西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月16日

(令和3年3月16日(火) 10:50~11:02  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から2点、申し上げます。
 まず、朝の経済、雇用関係の閣僚会議で幾つか決まりましたので、私の方から説明して、簡潔に申し上げます。
 90年から2020年にかけての失業率とGDPギャップを見たものであります。これは、全部を相関係数をとりますと、この赤い点線、こういった相関関係があって、GDPギャップが悪くなると失業率が上がるという傾向にあります。これは2002年ですね。94年はこの辺で、90年はここからなんですが、こういうふうに上がっていっているわけですね。ここ、2008年、2009年、リーマン・ショックで悪くなって、その後、こうなる。
 これを3つの局面に分けました。まず、2000年から2012年にかけては、経緯、この斜めの相関関係で分かると思いますが、リーマン・ショックにかけて、2000年から景気がよくなってGDPギャップはなくなってきたんですけれども、リーマン・ショックでぐっと戻ってGDPギャップが大きくなり、失業率が5%を超えたということです。
 次の局面が2013年から19年、これはアベノミクスで、ここから始まってここに来ていますが、まさにデフレを脱却するということで、GDPギャップを減らす方向に全体に働いています。ここは、ちょっとこういう方向ですよね。ちょっと線はこうなっていますが、ここからここにこう来ているわけですね。ですので、GDPギャップがなくなり、かつ、失業率も2%台に非常に下げてきたということであります。
 私ども、雇用と賃上げというのをアベノミクスの一つの鍵として進めてきたわけであります。まさに成長と分配の好循環を進めていくということであります。
 そして、昨年、2020年、コロナを機にこちらにぐっとこう動いたわけであります。2020年の第4四半期ですね、GDPギャップが非常に大きく落ち込むわけですけれども、しかし、本来ならこの点線に沿っていくとすれば、失業率は5%ぐらいになるんですけれども、これをぐっと政策効果で抑えて2%台にとどめています。これは、いわゆる雇用調整助成金ほか、様々な政策で、本来失業率がぐっと上がるところを抑えているというわけであります。
 他方、抑えてはいますけれども、雇い止めになられる方とか非常に厳しい状況にある非正規の方々など、ここではもう紹介しませんけれども、今日、どういった方が影響を受けているかという分析を行いまして、そうしたものを踏まえて本日、対策を決めたわけであります。
 もう詳細は申し上げませんけれども、緊急小口資金、総合支援資金、6月末までの延長、返済免除、一括免除するという明確化、あるいは住居確保給付金を3カ月、再支給の期間を6月末まで延長。それから、低所得の子育て世帯に対して、これはひとり親のみならず二人親の家庭も、住民税非課税世帯の方々については児童1人当たり5万円を支給する、給付するということであります。
 そして、高等職業訓練促進給付金、これはひとり親の方で、月10万円の給付を受けながら資格を取ると。最長4年間あります。この要件緩和を行いまして、6カ月以上の訓練についても対象にすると。今、IT人材を非常に求めていますので、そういった訓練を受けながら10万円の給付を受けるということで、ある意味、必要としている部門、業種に職を求めている人をマッチングしていく、非常に大事な制度だと思っています。
 先ほど申し上げたように、全体としては失業率は低く抑えているんですけれども、成長分野にできるだけ人を、失業なき労働移動をしていく。これは職業訓練、マッチングが非常に重要でありますので、その中で資格を取っていただいて、そうした分野に労働移動していくということであります。
 それから、小学校休業等対応助成金も保護者が直接支援できる仕組み、それから、孤独・孤立、自宅対策として、子ども食堂など、あるいは自宅対策を行っているNPOに対して支援を行っていくということ。
