西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月16日

(令和3年2月16日(火) 10:44~11:03  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 何点か申し上げます。
 まず、特措法改正、13日から施行されたところですけれども、それに先立ちまして12日に基本的対処方針を変更したところですが、当日、施行に当たっての具体的な運用の考え方をお示ししました通知を都道府県、それから指定公共機関などに対して発出したところであります。
 施行通知においては、今回創設いたしましたまん延防止等重点措置に関する事項を含め、そして、要請・命令・罰則、こういった手続について丁寧な手順もお示ししております。それから、そうした対象とならない正当な理由などについてお示ししております。これまでも申し上げてきたことですけれども、私権の制約につながるということを踏まえまして、基本的人権に十分配慮した、そうした対応としているところであります。
 それから、まず全体像ですけれども、かなり人数、新たな新規報告者数は東京も1週間で19人まで来ていますので、ステージ4の段階をもう全国的に切ってきています。ただ、何度も申し上げていますとおり、療養者数は非常にまだ多い状況で、入院調整中も、まだ東京も1,000人を超えている数字が報告されています。それぞれの地域もかなり、調整中、それから自宅療養の方もおられまして、自宅療養で大丈夫な方、若い方でリスクが低い方は自宅療法ということで良いわけですけれども、高齢者と同居していないとか、基礎疾患のある方と同居していないというのは良いわけですけれども、入院できずに自宅療養という方もおられると思いますので、この辺りの人数もよく見ていきたいと思っています。
 そして、病床もまだ、全体に50を切ってきているところもありますが、50を超えているところもありますので、重症者、この辺りをよく見ていきたいと思っています。
 繰り返しになりますけれども、医療機関はコロナへの対応に当たっていただいています。そして、通常の医療の対応をしていただいています。癌の方とか脳卒中の方とか基礎疾患がある方の対応に当たっていただいています。それに加えて、いよいよワクチンの接種が始まっていきますので、これも医療機関の皆さんにお願いしなければなりません。医療機関への負荷を下げることが重要であります。そのためにも新規陽性者数を抑えていくこと、そして医療機関の負荷をしっかり下げること。この緊急事態宣言の下で、まずはそのことに全力を挙げていきたいと考えています。
 そして、昨日も少しお話ししましたが、人の流れ。10日の朝の駅の状況ですけれども、主要駅、首都圏と関西圏で取っています。40%を一時超えていた首都圏も37%に少し下がってきています。つまり、人が増えているということですね。昨年春は70%まで朝の通勤の方の数は減ったわけですけれども、37%、一時は41%ぐらいまでいっていました。また、関西圏では29%ということで、昨年は6割、7割近くまでいったわけですけれども、なかなか届いていません。
 昼間の人出もかなり増えてきています。これは昨日お示ししたとおりで、休日も含めて12月の水準に戻ってきています。かなり危惧しているところです。
 朝の37%、3%ぐらい戻ってきているんですけれども、これをざっと計算すると20万人は通勤の方が増えている計算になります。ざっとおおよその計算なんですけれども。ですので、人と人との接触が増えることにつながります。12月の水準に、これは平日の昼間も休日の昼間もまた戻ってきているわけです。平日の昼間はこうして通勤の方が増えて、テレワークが少し減ってきているんだと思います。これまでオンライン会議などでやっていただいたわけですけれども、感染者の数が減ってきたことを受けて、ひょっとしたら対面の営業活動などを行われているのではないかということも危惧しています。緊急事態宣言の下であるということ、発令中であるということを、是非、頭に置いていただいて、引き続き不要不急の外出自粛をお願いしたいと思います。
 繰り返しになりますが、新規感染者、陽性者の数をしっかり下げていくこと、そして、何より医療機関の負荷を下げることが大事でありますので、引き続きの不要不急の外出自粛、テレワーク7割、そして8時までの時短の協力を是非、お願いしたいと思います。
 それから、モニタリング検査についてでありますが、先般、緊急事態宣言を解除いたしました栃木県と、現在、2月中にモニタリング検査を開始することで調整しております。他の自治体につきましても、順次、調整していきたいと思いますが、専門家の御意見もいただきながら今、調整を進めております。栃木県は2月中にスタートしたいということで考えております。
