西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年5月11日

(令和3年5月11日(火) 11:03~11:42  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 まず、コロナの関係で感染状況など申し上げます。
 まず、明日から、緊急事態宣言が延長されまして福岡、愛知が追加されるということであります。また、まん延防止等重点措置も延長され、北海道、岐阜、三重が加わっているということであります。
 全国的に増加傾向が続いておりまして、全国で直近10万人にあたり30人という数字になっております。ただ、検査件数がばらついております。連休中は非常に少なくなっていますので、それが連休明けに検査件数は増えていますから、その分、陽性者の数がちょっとまとまって出てきている傾向があります。ですので、そのあたりの分析を専門家の皆さんと一緒に進めているところであります。
 東京、大阪ともにステージ4を大きく超えております。緊急事態宣言が延長されて、それぞれの取組みが実施されることになります。
 それから、毎日のようにそれぞれの知事と連絡を取り合っておりますけれども、昨日何人かの知事とお話ししました。福島県の内堀知事、岡山県の伊原木知事、長崎県の中村知事、熊本県の蒲島知事、宮崎県の河野知事、それぞれ県下の感染状況などをお伺いし、病床の状況などをご説明いただいて、それぞれの知事が非常に強い危機感を持って対応しておられますが、そうした危機感を共有しているところであります。
 まさに昨日、国会でも申し上げましたけれども、何か感染拡大の兆しをつかんだときに県独自の時間短縮要請を行ったり、あるいは県独自の非常事態宣言、あるいは緊急事態宣言、こういったものを発出されて県民の皆さんに強いメッセージを出されること、早い段階で取り組まれることが非常に有効であります。
 その上で、3県の知事、福島県、長崎県、熊本県の知事からはまん延防止等重点措置の適応について要請があったところですけれども、それぞれの県で取組みをされていますので、それぞれの知事のリーダーシップに期待しながら感染状況、先ほど言いましたように連休中少なかった分が急に出てきている部分がありますので、そういった分析あるいは病床の状況の分析、こういったことをそれぞれの県と一緒に連携しながら進めていきたいと考えております。いずれにしても、専門家の意見を聞きながら、必要となれば機動的に対応していきたいと考えております。
 これが全国の検査件数で、今、10万件を超える件数の日もあります。昨年の4月、5月が数千件から1万件以下でしたので、PCR検査も能力的には20万件できますし、今、10万件を超える時期であります。そして、ご存じのように日曜日はいつも少し減るわけですが、連休中こういう形で数日間非常に低い数字が続いております。そして、連休明けに増えておりますので、この間、検査が少なかった方が平日になってされている、あるいは昨日もされている、あるいは報告も少し遅れて出ることもありますので、この辺を少しならして見ないといけないと思っています。
 他方、前のページで、全国で重症者の数が1,176名ということで、人工呼吸器を要する方も724ということで、もうピークを超えておりますし、ECMOは2,600台ありますけれども、昨年夏と同等ぐらいの70件、70人の方が使用されているということであります。人工呼吸器も、3万5,000台ありますので十分確保しております。ECMOも研修を行って、ECMOの場合は人工肺ですので1人の患者さんに何人もの看護師さんが付きますけれども、そうした対応ができる方を昨年の補正予算で2,000人以上の研修を行ってきておりますので、しっかりと対応して人工呼吸器、ECMOを装着されている患者さん、重症の方の命を守るべく現場で全力を挙げていただいています。医療に従事されている皆さま方に改めて感謝申し上げたいと思います。
 宮城県ですが、今申し上げましたが、4月5日にまん延防止等重点措置をやりましたが、3月18日、かなり感染者が増えたということで十日以上前に県独自の緊急事態宣言的なものを発出されて、そして、25日だったと思いますが独自の時短をスタートされた。それによって、青が夜の人流、緑が昼間の人流ですけれども、夜の人流を大きく減らしています。そして、まん延防止等重点措置でさらにそれが減って、ピークから比べると5割ぐらい減っています。まん延防止等重点措置は昼間に休業要請などは行いませんので、昼の減少は1割ぐらいにとどまっていますが、夜の減少がやはりかなり有効に効いていまして、これだけの感染者の減につながっています。ということで、まん延防止等重点措置を解除したわけであります。
