西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年4月20日

(令和3年4月20日(火) 9:54~10:24  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 まず、コロナの感染の状況ですけれども、見ていただきますと、首都圏では東京で感染が増えてきている、また、経路不明の割合が増えてきています。まん延防止等重点措置で今、首都圏は20時までの時短を含めて徹底した対策で何とか抑え込んでいこうとしているところであります。それから、関西圏は極めて厳しい状況になってきています。大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、そして徳島辺りまで病床が非常に厳しい状況になってきております。感染も極めて高い数字が関西圏、そして徳島まで含めて厳しい状況になってきています。それから、愛知はまん延防止等重点措置でしっかり対応していますけれども、徐々に増えてきている状況です。それから、宮城が全て下降で、これはまん延防止等重点措置の効果も出てきているのではないかと。病床も少しずつ落ち着きを取り戻しつつありますが、まだ療養者数も多い水準でありますので、引き続き対策が必要であります。
 そして、全国的に感染が10万人当たり23人、6%。そして、こういった高いところがあるが故ですけれども、全国的にも感染が広がってきているということであります。非常に強い危機感を持って対応しています。特に感染が拡大している知事、市長とは、週末も含めてかなり頻繁にやり取りをしておりまして、何とか感染を抑えていく、特にまん延防止等重点措置を適応している地域では徹底的な時短、そして不要不急の外出自粛、これをお願いして対応してきているところであります。是非、国民の皆さんも感染拡大している地域では不要不急の外出は避けていただいて、もちろん買い物などもありますがも、混雑している時間帯は避けるということで対応していただきたいと思います。
 そして、この感染が拡大している地域との往来は控えていただくようにお願いしたいと思います。出張も、本当に必要な出張なのかどうか、是非、吟味していただきたいと思いますし、特に奈良、和歌山、こういった所は大阪との関係で生活圏、経済圏が一体でありますので、そのことで感染が広がってきております。是非、テレワークができる業態、業種はできる限りテレワークをお願いしたいと思います。とにかく出勤者を減らす、大阪との行き来を減らすことが大事です。もちろん、現場で私たちの生活を支えていただいているエッセンシャルワーカーの方々への配慮は必要でありますけれども、できる業態についてはテレワーク、またはオンライン会議、こういったものを使っていただいて、とにかく出勤者、人通りを減らすということでご協力をお願いしたいと思います。
 愛媛もやり取りしていますが、少しずつ感染が広がってきている、じわじわ出ている状況であります。
 そしてモニタリング検査ですけれども、もう何度も申し上げているように、最初は栃木から1週目を始めて、2週目に大体それが回収できて、検査が行われて結果が出てくるわけですけれども、先週は1万6,000件配布しました。その前の週に1万3,000件近く配布しておりますので、それが1万件ぐらい回収できて検査が行われて、14件の陽性疑いということで、割合がかなり上がってきております。
 その14件の内訳が、大阪がやはり7名、兵庫、沖縄、各2名、その前の週の第7週目、5日から11日も大阪が4名ということでありまして、やはり関西の地区で感染が広がっている状況が分かります。
 そして、それぞれ可能な範囲でいわゆる属性、仕事の関係、活動の範囲、こういったものを追いかけながら感染源の特定につなげておりますが、まだ件数が少ないものですから、今後、さらにこれを広げていくということであります。
 特に、以前から申し上げているとおり、感染が拡大している企業、中小企業とか作業所、作業の現場、工場、それから大学、寮、合宿所、こういったところの協力が徐々に得られてきていますので、かなりこういったところでモニタリング検査が広がってくれば、感染源を特定し、そのエリアに重点的な行政検査をかけていくということも可能になってくると思いますので、引き続き経済界、商工会議所や商工会、あるいは大学関係に、是非、ご協力をお願いしたいと思います。
 それから、以前からお話ししていますとおり奈良は、奈良のどこかに繁華街があって、そこから感染が広がるということではないものですから、ある意味、まん延防止等重点措置になじみにくい地域だと言えるのだと思います。知事とも何度もやり取りしていますけれども、大きな繁華街があるわけでもなく、何か県内で大きなクラスターが発生して、そこから広がっているということではない状況で、大阪との通勤、通学、経済圏、買い物なども含めて、大阪で感染してくるというのが7割ぐらいあるということでお聞きしております。そうした中で、家庭とか職場で、奈良でまた広がってきているということのようでありますので、この通勤の主な駅、主要な駅で先週から開始しております。キットを配って、奈良と行き来する人、大阪と行き来する人にお配りして、そしてどこに感染源があるのか、こういったことのモニタリングも進めておりますので、こういった対策で奈良の対策は強化していきたいと思っております。
