西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月17日

(令和2年11月17日(火) 16:42~17:11  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から何点か申し上げます。
 まず、医療機関・高齢者施設等の検査に関する厚生労働省通知についてお話し申し上げます。昨日、厚労省から地方自治体に対しまして、医療機関・高齢者施設等の入院・入所者、そして医療従事者、介護従事者に対する検査の徹底について改めて通知を行いました。
 これまでも再周知ということで連絡してきているんですけれども、感染者が多数発生している地域とかクラスターが発生している地域では、医療機関・高齢者施設等に勤務する方、入院・入所者全員を対象に、感染者がなくとも、この点が大事なんですけど、感染者がなくとも前広に行政検査を行うということの通知をいたしました。
 大阪府知事との会談の中でも、「1例出れば全員やるんです」ということで徹底しておられますけれども、私からは、「出なくとも、リスクがあると考えれば、その周辺でクラスターが発生しているとか、地域全体で感染者が増えている状況にあるということであれば、前広にやっていただいて大丈夫です」と、「行政検査としてできますから」ということで要請したところであります。
 今、各地で高齢者施設や院内感染で、少し感染が広がってきています。今日、新潟市でも高齢者施設でクラスターが発生したということで、30名と報告を聞いておりますけれども、何としても高齢者、そして基礎疾患のある方、重症化のリスクのある方々の命を守るということが大事であります。今日、厚生労働省から通知を行っていただきましたけれども、改めてそれぞれの地域で、リスクがあるという場合には前広に高齢者施設や医療機関でPCR検査を行っていただくようにお願いしたいと思います。
 それから2点目に、ガイドラインの改訂についてでありますけれども、明日、検討会を開く予定にしております。これは、もう飲食店等で、これまで申し上げている会食での感染拡大ですね、クラスターが起こっているということでありまして、専門家の皆さんにも入っていただいて、関係省庁、業界団体に入っていただいて、ガイドラインの改訂・強化を頭に置きながら検討会を開きたいと考えております。
 それから3点目に、昨日、申し上げました地方創生臨時交付金の協力要請推進枠、500億円についてでありますけれども、坂本地方創生担当大臣と協力いたしまして、その追加配分額の考え方を整理いたしましたので、御説明したいと思います。
 もう昨日お話し申し上げましたけれども、追加配分を行っていくわけですが、その対象となる都道府県は、特措法24条9項に基づいて、エリア、業種、地域や業種を絞った営業時間短縮の要請を行う場合に、担当であります私との協議を経て、効果のある要請というものについてしっかりと支援していくというものであります。11月1日以降の要請に適応し、500億円を活用いたします。
 そして、配分についてはこのような考え方で整理いたしました。対象の店舗数ですね、接待と伴う飲食店とか酒類を提供する飲食店の店舗数があり、そして協力額を月額60万円を上限といたします。そして、国と都道府県で分担するということで、国の分担分、負担として80%ということで計算いたします。
 これで計算をするわけですけれども、対象店舗数のうち9割が協力してくれるという前提で積算しようと思っております。要請する店舗数から協力する店舗数、そして60万円を上限として80%、こうした算定方式で交付を行いたいと思っております。
 ちなみに、60万円の考え方でありますけれども、これまで各都道府県でこうした営業時間短縮とか休業要請を行ってきておりますが、その際の協力金の金額を各県全部調べまして加重平均を取りましたら、1日1.8万円ぐらいですので、2万円とすれば30日間の分が出るということであります。
 それから、以前に国会でも答弁をしてきましたけれども、全国の家賃の平均が中小企業を対象にした調査によれば、平均値は月額39万円と、そして中央値でいけば20万円ということですので、月額で言えばかなりの部分をカバーできる金額になると思いますので、上限を60万円として、各県、都道府県で取られる場合によく調整して、よく協議して有効な対策となるように、そして都道府県知事がこうした要請を行うことについて、躊躇なく行えるように国としてしっかりと支援していきたいと考えております。
 具体的な詳細については、これから交付要綱を作りますので、地方創生推進事務局、坂本大臣の部局と私どもの部局との間で調整して、できるだけ早く地方自治体に通知したいと考えております。
 今日、北海道では対策本部が開催されました。昨日の知事の会見の方向性で決定したと聞いております。具体的には、ここが大事なポイントなんですけれども、感染リスクが回避できない場合には不要不急の外出を控える、あるいは、札幌から市外との不要不急の往来を控えるということで聞いております。