 申し上げたいのは、昨日も国会で申し上げましたけれども、状況を分析しながら私どもはまん延防止等重点措置を機動的に対応していきますが、感染が広がってきた段階で県独自の対応とか時短であったり、緊急事態措置を発出されること。これを宮城県の場合は村井知事が対応されたわけですけれども、強いリーダーシップを発揮されたことによって人流を減らし、人と人との接触が減り、感染者の数を減らすということであります。昨日も申し上げましたけれども、仙台市が非常に厳しい状況にあったということで、保健師さんの派遣、国、県、市が連携して取り組んでいった一つの事例であります。
 6、7日、連休明けですけれども、首都圏で朝の通勤の数が4割弱減、関西圏で3割減ということで、連休後の6、7日でありますので引き続き休んでおられる方も多いと思いますけれども、テレワークを引き続き強く経済界には要請していきたいと考えております。
 もう昨日の国会でも議論がありましたけれども、大型連休の時は多くの企業が休みになり、平日会社に行くというのが非常に少なくなるわけです。平日がそもそも少ない中で、本来なら人の動きが活発になる時期に休業要請、イベント無観客、こういうことをやることによって、できるだけステイホームということで、この機会を捉えて強い感染力の変異株の感染を抑えていこうということをやったわけであります。これは集中的に大型連休の機会を捉えて行ったわけであります。
 連休が終わると、今度は多くの皆さんが平日は会社や学校に行くようになるという中で、特に通勤の方々に対して、平日の人流を、昼間の人流を減らすのはやはりテレワークであります。これを強く求めていきたいと思います。出勤者数の7割削減を目指して、今日夕方、経済団体ともテレビ会議を行います。要請を行いたいと思いますが、企業の皆さんには、できる限り実施の状況を開示していただきたいと考えております。学生たちにとっても、どういう会社を選ぶのかというこれからの時期に、そうした企業をしっかりと選んでいただく、そうしたメッセージを公表していただきたいと思います。
 働きかけを行った上で、特に上場企業はテレワークの状況、出勤者数の状況を公表していただく、多くの皆さんに分かっていただく。また、私どももホームページ上にそうしたもののリンクを貼っていく。そして、そうした情報をいわゆる就職支援事業者にもお伝えして、就職サイトにも幅広く周知していく。私どもも取りまとめて公表していきたいと思いますので、是非、一段とこれまで以上の取組みを企業の皆さんにはお願いしたいと思います。いわば、もう「新たな日常」の象徴でありますので、去年の今頃、1年前の経験から何度も経験しておられるわけでありますので、是非、そうした経験を生かしていただいて、協力にお願いしたいと思います。
 支援策も今、ちょうど公募を行っておりますけれども、IT補助金、上限150万円、これは1月8日以降の支出が対象です。また、テレワークの補助金、厚労省の上限200万円で、これも申請した、実施計画の認定日以降、こちらが対象ですけれども、年度内にずっと申請を行っておりますので、是非、活用して対応していただければと思います。特に中小企業の皆さんはこうしたものを活用していただいて、一歩前に是非進んでいただけるとありがたいと思います。もうデジタル化は待ったなしでありますので、新しい時代、コロナを機として社会全体、経済全体が大きくデジタル化に進んでいく中で、新たな日常の象徴としてテレワーク、リモートワークを是非推進していただきたいと思います。
 そして、本日朝の閣議後、関係省庁においても関係団体の要請などをお願いしたところですが、併せて政府としてもこうしたテレワークを活用していくことを含めて、出勤者数7割削減を目指して取り組んでいただくことを各大臣にお願いしたところであります。
私の下でも随時公表していきますが、コロナ室はなかなか厳しいですけれども、日々の対応、現場の対応があって厳しいですが、10人程度ずつ、特に情報分析などをする部局、部署の人たちにはお願いしておりますし、経済部局全体としては5割を超える皆さんにテレワークで対応していただいております。関係各省でも率先してこうした取組みが進むことを期待したいと思います。各大臣にお願いしたところであります。
 それからモニタリング検査についてでありますが、昨日国会でも議論になりましたが、連休前の最終週、4月26日から5月2日の週、検査を3万1,000件行いました。これは前の週に配った2万5,000件、青が配った件数です。その週配った2万4,000件のうち、回収されたものが出てきているわけであります。