 こういった仕組みを本日決定いたしました。総理からございましたように、5,000億円を超える予備費の追加を来週までに行う予定であります。これに加えて、国会でも議論になっておりますし、様々、私のところにも切実な声が届いております文化・エンターテインメントの支援などを行う予定で検討を進めているところであります。また、年度末に向けての資金繰り支援を中心に、金融面の対応策を早急にまとめる予定であります。総理から御発言があったとおりです。
 それから、コロナの状況につきましては、見ていただいたら分かりますけれども、2週間の延長で1週間が経過し、特に埼玉、千葉が3月5日の時点では50%をぎりぎり切る状況でありましたけれども、病床の確保に努めておりますし、感染拡大を抑えていくこと、それから、感染の減少傾向に遅れて改善する傾向がありますので、そういったことを踏まえてここを見極めている状況であります。
 他方、よく指摘しています、私も述べておりますけれども、東京、埼玉で先週比1.1を超えてきておりまして、横ばいから若干微増であります。気候がよくなってきていることもあると思いますし、日々、開花情報などがテレビで流れると、みんなで外に行こうということがあるかもしれません。
 カラオケ、出してもらえますか。
 尾身先生も言われていましたが、私もよく指摘していますけれども、昼カラオケ、カラオケ喫茶で高齢者を中心に各地で、佐賀県は90人を超えていますし、最近では千葉、埼玉、1都3県でも21人とか4人とか出てきています。三重県、岡山県でも30人程度出ています。いずれも高齢者であります。
 普段なら、みんなが集まって歌い、また、話をするサロンということで、非常に高齢者の方々にとっては大事な時間だと思いますけれども、今は是非、感染防止策を徹底ということ。やはり密になる。私の地元にも何カ所かありますけれども、行ってみると、狭い空間にぎゅっと入って、そこでみんなで歌を歌っているという感じですので、換気、アクリル板、マイクの消毒を含めて、これは徹底していただかなければいけませんし、基本的には緊急事態宣言の下では不要不急の外出自粛をお願いしたいと思います。高齢者は、やはりリスクがあります。重症化するリスクがあります。今まで高齢者施設でかなりクラスターがいまだ発生していますけれども、ここは検査をずっとやっていきますので対応できますけれども、是非、昼カラオケ、カラオケ喫茶、もう最大限注意していただきたいと思いますし、緊急事態宣言の下にある1都3県では、是非、不要不急の外出自粛を引き続きお願いしたいと思います。
 それから、最近では会食、あるいは家庭での食事会、パーティーによるクラスターがまた出てきておりますので、是非、これも緊急事態宣言の下では不要不急の外出自粛、食事をする場合も少人数、それから、感染防止策を徹底していただくと。長時間、これも是非やめていただいて、お願いしたいと思います。どうしても卒業の時期、移動の時期ですから食事をする機会が多くあると思いますけれども、是非、徹底をお願いしたいと思います。
 国会があるんで一点だけ。
 もう先ほど答弁しましたけれども、今週中には諮問委員会を開いて2つのこと、一つは先ほどの感染の指標についてしっかりと見極めたいと思いますし、もう一つは、諮問委員会から感染再拡大を防ぐ7つの項目が言われておりますので、これを、私どもとしてはモニタリング検査、1都3県で今、準備を進めておりますけれども、後でデータをお示ししますけれども、既に8,000件を解除した地域でやっております。
 返ってきているのが、栃木の最初が536返ってきて、2周目のやつが今返ってきて、検査が終わったのが1,116。1,000件ですけれども、陽性は6例ということで、年代は割と幅広く出ております。京都で4例、兵庫で2例ということでありますが、ちょっと状況を見ながら、どういう形で進めていくのがいいのか。これから徐々に1日1万件程度を目指して増やしていきますけれども、1都3県でも今、準備を進めておりますので、整い次第、できるだけ早く開始したいと考えております。
 引き続き、できる限り早くこういったデータもお示ししながら、私どもとして、他のデータもあわせて分析して感染再拡大の兆しをつかんでクラスター対策、あるいはまん延防止等重点措置を機動的に使って、その範囲で封じ込めていければと考えています。
 ありがとうございました。

(以上)