 まさに回避できない場合として、知事が例示として挙げられております。大人数で会食をする場合であるとか、感染リスクを回避できない場合の例として、今申し上げた大人数でマスクをしない大声での会話とか、2時間を超えるような長時間の飲食とか、密閉された屋内において人との距離が十分取られていない場合とか、こういった例示が挙げられております。しっかりと感染防止対策を取るということが様々な活動の大前提であります。経済活動、社会活動との両立を図っていくということで、それぞれの道民の皆さんに知事から、そして市民の皆さんに札幌市長から呼びかけがなされているものと思います。
 鈴木知事とは昨日夕方、夜も電話で会談を行いました。強い危機感を持っておられます。病床の確保、宿泊療養施設の確保、こういった面で国としてもしっかりと応援していきたいと思っております。既に保健師さんなど30名以上の専門家とか国からも派遣しております。何とか北海道の感染拡大を抑えていけるように、しっかりとした対策を組んでいきたいと思いますし、先ほど申し上げた、この地方創生の交付金を活用して、今は営業時間の短縮の要請を行っていますけれども、こうした取組を支援したいと考えています。
 それから、飲食を伴う懇親会とか大人数・長時間に及ぶ飲酒、まさに感染リスクが高まる5つの場面について動画を作りましたので、本日インターネット上に掲載いたしましたので見ていただければと思います。今後、私どものコロナ対策サポーターの皆さんにも発信をお願いしたいと思っていますし、テレビCMも準備しております。多くの皆さんに、これから年末年始、様々な行事があり、また、忘年会やいろんな懇親会などが年末年始に増えることが考えられますけれども、その際にぜひとも注意していただきたい5つの場面、これの動画を作りましたので見ていただければと思います。

(動画開始)
 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室からのお知らせです。
 年末年始には、忘年会や新年会など会食や飲み会の機会も増えることと思います。そこで、コロナの感染を避けるために気を付けていただきたい「5つの場面」があります。この「5つの場面」には特別な注意が必要です。
 1つ目は、飲酒を伴う懇親会等です。普段はあまり会わない複数の人たちが集まる会食や飲み会です。飲酒の影響で注意力が低下し、聴覚の働きが鈍ることも相まって、つい大声になります。これが飛沫感染のリスクを高めます。回し飲みや箸などの共用にも注意しましょう。
 2つ目は、大人数や長時間におよぶ飲食です。接待を伴う飲食、深夜のはしご酒などは、短時間の食事に比べて感染リスクが高まります。この冬、お酒は時間も量もほどほどにしましょう。
 3つ目は、マスクなしでの会話です。マスクを外した近距離での会話は、飛沫による感染のリスクを高めます。マスクは、御自身はもとより相手の方を守るための気遣いです。
 4つ目は、狭い空間での共同生活です。寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例が報告されています。密を避け、小まめな手洗いやマスクの着用などをお願いします。
 5つ目は、居場所の切り替わりです。仕事中の感染対策が徹底されていても、休憩時間にお茶を飲みながら話したり、喫煙所で話したり、更衣室での着替え中の会話といった切り替わりのタイミングで感染リスクが高まることがあります。
 冬は屋内での活動が増えるため、それだけ感染リスクが高まりやすくなります。今挙げた5つの場面に御注意いただくことで、感染拡大を防止していきましょう。引き続きの御協力をお願いいたします。
(動画終了)

 ということで、多くの皆さんに御理解をいただいて感染拡大を防いでいければと思います。繰り返しになりますけれども、テレビCMやサポーターの皆さんのお力も借りながら、さらに多くの皆さんに御理解いただきたいと思っております。
 とにかくマスクを外す場面ですね、マスクを外す場面がやっぱりリスクが高いということでありますので、食事、それから飲酒、喫煙、休憩室でお弁当を食べるときとか、あるいは寮生活で、親しい仲間だからといって近い距離で会話すること、こういったことですね、ぜひ注意を心がけていただければと思います。国としても、クラスター対策にしっかりと対応していきたいと思いますし、先ほど申し上げた検査の拡充、高齢者施設でのクラスター発生を防ぐために検査を広げていきたいと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)よろしくお願いいたします。3点ちょっとお伺いしたいんですけれども。1点目は、先ほど協力金の絡みで、近く交付要領を作るというお話があったと思うんですけれども、もし配分時期の目途があれば教えてください。11月1日からの適応ということなので、そんなに遅いタイミングにはならないのだろうと思うんですけれども。
 2点目が、先ほどおっしゃった飲食業界のガイドラインの改訂について。明日、検討会を開くと思うんですけれども、明日以降のスケジュール感といいますか、どういうタイミングで、スケジュール感でガイドラインを強化するのかということを教えてください。また、ガイドラインを強化しても、店舗側が守らないと意味がないと思うんですけれども、そういう意味で、実効性を高めるためにはどういうことが必要になるのか、お考えがあれば教えてください。
