限定正社員を含めて正規化をやっていく。もう同一労働同一賃金が中小企業も含めて入っていますから、もう正規と非正規の区別をなくしていくということだと思います。
 家族と過ごす時間を持ちたいという人は、引き続き9割います。今回のコロナを機に大きく意識が変化してきていますので、これもまた見ておいてください。
 男性の育児休業です。この取得希望、取得しないという人がまだ4割もいまして、1週間未満とか短期間の人も多いわけでありまして、なぜ1カ月以上取らないのかということの大きな理由は、職場に迷惑をかけたくない、雰囲気がそういう雰囲気じゃないということでありますので、社会全体をやはり変えていかないと、今回8週間で4週の育児休暇を2回取れるという制度、法律が成立しましたけれども、男性の育児休業は極めて大事ですので、取得率を上げていくことはワークバランスの関係からも極めて大事ですので、是非推進していきたいと思っています。雰囲気を変えていかないといけないということであります。
 ちなみに、コロナ室でも1カ月の育児休業を取る職員が出ましたので、進んで取ってもらったらいいということで、私から伝えてあります。
 抵抗がある人。同僚社員が1カ月取得することの抵抗感ということで、若い世代は少ないです。女性は特に少ない。ところが、やはり40代、50代になるとこれだけの人で抵抗感がある。30代でもあります。もうこの意識を変えていかなければいけないということだと思います。
 結婚については、8割が結婚を希望しています。30代になると6割低下するということで。出会いがやはり減ったという人がこれだけいますので、3割の人が減ったということですので、5%、6%ぐらいは増えたという人はいますけれども、やはり結婚したいという人の希望をかなえていくような環境をつくっていかなければいけないということだと思います。
 地方への移住は引き続き高まっています。12月-5月、12月-5月と見てみますと、特に20代はずっと増えていまして、4割の人が、昨年12月がそうですが、地方への移住への関心が非常に強いわけであります。
 その中で、もちろん自然、人口密度が低いとか、感染症リスクというのもありますけれども、テレワークによって地方でも同様に働けることを感じたということも非常に高い数字になっていまして、当然、ライフスタイルとか自然豊かはありますが、さらにオンラインによって同様にできるというのもあります。買い物とか教育、医療がオンラインによって受けられるということでありますので、やはりデジタル化の進展というのが東京一極集中を大きく変えていく可能性がありますので、これを推進していくということだと思いますので、さらに。
 是非申し上げたいのが、地方の企業に今、情報開示をやっていただいていますけれども、地方の企業、中小企業を中心になかなかテレワークをやりにくいという声もお聞きしておりますし、そのことについてはIT補助金とかテレワーク補助金で支援しているところですけれども、地方の企業でテレワークができるという情報を開示することによって様々な人材を地方に集めることもできると思いますので、こういう若者たちの意識が変わってきているということを、是非、多くの皆さんに知っていただいて、対応していきたいと思いますし、是非、情報開示を引き続き地方の企業に積極的にやっていただければというふうに思います。
 コロナ対策で何を重視するかということで、年代別に書いてありますが、これ、横で、一番多いところは赤で書いていますが、実は20代から60代の全て、やはり感染者の数で影響を受ける。5割以上、特に高齢の方は6割、7割の方が感染者の数で影響を受ける。情報効果というやつです。常々申し上げていますけれども、感染者の数が増えてくるとそれぞれこれに皆さん反応されて、じゃあ、ちょっと自粛しようかと、出歩くのをやめようかと。特に高齢者の人はリスクを感じて減ってきます。ところが、逆に感染者の数が減ってくると、ああ、もう大分減ってきたなと。東京、大阪も少し前までは1日の陽性者数が1,000人を超えていたわけです。これが今、東京で四、五百人。五、六百人、500人前後になってきた。大阪が二、三百人のレベルになってきた。もう大分減ってきたではないかということで、何か安心をされて人出が増えるわけです。ここが本当に悩ましいところでありまして、尾身先生も今日も答弁をされていましたけれども、まさにワクチンの接種が進んでくれば重症者は減りますし、感染者の数も減らすという効果があります。アメリカでもCDCはワクチン接種で感染者の数も0.01%になっていると。1万分の1です。1万分の1になると。そして、重症化率は100万分の1になるわけですから、0.0001%になるということですので、このワクチン接種が進めば環境、見える姿はかなり変わってきますので、これが進むまでの間、とにかく今は我慢を皆さん方にお願いしたいと。
