西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月19日

(令和3年2月19日(金) 18:11~18:45  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 まず、月例経済報告について申し上げます。
 もう、景気の現状、先行きともにお示ししております資料を御覧になっていると思いますので、詳細は、質問があれば、さらに詳しく御説明しますけれども、景気の現状については依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの一部に弱さが見られるという表現にしております。この、一部に弱さが見られるということを追加しておりますので下方修正ということになりますが、これはこの後ちょっと説明も出ますけれども、対人サービス消費が下押しされているということを表現したものであります。
 他方、輸出が増加する下で設備投資も持ち直しに転じるなど、全体として持ち直し基調は続いているものと認識しています。
 個別には、消費は今のサービス消費の状況をみて下方修正をしましたけれども、設備投資、企業収益などを上方修正しております。
 先行きは、当然のことですけれども持ち直していくことが期待されますが、足下の緊急事態宣言発出の影響を含めて、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意が必要であるということであります。
 そして、個別項目を少し見ていきますと、個人消費は、いつもお示ししておりますけれども、1週間の消費額であります。青線が去年から今年にかけての実線。このグレーは、過去3年の幅であります。一昨年、19年末、消費税増税の影響が薄らいできて非常に高い水準で12月から1月、2月にかけて消費がありましたけれども、御案内のとおり、武漢からのウイルスなど、緊急事態宣言を4月、5月に発出しましたので、消費は非常に低い水準になりました。
 その後、持ち直して、昨年末、これもかなり高い水準で消費が行われていますが、過去3年の幅からは少し低いんですけれども、御覧いただいたように高い水準であります。このことが結果として感染拡大につながったわけでありますけれども、その後、緊急事態宣言もありますので、この過去3年の幅の下限あたり、ちょっと下あたりを推移しています。
 このことが、2つ言えますけれども、消費、外出自粛などの裏返しでありますので、感染拡大を抑えてきたことの裏返しであると。他方、この時ほど、同じ緊急事態宣言ですけれども、幅広い業種に休業要請、時間短縮等をお願いした、意図的に全体を止めた時とは違って、かなり焦点を絞ったやり方をとっていますので、落ち幅がこの時ほどはないということも言えると思います。
 次、お願いします。
 そして世界の財貿易は、もう既に昨年の後半からコロナ前を上回っています、復活してきています。
 次、お願いします。
 日本の貿易も、特にアジア関係が非常に高い伸びを示しておりまして、アメリカも引き続き悪くはありませんが、ヨーロッパがロックダウンの影響などで少し低下しておりますけれども、全体、この黒い線で上昇であります。既にコロナ前を上回っている状況です。
 次、お願いします。
 そして、このことを背景にしながら、製造業の経常収益は非常に高い水準になっています。前年同期比で約50%プラスということであります。ただ、非製造業でマイナス15.6%。これは改善はしてきていますけれども、まだマイナスの状況。全体としてプラス18.3%ということで、企業収益は顕著に回復してきています。このことも含めて、株式市場で評価されているのだろうと思います。
 次、お願いします。
 他方、倒産件数。過去5年ぐらいを見ますと、大体700件前後で毎月、月の平均です。月によってでこぼこありますけれども、平均すると700件前後でいたものが、昨年は648件と非常に低い水準。
 個別に見ても、5月は緊急事態宣言がありましたので、裁判なども少なかったというのがありますが、平均をとってみて648件。私どもは、特に年末の資金繰りも大変注目しておりましたし、資金繰りをしっかり支援するということで臨みましたけれども、減少傾向にあります。1月は474件と低い水準であります。これは、無利子無担保の融資が民間も含めて効果を持ったものと思っています。
 次、お願いします。
 機械投資も、昨日、一昨日にお話ししたとおりでありまして、このところ、ならしてみてプラスになってきていると。半分は機械、4分の1は構築物、これは物流施設なども好調です。そして、ソフトウエア計画は引き続き堅調に推移しています。
 次、お願いします。
 機械受注、自動車も引き続き高い水準、そして、半導体製造装置なども高い水準になってきています。
 次、お願いします。
 サービス業の方も、非製造業も、通信業からの発注、情報サービスからの発注ということで、5G関連を含めて高い水準となっています。