 そして、連休中はちょっと企業、大学などが休みになるものですから配布が少なかったわけですが、1万4,000件ということですけれども、連休前は3万1,000件ということであります。
 先週もお話ししましたけれども、このうちの56名が陽性ということで、大阪が35名、陽性率が非常に高く出ています。そして先週、連休中も16名の陽性者で、ここは福岡が非常に多く出ています。感染が拡大してきている現われだと思いますけれども、基本的に無症状の方々を対象で取り組んできています。今週以降、これまで駅、空港などで、いわゆるスポット的に行ってきていることに加えて、さらに今後、より重点的に行うということで企業、団体、それから大学など、クラスターが若い人たちを中心に発生する、そういった場所、場面に重点を置いて検査を進めたいと思っております。
 今週以降、今調整しているところで幼稚園、保育園、ここも国会でもそういった方々への、保育士さんや先生方に行ってほしいということで672団体、それから大学等、専門学校などを含めて236団体、企業605団体と調整しておりまして、そうした合計1,540団体と詰めを行っておりまして、そうしたところに配布し検査を進めていきたいと思っております。
 その上で、陽性疑いとなった場合に保健所、医療機関と連携しながらその企業、その地域、その団体、そういったところに集中的に行政検査を行うことなどによって感染源を特定していきたいと思いますし、感染拡大を防いでいきたいと考えております。さらに今、この陽性の疑いの出た方々に対して、年齢や職種などの分析も進めているところでありますので、そういった情報と併せて保健所と連携して感染源を特定していければと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)大臣からご説明があった企業に対するテレワークの実施状況の開示の要請についてですけれども、具体的な開示方法ですけれども、各企業が例えば1週間ごとの状況についてホームページ上に開示するとか、その頻度であるとか、また、四半期ごとの決算短信も発表していますので、そこに記載するとかいろいろ方法があると思いますけど、大臣、政府として想定されている実施状況の開示の具体的な方法についてあれば伺えないでしょうか。
 もう一つ、大臣は週末にご出演されたテレビ番組で、テレワークの実施の取り組みについて、コーポレートガバナンス・コードに取り込むことも検討とご説明されましたけれども、既にコーポレートガバナンス・コードはパブリックコメントにかけられて、来月6月から適応される予定となっておりますが、そこに追加で盛り込むようなこともお考えなのでしょうか。
 あと、ちょっと話題が変わりますけれども、経団連の会長人事ですけれども、中西会長が健康上の理由で6月1日付をもって退任されて、後任会長に住友化学の十倉さんが決まりましたけれども、中西会長に対するこれまでの功績と、新たな会長になる十倉さんに対する期待について受け止めをお願いできないでしょうか。また、中西さんは経済財政諮問会議の民間議員を務めていらっしゃいますけれども、中西さんの経団連会長退任に当たって、この民間議員の交代というのはどのように考えているでしょうか。
(答)まず、テレワークについては、先ほどお示ししたとおり、それぞれの企業で公表していただくと同時に私どもも取りまとめて公表したいと考えていますし、また、就職支援サイトなどでも幅広く周知していきたいと考えております。
 特に上場企業の皆さん方には是非取り組んでいただきたいと考えていますし、また、商工会議所、これは地域によってかなり規模とか差もありますので一律にということはなかなか難しいと思いますが、できる限りお願いしていきたいと思っております。
 もちろん、製造業も現場で汗を流しておられる方はおられますし、サービス業でも現場で様々なサービスを提供しておられる業種がありますので、これは卸、小売などもそうです。ですので、やはりエッセンシャルワーカーの方々への配慮ということも必要ですので、そういったことも配慮しながら、対応可能な事務職を中心に是非進めていただければと考えております。
 いずれにしても、企業の実情に応じて進めていただければと考えておりますが、出勤者数7割削減ということを目標に、そのことが人と人との接触を減らし、今広がっている感染を抑えていく、特に変異株という非常に強い感染力を持っているこの感染拡大を抑えていくことに極めて重要だと考えております。平日の通常モードに戻っていく中で、平日の人流を抑えていくことは重要でありますので、ご協力いただきたいと思います。