 感染者の数が減ってきたということで安心して外出されると、そこでまた感染者が増えてきますので、必ず人と人との接触は増えますから陽性者は増えます。もうこれは緊急事態宣言を何とか6月20日までに解除できるように今、全力を挙げてやっているところですので、是非、不要不急の外出自粛ということを改めて皆様方にはお願いしたいと。とにかく今は我慢をお願いしたいと思います。
 そうした中で、政府からの呼び掛け、総理、私を含めて、あるいは自治体の呼び掛け、知事も行ってくれています。2割以上の方が多く反応していただいていますし、著名人からの呼び掛けにも反応してくれておりますので、様々、私たちも国民の皆さんに共感を持っていただけるように、引き続き丁寧なメッセージ、分かりやすいメッセージの発信をしていきたいと考えております。
 コロナ疲れを感じるという方が、やはり1年以上になりますので7割の方が感じておられて、特に若い世代が多いということでありますので、今申し上げたような、なかなか自粛をお願いしていても、こうした自粛疲れ、あるいは情報効果でどうしても外に行ってしまうということがあると思いますが、変異株、α株、δ株という言い方をWHOもしておりますので、そういった感染力の強い、あるいは若い人も含めて重症化リスクが高いと言われている、そういう変異株の対応もありますので、広がると一気に感染が広がるというインドの例や大阪の例を思い出していただきながら、是非、引き続き不要不急の外出自粛、そしてこれまで以上にマスクを隙間なく留めていただく、着用していただく。3密と言われていますけれども、これまで以上に人と人との距離をとる。
 繰り返し言いますけれども、今日もちょっと各県のクラスター対策をやっている方々と午後、意見交換をする予定にしていますが、通常の職場で感染対策をしっかりやっていても感染が出ているという事例が幾つも報告されていますので、是非、これまで以上に間隔を、人と人との距離をとること、それから、分かってきたこと、尾身先生のもの間、少し言われていましたけれども、長時間の会議はできるだけ避ける。長時間は避けるということも大事になってきました。
 少しスーパーコンピュータも使ってこの変異株の感染力に対する分析も進めておりますので、一定程度分かったところでまたご紹介したいと思いますけれども、長時間、これまで1時間会議をやっていたとすれば、できるだけ45分とか30分とか短い会議にしていただくこと。それから、換気がより大事であります。これ難しいですけれども、どうも鹿児島の高校総体のバドミントンで感染、クラスターが報告されていますが、バドミントンですから、あんまり風通しを良くすると試合に影響するということもあって、なかなか換気を十分に回せていなかったのではないかという分析もなされています。より詳細な分析はしたいと思いますが、そうしたバドミントンとか卓球とか、そういった場面でなかなか風をずっと通すことの難しいものもありますので、そういったものへの対応も含めて、とにかく換気。私どももドアを開けていますし、少し風を感じていただいていると思いますけれども、庁内の換気もよくしていますし、扇風機などもあちこちで回していますけれども、是非、長時間を避ける、換気をよくする、これまで以上の対策を是非お願いしたいと、気をつけていただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、大臣はテレビ番組で緊急事態宣言解除後も対策は残りますということをおっしゃったと思います。3月のときも、宣言解除後では飲食店に対して時短要請を引き続き要請されたと思いますけれども、改めて、リバウンドを防ぐために今回の宣言解除後にも飲食店を中心にした対策について必要とお考えなのか教えてください。よろしくお願いします。