 こうした背景に、先ほど申し上げたような全体像になっております。景気の現状は、持ち直し基調は継続しているという判断をしておりますが、消費の一部、特にサービス産業、サービス消費が、やはり飲食、宿泊など、緊急事態宣言の下で厳しい状況にあるということで、一部には差が見られるという表現をとっております。
 以上が月例の関係です。
 それから、コロナの感染状況についてお話しいたします。
 引き続き、新規陽性者は全体としては減少傾向が続いておりますが、このペースが鈍化してきています。東京や埼玉など、1週間の移動平均がちょっとプラスに上向いてきています。もちろん、24人の水準は下回っているのですが、先週、今週も0.76、0.77と、前週比よりも少し上回ってきているということですね。あと、病床、それから療養者数なども引き続き見ているところであります。
 次、お願いします。
 そして、このグラフなのですが、こちらに新規の感染者数、全国、7日間の平均をとっています。そして、前週と前々週の比較をしています。1であれば、前々週よりも前週の方が改善しているということですね、1を下回れば。上にいけば、上回っていると、増加傾向ということですけれども。1月3日から1月10日にかけて、このような形で増加傾向、上に行きますね。先週に比べて今週の方が増えていく。そして、当然、新規陽性者の数も増えていく。最大8,000人近くいきましたけれども、7日間の平均をとっていますので、6,000人強まで増えました。前週比1.8ぐらいまで増えました。その後、緊急事態宣言の下で、前週、今週、大幅に減少傾向にあって、平均値はまだ全体として大きく変わらなかったのですが、効果が顕著に出始めた頃から移動平均の人数もぐっと下がってきたのですが、このところ、前々週と前週の比較ですね、これが横ばいになっています。つまり、ぐっと下がっていかなければいけない、ここからもっとこっちに下がっていかなければいけない、前週比ですね、これが横ばいになっているということが、減少傾向が鈍化しているというデータであります。
 東京も同じです。1月からかなり増加傾向。最大2,500人近くいきましたけれども、7日平均で1,800人ぐらいでしょうか。前週比も2倍ぐらい、1週間で比較すると2倍ぐらい増えていたものが、ずっと減少傾向になっていきますが、途中から下がり幅が横線で、先ほども申し上げたように0.7幾つぐらいで、ずっと同じぐらいになっています。全国的にも0.7をちょっと下回るぐらいですかね。東京が0.7半ばぐらいで。で、逆にちょっと上に上がったり、今、してきていますので、減少傾向は明らかに鈍化してきています。
 次、お願いします。
 この背景の分析もしていますけれども、やはり一つには人の流れが少し。朝の駅の利用状況も、4割を超えていたものが38%まできていますし、関西も一時期は30を超えていましたが28まで、また少し戻ってきています。改めてテレワークを引き続きお願いしたいと思います。7割できましたので、去年の経験も踏まえてさらに改善ができるはずでありますので、エッセンシャルワーカーの方々への配慮は当然ですけれども、できる業態は、是非、引き続き人の流れを減らす。そして、何度も申し上げていますとおり、「新たな日常」の象徴ですので、デジタル化やオンライン化を進めていく、当然の取組だと理解していますので、是非、お願いしたいと思いますし、中小企業の皆さんには様々支援策を用意しておりますので、是非、お願いしたいと思います。
 次、お願いします。
 一方で、昼間の人出も、平日、いつも申し上げていますが、新宿駅、それからこれは横浜、センター街、こういったところは12月の水準に、新宿も一旦下がったのがまた戻ってきています。横浜も高い水準が1回減ったものが2月に入って戻ってきています。渋谷のセンター街も同様です。是非、昼間もオンライン会議などを活用していただきたいと思いますし、減ったからといって、昼間、営業で会食をするといったようなことは、是非、引き続き自粛していただきたいと思います。
 次、お願いします。
 関西も同じです。梅田も12月の水準まで戻ってきています。
 次、お願いします。
 そして休日も、新宿駅、横浜駅、それから渋谷のセンター街も12月の水準に近くなっています。
 次、お願いします。
 関西でも、梅田がもう完全に12月の水準まで戻ってきています。この人出、人の流れ、感染防止策は徹底していたとしても、人と人との接触を減らさなければいけない、また、これが飲食につながっていくことを避けなければいけないということでありますので、是非、御協力をお願いしたいと思います。
 それからもう一点、栃木のモニタリング検査についてでありますが、栃木県と調整してきております。来週の22日月曜日から開始することで調整がつきました。これまでの栃木県県庁の皆さん、あるいは協力をいただける事業者の皆さんの迅速な対応に感謝を申し上げたいと思います。