 その上で、具体的な手順、開示の方法などについては経済産業省などと今、調整しておりますので、具体的なものについては追ってお示ししていきたいと考えております。幾つかの就職支援サイトとも連携して各事業者に対して周知していただくようなお願いもしていきたいと、連携していきたいと考えております。さらに、それぞれの都道府県でもそうしたことを進めていただくために、知事会とも連携して進めていきたいと考えております。
 それから、コーポレートガバナンス・コードは一例で申し上げたわけで、何かこれまで審議会などで議論があるわけではありませんので、常にコーポレートガバナンス・コードを進化させていく中で、こうしたものも一つの検討課題なのではないかということを考えております。
様々な形で、今回、開示ということを求めて、これは要請ベースで求めてお願いしていきますけれども、「新たな日常」の象徴リモートワーク、テレワークを是非、経済全体、社会全体で進めていければと考えております。
 それから、経団連の中西会長は、私も個人的にも非常にご指導いただいてきておりますし、非常に改革マインドのある方でありましたので、しかもお元気になられて、諮問会議でも、リモートでの参加でありましたが、グリーン化についてのデジタルについても非常に前向きな建設的なご意見を言われてきて、発信をされて、私どもとして非常の心強く思ってきたところでありますし、お元気な姿を見ておりましたので、今回、退任されるということで大変残念ではありますが、まずはお元気になられること、健康を第一に、しっかりと療養されること、ゆったりと療養されることをご期待申し上げたいと思いますし、回復されることをお祈り申し上げたと思っております。
 その上で、十倉さんもこれまで政府の幾つかの審議会、会議などでもう既にご経験もある方であります。今後、まず様々な機会で意見交換する機会も多いと思いますし、特にまさに今のリモートワーク、テレワークであったり、あるいは女性、若者、外国人、様々な人材を登用していくコーポレートガバナンスコードの、まさに今改正を考えているところでありますので、そういった新しい取組み、日本の大企業がやはり大きく変わっていただきたいと思っております。これまでの日本の経済、社会を大きく前に進めていく時であります。
 コロナを機に様々なことが浮き彫りになっていますので、デジタル化であったりグリーンであったり、あるいは人材、私の申し上げているヒューマンニューディール、政府も積極的に人材に投資をしていく、民間もどんどんそれに対応していただいて、人材の登用あるいは投資、こうしたことを含めて、全体として労働分配率も上げていかなければいけない。いわゆる賃金を上げていくという、まさに労使交渉が今行われていますけれども、厳しい中でも中小企業を含めて1.8%程度、今、頑張って対応していただいています。全体として賃上げの大きな流れを、やはりこのモメンタムをつくっていかなければなりませんので、そうした日本の経済、社会を大きく前へ進めていく、コロナを機に進めていく、その経団連の介添え役として是非リーダーシップ、ご活躍を期待したいと考えておりますし、是非緊密に意見交換をしていきたいと考えております。
 経済財政諮問会議の人事につきましては、まだこれからどのようにするか考えたいと思います。検討、調整を進めたいと考えております。今のところはまだ何も決まっているわけではありません。
(問)1点確認と1点質問をお願いいたします。まず、確認のほうは、閣僚懇後の今日の大臣の各閣僚への要請というのは、これはテレワークというか出勤者の削減を今日は要請されたということなのかというのと、これまで大臣の下の部局は個別に大臣が実施状況をお話しされていましたが、政府としての実施状況の公表というのはどう考えているのかというのが1点。
 それからもう1つ、内閣官房参与の高橋さんが日本の感染状況についてさざ波という表現をされたことに議論が起きているんですけれども、政府の現状認識からすると、このさざ波という表現はちょっと離れているかと思うんですけれども、この高橋さんへの発言の受け止めと、政府の現状認識についてお願いいたします。
(答)まず1点目の、今日の閣議後の閣僚懇での私の発言ですが、緊急事態宣言が延長されたこと、それから今、申し上げた出勤者7割削減に向けてテレワークなどを経済団体に要請すること、こういったことをお話し申し上げた上で、各省庁においてもそれぞれ所管の関係団体などに対して要請を行われるなどの取組みが徹底されることをお願いいたしました。さらに加えて、政府としても率先してこうした取組みを進めるべく、関係省庁においてもテレワークの活用など、出勤者7割削減を目指していただくことを、そのための対策強化、徹底に取り組んでいただくようお願いをしたところです。ですので、関係省庁から関係団体へのお願いと、関係省庁自ら取り組んでいただきたいということであります。
