西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月25日

(令和2年12月25日(金) 15:43~16:22  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から5点申し上げます。
 まず、成長戦略会議の結果について申し上げます。
 本日は梶山経産大臣から2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略について説明いただき、議論を行いました。内容は、2050年のカーボンニュートラルという高い目標の実現に向けて政府として可能な限り具体的な見通しを示す、そして、継続的な支援を行う方針を明示することで民間企業が大胆な挑戦をしやすい環境をつくる、この必要があるという認識に基づいてであります。
 このため、産業政策の観点から、特に2050年に向け、技術革新を通じて今後の成長が期待される14の産業分野において重点的な分野として高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員する戦略としてグリーン成長戦略を取りまとめたところであります。成長戦略会議で有識者から作成すべきと既に御意見があった行程表についても、14分野について添付がされております。
 当然のことながら、今回のグリーン成長戦略の内容以外にも、エネルギー政策の観点でカーボンニュートラルの実現に向けて、活用できる既存の技術や政策のさらなる深掘りなどについては、引き続きエネルギー基本計画の検討など、政府内において検討を続けていくことになります。
 本日の議論は後で事務方から詳細を説明させますけれども、やはり日本の強みを活かすべきであるとか、民間、大学のそうした潜在的な力を最大限に引き出すべきであるとか、より具体的に深掘りしていくべきとか幾つか御意見をいただいておりますので、後ほど紹介させていただきます。
 その上で、官房長官から以下のような話がございました、締めくくりの挨拶がございました。「今後、各省庁一体となって、この戦略で提示された項目をできることから実行していくとともに、本日有識者の皆様からいただいた御意見を踏まえて、経産大臣を中心に関係大臣の協力の下、縦割りを打破し、官民の取組が継続して進むような形で検討を進め、さらなる深掘りを進めていただきたい。特に金融については、国内外の成長資金を、高い技術を有する日本企業の取組に活用する上で、金融機関の役割や資本市場の機能が重要である。麻生金融担当大臣を中心に議論を進め、今年度内、3月を目途に本成長戦略会議に報告をいただきたい。これらの成果については与党とも調整を図り、来年夏に閣議決定予定の成長戦略に反映していく」ということであります。
 2点目、EUと英国の交渉結果についてであります。
 現地時間24日、EU及び英国政府は両者の間の将来関係交渉の妥結を発表したと承知しております。双方の努力により移行期間内の妥結が実現し、それにより日系企業を含む世界経済に大きな影響を与え得るEU、英国間の関税の設定といった事態が回避されたものということで歓迎したいと思います。
 その上で、現在英国はTPP11への新規加入に関心を示しているところであります。我が国は来年、TPP委員会の議長国を務めることになります。英国の状況を注視し、必要な情報提供を行うなど、議長国として役割を果たしていきたいと考えております。
 3点目、経済指標についてであります。
 本日、11月の労働力調査などが公表されました。まず、労働力調査によれば、これで見ていただきますと、11月ですね、雇用者数が3月の6,054万人から6月の5,909万人まで、かなり、100万人以上減りましたけれども、徐々に経済の回復に伴って雇用者の数も増えていまして、11月段階で6,000万人まできております。しっかりと経済の足取りが持ち直してきているということでありますが、ただ、雇用者はまだ3月段階と比べて54万人少ないということであります。
 そういう状況の中で、まず、非労働力人口が3月の段階で4,180万人ありまして、4月にぐっと増えたわけですね。子供が休みだということで、特に女性を中心に94万人の方が非労働力人口となって労働市場から退出されたわけですが、今回、11月で4,158万人ということで、かなり元の水準に戻ってきた、いわば、その時よりも低くなってきているわけであります。その方々が雇用者として増えてきているということだと思いますが。
