西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月26日

(令和3年2月26日(金) 8:42~8:49  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 私から2点申し上げます。
 まずは、最新のGDPギャップについてでありますが、資料をお配りしております昨年10-12月期のGDPギャップはマイナス3.3%、実質ベースの金額換算でマイナス18兆円程度となりました。これは、去年の4-6月期の10.6%マイナス、金額ではマイナス59兆円程度、それから、7-9月期からしますとマイナス6.0%、同時マイナス34兆円程度でありましたけれども改善してきております。我が国の経済の潜在的な回復力を確認できる内容と言えると思います。ただし、依然として大きな需要不足があるわけでありますので、回復は道半ばということであります。
 足元で我が国の景気の持ち直し基調は続いておりますけれども、緊急事態宣言の下であります消費、特に対人サービスの消費に弱さが見られるところでありますので、今後とも感染状況、感染拡大による経済の下振れリスク、これは国内外の状況、このリスクの高まりには十分注意が必要であると認識しております。
 引き続き、第3次補正の事業規模74兆円程度、財政支出40兆円規模、この着実な執行、そして、公共支出が民間投資を引き出していく、民間の投資、そして新たな発想、こういったものを引き出していくように、その上で民需主導の持続的な成長につなげていければと考えているところであります。
 引き続き、感染状況、経済の状況を見ながら、予備費は2.7兆円までありますので、この機動的な活用も心に置きながら必要な対策を講じていきたいと考えております。
 それから、新型コロナウイルスの関連ですけれども、本日12時半から基本的対処方針等諮問委員会を開催し、感染状況等につきまして専門家の皆さんの御評価をいただきます。10都府県の取り扱いについて諮問したいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)GDPギャップですけれども、5期連続の需要不足になりましたが、この需要不足が解消するのはいつぐらいになりそうかというのと、アメリカでは需要不足を埋めるための財政支出でむしろ景気の過熱懸念というのが出てますけど、日本も財政支出をかなりやってますけれども、この先、景気の過熱の懸念というのはいかがでしょうか。
(答)まず、今後見通しにつきましては、先ほど申し上げた第3次補正、総合経済対策、これの着実な執行を進めていくことで来年度の実質成長率は4.0%を見込んでおります。そして、来年度中にはコロナ前の水準を回復するということを見込んでおりますので、そうした中でGDPギャップが徐々に縮小していくものと考えております。そうなるように、そう実現できるようにしっかりと経済運営に万全を期していきたいと考えております。
 アメリカについては、我が国の輸出の約2割を占めておりますし、是非、着実な回復を期待したいと思っております。
 そうした中で、景気過熱のリスクのお話でありますけれども、大規模な追加経済対策が議論されていると承知しております。確かに、その大規模な支出が、ぐっと上昇に圧力をもたらすのではないかという指摘があることも承知しております。
 足元において、まさに期待インフレ率の上昇背景に、長期金利が上昇してきている動きがあります。日々、こうした金融市場の動向についてもしっかりと注視していきたいと考えております。
 他方、我が国は、今申し上げたとおりGDPギャップがまだ18兆円程度ありますし、それから、物価を見ましても横ばいの動きが続いています。失業率も、雇用調整助成金の下支えによって何とか今、失業率の上昇を抑えている状況でもありますので、現時点で何か景気過熱リスクがあるとか、これはもう全く考えておりません。むしろしっかりと財政支出を行って、回復基調を確実なものとしていくこと、そして民需をしっかりと引き出して、民需主導の成長軌道に乗せていくこと、これが大事だと考えております。
(問)緊急事態宣言について伺います。2都府県、諮問委員会に諮問するということでしたけれども、今日は福岡県については、中京圏、関西圏と同様に解除を諮問するということでよろしいのでしょうか。
(答)諮問案につきましては今、最終の調整をしているところでありまして、昨日の数字なども含めて、福岡について言えば、病床の状況なども精査が必要な状況が続いておりましたので、それを踏まえて判断し、諮問していきたいと考えております。
 いずれにしましても、変異株のこともありますし、さらに3月、4月は非常に行事の多い時期でもありますので、そういったことも踏まえて判断していきたいと考えています。
 もう栃木県でモニタリング検査が始まっておりますけれども、解除するところが今後、いずれは全て解除するわけですので、どちらかの時点で解除するわけですので、そういう意味で解除後も、この時期、再拡大しないように栃木県で行っているようなモニタリング検査をしっかりやっていきたいと考えています。
 栃木県は約600件、今週行いまして、継続していきたいと思っておりますが、解除するところが出てくれば、調整して繁華街など再拡大の予兆をつかんでいくということをしっかりやっていきたい。その上でクラスター対策、あるいはまん延防止等重点措置を機動的に活用することによって再拡大を何としても防いでいきたいと考えています。
 いずれにしましても、今日整理して、病床の状況、感染状況などを精査した上で諮問したいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)