 それから、河野大臣ともお話しをしまして、こういったことで関係省庁にお願いをするので、また今後の公務員担当として、改革担当大臣として取組みもお願いしましたので、どういった形で今後公表なりをしていくのかを含めて、また相談をして対応したいと考えております。
 それから、高橋洋一内閣官房参与の発言、これはツイッターでの発信についてでありますけれども、高橋洋一さんが個人で発言されたもの、政府参与としての発言ではなく、個人としての発言だと思いますので、そのことについてコメントは差し控えたいと思います。
 その上で、今、私どもが認識していることを申し上げれば、今、大きな流行が起こっていることは間違いがありません。年末年始に起きた流行、これに匹敵する、あるいは地域によってはそれを上回る大きな流行となっております。だからこそ緊急事態宣言を発出して、今この感染拡大、流行を抑えるべく全力を挙げているところであります。特に亡くなられる方もたくさん出ておられますし、また療養されている方もおられます。しっかりと医療提供体制を確保して、そして、その医療提供体制を安定的なものにするためにも感染者の数を抑えていかなければいけませんので、このことに全力を挙げたいと考えております。
 国民の皆さん、そして事業者の皆さんにも本当に様々なご不便をお掛けしておりますけれども、何としてもそれぞれの地域の皆さんの命、健康を守っていくために、是非ともご協力いただけるようにお願いしたいと考えております。
(問)まん延防止等重点措置について、2点お伺いいたします。
 冒頭、大臣がおっしゃいましたように、昨日、熊本県の方から防止等重点措置の適用の要請があったというお話しでした。熊本県についてなんですが、政府としてご判断をいつごろにする方針なのかということを教えていただきたいというのが1点です。
 もう1点が、熊本県以外からも要請を受けたというお話しも先ほどありましたし、このほかにも要請に向けた動きというものがいろいろな県で進んでいることかと思います。これに関連してなんですが、昨日の全国知事会では、都道府県が機を逃さずに対策ができるように迅速な対応を求める、そういった注文が続出しました。そもそもまん延防止は緊急事態に、それを出すほどの状況に至る前に感染を抑え込むというような役割、目的があると理解をしておりますが、現状は適用までに時間がかかっているというような声が出ていることについてお考えをお聞かせください。以上です。
(答)熊本県の蒲島知事とは昨日お話しをしまして、熊本の厳しい状況、10万人当たりも25人を超えてきておりますし、病床使用率も5割を超えてきているということで、厳しい状況を伺っております。そうした中で独自にレベル5の警戒警報を出されて、20時までの時短で対応をしておられるということで。年末年始だったと思いますが、その時も県独自の緊急事態宣言のようなものを出されて、それで知事の強い発信で感染を抑えられた経験もございます。そうしたことも踏まえながら、私ども、先ほど申し上げた、この連休中の少しでこぼこがある数字、検査件数と陽性者の数などの分析を今進めているところであります。特に熊本の場合は陽性率が非常に高くて、16%ということで、異常に高いものですから、検査件数が少ない可能性がありますので、そういったことを含めて、今、分析を進めております。専門家の皆さんにもお願いをしながら分析を進めているところであります。
 ご指摘のように、まん延防止等重点措置はできる限り起動的に対応していきたいと考えております。もちろん状況をしっかりと分析して、必要であればもう機動的に対応するということでありますが、先ほど申し上げたように宮城県の例でいっても、県独自のそうした取組み、熊本の場合もそうです。それから、20時までの時短ということで対応されて、これも効果を持ってくるものと思いますので、人出の状況なども含めてデータの分析を進めて、国としてはできるだけ早く判断をしていきたいと考えております。その判断を待つまでもなく、あるいはむしろそれを先取りする形で強い措置を講じていただくことも大事だと思いますので、いずれにしても、県と連携をして分析を急ぎたいと考えおります。
