西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月1日

(令和2年12月1日(火) 9:33~9:51  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 まず、私から2点申し上げます。
 本日の閣議後の閣僚懇談会におきまして、テレワークの推進につきまして私から発言しました。人と人の接触機会を減少させ感染拡大を防止するため、各閣僚に対しまして、各省庁において、先月の推進月間に引き続きテレワークの実施に改めて取り組んでいただくこと、引き続き取り組んでいただくことということ、それから、所管の関係団体においてもテレワークの実施が推進されるよう、情報提供や指導を行うなど適切に対応いただくこと、このことについて協力をお願いいたしました。
 本日、経団連、同友会、日商とテレビ会議を行う予定であります。経済界に対しても呼びかけを行っていきたいと思います。
 2つの意味があると思っておりまして、1つは各地、幾つかの地域でステージ3の対策が必要になってきている地域があるということで、分科会からも指摘をいただき、それぞれの知事と連携しながら時間短縮要請などを行い、対策を強化してきているところです。
 そうした中で、この時間短縮もそうなんですけれども、きちんと感染防止対策を講じていて感染リスクが低い行動であっても、これは一定の制約を受ける段階にきているということであります。これまで申し上げてきたとおり、満員電車で何か感染が広がっているという、そういった報告は受けておりませんし、職場でも感染防止策がしっかりとられているところは非常にリスクが低いわけであります。そうした活動であっても、感染リスクが低い活動であっても、一定のレベルに感染、あるいは病床も含めてそうした段階に来た場合には、一定の制約を受けるということであります。やはり、一定のレベルに来た場合には接触機会を減らしていくことが大事になってきますので、感染リスクがそもそも低い行動であっても、制約を受ける段階に来たということを是非、御理解いただきたいと思います。
 2つ目は、これは以前から申し上げていますとおり、テレワークはいわば「新たな日常」の象徴の一つだと思います。緊急事態宣言の時に多くの方、6割、7割の方がテレワークを経験され、そして新しい働き方、多様な働き方を経験し、それを継続していきたいという方もたくさんおられたわけであります。もちろん11月の月間もそうですし、テレワークをやってみて効率の悪い部分とかも明らかになってきていると思います。それはそれで改善していく、私どものIT補助金などもありますので、活用していただきながら、より仕事の効率性を上げていく、あるいは生産性を上げていく、そうした取組も必要だと思いますが、まさに「新たな日常」として多様な働き方、ポストコロナの中で大事な一つの象徴的なことだと思っております。そういう意味で、いずれにしてもテレワークを推進していければと考えております。そういった2つの意味で、改めて11月の推進月間に続いて、引き続きテレワークをお願いしたいと思っているところであります。
 2点目が、経済指標が発表になっております。まず今日は労働力調査が発表されました。雇用者数が6月を底にしてずっと上昇、増えてきておりまして、6月から60万人増えていると。しかし、3月の時に比べると、まだ85万人低い状況にあります。改善はしてきていますけれども、まだ雇用の水準は低いレベルにあるということです。
 それから、完全失業者も3月の段階からは42万人増えて214万人、完全失業率も3.1%と、じわじわと上がってきておりますので、ここも何とかきちんと雇用があるように対応していかなければいけないと思っているところです。
 全体の数字で見ますと、まず、非労働力人口、これは3月から4月にかけて、特にお子さんが学校が休みで家にいるということもあって、女性が68万人、一旦は仕事から離れたわけですね。就職活動もしないという非労働力になった。全体で94万人増えたわけであります。4月、5月は緊急事態宣言でしたけれども、その後、改善し、9月から10月にかけても非労働力は26万人減っています。そして、4月からの比較で言いますと87万人減りましたので、そういう意味で再び労働市場に戻り始めたということであります。