 さらに、休業者も200万人から、4月は652万人ということで、450万人も増えたわけですが、195万人まで休業者の方が減りました。ということで、例年大体180万人、190万人のレベル。これは育児休業とか介護の休業とかを含めて休業者の方は一定程度おられますので、大体例年のレベルに近づいてきているのかなと思います。
 他方、失業も10月段階で214万人の方が失業しておられましたけれども、今回198万人と減少したわけですけれども、3月時点と比べて、まだ26万人多い状況ですので、職を失われた方に対してしっかりマッチングなどの、そして職業訓練など手当していくことが大事だと、支援していくことが大事だと思います。失業率も何とかまだ踏ん張って2.9%というところに、前回から0.2%ポイント下がったわけですけれども、雇用をしっかりと守っていくという観点で支援策をしっかりと実施していきたいと思います。
 統計は一喜一憂してもいけないのですが、有効求人倍率が1.06倍ということで、求人数が若干11月は増えています。9.2%。これはでこぼこがあるので、3カ月ぐらいならしてみた有効求人数で言っても3%プラスということでありますので、11月時点で求人が増えるということでありますから、経済が戻りつつあったということでもあります。
 ただ、12月に入って少しこの求人の伸び、これは3月を100としてぐっと減ったわけですけど、ずっと戻ってきていたんですけれども、11月は92ということで高い数字ですが、これは月次ではなくて日次で我々も見ていまして、12月は25日までを見ていますけれども、今日までのを見ていますが92.8ということで、ちょっと伸びが鈍化している。12月は御案内のとおり感染が広がった中で時間短縮の要請なども行っておりますので、こういった面もよく注意していかなければいけないということであります。
 そうした中で、時間短縮要請に応じていただいている企業の皆さんなど、パート・アルバイトの方を休ませるということもあると思いますけれども、雇用調整助成金については、これまでも繰り返し申し上げていますとおり、パート・アルバイトの方も含めて月額33万円までは、中小企業の場合、国が全額休業手当を助成するという仕組みになっておりますので、それを是非活用していただきたいと思います。これまで約215万社に2.5兆円の支給を行って、今申し上げたような雇用の維持に役立ってきているものと思います。この制度は2月末まで延長しておりますし、3次補正、当初予算を合わせて加えて2.1兆円の十分な予算額を確保しておりますので、是非、御活用いただければと思います。
 その関連で、職を失われた方を初めとして、生活が厳しい方もおられると思います。年末年始に向けて、これは事業者の皆さんも資金繰りなど苦労している方もおられます。例年以上に対応が必要になるということであります。生活に困っている方々に向けて緊急小口、これは最大6カ月までやることにしましたので、2人以上の世帯で140万円まで、単身世帯で110万円まで特例の貸付けを行っていますけれども。コールセンターは毎日朝9時から夜9時までこの番号で。それから、住居確保給付金、これも住居を失う恐れがある方に住居の家賃相当額を支援しております。これも毎日この電話でコールセンターにつながります。それから、年末年始の各自治体の臨時窓口、これを厚労省から要請しておりまして。何かあった場合に相談できる窓口、これも本日、厚労省のホームページで順次掲載していくということで聞いておりますので、是非、厳しい状況にある方はこういったコールセンターの番号、あるいは厚労省のホームページで確認していただきたいと思います。私どものホームページ、また、私も発信したいと思います。
 事業者の皆さんも、年末の資金繰り、実質無利子・無担保の融資、公庫、商工中金、沖縄公庫は30日までですが、それぞれの電話番号で対応が可能です。そして、中小企業庁の窓口も、28日までですが、この番号で相談が可能であります。それから、先ほどの雇用調整助成金についても、コールセンターは毎日9時までやっておりますので、それぞれ、この年末年始に大変厳しい状況にある国民の皆さん、あるいは事業者の皆さんは、是非、御相談いただければと思います。
 それから、マクロミルのデータが今日出まして、週次の消費の状況です。