(問)2点伺います。1つは昨日、全国知事会が会合を開いて、緊急事態宣言を全国に拡大することを検討するよう政府に提言する方針を決めました。宣言を全国に拡大するという知事会の考え方に関して、政府内で検討しているのかも含め、大臣のご認識を伺いたいと思います。
 2つ目は、大臣は冒頭に重点措置の適用要請について、連休中の数字が連休明けに流れているという趣旨で、ならして見ないといけないという発言をされました。これは専門家とも同じ認識なのでしょうか。分析にはどの程度の時間が掛かるのかも含めてお願いします。
(答)まず1点目、2点目、重なりますけれども、全国的に感染が広がっている、全国の1週間の10万人当たりの人数を見ても30人ということになっていますので、これは一番下のデータがそうですが30人となっております。全国の陽性率も平均値で6.9%、今申し上げたように熊本は16.3とか非常に高い。地方部で少し高くなってきています。
 他方、前のページを見ていただくと、これは首都圏3県、病床もまだ頑張っておられて、そして感染者の数も急激に拡大する状況に至らないところで頑張っておられるというか、それぞれの皆さんのご協力があるのだと思いますが、この辺りはまん延防止等重点措置が一定の効果を持っているものと評価をしています。特に東京と隣接する部分で東京と同等の強い措置を講じていますので、それによって感染の急拡大を3県は抑えてきている。ほかが関西圏などで赤が多い中で、黄色で踏ん張っている状況だと思います。
 この意味で、先ほどのまん延防止等重点措置のお話しがありましたけれども、適切にまん延防止等重点措置を使っていけば、宮城のように、あるいは愛媛もかなり改善をしてきましたし、首都圏でもこういう形で踏ん張っていますので、機動的に、そして適切に使えれば、まん延防止等重点措置も一定の効果を持ってくるものと思っています。特に先ほどの話で地方部は、やはり県庁所在地にかなりのものが集中しておりますので、そこで重点的に打っていけば効果を持つものと思います。首都圏でもこのような形で、適切なタイミングで適切な範囲でやっていけば、感染急拡大を今、抑えている状況ですので、こういった効果を持つものと考えています。
 その上で、全国で厳しい所を挙げていますのでかなり赤い状況が続いている所が多いですけれども、まず全国的に感染が広がっている状況にあるのは、認識を、強い危機感を持っているところです。他方、ゼロの所はかなり減って、昨日は無かったと思いますが、他方、1桁の県も何県かあって、そうした県では、例えば県民の皆さんに県内の旅行を推奨するなどの支援を行うなどの措置も行っています。10県ぐらいかと思いますが、国も支援する形で行ってきておりますので。そういう意味で、全国に今の段階で一律に掛けると、不要不急の外出自粛を全県、そうした県も含めて、感染が広がっていない県も含めて掛けていくことになりますので、これは法律上、強い私権制約を伴うものでありますから、その辺りは慎重に考えていかなければいけないと思います。
 今回、連休前に私も様々なこと、いろんなシミュレーション、いろんなことを自分なりに考えました。これは昨年の今の時期、連休の時には全国に緊急事態宣言を発出して、特にあの時点ではこのコロナというものがまだ十分によく分かっていなかった。そして全国の移動を止めるためにそれをやらなければいけないということで、連休前に全国を対象にしたわけでありますが、かなりのことが分かってきている中で、さらに感染が非常に今は少ない県もあるという中で、いろんなことを私自身は考えましたが、やはり感染が急拡大している地域に緊急事態を発出すべきだという判断をしてきているところであります。特措法上の議論でも、私権の制約に伴うことは慎重にというのがそもそもの大前提でもありますので、そういった認識をしております。
 ただ、ご指摘のように、かなり全国いろんな地域で感染が広がっておりますので、そして緊急事態宣言の下で全国の全市町村に対策本部が置かれていますから、それぞれの地域の実情に応じた対策をやっていただくということになります。
 その上で重点措置についても、連休中の検査件数、あるいは今申し上げた陽性率は異常に高い所もありますので、検査件数などを含めて状況の分析を進めています。私どもも進めていますし、専門家の皆さんにも、いわゆるいつも申し上げている、毎日の報告数だけじゃなくて発症日別のエピカーブといわれる、これによる分析も進めてもらっておりますので。今日もまたそのことを専門家と午後、意見交換する予定にしておりますが、いずれにしてもそうした分析を進めて、感染が急拡大し厳しい状況になっている所についてはできるだけ早く判断し、必要となれば機動的な対応をしていきたいと考えております。

(以上)