(答)基本的対処方針にも書いてありますけれども、緊急事態宣言でステージ3以下にしていくということで、感染者の数とか、特に重視しているのは病床でありますけれども、病床の確保をしっかりやっていく。これは、大阪も感染者の数にかなり減少傾向が見えてきていますので、病床も徐々に改善してきています。6月20日ごろには相当改善するということで大阪府も公表されているところでありますので、そういった資料をしっかり見て、ステージ3を確実なものとしていきたいと、そこを目指してまずはやっていっています。その上で、さらにステージ2以下を目指すということであります。変異株のことも頭に置きますと、より慎重に総合的に判断すると明記しておりますので、そういう意味でステージ2以下を目指していくためにも段階的に解除していくという基本的な方針です。
 従って、今行っている対策、時短の要請、それから大型店への時短なり休業の要請、あるいはイベントの一部無観客も行っていますけれども、さらに人数制限の要請、こういったことについて、全体的にどのように段階的に解除していくのか。この点については、その時点での状況を見ながら、専門家のご意見も聞いて判断しながら対応していきたいと考えていますが、いずれにしても、一遍に全てが自由になるということではなくて、段階的に解除していく。さらなるリバウンド、繰り返し申し上げていますが、何度でもリバウンドは起こりますので、それに備えて、大きなリバウンドにしないようにするために、対処できるような状況にし、さらにその後も大きなリバウンドにしない、そうした対応が必要だと考えておりますので、専門家の意見を聞いて判断していきたいと考えています。
(問)沖縄はやはりこれは異常値だと思いますが、最大限の小中高の休校は効くかと思いますが、この主な理由は人流なのか、それともやはり変異株なのか。台湾ですとかベトナムで、やはりかなりの感染拡大が起こっていますけれども、その辺のところは今、どんなふうにご覧になっているのか。
 それから、沖縄には米軍ですとか米軍の軍属とか彼らは先にワクチンを打ってしまうと思うのですが、やはり島であるということを考えたら、沖縄については、協力するようであれば先に重点的にワクチンを打つようなことで封じ込むことも一つの手ではないかと思うのですが、異常値が出ていると思うので、その理由とその対策ついてどうお考えになるか伺いたいです。
(答)沖縄が感染急拡大したことについては引き続き分析を進めておりますが、これまで現地の医師、あるいは専門家ともやり取りをする中で人流も見てきていますが、沖縄県の方々も言われていますけれども、約10万人の方が連休中に沖縄県を訪問されたようであります。これは例年に比べるとかなり少ないのですが、10万人というインパクトで。連休前はかなり減少傾向が見えてきていましたので、我々もこれでいい方向にいくと思ったのですが、相当呼び掛けもし、また、那覇空港で、体調が悪い方に検査を呼び掛けたりもして、そうしたこともやりながらですが、やはり一定の数の方が訪問されたという中で感染が広がったものと。連休後半からぐっと増えてきていますので、そこは大きな要因だと思います。
 それから、沖縄の様々な文化、慣習の中で、親しい仲間で酒を飲み合う、定期的に飲み合うという、そういった風習もあり、また、特に閉鎖的な離島ではどうしても近い仲間同士の近い距離での接触もある。そうした慣習、文化の中で感染が広がってしまったということだと思います。
 変異株については、いわゆるα株と言われるものについてかなりの数になっていますので、δ株とかベトナムで言われているようなものが何か特に広がっているという報告は受けておりませんので、英国で変異されたα株だと思いますけれども、これがかなりの程度広がっているということであります。