 検査は2つのやり方で、一つは、事業者など団体に所属する対象者に対して行う「団体検査型」。団体で、事業所、工場などである程度まとまって対応していただく。それから、「スポット型」がもう一つのタイプで、検査キットを配布場所に設置して、来訪者に検査を。これも、その場で唾液などでやっていただくケースもありますし、持って帰って郵送で送っていただくケースもありますけれども、いずれにしても、大きく団体に協力をいただくケースと繁華街などでスポットで行うケース。合計、まずそれぞれ100件ずつ、1日200件程度からスタートしたいと思っております。
 風評被害や現場の混乱を避けるために、具体的な検査を行う場所など、あるいは事業所などは非公表としておりますが、そうしたデータをもとに感染の再拡大の兆しをつかんでいきたいと考えています。徐々に検査件数も増やしていきたいと考えています。
 最初のケースでありますので、少し試行錯誤もありますけれども、モデルケースとして今後、緊急事態宣言が解除される地域が出てきた時に、それぞれの地域でやっていただけるように、少しモデル的に栃木県でまずスタートしたいと考えています。
 いずれにしても、それぞれの都道府県、それから民間検査機関にも協力をいただくことにしておりますし、また、検査を受けていただくそうした事業所など、スポット以外の団体で受けていただくような協力も得ながら、全体としては全国で1日1万件程度は行っていきたいと考えております。
 今後の詳細につきましては、また発表できる段階で改めてお知らせしたいと思います。
 東京は昨日445件で、1週間前の434件を上回っていますし、今日の353件も1週間前の307件を上回っております。大阪も今日91件と聞いておりますが、先週は89件でありましたので、ずっと前週比で下がってきていたのが、ここにきて鈍化傾向が少し顕著になってきています。これから3月7日までの期間も2週間強ありますけれども、今日行動して約2週間後に成果が出ますので、この週末、是非、不要不急の外出自粛をお願いしたいと思いますし、また来週以降、平日のテレワーク、不要不急の外出自粛を引き続きお願いしたいと思います。緊急事態宣言を長引かせないためにも、是非、御協力をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)月例経済報告についてお伺いします。個別項目の動きだけを見ると、上がっているものの方が多く、大臣の御説明でもよくなっている話が多かったんですけれども、政府として全体の判断の引き下げを決めた理由について、もう少し詳しく教えてください。それから、先行き、緊急事態宣言が出たとしても、経済活動のレベルを少しずつ引き上げていくとすれば、しばらくこうした経済の状況が続くと見ていらっしゃいますでしょうか。以上二点、よろしくお願いします。
(答)今月、評価は先ほど申し上げた総括判断と先行きの判断を書いてありますが、2月は、先ほど申し上げたように個人消費が、サービス業が弱い動きということで下方修正していますが、先ほど申し上げたように設備投資は強い。それから、輸出は12月に上方修正して、引き続き堅調に推移している。それから、企業収益、これは背景となる情報ですけれども、上方修正しております。ということで、全体としては3勝1敗というのか、ありますけれども、やはり横綱は個人消費、6割近くを占めるわけでありますので、大関の設備投資や大関の輸出がそれなりに堅調でも、やはり横綱が負けてしまっていると。負けるといっても、財の支出は非常に堅調に推移していますので、持ち直しの動きが続いていると見ていますけれども。やはりサービス、緊急事態宣言の下で飲食、そして宿泊サービスなどが弱い動き。もちろん、様々支援策も講じていますので、厳しい状況にある事業者の皆さんには踏ん張っていただけるように、しっかりと支援していきたいと考えておりますけれども、そうした状況の中で、現状判断は持ち直しの動きは続いているものの、一部に弱さが見られるということで、大きな下方修正というよりかは、ある意味、一部のサービスの状況を見てこういう判断をしているということであります。
 そして、先行きについては、もちろん内外の感染の状況、これは先ほども申し上げましたとおり、緊急事態宣言をとにかく長引かせないことが大事であります。焦点を絞った対策をとっているとはいえ、やはり大きな影響を与えますので、長引かせないために、皆さんの御協力を是非お願いしたいと思います。
 内外の感染状況が最も大きな影響でありますけれども、アメリカの寒波の影響ですね。現時点で、何か日本経済に大きな影響が生じているというのは承知しておりませんけれども、しかし、エネルギーの状況とか消費への影響、アメリカ経済にはですね、様々な影響、サプライチェーンなどもよく見ていかなければいけないと思いますし、そういった影響についても、よく注視していきたいと考えています。