 栃木県と調整しておりますが、繁華街での検査、それから栃木県内にあります事業所とか学校とか、御協力いただけるところと連携して取り組みたいと考えております。県の方でいろいろ調整もしていただいておりますけれども、11都府県につきまして、内閣官房コロナ室のウェブサイトでも御協力いただける事業所とか大学とか施設とかの御提案も受け付ける予定にしております。件数に限りがありますので、全てのところで全部できるというわけではありませんけれども、専門家の意見もいただきながら、繁華街であったり、モニタリングをしていく、再拡大の兆しをつかむのに適切な場所を判断して行っていきたいと思っております。まず、栃木県から2月中のスタートを目指して今、調整しているところであります。
 再拡大しないように兆しをつかみ、そして、何かあったときはクラスター対策をやり、また、まん延防止等重点措置も使えるわけでありますので、しっかりと再拡大しないように兆しをつかんでいきたいと考えております。何としても、今の緊急事態宣言の下でしっかりと感染を抑えて、そして、再び拡大しないように対応していきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)緊急事態宣言についてお伺いします。大阪府の吉村知事が、19日にも宣言解除の要請を判断すると表明されました。大臣からも発せられましたが、ワクチン接種が明日開始されます。こうした中で、改めて解除の判断時期についてお考えをお聞かせください。
(答)それぞれの都道府県と緊密に状況については確認し合っています。状況を共有しています。感染状況であったり、病床の状況であったり、先ほど申し上げた入院調整中の状況であったりですね。これは保健所の負荷がどのぐらいかかっているかということにもつながるわけですけれども、そういった状況を今、日々確認しているところでありますし、私も随時それぞれの知事と意見交換をしたいと考えております。やはり、一番よく現状を把握している知事の意向はしっかりと受け止めて対応したいと思っておりますけれども、日々、私も専門家とも情報共有、意見交換をして、分析もお願いしています。
 先ほど来、申し上げていますとおり、減少が少し鈍化していることについて専門家も懸念を示されています。人出が増えていることとあわせて、引き続きの対応をお願いしたいと考えております。タイミングについては、適切なタイミングで適切に判断していきたいと考えております。
 その上で、まん延防止等重点措置ですけれども、これは感染拡大しているときに緊急事態宣言にならないようにするために使う。それから、感染が減少してきた、緊急事態宣言を解除した後も、ある都道府県が全体としてはステージ3のレベルになっているとしても、ある地域がまだ感染の水準が高いとか、ある地域でまだ拡大しているということもあり得ますので、当然、減少しているときにもこれは機動的に使うことができます。ただ、直ちに、解除したから、まん延防止等重点措置に移行するということではなくて、先ほど申し上げましたとおり、まず緊急事態宣言の下でしっかりと感染を抑え、病床も安定的に確保していく、医療機関への負荷をしっかりと下げることが大事だと考えています。
 様々な御意見がありますけれども、やはり緊急事態宣言というのは非常に重い宣言、非常に厳しい措置でもありますので、解除すると、社会全体としてどういうふうに受け止められるか。緊張感が途切れてしまうことも考えられます。まん延防止等重点措置が導入されたからといって、それを前提として安易に緊急事態宣言を解除することにはならないということであります。
 もちろん機動的に使っていきます。これは再拡大しないようにまん延防止等重点措置が活用できるわけですけれども。しかし、今、緊急事態宣言の最中であります。その下でしっかりと感染を下げて、病床を安定的に確保し、医療機関への負荷を下げるということが何より重要でありますので、そういった姿勢で臨んでいきたいと考えております。
 いずれにしても、都道府県知事とよく連携して情報を共有しながら、専門家の意見も聞いて、適切なタイミングで適切に判断していきたいと考えています。
(問)今の質問とつながるんですけれども、確認させてください。緊急事態解除のときには、どの地域であっても段階的にまん延防止等重点措置を使って抑えていくということではなくて、今のお話は、なるべくまん延防止等重点措置なしで完全に解除にしたくて、最悪の場合、ピンポイントでまん延防止等重点措置を使うと、そういう方針という理解でよろしいでしょうか。