 昨年も分析を行いましたけれども、ゲノムの解析なども今後行って、昨年の沖縄の感染拡大は、やはり東京の新宿で発生した株が、ウイルスが沖縄にも広がったということが分かっていますけれども、様々なゲノムの解析は今後、またさらにやっていきたいと考えておりますが、いずれにしても、そうした状況の中で、沖縄県はもう既にお酒、カラオケの停止をして対応していただいている中、あるいは時短もかなり広い範囲で行っている中で人流の減少傾向は見えてきていますので、ここへきてさらに強い措置を取られるということで。特に学校の休校が県民の皆さんには物すごく強いメッセージになるようであります。その上にイベントの中止であるとか、大型店への休業要請ということで、かなり強い措置を取られますので、これによってさらなる人流が減り、そして人と人との接触が減ることによって、おっしゃるようにワクチンの接種が進むまで何とか我慢していただいて、ワクチン接種も6月21日以降は職域の接種、多くの企業で、団体で手を挙げていると河野さんとも今朝話しました。河野大臣の下で様々調整しながら、できるだけスムーズに対応できるということで。また、中小企業の皆さんも、大企業ばかりかというお気持ちはあるかと思いますけれども、商工会議所とかまとまったところで対応できるように、どういう支援ができるか今、検討しているということで官房長官からも表明があったと思いますし、河野さんの下で今、整理されていますので、そういった中で。
 もちろん、ワクチン接種をされればご自身の重症化予防、感染予防にもつながってくるわけですけれども、自身が打っていなくても周りの人が多く打っていただくことで自身の感染は下がりますので、ですから、もちろんそれぞれの皆さんが早く打ちたいという気持ちがあると思いますけれども、多くの人が打つということ自体が自身を守ることにもなりますので、着実に進めていきますので、特に6月21日以降はそうした職域、大学、こういったところで複数のチャネルで、とにかく今、50万、60万はもう毎日接種が進んでおりますので、1,400万人を超えたと思います。かなりのペースで今、進んできておりますので、1日も早く100万人接種できる体制にしながら、沖縄県においても国としても支援を行いながらワクチン接種を進めていきます。そうした中で、これが進むまでの間、是非、今は我慢していただいて、知事も呼び掛けられていますけれども、夏に沖縄に行けるような、そうした状況をつくるためにも、今は我慢してとにかく感染を抑える。そして、本当に医療界の皆さんが必死で対応されて、何とかやりくりされて今、対応されていますので、この負荷を軽減するためにも、とにかく今は我慢をお願いしたいと思います。
(問)新型コロナウイルス感染症と東京オリンピック・パラリンピックについてお伺いいたします。
 6月2日国会で、感染症対策分科会の尾身茂会長は東京五輪について、このパンデミックで普通はない。そもそも五輪をこういう状況の中で何のためにやるのかと述べて、政府と大会組織委員会、東京都には、東京五輪開催のリスクなどについて説明責任があると述べられました。尾身会長の発言に対して菅義偉首相は2日の夜、首相官邸で記者団に対し、感染対策をしっかり講じて安心・安全な大会にしたいとだけ延べ、感染対策の具体的な説明はありませんでした。そもそも、五輪をこのパンデミックの状況で何ためにやるのかという尾身会長からの根本的な問い掛けへの回答もありませんでした。
 観客を入れて五輪開催を決行した場合、感染拡大は起こらないと言い切れるかどうか、第5波を招いた場合の責任は誰がどう取るのか、コロナ担当大臣である西村大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
(答)尾身先生とは、本当に私自身は毎日意見交換をしておりまして、状況の分析、そしてそれに対するご意見、考え方など様々伺っておりますし、尾身先生の考えておられることはよく承知しているつもりであります。
 今日の国会でも、先ほど厚労委員会で少し答弁をされていましたけれども、感染症専門家の常識で言えば、パンデミックというのは、尾身先生に聞くと、国際的な、全世界で起こっているパンデミックという言い方をされていましたけれども、日本のことというよりかは全世界でこれだけ感染が広がっている中で、全世界的なイベントは本来ならやらないというのが感染症のこれまでの常識ではないかという趣旨で言われたものと私は理解しています。
 その上で今日、全て答弁を聞いたわけではないですけれども、オリンピックをやる意義とか目的とかも少し触れられていました。総理が言われた、スポーツや平和の祭典という趣旨に加えて、選手の皆さんが1年間延期される中で努力されてきた、そのことの成果を是非発揮されるような場面を作ってあげたいという気持ちは尾身先生自身もあるということも表明されていたと思います。