 それから、先ほど申し上げたとおり、大阪、兵庫、奈良は病床がかなり厳しくなっておりますので、これは全省庁を挙げて病床の確保に全力を挙げております。引き続きそれぞれの地域の知事と連携しながら対策を強化していきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)コロナ対策についてお聞きいたします。大阪府は今日、緊急事態宣言の発出を政府に要請することを決める方針です。加えて、東京でも週内には要請を決めるという方向で検討に入っています。この二つの地域の宣言の必要性について政府はどうお考えになるのか、今後の政府での検討スケジュールも併せてお願いしたいと思います。
 それから、宣言ということになりますと、これまでの宣言と同様、例えば大阪でしたら周辺の県、東京でしたら一都三県、こういった生活圏、地方、地域一帯として考えていくのか、そのあたり方向性もお願いしたいと思います。
(答)まず、大阪の状況ですけれども、4月5日にまん延防止等重点措置を適応しまして、夜の人出はかなり減少してきています。人流もかなり減少してきていますので、新規陽性者の伸びが鈍化してきています。これを見ていただいたら分かりますが、夜21時の人出が大阪ミナミは12月がこのぐらいの水準で、青です。1月は緊急事態宣言でかなり減って、解除後の3月、4月は、また12月並みに増えた。それがまん延防止等重点措置で1月の水準まで落ちていますので、かなり落ちてきています。それから、兵庫県の三宮もそうですけれども、12月の水準から落ちたものが上がって、また落ちてきています。
 特にこの大阪は人流の減少がかなり出てきていますので、その効果が一定程度表れてきて、これが伸びの鈍化につながってきていると思います。ただ、それでも先週末にかけて1,100、1,200の数字が毎日報告されていますので、今でさえ病床が極めて厳しい状況にあるのに、この水準が続けばさらに重症化する人は遅れて増えますし、そもそも病床が厳しくなると。極めて緊張した状況が続いています。
 こうした状況を吉村知事とも何度かやり取りをしております。非常に強い危機感、緊張感を持って今、国、大阪府で連携して対応してきているところでありますけれども、二つのことを考えなければいけないと思っています。
 一つは、まず病床の確保、それに伴う人材の確保。これに全力を今、挙げています。先ほども少し申し上げましたけれども、大阪府からそれぞれの病院に病床確保の要請をされていますが、この一つ一つの病院について、国も一緒になって今、要請を行っています。関係する省庁を挙げて、府と連携しながら病床の確保、一床、一床積み上げて一つでも増やすということで対応しています。
 併せて、看護師が足りないということでありますので、既に国のほうで様々な準備、都道府県知事会も含めて、昨日は滋賀県が2名派遣してくれるということで表明されていましたけれども、今、全体で重症患者を扱える看護師さん10名程度を派遣する方向で大阪府と詰めているところであります。最終調整を行っています。人材は引き続き一定程度確保しておりますので、必要な場所に必要な人材をしっかりと送りたいと考えております。
 とにかく、命を守るために病床の確保、そして必要な人材の確保に国を挙げて、全力を挙げて今、取り組んでいるところであります。これをさらに強化していかなければいけないというのが一つ目です。
 そして二つ目が、感染の数をやっぱり抑えていかないと、高い水準が続くとさらに病床はひっ迫しますので、とにかく感染対策を強化しなければいけないということであります。
 府知事が緊急事態宣言の発令を国に要請したいと考えを述べられたと聞いておりますし、お考えは伺っております。要請が正式に出てくれば速やかに検討を行うことになります。いずれにしても、とにかく対策を強化しないとこの感染者の数は減らせませんので、どういう対策を強化していくのかというところを今、大阪府とも含めて、また、専門家の意見を聞きながら対策の強化について検討を急いでいるところであります。飲食店に対する対策、そしてそれ以外のいわゆる特措法施行令の11条の集客施設、人が集まる施設、この施設に対する対策の強化などを含めて、具体的に何を強化すべきなのか、これを大阪府と、また、専門家の意見を聞きながら急いでいるところであります。大阪は極めて厳しい状況にありますので、対応を急ぎたいと考えています。
 そして、併せて兵庫県の知事ともやり取りをしていますが、兵庫県も病床が非常に厳しい、特に神戸がいわゆる満員の状況に近い状況になってきていますので、兵庫県知事も非常に強い危機感を持っています。明日、本部を開くという方向で聞いておりますけれども、いずれにしても、この大阪、兵庫の状況、さらに言えばその周辺の京都、奈良、和歌山、それから徳島の状況も非常に厳しくなっておりますので、それぞれの地域、知事とも連携を取りながら、とにかく病床の確保と感染を抑えていくこと、これに全力を挙げていきたいと考えております。
