西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年4月27日

(令和3年4月27日(火) 10:40~11:12  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から何点かコロナの関係と、それから、朝開きましたデジタル市場競争会議についてご報告します。
 まず、デジタル市場競争会議についてでありますが、デジタル広告市場の競争評価の最終報告の取りまとめを行いました。
 コロナ禍におきましてデジタル広告が抱える様々な課題について整理した上で、これら課題を解決していくために、デジタルプラットフォーム取引透明化法の対象にデジタル広告市場を追加するなど、必要となるルール整備を進めていくことといたします。
 このデジタル市場を巡っては、欧米においても様々な動きが今、進んでいるところでありますけれども、具体的なルール整備を我が国が世界に先駆けて行う可能性が高いと考えております。
 今後、取引透明化法については所管する経済産業省が法制的な検討を進めていくことになります。私の方では、このデジタル広告市場の具体的ルール整備に向けまして、国際的にしっかり発信して、他国とも連携しつつ関係省庁の連携を引き続き確保し、政府一体となって進めていければと考えております。詳細はこの後、事務方から説明させていただきます。
 それからコロナ対策の関係で、今回の緊急事態宣言におきまして、各自治体、関係団体にも幅広くお願いする中で、政府としてもこれまで以上に広く各省と連携して取り組むことといたしました。
 お手元に資料をお配りしていますけれども、ちょっと小さい字ですので、もうポイントのみ申し上げます。
 今回、関係業界に幅広くテレワークやローテーション勤務、時差出勤など出勤回避、7割削減をお願いしております。公園管理者に対しては、いわゆる路上・公園飲みと言われる、特に公園についてそうしたことの自粛を求めるよう国交省から要請いたします。路上飲みに対しても自粛を呼び掛けるように取組みを進めていきます。また、車内で大声を上げたりする、そうしたリスクについて呼び掛けを徹底してまいります。それから、駅構内、あるいは新幹線などでの酒類販売の原則停止をお願いしております。
 それから、教育関係。大学などで懇親会、課外活動、特にまた最近、大学での運動部を中心としてクラスターが幾つも発生しております。このことに対し、制限、自粛、こういったことの要請を行っておりますし、さらにしっかりと徹底していければと考えております。それから、大学等におきましてオンラインの授業も活用していくということであります。
 それから、モニタリングの報告が上がってきました。これは後でちょっと詳しくお話しします。
 それから、全ての飲食店等に対して要請に応じていただけるように、またガイドラインの徹底を呼び掛けてまいります。啓発活動も徹底的にやっていきます。
 そして、SNS、テレビCMで若い世代の方を起用するなど、発信も強化してまいります。
 それから、在留外国人への情報提供。これも徹底して、入管庁のホームページ、その他、様々な形で情報提供。外国人コミュニティーでやはりクラスターが発生しておりますので、情報提供をしっかりと行っていきますし、技能実習機構におきまして取組みを徹底していただけるように、状況を確認するような取組みを進めてまいります。
 それから、医療機関に対しては、引き続きコロナ重症患者の受け入れ、医療従事者の派遣等。これも後ほどちょっと申し上げます。それから、既に受け入れておりますが、自衛隊の関連病院でコロナ対応をしていただいています。
 それから、7割削減を目指して出勤回避。各府省、政府においてもこうした取組みを進めていただければと思っております。
 今日、閣僚懇談会におきまして、私から各省にこうした取組みのお願い、それから7割の出勤削減について要請いたしました。
病床についてですが、特に大阪が非常に厳しい状況にあるということで、看護師の派遣について、国の関連する様々な病院、大学病院や共済病院、それから国立病院、労災病院、あるいは企業の、NTT、JR、JAなどの病院、警察病院などもお願いしまして122名の看護師を確保し、順次派遣を行っていっております。122名のうち、重症化対応ができる看護師さんも83名確保しております。これ以外に、大阪府は看護協会などから80名~90名を確保していますけれども、国の方でこれだけの派遣を行うこととしております。