 御案内のとおり、過去3年の幅をこのグレーの幅で示しております。4月、5月は緊急事態宣言でしたので、本来連休、ゴールデンウイークでかなり消費が増える部分が低かったと。その後、戻してきたわけですが、8月も感染拡大でお盆の時期、本来なら増える時期がこういう低い状況で。その後、9月、10月と非常に好調。11月は求人も非常に好調だったわけですが、足元ですね、この直近の17日から23日の1週間で消費が落ちております。これは、経済再生の立場からすると非常に悩ましいところなんですけれども。しかし、営業時間の短縮とか、忘年会・新年会は延期してくれと、特に感染拡大地域ではお願いし、人と人との接触をできるだけ減らしてくれというお願いをしている中で消費がこうして減ってきていること、これは全国ベースですので、東京、大阪、それぞれの感染拡大している地域は分かりませんけれども、全国的に年末年始は注意してほしい、静かな年末年始をということで呼びかけてきている中で、国民の皆さんもそれを受け止めていただいて、対応していただいているのかなということを感じています。
 細かいことはもう申し上げませんけれども、1点だけ。食事会・飲み会、これはグレーの線で公表されておりますが、10月、11月はかなり高かったものが、十数%あったものが、直近8.5%まで、このグレーの線です、落ちていますので、私どもの呼びかけ、また、それぞれの都道府県知事の呼びかけにも応えていただいて、相当注意して対応していただいているのかなと感じております。
 家族との外食も、全体として3割ぐらいあったものが今は20%台。それから、逆にお酒、これは家で恐らく飲まれるんじゃないかと、ちょっと上がってきております。こういったことから、国民の皆さんもこの感染拡大を受け止めていただいて、それぞれのお立場で感染拡大防止に御努力していただいているのかなと、御協力いただいているのかなということで、改めて感謝申し上げたいと思います。
 繰り返しになりますが、感染拡大している地域、特に首都圏、東京を初め、3県は過去最多の水準が続いております。是非、人と人との接触は減らすという観点から、もうピークは過ぎたかもしれませんけれども、飲み会、忘年会、そして新年会は延期していただくと。あるいは、帰省についても慎重に対応していただく。年末年始の挨拶回りも、本来ならそれぞれの企業の皆さんが行われると思いますけれども、これも控えていただく。こういったこと、静かな年末年始を改めて今日から、今からお願いしたいと思います。何としても、この年末年始で感染拡大を抑えていければと、皆さんの御協力もお願いしたいと思います。
 それから、4点目ですかね。就職氷河期世代につきまして本日、この支援に関する行動計画の改定を行いました。昨年末のこの計画策定以降、感染症の影響を受けて雇用情勢が厳しくなるその一方で、テレワークなど多様な働き方が拡大し、引きこもっておられる方々にも様々な可能性が広がってきているということが言えると思います。
 例えば青森市で、これは報道もされていますけれども、青森市の中学校で不登校の生徒さんたちの74.6%がオンライン授業に参加したと。普通ならば、4月に通うようになっても、その後、だんだん不登校の子が出てきて通わなくなる傾向があるということで。19年度は4月以降、数週間で不登校の生徒の登校率が40%台に下がったわけですけれども、2020年度、今年度は70.2%を維持したということで、オンライン授業によって参加が増えたということで。幾つかの理由が紹介されていますけれども、オンライン授業という新しい学習形態に興味がある、あるいは、周りの生徒の目を気にせず参加できたとか、こういった面も出てきております。他にも、熊本市を初め幾つかの紹介も報道がなされています。
 また、引きこもりの若者が在宅勤務でテレワークを始めた例も、幾つかの企業でも実例が挙げられております。こうしたことの認識も盛り込んで、新たな可能性も追求していくということで、今般の3次補正、来年度予算を含めて、氷河期世代の支援を拡充させていくこととしております。
 例えばハローワークの専門窓口の拡充、あるいは引きこもりに関する普及啓発のそうした推進、それから、ハローワークやサポステの相談対応のオンラインでの活用、テレワークの環境整備、こういったことも盛り込んでおりますし、いろんな施策のデータの収集整備の強化も盛り込んでおります。来春を目途に、こうした施策の実績に関するフォローアップを実施し公表する予定としております。
 それから本日、関連で、就職氷河期世代向けの国家公務員の選考試験の合格発表がありました。5,619名が11月29日に受験されまして、1,009名の1次合格者が発表されております。1月以降に選考し、2月に合格者を発表する予定であります。3月以降、157名の採用を予定しているところであります。不合格になった方は非常に残念でありますけれども、いろんなチャンスがまだありますので。また、合格になった方は、是非、採用に向けて、また引き続き取り組んでいただければと思います。
 それからオンラインでの様々な、本来であれば今年の春から企業説明会とか就職氷河期世代の皆さん向けにマッチングの事業とかを計画しておりましたけれども、なかなかコロナの中でやれないということでありましたけれども、幾つかそうしたオンラインでのイベントも行ってきております。