 そして、東京も感染者の増加がじわじわと増えてきている状況が続いております。それから、変異株割合も、もう3割ということで、増加が顕著になってきています。病床の使用率も徐々に上がってきていると、入院療養調整中の人数も増えてきている状況出ありますので、知事も危機感を表明されていますし、我々もその危機感を共有しながら対応しなければいけないと考えているところであります。
 その上で、東京の場合は人流が減っていないです。歌舞伎町、センター街も、歌舞伎町は12月にこれだけ減ったわけですけれども、1月、2月は減って、また増えて12月の水準に近づいた状況はちょっと減っていますけれども、やはり1月の水準ぐらいまで減らさないと、これはセンター街の12月から減ったものが増えて、ちょっと減った傾向が見えますけれども、六本木、新橋も同様でありまして、人流の減り方が緩いわけであります。
 もちろん、12日から始めたわけですから、まだ感染者の数に効果をもたらすには10日から2週間かかるわけですので、感染者はまだ増えるものと予測されます。対策の前ですから、まん延防止の前のその結果が今、現れてきていますので、そういうことからして感染者がまだ増えること、そして、変異株が5月にはもう入れ替わるということ、人流が減っていないことと変異株が5月にはもう全て入れ替わるだろうという予測が専門家の皆さんからなされていること。こういったことを考えれば、対策の強化が必要であると、そういう状況にあります。早急に対応を協議していきたいと考えております。
 いずれにしましても、これまでも申し上げていますけれども、まさに国民の皆さんの命を守るために必要となれば、これは緊急事態宣言をちゅうちょしてはならないと考えております。その上で、いずれにしても対策の強化が必要となっておりますので、どういった対策をやっていくのか、強化していくのか。20時までの時短で一定の効果を持つと思いますけれども、変異株がそれ以上に感染力が強ければ、それだけの対策では減らすことはできないわけでありますので、対策の強化、この検討を急ぎたいと考えております。
 その上で国民の皆さんには、もう繰り返し申し上げていますけれども、マスク、手洗い、3密の回避、これを徹底していただきたいですが、もう既に公表させていただいている理研の研究、スーパーコンピューター富岳を使ったシミュレーションですけれども、N95のマスクがここにありますが、これはマスクでどれだけ性能がいいかという、もう100%という評価をされているわけですね。こちらは通気性であります。こちらに行けば行くほど通気は悪くなるわけでありますが、いろんなマスクなり布なりを検証したところ、やはり不織布のマスクが通気性は若干悪くなりますけれども、性能は非常にいいということが分かります。不織布のマスク、この辺にあります。
 それから、布マスクも性能がいいのがありますけれども、ワイシャツ2枚を重ねたところ、こんなレベルになるわけですけれども、布マスク1枚だとこの辺の水準とかです。不織布でも低いのもありますけれども、全体として不織布はこう、布の関係はこの辺。ウレタンは非常に性能が低いことが分かっています。こうした検証が出されています。もちろん、肌荒れとかファッション性とかあると思いますので、不織布のマスクが一番性能いいということでありますが、もちろんN95がいいですけど、N95は医療用でもありますし、なかなか息苦しい面もあると思いますので、マスクをしていただいて、不織布のマスクと、その上にファッション性のいいマスクをするか、あるいは下にして上に不織布のマスクをするか、是非、不織布のマスクをお願いしたいと思います。着けるときに隙間ができるだけないように、この鼻の所とか脇とか、これを是非、徹底していただきたいと思います。
 これまでのウイルスが変異株となって感染力が強いことが分かってきています。濃厚接触者の検査をやっても、変異株ですとその濃厚接触者が陽性になる割合が高くなってきているという報告も受けております。これまで以上にマスク、手洗い、3密回避、特に人と人との距離を取ること。これも長い時間近い距離で、たとえマスクをしていたとしても、是非、できるだけ避けていただければと思います。もちろん、近くで話をすることもありますから、できるだけ注意していただくということをお願いしたいと思います。
 それから、繰り返しになりますけれども、特に感染が拡大しているエリアの皆さんは人混みを避けていただくこと、そして不要不急の外出は避けるということ。そして企業の皆さんには出勤者の数を減らす、そのためにテレワークを含めてオンラインの会議とか、是非、徹底していただければと思います。その感染を拡大しているエリアとの往来も是非とも避けていただいて、必要な出張かどうかなど、よく吟味していただきたいと思います。
 ゴールデンウイークが近づいておりますけれども、是非、不特定多数の集まる場所にはできるだけ行かないようにしていただきたいと思いますし、帰省、旅行なども、是非、お考えいただいて控えていただく。オンライン帰省なども考えていただければ、オンラインで実家の皆さんと会話することなども考えていただければと思いますし、どうしても帰省する必要がある場合、高齢者への、あるいは基礎疾患がある方への注意、重症化しやすいリスクがありますので、これは徹底していただきたいと思います。どうしても帰らなければいけないという場合は、移動しなければいけない場合は、その直前の2週間は、もういろんなリスクのある場所には行かないということ、人混みには行かないというようなことも含めて徹底をお願いしたいと思います。