 病床についても、大阪府、兵庫県、奈良県、それぞれ厳しい状況にありますので、こうした公的な病院、あるいは企業母体の病院について働き掛けを行いまして、139床を確保いたしております。国とそれぞれの府県で連携してこれだけの確保をいたしております。
 今朝、兵庫県、奈良県の知事とも話しましたが、兵庫県でやはり看護師が足りないということで122名を確保しておりますが、大阪に順次派遣しておりますけれども、まだ全て派遣することとなっていませんので、多少の人数の融通は利くと思いますので、兵庫県への派遣も今、調整を始めております。
 それから、奈良県の知事とも話しました。病床をさらに何床か、感染症法を活用して要請を行って、上乗せができるという見込を聞いております。
 それから、奈良県との関係で、もう既に農水大臣からも表明があったかもしれませんけれども、GoToEat­の食事券について、今日から追加販売を行うということが何か公表されていたようでありまして、このことについて知事とも話しました。今、この時期、これだけ病床が厳しい状況にあり、また、時短も検討されている。特に私からは、この大型連休の時期に、この機会に徹底した対策で封じ込めてほしいということを申し上げて、20時までの時短、あるいはカラオケの自粛とか、こういったことを含めて徹底した対策をとる、そういうタイミングでありますので、このGoToEatの販売についても控えられたほうがいいということで申し上げました。知事もそのようなお考えのようですので。最終的に今日午後、本部を開いて対策と同時に公表されるのではないかと思いますが。
 いずれにしましても、奈良県の病床は非常に厳しい状況でありますけれども、感染者の数も非常に多い、そういう状況であります。基本的に大阪で感染してというケースが非常に多いようでありますが、いずれにしましても、奈良県内の対策も、この大型連休を機に強化すべきときですので、いわば独自の緊急事態宣言的な措置を講じていただけるように私から要請を行い、そのような方向で対応されると理解しております。
 これ、まだ先週時点、木曜日までのものしか出ておりませんけれども、繰り返し申し上げているとおり、昨年春は7割削減まで出勤者の数は減ったわけでありますので、今は2割程度。首都圏も関西も、これを是非7割まで引き下げるように昨日、経済界にもお願いしたところであります。知事会にもお願いしたところであります。
 そして、これは25日の人出。休日です。日曜日の昼15時の人出は一定の、東京駅よりも繁華街の新宿、センター街、この辺りもかなり減ってきておりますが、まだ1月の緊急事態宣言の一番厳しい時までは至っていないようでありますので、引き続きお願いしていきたいと思います。
 関西圏は、大阪の梅田はかなり減っています。他の地域でも少しずつ減ってきていると思います。昨日もご質問いただきましたけれども、それぞれ知事から休業要請をしていただいております。生活必需ということで、食料品、あるいは医薬品、ドラッグストア、あるいはガソリンスタンド、こういったところは私たちの生活にとって不可欠なものでありますので、当然除外、例外ということにしておりますが、それ以外のところについて幅広く、この機会に変異株の拡大を抑えるという観点から休業要請などをお願いしていただいています。それぞれの知事で丁寧に事業者の皆さんに理解を求めていただきながら協議を進めていただいて、事業者の皆さんには支援策も用意させていただいていますので。特に雇用調整助成金は1人1日1万5,000円まで、これはパート・アルバイトのシフト減まで含めて全額国が支援させていただいていますので、雇用をしっかり守りながら休業も対応していただけると思います。協力金なども用意しております。また、イベントについては最大2,500万円までのキャンセル料などの支援もありますので、是非、事業者の皆さんには要請にできる限り応じていただけるようにお願いしたいと思います。
 平日は、26日の昼15時、昨日の15時ですけど、新宿駅、渋谷などでも減少は見られますが、今回、昨年並みの、是非、この大型連休を機に対応していただければと思います。
 関西圏でもかなり減少が見られてきております。
 これは休日の百貨店周辺。飲食部門など、食品販売部門など休業していただいていますので、応じていただいたところは、やっぱりすごく人出は減ります。これはやはり休業、店が閉まると人が出るのも当然減るわけでありますので、是非、ご協力をお願いしたいと思います。
 大阪のEXPOCITYとか豊洲のららぽーともかなり人出が減っておりますので、国民の多くの皆さんもご理解いただいているのかなということで、引き続きご協力をお願いしたいと思います。