 3点目が、感染が拡大している地域で保健所の関係者の方と感染症の専門家の方たちと今日、議論されるというふうに聞いているんですけれども、この時期になってクラスターが増えていることの分析を中心にされるということでよろしいのでしょうか。お願いします。
(答)1点目の協力金の件ですけれども、11月1日以降の要請に対応するということで、北海道も対象になります。先ほど申し上げた大きな考え方は整理できましたので、これを具体的にどういう形で交付要綱に書くか、今、急ぎ坂本大臣の部局と調整しております。できる限り早急に交付要綱を。そんなに時間をかけずにできると思いますので、大きな方向性を決めましたので、交付金ですので国の税金を使いますから、きちんとしたものにしなければいけませんので、その点だけしっかり詰めて、そして漏れがないようにしながら、できるだけ早く通知ができるようにしたいと。そして、申請協議をして、できるだけ早く交付したいと考えています。
 それから飲食業のガイドラインについては、以前から申し上げていますとおり、会食でのクラスターを防いでいくために、最近増えていますので、CO2濃度センサーを活用して、換気がきちんとできているかということをチェックしてもらったり、これ、実は建築物衛生法で1,000ppmとかという基準が決まっていますので、そういったものを活用しながら、それぞれのお店でしっかり換気をチェックしてもらうと、意識も高めていかなければいけないと思っています。
 それからアクリル板の活用、それからできる限りマスク、フェイスシールドをお客さんの皆さんにもしてもらい、また、従業員の皆さんがするということ、それから斜め向かいに座ることの症例とか、様々、主なものだけでもこのぐらいは考えられますので、専門家の皆さんにも入っていただいて明日開催して、できるだけ早くガイドラインの改訂・強化につなげていきたいと思っています。もう年末年始のいろんな行事、飲み会とか忘年会の予約がされたり、始まってくると思いますので、そうしたタイミングにずれることなく改訂できればと。
 そして、その上でこうしたコストがかかる部分については持続化補助金で150万円までの支援、接待を伴う飲食店などは200万円まで出ますけれども、ちょっと業種によって上限額が違いますが、持続化補助金で支援してやります。このガイドラインが変わることによって、「Go To Eat」の対象となるためにもこれを守っていただくことになります。一定の準備期間は要ると思いますので、アクリル板とかCO2濃度センサーとか、他に専門家からいろんな御指摘もあるかもしれませんし、もちろん業界として短期間でできることとできないことがあるでしょうから、そういったことをしっかり議論していただいて、とにかく感染リスクを下げるためにできることを政府としても支援しながら、できることをやってもらうということ。そして、この冬のシーズンに、忘年会シーズンにできれば間に合うようにやりたいと思っていますので、早急に対応していきたいと。そして、一定の期間を置いて、「Go To Eat」の対象になるためにもこれをやらなければいけないということになってくるということで、農水省とも今、協議しているところであります。
 それから、保健所の皆さんとこの後、尾身先生をはじめ、専門家の皆さんも入って意見交換を行います。これまでも、例えば和歌山県の、先般、私、野尻技監という女性の、保健所を統括しておられる責任者と意見交換しました。かなり細かいクラスター分析をなされていまして、CD-ROMにもされて、我々もそれを見て、専門家の皆さんにも見ていただいて、先般まとめたクラスター対策の1つの象徴的なモデル事例としてこうした対応を各都道府県にお願いしているところなんですけれども。
 そうした中で、かなりクラスターに対する分析も進んできていますが、分科会の先生方からも、さらに踏み込んだクラスター対策ということで、これまで言われているとおり、なかなか情報が伝わりにくい外国人であったり、把握しにくい若者の集まりであったり、症状がない人が多いということもあってですね、そういったところをどうアプローチするかというようなことも取り組んできていますが、実際、今、それぞれの地域でどういったことの課題を感じておられるのか、どういうクラスターが発生してきているのか。このウイルスはクラスターからクラスターへの連鎖がなければ、クラスターで封じ込められれば、かなり陽性者を減らすことはできます。クラスターから次のクラスターに連鎖が行くと、これは春のように、4月、5月のようなああいう事態になっていきますので、何とかクラスターを閉じさせる、早く検知して、そしてPCR検査を重点的にやって、そしてそれで閉じさせるという努力が必要だと思っています。