 今日は近畿経産局主体でオンラインの合同企業説明会ということで、福井県で福井ジョブマッチオンラインと、41社が参加して行われております。また、来年の2月6日には中部経産局、中部地方でウェブマッチングを開催予定としております。中部経済産業局のサイトから、ホームページからアクセスできますので、2月6日の予定となっております。
 こうしたオンラインでの様々な事業もこれから引き続き継続していきたいと思いますし、是非様々なチャンスがあるように、引き続き支援策を充実させていきたいと考えています。本日、そうした行動計画の改定を行ったということであります。
 それから最後、コロナの関係であります。
 本日の閣議で予備費の措置がなされました。地方創生臨時交付金につきまして、御案内のとおり、その一定額を時間短縮要請などの場合の協力金のお支払いに当てる、協力要請推進枠として支援を行っているところでありますけれども。特にこの12月16日から1月11日までの間は、月額換算120万円まで、時間短縮の要請に応じた企業の皆さんに支援をしているところでありますけれども、本日の閣議で、予備費を活用しまして約2,169億円を追加措置することとしました。
 今、17都道府県でこの時間短縮要請が行われていると思います。全国的にかなり広がりましたので、この枠の追加が必要になったということであります。既に500億は確保しておりますので、合計約2,700億円が今、準備があるということでありますので、17都道府県に対してしっかりと支援ができると思います。来年1月末までの分は確保できたものと思っております。3次補正で2,000億円分も追加がなされる予定でありますので、これはもう以前に紹介した計算方法ですが、これでそれぞれの都道府県知事が機動的にこうした時間短縮の要請などを出せるように、国としても後押しをしていきたいと考えております。
 それから、静かな年末年始について、本日の閣僚懇談会におきまして、私から全ての閣僚に対しまして、この趣旨を踏まえて所管の関係団体等において適切に対応いただくよう、改めて協力をお願いいたしました。これまでも休暇の分散、テレワークの推進など、都道府県知事、あるいは昨日も経済界にも改めてお願いをしたところでありますけれども、本日、閣僚懇談会におきまして、改めてお願いをいたしました。
 私ども内閣官房のホームページにおきまして、この静かな年末年始の特設ページの開設も行っておりますし、私の動画も随時出しているんですけれども、尾身会長からの動画も掲載されておりますので、是非御覧いただければと思います。もう何万回か再生されているようでありますけれども、尾身会長御自身の言葉で語られておりますので、是非御覧いただいて、静かな年末年始をお願いしたいと思います。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)明日から年末年始のお休みが本格化しますが、その間の都道府県の感染状況の把握だったり、感染者が急激に増えた場合の緊急対応などは、どのような体制をとられるのでしょうか。
(答)まず、私自身は各知事と連絡を取れるように、体制はもう事務的にそうしたことを進めています。それから事務的にも、いわばホットラインで必ず連絡がつく、都道府県の幹部と私どもの間で連絡が取れるような体制をつくっております。
 その上で、連日の感染者の報告数もそうですし、またそれを少し専門家の皆さんにも分析をいただかなければいけませんので、専門家の皆さんとも緊密に連携をとることにしております。年末年始の休暇に入りますが、少なくとも電話で、また必要に応じてお会いして、緊密に分析いただきながら、そして都道府県知事とも連携をとって、何が起こっても対応できるように臨んでいきたいと考えております。
 その上で、通常連休などがありますと、検査件数が減って、その後検査件数がばっと増えるというようなばらつきが起こり得ることも想定をしながら、これはもう既に尾身先生とも話していますが、検査件数だけ、あるいは陽性者の数だけで判断していくのではなくて、それを補う様々なデータも見ながら対応していこうということで一致をしております。