 その上で、3次補正を含めて支援策のパッケージを用意しておりますので、財政支出40兆円、事業規模74兆円の3次補正の着実な執行を含めて、様々な状況を対応していきたいと考えております。必要な支援策、必要な対策を機動的に対応していきたい。これは予備費の2.7兆円もまだありますので、その活用も含めて対応していきたいと考えております。
(問)今日の国会でも議論になっていました、GDPの需給ギャップについて聞きたいんですけれども。7-9月期は34兆円ありました。それが現状、足元はどうなる見通しなのか、今後の対応も含めてお願いします。
(答)まず、10-12月期のGDP速報、一次QEを先日発表したところでありますけれども、これに基づいて様々な他のデータも含めてGDPギャップがどの程度あるかというのは、正式には来週後半にもお示ししたいと作業を進めているところでありますけれども、ざっくり言って20兆円程度はあるのかなと。これは7-9月期が34兆円ありましたので、その後の改善状況を見ても20兆円程度あるのかなと見ているところであります。
 これは、今日の資料でもお示ししたとおり、輸出などはコロナ前の水準に戻ってきていますけれども、国内の消費、あるいは設備投資、これがまだその水準に届いていないという状況の中で、内需の底上げを図っていくことが大事だと考えています。
 GDPギャップは需要不足でありますので、これをしっかり埋めなければいけない。今は、まさに財政出動をすべき時ということであります。決してデフレには戻さないと、この強い決意の下で、しっかりと財政を出動させて、そしてさらに言えば、その財政出動が呼び水となって、民間の投資や様々な発想が引き出されていく、そういったことを期待しているところであります。
 今日も議論がありましたけれども、インフラ投資については5年間で約15兆円の国土強靱化投資。これは、毎年のようにこれだけの災害が起こりますので、それへの備えをしっかりとしていくことが必要でありますので、強力に実行していきたいと考えておりますし、さらには、将来を見据えて、私が申し上げている3つのニューディール、デジタルニューディール、グリーンニューディール、そしてヒューマンニューディール、この3つの分野について、いわゆるワイズスペンディングとなるような、政府の支出が民間の呼び水となって、まさに民間の投資、民間の創意工夫を引き出すような、そういった形で民間の投資が出てくる、まさに民需主導、内需主導の成長を是非実現していきたいと考えているところであります。
 先ほどの先行きの話とも関連しますけれども、IMFは、実は日本の先行きについて上方修正しています。各年の10-12月期のGDP、21年、22年、それぞれこういう形で、どういうふうに回復基調をとるかということですけど、アメリカは非常に強い回復基調なのですが、日本もかなり強い。落ち幅は他の国より低かったわけです、小さかったわけですが、しっかりと戻っていく道筋を描いてくれております。
 暦年の成長について2.3%の成長と予測していたところ、今回、プラス0.8%で3.1%の成長ということで、21年の暦年の成長率の見通しを上方修正してくれています。需給ギャップはありますけれども、今日お示ししたように、そして先般のGDPの一次速報でお示ししたように、まさに日本経済の潜在的な回復力はあるというふうに。これはIMFの評価もそうでありますし、私どもも、それを示すデータになってきているのかなと思います。
 もちろん、足元の緊急事態宣言の影響、そして内外の感染状況をしっかり見ていかなければいけませんし、特に厳しい状況にある事業者の皆さんや国民の皆さんに対しては、予備費の活用も含めて、しっかりと支援策を講じていきながら、このGDPギャップを埋めて、デフレに戻さず、そして成長軌道に乗せていきたいと考えております。
(問)緊急事態宣言の今の解除の検討状況についてお尋ねしたいんですけれども。関西の方で、大阪府の方が2月末で緊急事態宣言の解除を政府に求めるということを今日、機関決定しています。一方で、昨日の厚労省のアドバイザリーボードでは、医療状況の逼迫などの指摘がありまして、なかなか判断が難しいかと思うんですけれども、大阪の要請があった場合にどのように対応するのか、その他の県の解除についてどのように考えていらっしゃるのか教えていただけないでしょうか。
(答)本日、大阪の本部の前だったと思いますけど、吉村知事と電話で会談を行いました。全体として新規陽性者の数が減少傾向にあること、それから病床についても改善してきていることなどを共有いたしました。他方で、下げ止まり感も出てきているということも共有しております。
 そうした中で、あわせて兵庫県知事、京都府知事とも電話会談を行ったんですけれども、それぞれの状況、多少温度差もあります、状況の差もありますので。来週、3府県の知事で話し合う機会が持たれると思いますが、どういう形で要請が出されるのか、また意見交換をしっかりしたいと思っております。