 先ほど申し上げたように、高齢者施設などでも積極的にやってほしいということで、厚労省から通知していただきました。そうした対策を強化していく上で、我々の気付かない点が何かあるのではないかと、専門家の皆さんもそれをすごく意識しておられます。対策は講じていっていますが、まだ何かできることがあるんじゃないかと、これを、現場で取り組んでおられる保健所の皆さんから直接御意見を聞いて、今感じておられること、課題として何を感じておられるか、こういったことをしっかり伺って、次の対策にまたつなげていきたいと考えています。
(問)今日、兵庫の新規感染者が初めて100人を超えましたけれども、兵庫の状況について、現段階でどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)兵庫県知事とは一昨日、意見交換しましたけれども、今日、私どもの事務方が兵庫県とやり取りをしていまして、本日、107名で過去最高となったということであります。うち神戸市が43名、半分近くを占めています。現在、詳細を分析中ということで聞いていますが、かなりリンクがある家庭内感染が多いと聞いております。感染者がこのところ増えてきていますので、その濃厚接触者、関係者に幅広くPCR検査を行ってくれています。これは知事もそういうお話をされていました。ですので、その関係で、検査を増やしているがゆえに陽性者を特定していっているのではないかと、そういう認識を県の方でもしているようであります。
 11月1日に2,664件の検査でありましたけれども、直近1週間の検査がですね、15日、2週間後には5,025件ということで、検査数を倍にされています。2,664件から5,025件、この直近1週間でですね。11月1日の直近1週間と、11月15日の直近1週間で倍増していますので、かなり検査数を増やしてきていると。これは、先ほど申し上げたように、検知した関係者に幅広くPCR検査をやることが大事ですので、そういったことを実践していただいていると思います。
 対策会議を明日にも開いて、対策を協議する予定と聞いておりますが、いずれにしても、今申し上げたような「5つの場面」とか、県民への呼びかけも強めていきたいということであります。
 病床について、私も若干、兵庫県の病床の稼働率が高いものですから心配したのですけれども、兵庫県の場合は、余裕がある限りホテルよりも、療養施設よりも、入院させるという措置を取っているので、その結果上がっているという御説明もありました。また、神戸の市民病院のコロナ、重症者、中等症以上の方の専用病床も視察しましたけれども、そういった整備、さらに加古川にもう1箇所作るということで進められていますので、病床の確保もしっかりなされていると思いますが、いずれにしても緊密に連携を取りながら国としても支援できることをサポートしていきたいと考えています。
(問)札幌の特養では100人を超える患者が出たと聞いておりまして、この施設の定員は90人と聞いております。特養ですから、病院に果たして移送できるのかどうか分かりませんし、大量の重症者や危機的な状況があると思うのですが、今日の厚労省の通知というのは、やはりこういう現状を踏まえて出されたと考えて良いのか。それから、市中感染が進んだところにおいては、介護の人のストレスを減らすためにも、やはり定期的にPCRを義務付けるようなことが必要ではないかと、これは東京都医師会の副会長などがおっしゃっているんですけれど、その辺は大臣はどうお考えになっているのか。90人の定員で100人患者というのは、病院はすぐ崩壊してしまうと思うんです、そういうことをやっていると。お考えを伺いたいです。
(答)陽性者の数が増えてくると、当初、若い人が多くても、当然、家族や職場を通じて高齢者にも感染が広がってきます。高齢の方、それから基礎疾患のある方は重症化リスクが高いということが分かっていますので、何とかそうならならないように、国民の皆さんの命を守るために、特に高齢者、基礎疾患のある方、そこにつながっていかないように全力を挙げていかなければいけないと思っています。
 そうした中で最近、北海道もそうです、大阪もそうです、また、今日、新潟で施設内で多くの感染が出たということで、やはり最近高齢者施設での感染が広がってきています。院内感染も各地で見られてきていますので、そういった意味で、そういったことを踏まえて、これまでも既に通知してお願いしてきていますけれども、改めて厚労省から再通知という形で皆さん方にお願いしました。高齢者施設、医療機関で感染者がいなくても地域の状況やクラスターの発生状況を見ながら、行政検査として無料で入所されている方、スタッフを含めて検査ができるということを改めて通知させていただきました。
 これによって、働いておられる皆さんも安心して対応ができると思いますし、また、沖縄でも今、検討が進んでいますけれども、沖縄も今、比較的落ち着いてはいるんですが、時々感染が増えたりしますので、やはり高齢者の命を守るという観点から、定期的に、例えば2週間に1度とか、そういったことも含めて検討が進んでいるようです。
 国としては、地域の実情に応じて、感染リスクが高まっているようであれば、是非、そうしたことも含めて、高齢者施設、医療機関でとにかく高齢者、基礎疾患のある方の命を守るという方針で臨んでいきたいと思いますので、よく都道府県とも連携して対応していければと考えています。
 ありがとうございました。

(以上)