 例えば検査件数が少ない中で陽性率がどうなのか。これで陽性率が高いと、検査が十分に行われていない中でかなり感染者が出ているということだと思いますし、陽性率もしっかり見ていこうと。それから、日々とっております人流、人出のデータです。これもある程度、厳密に。経済分析はこれまで何度もやっていますが、今の直近の動きを分析しているわけではありませんが、北海道とか大阪の例を見ても、人流、人出が減ることによって感染が減ってくることも考えられますし、引き続き高い水準であれば、感染者が減らないということも考えられますので。この人流のデータであるとか、あるいは交通機関のデータであるとか、あるいはそれぞれの神社などの参拝者の数なども公表されると思います。どの程度リアルタイムで出てくるかは別として、様々なデータを私どもはしっかりチェックをしながら、専門家の皆さんとも緊密に連絡を取って、適切に対応していきたいと考えております。
 それと、あわせて大事なことは医療の状況です。これも専門家の皆さんから、また都道府県の状況も、医療が年末年始に確保できているかどうか、このことも十分に意思疎通を図りながら、情報を共有しながら対応していければと思います。
 いずれにしても、もう今から静かな年末年始をお願いできればと思います。家族と、あるいはいつもの仲間と、ステイ・ウィズ・ユア・コミュニティーという言い方をしていますが、もうこれまで何度もお示ししましたように、また会う人、久しぶりに会う人、年末年始だからみんな帰ってきて同窓会、これは非常にリスクが高い。しかも、人数が多いとリスクが高まることもこれまで紹介をしておりますので、改めて静かな年末年始をお願いしたいと思います。
(問)今の質問ともちょっと関連するのですが、大臣も部局の方々もこの8カ月、9カ月はかなりハードな日々を送られてきたと思うのですが、今、国民に休暇の分散ですとか静かな年末年始というのを呼びかけられている中で、週明け以降、実際に働き方みたいな部分というのはどのようになるのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
(答)それは私たちの働き方?
(問)そうです。どのようにお考えかというのを。
(答)これは役所によって、今日もう締める所もあるのかな。締めるというか、一応28日までということだと思いますが。実態上、事実上、今日かなりもう縮小する所もあると聞いておりますが、28日以降、私どもの部署はできるだけ、みんな基本的には休むということなのですが。ただ、今も申し上げたように、様々な事態に対応していかなければいけませんので、いろんなやりとり、都道府県の日々のデータ、これはチェックをしていくことになりますので、最小限の体制でできるようにということで、各部署にお願いしております。
 私自身は28日は、専門家の皆さんとはこの週末のデータも含めて意見交換をしたいと思っております。特にイギリスの変異株のような話もありますので、何か大きな動きがあった時に備えて、そして感染研でも様々な分析を、引き続き国内の遺伝子解析、そして水際の検体の遺伝子解析もずっと継続して行ってくれておりますので、そういったことも含めて、今日も脇田所長とも意見交換をしましたけれども、月曜日も改めて意見交換、情報共有をしたいと思っております。それ以降は基本的には必要に応じてというか、状況を見ながら判断していきたいと。できるだけスタッフには年末年始、静かにまたゆっくり休んでもらえればと思っていますが、私自身はずっと緊張感は続くとも思っていますので、データをしっかり見て、必要に応じ、専門家の皆さんや都道府県知事と連絡を取って、連携して対応をしていければと。
 いずれにしても、いろんな事態を想定しながら、医療提供体制や様々なことを、私どもとしてできること、万全を期していきたいと考えています。
(問)今年の特に年末にかけて感染がぐっと伸びた中で、先ほど時短の話も出てきたと思うのですが、今、人流ですが、ピークを過ぎてきたんじゃないか、さっき大臣のお話があったかと思うのですが。一方で、なかなか期待するほどの効果を上げるのに時間がかかったという点もあったと思うのですが、そういった点、一番期待を上げられるのがなかなか難しかったという、その理由はどの辺にあると、大臣は今お考えになっているでしょうか。
(答)まず、先ほどピークを過ぎたのではないかと申し上げたのは、いわゆる企業などの忘年会はできるだけやめていただくように、慎重にということでお願いをしてきていますけれども、12月ももう末になってきていますので、そういう意味で、直感として、これまでの私の社会人の生活での経験上、ピークを越えたのではないかというのが1つ。それから先ほど申し上げたように、全国的に見ると消費額が先週から落ちてきていますので、そういう意味でピークを越えたのかなという期待をして申し上げたわけで、必ずしも正確なエビデンスに基づいて言っているわけではありませんので。消費額は少し落ちているということでありますけれども、それはまず御理解をいただければと思います。