 そして二つ目に、やるとすれば対策を徹底して、このリスクを最小化する、そうした取組みが必要だという趣旨を述べられていました。このことを尾身先生との話も含めて私なりに整理すると、三点申し上げたいと思いますが、一つは海外から来る人のリスクはかなり減少することができると。オーストラリアのソフトボールのチームが栃木県に今、行かれていますが、全員ワクチンを2回接種してきている。そして、毎日検査するということであります。
 同様のことが、海外からオリンピック関係者が5万9,000人ですか、ちょっと今、手元に正確な数字はありませんけれども、来られる中で基本的には選手は全てワクチンを打ってこられる。それから、橋本会長、あるいは丸川大臣とも私は毎日やり取りしていますけれども、お話を総合すると、それ以外の方々にも基本的には打ってもらうようにということでIOCと話をしていると。途上国の方で打ちにくい方向けに、たしかカタールとルワンダですか、何か2箇所場所を作って、そこで接種してもらって来られるような仕組みも作るというようなことは、これは報道でも見ましたけれども、様々な工夫がなされて、海外から来る人は基本的にワクチンを打ってもらう。
 さらに、体質的に打てない方もおられますので、そういった方も含めて、接種されていない方には毎日14日間PCR検査をするというようなことも含めて、海外から来る人のリスクはかなり減らせるものと思っています。ここは尾身先生もそれに近い趣旨の発言をされていると思います。
 二つ目が課題でありまして、国内で様々なオリンピックに伴って人の移動が起こる。これは感染の高い地域、高くない地域も含めて、地方でも公民館に集まってパブリックビューイングでやろうと。これが50人の単位なのか、あるいは1,000人の単位なのか、様々計画はあると思います。そういったことで感染のレベルが低い地域であっても、100人、200人が集まって、さすがに日本人選手が金メダルを取ったらみんなで大きな声を出す、それはあり得ます。そういったことについてのリスクで、そこで終わればまだあれかもしれませんが、その後、じゃあ、みんなで一杯飲もうといってどこかでお酒を大人数で飲むと、これまたリスクがある。こういったことを含めて、特に人の移動が起これば、そこで接触が起こるということであります。
 競技場内は、これまでプロ野球やJリーグが我々も協力をして実証をやってきたように、そこで何か感染が広がったということはありませんので、かなり競技場でのリスクも減らせると思いますが、人の移動によっていろんなことが起こり得る。感染リスクが高まるということで、これを最小化しなければいけないということで、三点目でありますけれども、尾身先生も今日、少し答弁されていたと思いますが、ワクチンや検査、PCR検査のみならず抗原検査キットもかなり精度は上がってきていますので、これをどう活用するか。それから、今日少し言及されていました下水の調査とか、IT技術を使う。こういったことを含めて、新しいテクノロジーで感染を最小化する、リスクを最小化する、そういったことの努力が必要だと。そして、それを行う、実践することが必要だということだと思いますので、そういう意味で、尾身先生をはじめ専門家のご意見も私どもはしっかり受け止めながら今、関係者一丸となって、安全・安心の大会にしていこうということでありますので、私自身も丸川大臣、あるいは橋本会長としっかりと連携しながら、まずは今の緊急事態宣言で感染レベルを抑えて病床を確保する。特に病床については、これまで対応していただいています医療機関、さらにはワクチン接種もお願いしています、一般の医療もお願いしています、それにオリンピックの医療。どうしても熱中症が出たり、けがや骨折やいろんなことが起こりますので、この対応も必要となりますので、何重にも負荷がかかります。これが大丈夫なように今の感染レベルを抑えて、医療体制を確実なものにするということに全力を挙げていきたいと思いますし、その上で安心・安全な大会になるようにこのリスクを下げていく。そのために専門家の意見も聞いて取り組んでいきたいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)