 そして、モニタリング検査についてであります。
 これまで合計で8万1,000件配布させていただきました。先週、19日から25日までで2万5,000件配布させていただいています。そして、よくご説明申し上げていますけれども、最初は栃木県で始めたわけですが、1週目で565件配らせていただいて、2週目にそれが送られてきて、そして検査が行われるということで536件の検査を行っています。従って、結果は大体1週ずつずれていくということで、先々週1万6,000件配らせていただいて、1万5,000件が回収できています。そして、その結果22件の陽性。これまで累計では53件ということですが、陽性疑いということで。
 内訳を見ますと、22名のうち東京8名、大阪6名等々出てきています。
 配布数について申し上げると、東京でも1万1,000件、先週は3,600件配ってかなりの数になってきました。大阪も2万1,000件。
 今、分析を進めておりますが、これまでスポットで駅とか空港とかで行ってきたことに加えて、やはり若い人の感染を探知する、無症状の人を特定していくということで、学、それから国会でも様々議論をいただきまして。高齢者施設はしっかり従事者の方々は検査を行っていますけれども、いわゆる保育園、幼稚園、必ずしも変異株で子どもが感染しやすいとか重症化しやすいというエビデンスの明確なものがまだあるわけではないですが、そうした要請にも国会でのご議論、あるいは様々な要請のも応えていく観点から、幼稚園、保育園で働いておられる保育士さんとか教諭の方々、それから感染が拡大しているエリアの事業所、作業現場、こういったところを今、増やしていっております。大学もかなりの数、協力を今、いただけるようになっておりますので、これからそういったところに重点置いて無症状の方の検査を増やしてまいります。
 先週の配布が2万5,000件ですので、7で割ると1日3,000件~4,000件、3,500件程度になりますが、4月中にはもう5,000件にはなると思いますし、5月には1日当たり1万件になるように、まずは検査の量を増やしていくと同時に質を変えていく。感染源を特定していくために、感染が広がっているそれぞれのエリアの地域の大学とか幼稚園、保育園、それから作業所、作業現場、工場、こういったところを今、増やしていっていますので、是非、このモニタリング検査で無症状の人を特定しながら感染源を捉えていく、そういったことも進めていければと考えています。
 私から以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど、西村大臣は外国人コミュニティーの中でクラスターが発生するということをおっしゃいましたが、もっと詳しい情報はありませんか。どういったところでクラスターが発生しているのでしょうか。
(答)過去にも何回か整理して発表させていただいたことがありますけれども、要望ということであれば、また改めて整理したいと思います。
 この間、様々な宗教的な行事が教会などで行われて、そこでの感染拡大が見られるケースがこの春、何カ所か出ています。それから、二つ目に、これはマスクを着けるとか、慣行が日本人と違うこともありますので、内閣官房のホームページで、私どものcorona.go.jpのホームページにおいて17カ国語でダウンロードできるように様々な対応についてご説明し、また、チラシとして、パンフレットとして使えるように対応してきていますけれども、そうした慣行の違いから、大人数で食事をされたり、あるいは技能実習生でいわゆる様々な寮生活などをされている方、こういったところでクラスターがこれまで発生してきています。
 一度また整理したいと思います。いろんな情報は私どものホームページに過去のものも含めてデータとしてお示ししておりますけれども。何か外国人に対して差別的なことがないように、これは注意して対応しなければいけませんけれども、どうしても慣行が違うということ、ハグしたり、日本人の場合、なかなか抱き合って何とかってあんまりないわけですけれども、外国人の場合はどうしてもハグするような場面もあるようです。これは外国人の多いスポーツクラブでもそういった例が過去には出ています。そういったことで、外国人に対しても、特に宗教的な行事が節目で行われますので、そういった場面で注意喚起を徹底していきたいと考えております。