 そして、人流、人出と感染拡大についても様々な議論もこれまでしてきましたので、今回の11月、12月の感染拡大が人流とどういうふうに関係があるのか、これはしっかりと分析はしたいと思っています。ただ、明らかに専門家の皆さんに、これは経済学者も含めて分科会でも提示をした資料で、北海道が11月7日から時短を早くに実施して、それによってかなりすすきのを中心に人流が減って、人の流れが減り、それに伴って一定のタイムラグ、時差はありますが、感染が減ってきているという現実があります。それから、同様に大阪も人の流れが減ることによって、そして少し頭打ち。まだ明確に減ってきているというのが、なかなかはっきりと専門家の皆さんもそこまで断言できないようでありますけれども。しかし、少し減少傾向が見え始めたかなということを含めて考えれば、やはりこの年末年始の人の流れというのは大きな要因の1つなのかなと。これは専門家の皆さんもそう言われているわけであります。
 そして繰り返しになりますが、ステージ3のレベルになってくると、これはもうステージ3の対策が必要なレベルということですね。ステージ4に行かせないためにステージ3でチェックをするということですが、この段階になってくると、もう人と人との接触を減らさなければいけない。つまり、感染防止策が徹底されている行為、リスクが低いと思われる行為であっても減らしていかないと、感染者、陽性者の減少ができない状況になってきているということでありますので。時短のお願いをし、また、東京都知事はステイホームということで呼びかけをされ、忘年会、新年会は避ける、こういった呼びかけを強めておられますし、また、3県の知事もそれぞれ時短の要請をされ、そしてまた先頭に立って強い呼びかけをされておられます。
 そうした中で、今回の感染拡大の要因については、この11月、12月のことについては、さらに分析を深めなければいけないと思っていますけれども、やはり分科会での提言の中にありますように、20代から50代の方の活発な活動、このことが感染を広げたのではないか、こうした分析をいただいているところでありますので。私からは、もう年末はあと何日かになりましたが、是非静かな年末年始をということで、今の時点から皆さん方にはお願いをしたいと考えています。
(問)今年はかなりコロナの対応ということが大部分占めていると思うのですが、改めて今年の1年を振り返りまして大臣の御所感を伺いたいのと、漢字1文字で表すとどんな1年だったかということを伺わせてください。
(答)簡潔に振り返りますと、ここのパネルで何度も御紹介しましたが、マクロミルをもう一回出してもらえますか。経済担当としては、今年1月の消費が非常に強かったというのは報告を受けて。これは非常に心強い。つまり過去3年、1月は消費がぐんと増えるわけです。年に何回か増えます。これは年末年始、5月のゴールデンウィーク、それから8月の夏休み、お盆の時期にかなり消費が。最近は9月のシルバーウィーク、連休もありますので9月も高いのですが、この消費税増税の影響が薄らいできた。去年は暖冬があったり災害もありましたので、少し11月、12月がでこぼこありましたけれども、1月は非常に消費が強いということ、2月も上旬ぐらいまでは非常に強かった。
 これが私のスタートでありまして、消費税増税分はもう上回って今年は経済成長ができると、そんな思いでスタートしたところが、2月にコロナがあって、それで3月6日にこのコロナ担当の大臣に任命を受けましたので、それ以降、緊急事態宣言があり、大変な思いを、私自身もずっと緊張感が続く日々があったわけであります。
 なぜこれを出したか。もう1つ申し上げたいのは、4月、5月はもちろん緊急事態宣言で消費が落ち込んだ、8月も落ち込んだわけですけれども。国民の皆さんが御協力いただければ、経済的には少しダメージはありますけれども、本来なら12月からこのぐらいばんっと増える。これが今のところそうはなっていない。8月ぐらいのように本来ならばんっと上がるところが、このぐらいの水準でもしこの年末年始が過ごせれば、まさに4月、5月、8月の経験で減少傾向に転じさせることができましたので、是非、この年末年始に静かな年末年始ということで、是非ともこれをお願いしたいということで改めて申し上げたいと思います。
 その上で、様々な方が漢字1文字で示されていますけれども、強いてあげるなら、緊張するの緊ですかね。4月、5月に緊急事態宣言があったという緊、それからずっと緊張した日々が続いた緊。それと、この言葉もたくさん使ったと思いますけれども、専門家の皆さんや都道府県知事と本当に緊密に連絡を取り合い、連携をしてきましたので、今年1年、まだ数日ありますけれども、私にとっては緊の連続だったという感じです。ありがとうございました。

(以上)