 それからもう1つは、休業の方も4月には652万人いました。就職はしていますけれども仕事を休むという形で、雇用調整助成金などでサポートしてきたわけですが、これが10月は193万人まで減って、例年レベルにかなり近づいてきていると。3月が200万人でしたから、それを下回ってきております。4月との比較で言うと、459万人減っているということで、休業の状態から仕事をし始めているということで、非労働力から、雇用市場に、労働市場に戻る、休業の方も仕事を再開している、そういう状況の中で雇用者は3月から4月にかけて105万人減ったわけですけれども、その後、徐々に回復して、4月から比べると20万人増えているという状況で、改善が続いているということであります。就業者も33万人増えるということで、改善が続いているということですが、他方、失業者が、今申し上げたとおり214万人となっております。失業率3.1%という状況ですので、しっかりと雇用を守っていかなければいけない、こういう状況にあります。底堅さというか、徐々に回復してきていますけれども、水準は低いということですね。
 それで、職業安定業務統計も出まして、新規求人倍率1.82倍で、有効求人倍率、これは毎月出てくるものと3カ月ぐらいのならして見たもの、有効求人数。有効求人数はでこぼこありますので、新規もですね。ならしてみると2.2%増ということですが、1を超えて、わずかですけれども1.04倍ということで、横ばいか少し改善傾向がありますが、新規求人の数がここも波がありますので、3カ月ごとぐらいにちょっと波があるので、ならして見なければいけないのですが。ただ、5.8%減っておりますので、このあたりも、求職は当然、今のお話で労働市場に入ってきていますし、増えてきているんですけれども、新規求人が少し減ってきて、これは波がありますからならして見なければいけないんですけれども。いずれにしても、底堅さというか回復の基調は見られるんですけれども、依然として弱い状態が続いているということだと思います。
 新規求人数が減少した点、この点はよく見ていかなければいけないと思いますし、今後は足元の感染拡大の状況、それから時間短縮の要請も幾つかの都道府県でなされておりますので、こうしたことの雇用に与える影響をしっかりと見ていかなければいけないと思っております。
 いずれにしても、時間短縮の対応については、持続化補助金、それから家賃で最大600万円の支援。雇用調整助成金は2月まで延長しましたけれども、月額33万円で、中小企業の場合は全額国が1人当たり33万円を助成できるということであります。それから、無利子・無担保の融資、REVICなどの劣後ローンなどの出資などの支援、あわせて協力要請推進枠、臨時交付金を作りましたので500億円、これで支援していくということであります。しっかりと雇用・事業を支えていくということで進めていきたいと思っております。
 それから、データはここまででいいんですが、法人企業統計も発表されております。経常利益、設備投資など発表されております。今日発表された数字は、2次QEで12月8日に発表するものに反映させていきたいと思っております。
 いずれにしても、今の雇用情勢、そしてこの法人企業統計の民間企業の動向などを見ながら、雇用と事業を支えつつ、他方、ポストコロナに向けてデジタル、グリーン、あるいは事業再構築、こういったところを民間の投資が進むように、そういったものを引き出せるようにしっかりとした経済対策を求めていきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社から2点お願いします。
 1点目が、先ほどお話があったテレワークについてなんですけれども、緊急事態宣言が発出された頃よりは少なくなっているのだろうと思うんですけれども、現在の導入状況をどう見ていらっしゃるかということを教えてください。また、もし推進に向けた目標のようなものがあればお聞かせください。
 2点目が医療体制の関係なんですけれども、先週、分科会の小林さんが、医療体制を大幅に増強するようにということで政府に提言しています。民間病院が積極的にコロナ診療に当たれるようにインセンティブを講じる必要があるとか、追加的に重症者用のベッド2,500床を含む2万床程度が必要だとか、そういった内容になっておりますけれども、御所見をお願いします。
(答)まず1点目、これはウェブ調査を内閣府もやりまして、6割近い企業が4月、5月の段階でテレワークを実施していました。最近の状況について改めて調査をやりたいと思っているんですけれども、民間の様々な調査は出ております。緊急事態宣言の頃よりかは少なくなっているということですし、私どもは日々、主要駅の人の動き、流れをとっておりますけれども、緊急事態宣言の頃は7割ぐらい減少があったものが、最近、以前と比べて首都圏で25%前後、関西圏で15%前後の減少ということですので、そのことからすると、これは時差出勤なども含まれておりますので全てがテレワークではありませんけれども、そのぐらいの感覚になっているのかなと思っております。我々としても、改めて調査も行いたいと思っております。