 いずれにしても全国的に感染者の数が増えてきておりますし、感染が拡大しているエリアも少しずつ広がってきておりますので、是非、皆さんにはこれまで以上の注意。感染力が強い、また、比較的若い世代も重症化しやすい、そういう報告がありますので、是非、この変異株が広がってきていること。もう全国で変異株は見つけられていますので、どこでもあるということであります。感染防止策の徹底を改めてお願いしたいと思います。
(問)休業要請に伴う財政支援について伺います。例えば大阪府は、これまで飲食店への時短要請からより強い措置として、百貨店やテーマパークに休業要請を行うことを検討しています。今後、各自治体は時短要請から業態を広げて休業要請を行った場合、国として追加的な財政支援措置を行う必要性があるのか、大臣に伺いたいと思います。
(答)まだどういった措置を取るのか、内容については様々、今、検討を進めているところであります。いずれにしても対策の強化が必要であるということを強く認識しておりますので、その中身について検討を進めているところでありますけれども、どういった形で要請するのか、これは緊急事態となれば45条となりますし、まん延防止であれば31条の規定ですし、また、一般的な要請であれば24条ということになりますが、いずれにしても実効性を上げていくために協力をいただくことが必要になってきますので、そのためにどういった対応が必要かということも検討していきたいと考えております。
(問)ちょっと話題が変わって申し訳ないんですけれども、21日から靖國神社の例大祭があると思うのですが、参拝する予定はありますでしょうか。また、供物を奉納する予定はありますでしょうか。
(答)すみません、コロナのことで頭がいっぱいで、まだ何も考えておりません。適切に対応したいと思います。
(問)コロナのことですけれども、大臣は緊急事態宣言は必要ならちゅうちょなくということですが、ちょっと立て付け上でお伺いしたいんですけれども、法律の立て付け上、ある地域は緊急事態宣言で、別の地域はまん延防止等重点措置ということが並立し得るということが可能なのかという、その辺のコメントをお願いしたいんですけれども。
(答)まず、基本的に緊急事態宣言の都道府県、それからまん延防止等重点措置の都道府県、これは都道府県単位で、まず地域については考えるというのが私どもは基本と思っています。
 ただ、それぞれの都道府県が適応になった場合に、どの地域にどういった対策を打つのかというのは、これは都道府県知事の判断になってきます。基本的には、緊急事態宣言が発出された場合、その県は緊急事態宣言の対象の県となります。発出されなければ、発出されていない県なのか、まん延防止等重点措置が適応されている都道府県なのかというそういう区別になりますので。基本的に考えれば、一つの都道府県に緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が適応されるというのは想定されないと考えております。そういう質問かと思うので、全国的には緊急事態宣言の地域とまん延防止等重点措置が適応される都道府県が共存するということはあり得るということです。
(問)愛媛県についてのお話があったと思うんですけれども、昨日、愛媛県の中村知事がまん延防止措置の適応を考えているという方針が出されたんですけれども、国として必要性をどのように考えているか教えていただけますでしょうか。
(答)今般、中村知事とも何度もやり取りをしています。特に松山の中心部、繁華街で変異株によりクラスターが発生し、そして、直近の状況でも、中村知事と話したときには、これは行政検査のことをおっしゃっておられると思いますけれども、9割以上が変異株になっているということをおっしゃっておられました。変異株で感染した人の濃厚接触者に行政検査をやっていきますので、当然、変異株の感染ということになりますから、高くなるのは。東京都の例で言っても、東京都は4割近く行政検査ではもうなっているわけです。それ以外に一般の民間検査の分も含めてやると少し落ちますが、行政検査で言えば9割以上は愛媛県の場合変異株になっているという状況についてのご説明もいただいております。そして、松山市内からじわじわそれがその周辺に感染が広がってきつつある状況だというご説明もいただいております。
 感染の水準自体はそんなに高い水準ではありませんけれども、特に18人ということでステージ3にはなってきておりますが、この病床が上がってきていることを、非常に医療の負荷が高まってきているということの危機感を強めておられます。そうした中でまん延防止等重点措置、特に松山をしっかり抑えるということで、要請を行う方針の表明がなされておりますし、そうしたお考えもお伺いしているところであります。正式な要請があれば、速やかに検討していきたいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)