(答)まず、まん延防止等重点措置を使うかどうかは別として、緊急事態宣言解除の後も、去年もそうでしたけれども、基本は段階的に様々な対応は解除していくということを想定しています。イベントも、去年もそうでありました。人数の上限を徐々に緩和していくということを基本に考えています。栃木でも、8時までの時短を今、21時までとして、しっかりとさらに下げるということで取り組んでおられます。そういったこと、これまでの経験も頭に置きながら、まん延防止等重点措置を使うかどうかは別として、段階的な緩和が基本的に想定されるということです。
 その上で、まん延防止等重点措置は機動的に使うこととしたいと思います。これは当然、ある地域で感染がまだ落ちない、あるいは広がっているときには、その地域で抑え込むために、全県に広がらないようにするために、さらには緊急事態宣言につながらないようにするために機動的に活用したいと考えています。
 ですので、今の段階から使う、使わないということを予断をもって言うことは控えたいと思いますが、基本はやはり緊急事態宣言の下でしっかりと感染者を下げて、そして病床を安定的に確保できる状態を作る、医療機関の負荷をしっかりと下げていく、このことが重要だと考えています。コロナへの対応、通常医療への対応、そしてこれからワクチン接種への対応をお願いしなければなりませんので、医療機関への負荷を下げることが重要だと考えています。
(問)大臣、御苦労様です。
 冒頭の御発言にあった人出のことでちょっと教えてください。国民への呼びかけとして、人流削減は非常に重要な呼びかけだと思うのですが、一方で、大臣は昨日の会見では、例えば、百貨店とか映画館などを引き合いに出されて、今は焦点を絞った対応をしているので人出が増えている面もあるという御説明がありました。対象を絞っている中で昨年並みの削減を求めるということが、メッセージとして矛盾があるように思うのですけれども、その点については、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)まず、テレワークについては7割ということをお願いしています。昨年並みの対応。ですので、8時までの時短の協力と、まだ支援策も用意しています。それから、テレワーク7割、出勤者の数を7割減らす、このこともあわせてお願いしています。これも中小企業の皆さんには支援策も用意してきています。そして、不要不急の外出自粛、この3つを中心に。イベントも、去年は全部止めましたけれども、そうではなくて50%、5,000人という中でお願いしてきています。ですので、かなり焦点を絞った対応としてきています。このことについては、是非、お願いしたいと思います。
 先ほど申し上げた37%、29%も、昨日も申し上げましたけれども、テレワークは、ある意味「新たな日常」の象徴です。感染防止策をしながら、そして経済社会活動もしていくその象徴でありますので、これをやっていかないと今後のデジタル社会、新たな経済社会を作っていくことはできないわけでありますので、是非、これはお願いしたい。昨年からの経験もありますので、生産性が落ちるケースがあるとかコミュニケーションが上手くいかないとか、幾つか課題も去年の春のデータから分かっています。アンケート調査もこの間行いました。でも、これだけの経験を積んできていますので、それを是非乗り越えて、「新たな日常」を作っていくことのお願いをしたいと思っています。
 暖かくなってきましたし、自粛が長い間続いていますので、当然、外に出たいということはあると思います。不要不急の外出自粛ですので、当然、必要なものの買い物もあるでしょうし、どうしてもエッセンシャルワーカーの方々、現場に行かなければいけない方々の通勤もあるでしょう。それから通学、これはオンラインと両方あると思いますけれども、そういうこともあるでしょうし、通院、医療機関に通われる方もあると思いますので、ここはいろんなケースがあると思いますけれども、買い物もできれば回数を減らして、人数を減らしてということもお願いしています。感染拡大を抑えることを、是非、最優先に考えていただきたいと思います。
 データを見ても、オンラインのショッピングなんかも増えていますので、そういったことも活用していただいて、できる限り。当然、生活するために必要な外出はあると思います。運動したりとか、散歩したりとか、これはリスクが低い。一人で走ったり、一人で散歩するのはリスクが低い、あるいは家族と、一緒にいる人といるのはリスクは低いわけですけれども、是非、久しぶりの人と会うとか、会食をするとか。今でも日々の報告を聞いていますと、会食であったり、大人数の家庭での食事会であったり、こういったことも報告を受けています。昼カラオケも出ています。是非、不要不急の外出自粛をお願いしたいと思いますし、どうしても外出されるときは感染防止策を徹底していただくこと、このこともお願いしたいと思います。是非、今は感染拡大を抑えるということで徹底をお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。

(以上)