 それから、これは経済対策、あるいは成長戦略会議などでも議論されておりますので、年末に向けてテレワークの推進というのも一つの柱と思っておりますので、是非、そうした中で議論を深めていきたいと思っております、進めていきたいと思っています。
 それから医療体制については、これは全国で見るというよりかは、それぞれの地域の事情に応じて見ていかなければいけないと思います。大阪と北海道が逼迫している状況にあるということで、それぞれ、北海道は既に人材も派遣しておりますし、大阪も新たな重症者センターも完成したということで、それへのサポート、人材の派遣も含めてサポートしておりますし、国としてできること、それ以外にも現在対応してきているところであります。病床の確保は何より大事だと思います。
 そして、東京については、昨日、厚労大臣のところに小池知事も来られて、重症者のベッドの確保について様々意見交換をされ、連携して対応するということで聞いておりますので、今の時点で逼迫感のある地域については、国とそれぞれの地域と連携して対応してきているということであります。
 その上で、ハードはあっても、病床なりベッドはあっても人がいない、人が足りないというところも聞いておりますので、看護師さん、それから保健師さん、あるいはサポートする人材の派遣を含めて、国としてできること、それぞれの地域の病床の確保に全力を挙げていきたいと考えています。
(問)この週末、首都圏、東京などの繁華街では人出に大きな変化が見られなかった地点もありましたけれども、感染を減らすための行動変容について、今どの程度できているか、大臣の御所見をお伺いします。
 あと、今、大臣がおっしゃったように、感染リスクが低い行動であっても一定の制約を受けなければいけないという先日からの説明に、やや唐突感を感じるんですけれども、なぜ感染リスクが低い行動でも制約を受けなければいけないのか、分かりやすく教えていただけますか。
(答)人流の流れ、人の流れは各地でとっておりまして、私どもも分析を進めています。一定の行動変容が進んでいるところもあれば、そうでない地域もあると思いますので、これは引き続き分析を進めたいと思っています。
 2点目については、これは分科会の専門家の皆さん、これは感染症の専門家も入っておられますし、経済学者も入っている中で、これまでもステージ3、ステージ4という考え方を示していただいております。ステージ4は、病床が50%以上になるとか非常に厳しい状況になってくる中で、緊急事態宣言も視野に入ってくる段階ということであります。そうならないようにするために、そこに行かないようにするために、その前段階、ステージ3の段階でしっかりとチェックし、これは病床が25%以上とか、陽性者の数が10万人当たり1週間で15人とか幾つかの指標がありますけれども、陽性率が10%になってくるとか、こういったところを見ながら、その段階で止めていく。その段階になると、それ以上行かないようにするために一定の制約がかかる。これはイベントも一定の制約。もちろんそれぞれの地域の判断がありますので、都道府県知事の意向を尊重しながら、国と連携しながら対応するわけですけれども、正しい行動であっても、制約をしないと感染を抑えられないレベルになってきたということであります。
 何か突然言い出したわけではなくて、ステージ3、4の説明をした頃から、ステージ3の段階になると、そういう一定の制約がかかってくるということを申し上げてきております。是非、このことは多くの皆さんに理解いただきたいと思いますし、このまま拡大するとステージ4に行ってしまうということで、この段階で止めなければいけない。したがって、営業時間短縮などの要請も行って、感染防止策がとられているお店であっても、それぞれの地域の事情に応じて対応していただくということでありますので、是非、御理解いただいて、また、これまで申し上げている5つの場面、特にマスクを外す場面でリスクが高まりますので、とにかくいつでもマスクをしていただけるように、特に細心の注意を払っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

(以上)