(問)先ほど、奈良の知事とのやり取りなどをご紹介いただきましたけれども、他の都道府県で、沖縄などは宣言の要請なども検討したいと現地で知事が発言しております。また、徳島のほうも数字が上がってきて、現状、要請を検討されていると伺っておりますし、岐阜、三重のほうでも週内には要請したいという、これは地元のご発言でございました。そういった地域の知事との現状のやり取り、見通しなどがあれば教えてください。
(答)沖縄の玉城知事とも、それから今ご指摘のあった徳島、岐阜、三重、それぞれの知事ともやり取りをさせていただいていますし、それ以外の知事も、宮城県の知事をはじめ、愛媛県の知事、感染が拡大している地域の知事とは様々やり取りを行っております。また、今日も、特に九州で少し感染が広がっているようでありますので、九州の知事とも話をしたいと今、調整しているところであります。
 いずれも変異株の拡大を含めて、それぞれ強い危機感を共有しているところであります。特に沖縄県の場合はまん延防止等重点措置をもう既に講じておりますので、その中でさらに強い措置もとれますので、今回、首都圏3県で対応したような措置もとれることも含めて知事にはお話ししております。病床の状況、それから感染の状況、少し実効再生産数が1を切る状況になってきているのではないかと思いますが、知事とお話ししたときはそんな状況を確認したところですけれども。
 しかし、いずれにしても感染状況は非常に高い。沖縄の場合は感染状況が非常に高い状況です、6%もありますので。先週比で0.81ということで、少し実効再生産数1を切ってきているのではないかと思いますが、いずれにしても病床も厳しい状況でありますので、この辺りは状況を共有しているところであります。
 それから、岐阜、三重です。岐阜、三重も、それぞれ人数で言えば、陽性者の数で言えばステージ2から3に来ている状況で、陽性率がまだ数パーセント、3~4%ですから急激に上がってきている状況ではありませんけれども、特に三重が、先週クラスターが出ていることもありますけれども2倍になってきています。病床も岐阜よりも少し厳しい状況にあるということで、三重県知事とも何度もやり取りをしています。
 それから徳島です。徳島も、基本的に入院させるという前提で、和歌山も奈良も、兵庫もそうですが、まずは入院させるということでやっていますので、非常に病床の稼働率が高くなっています。奈良は特に、これまで自宅療養はゼロでしたけれども、それがまた増えてきている。自宅療養せざるを得なくなってきているということで、病床の確保をお願いしたという状況です。徳島の知事とも昨日、話しをしております。
 上昇のスピードは1.1で、ただ、感染経路は、これもまたかなりの部分、この辺り、和歌山、徳島もそうですけれども、クラスターの発生でかなり追いかけられていますので、クラスター対策をしっかりやっているということですが。和歌山の場合は、そのクラスター対策をこれまで本当に素晴らしい取組みをされてきましたが、ここにきて人数が増えてくると、これが追い切れなくなると保健所の負担がかなり厳しくなってきているというお話しをさせていただいています。
 奈良の場合は、繰り返しになりますが、大阪由来、由来という言い方がいいかどうか、大阪で感染しているので、どうしても感染経路が追えないということになっています。
 こうした状況をそれぞれの知事と共有しているところでありまして、特に共通の認識を持っているのは、この大型連休を機に特に強い対策、もう既に発信されている県もありますけれども、県独自の緊急事態宣言。これは特に地方部ではこれまでも九州の各県、あるいは茨城県などでとられて、やはり知事の発信は効果を持ちますし、地方部では繁華街の時短、あるいは集中的な重点検査、これは非常に効果を持ちますので、こういった取組みなども話をさせていただいているところであります。
 いずれにしても、状況を日々確認しながら機動的な対応をとっていきたいと考えているところです。
(問)制限が出てから酒類を提供する店に休業要請という話が出ておりますけれども、一方で、提供はしていないけれども持ち込みを可能にしている店が幾つか散見されて人が集まっているというような話も出ております。そういったところに対する対応というのは、提供はしていないというところで過料の対象になるのか、あるいは今後、そういったところにどういった対応をしていくのかというのをお聞かせください。
(答)ちょっと実態をまだ詳しく聞いておりませんので、実態を見ながら対応を考えていきたいと思います。
