西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月22日

(令和2年12月22日(火) 17:15~17:27  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 まず、月例経済報告についてでありますが、もう事務的にも説明を受けていると思いますので、ポイントだけを申し上げます。景気の現状判断は、先月の判断を維持しております。先行きについては持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、感染症拡大による影響が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要があるということで、さらに警戒感を強めております。足元、消費も持ち直しの動きが続いておりますけれども、外食、旅行といったサービス消費で一部足踏みも見られますので、今後の動向に十分な注意が必要だと考えております。
 経済対策、補正予算、3次補正をまとめてありますので、雇用、生活を守る、そして新たな投資に向けて、デジタル、グリーンの分野に向けて、民間投資を呼び込むべく、着実に執行を図っていきたいと思います。
 それから、コロナの関係で申し上げます。明日、分科会を開催する予定で今、調整をしております。主な議題は、最近の感染状況、ワクチン接種、それから、厚労省から指定感染症の指定期間の延長について報告がある予定です。それから、新型インフルエンザ特措法の改正について、御指摘いただいている論点の提示を行いたいと思っております。感染状況については、この後、厚労省のアドバイザリーボードが開かれますので、それを踏まえて御議論いただく予定にしております。
 また、ワクチン接種については前回の分科会での議論を反映した取りまとめについて議論を行う予定にしております。承認が得られれば、了承が得られれば、速やかにパブリックコメントに付していきたいと考えております。
 それから、国営施設等の年末年始の休園等についてであります。昨日、小池知事からも東京都の施設について説明があったと思いますけれども、東京都でやはり高い水準の報告数があります。最大の警戒感を持って対処する必要があるわけであります。医療も非常に厳しい状況になってきているということで、もうこのレベルになりますと人と人との接触を削減しなければいけませんので、そういった観点から幾つかの施設について申し上げたいと思います。
 まず、公園なのですが、公園自体はオープンなスペースで屋外でありますしリスクは低いわけでありますけれども、人の移動、接触の低減を図るという観点から、国営昭和記念公園の有料区域、国営東京臨海広域防災公園の屋内施設、新宿御苑、皇居外苑の休憩施設等を今月26日から1月11日まで休館、休園とすることを関係省庁の要請をしたいと思います。
 それから、博物館などについても、もう既に時間の予約制、事前の予約制など人数制限による感染防止策を講じられております。大きな声を出すような施設ではありませんので、これも感染リスクは低いわけですけれども、改めて、東京国立博物館、東京国立近代美術館、国立科学博物館について、さらなる対策の強化、入館数の制限とか、あるいは滞在後の会食等の自粛呼びかけなど、より一層の感染防止対策の実施を関係省庁にお願いしたいと考えております。
 それから、コロナ対策サポーターに就任いただきました、読売ジャイアンツの菅野智之選手が、チームメイトの中川皓太選手、炭谷銀仁朗選手、丸佳浩選手、戸郷翔征選手とともにメッセージ動画を作っていただきましたので、御覧いただきたいと思います。

(動画開始)
(菅野智之選手)コロナ対策サポーターの菅野智之です。会食や飲み会の機会が増えるこの季節、コロナウイルスの感染を避けるため皆さんに気をつけてもらいたい5つの場所があります。
(中川皓太選手)1つ目、飲酒を伴う懇親会。お酒を飲んで気分が高まると、注意力が低下します。
(炭谷銀仁朗選手)2つ目、大人数や長時間に及ぶ飲食。長時間の飲食、大人数での飲食は感染リスクが高まります。
(丸佳浩選手)3つ目、マスクなしでの会話。マスクなしでのカラオケや近距離での会話は、リスクが大きいです。
(戸郷翔征選手)4つ目、狭い空間での共同生活。共同生活での感染も確認されています。寮の部屋やトイレなどの共用部分にはウイルスが潜んでいるかも。
(菅野智之選手)5つ目、居場所の切り替わり。仕事の合間の休憩など、場所を移動した時の気の緩みが感染につながります。
(選手全員)初めての冬、いつでもマスクでお願いします。
(動画終了)

 もう既に年末になっていますけれども、この年末年始に向けて、人との接触機会をできるだけ減らしていくということが大事になっています。
 昨日、尾身会長からも発信をしていただきましたけれども、また、小池知事も発信もされておられます。私の立場でも発信をしていきたいと思いますが、このようなかたちでサポーターの方からメッセージをいただきましたので、是非、「5つの場面」ということでありますが、特にマスクを外す場面に注意をしていただいて、いつでもマスク、これを心がけていただきたいと思います。感染リスクがかなり高まっているということを是非、御認識をいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)よろしくお願いいたします。2問ございます。
 1問目、月例経済報告で判断が引き下げられた個人消費についてです。コロナの感染高止まりに加えて、今日、経団連が大手企業の冬期賞与、昨年比で9%減という発表をされています。個人消費は一層冷え込むという懸念が広がっているんですけれども、ボーナス減が個人消費に与える影響について、大臣の御認識をお聞かせください。
 あわせて2問目です。特措法の改正について、昨日も御説明をいただいていたところなのですが、改めて、都道府県の時短要請に応じた店舗への財政支援をこの改正案に明記する方針だという一部報道がありましたが、事実関係について改めて御見解をお願いいたします。
 以上です。
(答)消費については持ち直しの動きが続いているとは思っています。この間、緊急事態宣言以降、もちろん感染の拡大が夏もありましたし、豪雨の影響などもありますので、その時々で当然でこぼこはありますが、基本的に消費の持ち直しの傾向は続いていると見ています。
 マクロミルの週別のデータも、直近の動きも、これは過去3年の平均がネズミ色の部分ですが、直近も非常に高い数字になっています。12月10日から16日の数字です。これは非常に悩ましいところでありまして、消費は強いのですが、この12月16日までの1週間のデータが非常に高いということは、この間、かなり出かけられて消費がされているということでもありますので、そういう意味で、ネットでの販売が増えている分には良いわけですが、出かけていって何か食事をしたり買い物をしたりということで、人の動きが活発になっているとすれば感染にはマイナスとなりますので、もう首都圏、それから引き続き言われております、北海道はちょっと減少傾向にありますが、引き続き中部圏、関西圏は非常に高いレベルの感染状況でありますので、医療も逼迫している状況であります。
 そうした中で、こうした動きは経済の担当からしますと、これは消費が持ち直しているという意味で良い面もあるのですが、しかし今は感染を抑えないと、結局はずるずると経済の悪影響が続いてしまいますので、是非ここは人の流れを少し減らすことに注力しなければいけない場面だと思っています。
 景気ウォッチャーもやはり小売もそうなんですが、飲食、サービスが非常に先行きが悪くなっています。当然、この間の10日から16日に消費額が増えても、足元の感染が広がるとこうして悪影響がずっと続いていきますので、経済の影響を小さくするためにも、やはり短期で、できるだけ短い期間で抑えていかなければいけない。その意味でも、もう今週も年末でありますので、是非、今から本当の年末に向けて、また年始に向けて、是非、静かな年末年始をということでお願いをしたいと思います。
 それから、2点目の点につきましては、財政支援が書かれるかどうかという御質問ですが、明日、調整ができれば分科会を開く予定にしておりますが、そこで論点となるような点をお示ししながら、議論をスタートさせたいと思っております。これまで知事会や、あるいは与党からも提言もいただいておりましたので、そういった点も踏まえて議論を進めていきたいと考えています。

(以上)