西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月10日

(令和2年11月10日(火) 9:22~9:30  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議におきまして、菅総理から新たな経済対策の策定についての御指示をいただきました。
 対策の柱は3本でありまして、1つは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策、これが1つ目の柱であります。足元、昨日緊急提言もいただきましたけれども、この拡大を防いでいくというのが第1の柱であります。
 第2の柱が、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現であります。この中で、これまで私も何度も指摘してまいりましたデジタル改革、それからグリーン社会の実現、それと経済構造の転換・イノベーションなどによる生産性の向上、これがまた賃上げにもつながってくるわけでありますので、生産性の向上。そして、この2つ目の柱の3点目が、地域、そして社会、雇用における民需主導の好循環の実現であります。
 そして3つ目の柱が、防災・減災、国土強靱化の推進、こうしたことを通じた安全・安心の確保ということであります。この3つの柱で対策をまとめていくことになります。
 3次補正につきましては、来年度当初予算と一体として、「15か月予算」の考え方の下、編成していくことになります。こうした指示をいただきました。
 私としては3点申し上げたいと思います。
 1つは、4月-6月のGDP、まさに緊急事態宣言によって意図的に経済を止めて感染拡大を防いだわけですけれども、大変大きな落ち込みとなりました、結果として。この間の4月-6月のGDPギャップが約55兆円あるわけであります。その後、経済は持ち直してきておりますので縮小してきておりますが、やはり一定程度の需給ギャップはあるということでありますので、このマクロの視点からしっかりと対応していきたいというのが1点目であります。
 そして2点目、国内でも感染が少し広がってきている、増加傾向にあると昨日の専門家の皆さんの緊急提言でもあるわけでありますが、欧米でも感染が広がっております。まさに感染拡大によって内外の経済が影響を受ける可能性があるわけでありまして、不透明感が広がってくるわけでありますが、これへの対応、これが2点目であります。
 そして3点目、OECDやIMFの経済見通しの中でも、日本の成長力は弱いと見られています。これを、2本目の柱であります、まさにデジタル改革・グリーン社会の実現、構造転換、生産性の向上、こういったものでしっかりと成長力を上げていく、こうした政策。特にこれは民需主導で、民間の内部留保を含めた投資を促しながら進めていかなければなりません。そういう意味で、政府の支出はワイズスペンディング、民間投資を呼び込むような、そういった政府支出を考えていきたいと思います。
 そうした考え方を頭に置きながら、総理の御指示をしっかりと踏まえまして、各省庁に検討いただき、取りまとめを行っていきたいと思います。また、与党ともしっかりと議論しながら、与党の御意見も伺いながら、さらには昨日の諮問会議でありました議論も踏まえて、取りまとめを行っていきたいと考えております。
 いずれにしても、成長力をしっかりつけていける、そしてそれにつながる民間の投資を呼び込むような、そういった対策、予算、税、規制改革、あらゆる施策を総動員して、総合的な対策を取りまとめていきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)1点お願いいたします。経済対策の指示が総理から出されたということなんですけれども、取りまとめの時期について、まず教えていただきたいと思います。あわせて、3次補正の規模であるとか、経済対策の事業規模の政府としてのお考えがあれば、あわせてお聞かせください。以上です。
(答)具体的な時期は現時点でまだ決まっているものではありませんけれども、今申し上げた3つの柱、対策については、いずれも喫緊の課題であります。対策の取りまとめをできるだけ速やかに行っていきたいと考えております。年末には来年度予算の予算編成もありますので、そういったこともにらみながら、速やかに行っていきたいと思います。
 それから対策の規模も、現時点で何か決まっているものではありませんけれども、総理から、この3つの柱に則って取りまとめるようにということで御指示がありました。
 私としては、マクロとミクロの両方からしっかりと考えていきたいと思います。マクロにつきましては、今申し上げた4月-6月で55兆円のGDPギャップがあったわけでありまして、これは経済の回復に伴い縮小してきているとはいえ、一定の需要不足はあるわけであります。さらには、先ほど申し上げた内外の感染拡大の状況によっては不透明感が増すわけでありますので、そういったマクロの視点。
 もう1つは、これまでの経済対策、今年の経済押し上げ効果が約35兆円分ぐらいあるんですけれども、来年度、21年度は4兆円程度となりますので、いわば経済効果の剥落も来年度はどうしても生じますから、こういったことを踏まえて、マクロの視点というのを1つの視点として重視しながら見ていきたいと。
 他方、デジタル化であるとか、グリーン社会の実現であるとか、あるいは構造転換、生産性の向上、こういったそれぞれ各省の政策、ワイズスペンディングにつながるような政策、これの積み上げもあります。このミクロの視点で必要な施策をしっかりと積み上げていく、この作業も大事でありますので、その両方から作業を行って、結果として自ずから必要な規模が決まってくるものと、対策の規模が決まってくるものと考えています。
 ありがとうございました。

(以上)