 とにかく、人出をまず減らす、人と人との接触機会を減らすというのが何より今回大事です。さらに、お酒を飲むことで、これはこれまでもクラスターがたくさん出ていますけれども、どうしても大きな声になる、マスクを外しての会話になる、大きな気持ちになる、そういったことで、特に何人かで持ち込んでやる場合は、大人数で深酒になる場合、これはもう何度もクラスターが発生していますので。同じく、家で食事会をやる場合もクラスターが幾つも発生しています。路上飲みでも発生しています。もちろん、マスクをして静かな環境で距離をとって話す分には、これは感染リスクが非常に低いわけですけれども、変異株はこれまで以上に感染力が強い。しかも重症化するリスクも報告されています。是非、国民の皆さんにはそういったことを理解していただいて、ご自身の命や健康を守るためにも、そして大事な人の命、健康を守るためにも、是非、ご協力いただきたいと思います。
 いずれにしても、今、公園とか路上でのそういった飲み会、こういったことを控えてもらえるように徹底して呼び掛けを行っておりますし、そうした今ご指摘があったようなことについても、しっかりと呼び掛けを行うなど、対応を考えていきたいと思います。
(問)経済の話になりますが、先日、日本商工会議所など、中小企業団体が会見を開いて、今年度は最低賃金を引き上げないように求めました。総理は3月の諮問会議で早期の全国平均1,000円の引上げに言及され、昨日の諮問会議でも民間議員提案で最低の引上げについて言及がありました。日商などの声についてどのように受け止められるのか、そして、今年の骨太に向けてこの件にどのように対応するのかお聞かせください。
(答)日商が4月15日に、最低賃金につきまして現行水準の維持を求める要望書を公表されたと承知しています。最低賃金につきましては、安倍政権になって以降、2013年度以降、7年連続で大幅に引き上げておりまして、昨年度は、これはコロナを機に非常に厳しい状況にあるということで中小企業の状況にも考慮いたしまして、全国加重平均は平均で1円の引上げとなったところであります。2012年度比でいきますと、この間、合計で153円の引上げを行ってきております。
 まさにデフレからの脱却のための最も大事な賃金引上げ、これは大事な要素だと私は考えております。最低賃金も引き上げていく、そうした大きな方針を私どもは持っているわけであります。総理もこれまでも発言されておりますけれども、「賃上げのモメンタムを中小企業や地方に広げ、非正規労働者の処遇改善といった構造的課題にも答えを出すため、最低賃金をより早期に全国平均1,000円とすることを目指す」と発言されておられます。
 日商の出されたアンケート調査などもありますので、よく分析していきたいと思いますが、私どもも様々な最低賃金に関する調査を行っているところであります。その内容について精査、分析を今、進めております。いずれ公表しようと思っておりますが、日商の、商工会議所のデータを併せて分析し、そして、そうしたものを参考にしながら今後の対応を考えていきたいと考えておりますが、いずれにしましても、賃上げは私どもにとって、このデフレ脱却、日本経済の成長にとって最も大事なことだと考えております。
 また、今、まさに労使で交渉が行われておりますけれども、先般公表された第4回の集計結果で言いますと、1.83%の賃上げということで、この2014年以降、2%前後の高い水準の賃上げを行ってきましたけれども、これはコロナの状況ですので厳しい状況になる企業も多いわけですから、そうした中でも企業として前向きな取組みも進めていただいている、そういう企業も多いということで評価したいと思います。2009年から2013年にかけて1.6%台、1.7%台だったこうした時期に比べると、厳しい中でも前向きな取組みをしている企業も多いのかなということで、さらに引き続き真摯な交渉を期待したいと思いますし、中小企業も1.81ということで、かなり大企業と同等の、ほぼ同じような水準で今、賃上げの方向を出してくれております。
 そういう意味で、特に中企業は厳しい状況にある企業はたくさんあると思いますけれども、そうした中でも人材を確保する、あるいは人材を育てていく、そういった観点からこうした取組みをされていることに本当に敬意を表したいと思います。今後、こうした状況も踏まえながら、また、特に経済の状況をしっかり踏まえながら、この夏の骨太方針の策定に向けて、経済財政諮問会議で最低賃金についても大きな方向性について議論していきたいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)