 その上で三点申し上げれば、一つは、これは府知事自身が、先般御一緒したテレビでも言っておられたことですけれども、昨年、やはり3月、4月は非常に感染者が増えた時期であります。これは学生の旅行であったり、学生の飲み会であったり、コンパであったり、また、4月は緊急事態宣言を発出することになったわけですけれども、4月の様々ないわゆる歓送迎会とか新歓コンパなどもあったものと思われます。そういった状況をまず頭に置いて対応していかなければいけないと思います。
 それから二点目が、医療機関への負荷。これも何度も申し上げていますが、コロナへの対応をしていただき、さらに通常医療への対応もしていただいている。そのことに加えて、ワクチン接種も各地で始まっていますので、これも医療機関の皆さんにお願いしていくことになりますので、負荷がある意味増えていくことになります。したがって、医療機関の負荷をある程度までやっぱり下げておくこと、もちろん病床を安定的に確保するという意味はあるんですけれども、負荷を下げていくことも非常に大事なことだと思っています。
 それから三点目に、変異株への対応であります。国際的には1.5倍ぐらいの感染力があるということで、そういう見方がなされていますけれども、まだ国内で面的に幅広く感染が広がっている状況であるという報告は受けておりませんし、アドバイザリーボードでもそこまでの状況ではないにしても、今後の動向は非常に対応を考えていかなければいけないということは言われているわけであります。
 したがって、そうした状況も踏まえながら、感染状況、そして病床の状況、先ほど申し上げた一つ一つのデータの状況を共有しながら判断していくことになります。いずれにしても、来週以降、また知事の皆さんから様々な御意見があると思いますので、それぞれの知事の判断をしっかりと受け止めながら、状況を共有し、専門家の皆さんの御意見を聞いて適切に判断していきたいと考えております。
(問)島根県知事が聖火リレーの中止に絡んで、感染非拡大地域の飲食店に協力金のような国の支援をお願いしたいというふうな意向を示されています。このことについての率直な受け止めと、時短要請にひもづいた協力金であったり、もしかしたら持続化給付金であったり、そういった対応が可能なものなのでしょうか。この辺の認識についてもお伺いしたいと思います。以上です。
(答)まず、感染が拡大している地域であれば、緊急事態宣言の対象地域でなくとも時短などの要請を知事の判断で行うことができます。もちろん、大きな基本的対処方針を示していますので、感染が広がっていないのにそれをやる必要はないわけですけれども、例えば石川県のように、ステージ2から3に行くかもしれないと、特に接待を伴う飲食店で、町中でかなり感染が拡大しているというところは知事が判断されて、これは私どもとも連携して、情報を共有しながら支援を行うということを私どもも決定して、そして協力金、期間がちょっと短いですから月額56万円ということですけれども、協力を求めて要請しています。
 ですので、必要があれば、そうした協力要請を行っていただいて感染を抑えていくと、これに対して国と連携しながら、協議しながら、国としてもしっかり支援していきたいと考えています。
 そして、そうでない状況であったとしても、東京からの観光客、大阪からの観光客、あるいは福岡、名古屋を含めて、観光客が減ってきていることを含めて、厳しい状況にある事業者の皆さんはおられると思います。これは11都府県の緊急事態宣言の影響を受けて、外出自粛の影響であったり、あるいは移動の自粛をお願いしていますので、その影響を受けて飲食店の皆さんが売り上げが50%減っている、あるいは土産物屋さんも減っている。こうした方々は、一時金最大60万円の対象になりますので、この一時金を活用して支援を行っていければと考えています。
 さらには、それぞれの都道府県、そして市町村に地方創生の臨時交付金の1兆円をお配りしております。半分の5,000億円は感染状況も配慮して、感染の拡大している所は、ややそういったことを配慮して配布しておりますが、残りの5,000億円は、地域のまさに人口とか、そういった状況、地方に独自で使っていただけるということで配付して、合計でそれぞれの都道府県、市町村に配付しておりますので、その財源も活用していただいて、それぞれの地域の感染状況に応じて、そして経済への影響に応じて支援を行っていただくということになりますので。
 これは、それこそ、ここが知事の、あるいは市町村長の腕の見せどころ、地域の状況を見て、観光産業が影響を受けているということであれば、県内で使えるクーポンなども使うことも可能ですし、島根県は感染が低い状況が続いていると思いますので、そういった取組も可能ですし、あるいは、飲食店が厳しいということであれば、飲食店に焦点を絞った支援策をやっていただければいいですし。そういう意味で、自由度の高い交付金をお配りしておりますので、是非、これを活用していただいて、地域の実情に応じた支援策を講じていただければと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)