西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月6日

(令和2年11月6日(金) 8:41~8:51  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日、私から閣議で、いわゆる経済財政白書ですね、令和2年度年次経済財政報告について御報告いたしました。
 経済がまさに新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込む中で、デジタル化の遅れなど、我が国経済が抱えてきた長年の課題、これが浮き彫りになったわけであります。
 この白書では、行政や教育といった公的部門のIT化が遅れているということ、まさにそれが明らかになったわけで、新たな日常に向けて投資の加速、あるいはIT産業に偏っている人材を再配置していくようなこと、そういったことを提示しております。
 また、少子化も大きな課題ですけれども、出生率の回復には男性の長時間労働の是正、あるいは育児休業の取得促進、これを一層後押しすることが必要であることを提示しております。
 いずれにしても、様々な課題、これらは長年の宿題返しが求められているということだと思います。そういう強い危機感を込めて今回、今年の白書の副題を「コロナ危機、日本経済変革のラストチャンス」とさせていただきました。この白書で日本経済が直面する様々な課題への認識を多くの人に深めていただいて、今後の政策運営に資することを期待したいと思います。今後、強い決意とスピード感を持って、まさにこの日本経済の変革に挑んでいきたいと考えております。
 それから、新規陽性者の数、コロナの関係ですけれども、昨日、8月21日以来の1,000人を超える報告がございました。ただ、木曜日ということで、毎週木曜日は増えますし、それから3日が休みでありましたので、そういったことを考えて週単位で見ていかなければいけないと思いますし、何よりいわゆるエピカーブと言われる発症日別のデータで分析していかなければなりませんので、昨日報告された方がいつ発症しているのかということの分析を、昨日もこのエピカーブの専門家であります押谷先生とも議論させていただいて、分析を急いでもらっています。
 全体として、やはり横ばいから少し増加傾向にあるということだと思います。これは県によって様々ばらつきがありまして、北海道で最高となったり、あと愛知、大阪で増加傾向。沖縄は少し落ち着いてきている。福岡も落ち着いております。東京も横ばいぐらいの感じでありまして、東京で大きく増えているという感じは、発症日別のエピカーブで見る限りはそのように見受けられないような専門家の御意見をいただいております。
 ただ、全国の幾つかのそういった県、地方都市で増加しておりますので、これから冬になっていくわけですから、さらに換気が悪い所での活動が多くなるということも含めて、対策を強化していきたいと思っております。今、様々なこうしたクラスターの分析をこれまでも行ってきておりますが、さらにとるべき対応など、専門家の皆さんにも分析をお願いしております。
 昨日も申し上げたとおり、外国人のクラスターもあちこちで出ておりますので、早期に相談できる体制、あるいは検知していく。なかなか医師にもかかりにくいところもあるようですから、そういったとこを促していく、そういった仕組み作りも必要だと思っております。
 北海道には専門家を派遣するという方向で調整しているところであります。クラスター班はもう行っておりますけれども、寒冷地対策ですね、換気対策、工学系の専門家と一緒に対応をお願いしているところであります。鈴木知事とも引き続き緊密に連携をとりたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)1点あります。昨日ですが、全国知事会が年末年始に向けたメッセージを出しました。休暇の分散取得や感染を防ぐ注意点などを呼びかけていますけれども、その取組に対する評価と、その実効性を高めるために国としてできることは何か、改めてお伺いいたします。
(答)先般、知事会の皆さんとも意見交換を行いまして、飯泉知事からも理解いただいている発言をいただいたところですけれども、さらに知事会においてメッセージを発出されたということで、私どもの呼びかけに対応していただいたということで、改めて御理解、御協力に感謝したいと思います。
 特に感染リスクが高まる5つの場面、長時間の深夜に及ぶ飲酒であったり、あるいは場面の切り替わりですね、こうしてマスクをして一生懸命それぞれの立場で仕事をしている、次の休憩になる時にちょっと気持ちが緩んでたばこを吸ったりする時に何人かでマスクを外して話をしてしまうというような、その場面の切り替わりなどに非常に注意しなければいけないと思います。あるいは、飲食をする時は斜めに座った方がリスクが下がるといったようなこと。ちょっとした工夫で感染リスクを下げることができますので、そういったことの呼びかけをいただけるということで、大変ありがたく思っております。
 国においても、内閣人事局から各府省に対して年末年始の休暇に加えて、その前後でまとまった休暇を取得できるように奨励するといったようなこと、そうできるように業務の見直し、運営上の工夫を行うことなど要請がなされております。国も率先して対応していければと思いますし、さらには、できれば来月早々からテレビ広報などを含めて広報強化をして、年末年始の行事、そして人の移動が密にならないように、是非、幅広く呼びかけを行っていければと考えています。
(問)北海道の感染状況が深刻な中、「GoToキャンペーン」についてお伺いしたいと思います。今後、冬の観光シーズンが訪れる中で、「Eat」とか「トラベル」について対策ですとか、いわゆる規制というか、行わないような方針とか、そういったことというのは何かお考えがあるのでしょうか。
(答)1つには、まず大きな方針として、感染拡大防止は徹底していただくということ。これは「GoToキャンペーン」、「トラベル」も「Eat」もそうですし、「イベント」もそうですけれども、それぞれ参加する事業者には徹底して感染防止策をお願いしております。その上で、こうした経済活動、あるいは文化活動、社会活動と両立していくということが大事だと思っています。
 北海道に「GoToトラベル」を利用していったツアーでも、もう既に3週間程度たっていますので、これ以上のそこからの感染の報告は受けていないんですけれども。ツアーに参加された方は感染があるんですけれども、そこから何か現地で、旅館やホテルの方、あるいは観光地でこのツアーが原因で感染拡大したという報告は受けておりませんので、北海道でこのツアーが回った観光地でも感染拡大防止策がしっかり取られていたものと思います。引き続き分析をお願いしているところですけれども、そういった報告を受けております。
 ただ、バスの中で感染が広がったこと、それから最初のお一人、体調が悪いということを報告したにも関わらず見逃していたこと、こういった点は改善しなければいけない点だと思っています。特にバス旅行で長時間バスに乗ると、やはりその間に飲食があったりすることもあるでしょうし、換気は非常に良い状況を保っていたと言われていますが、このあたりをより分析を深めたいと思っております。
 ということで、基本的には感染拡大防止をしっかりしながら、特に「GoTo」に参加されている方は徹底されていると思いますけれども、さらに徹底を図りながら両立を図っていくということだと思います。
 ただ、分科会からもステージ3、4になってくれば、「GoToキャンペーン」のあり方も考えるようにということも言われておりますので、今、少し、東京は時々消えたりついたりですけれども、沖縄のついたのが消えつつありますけれども、このあたりの状況をよく見ながら、全国の感染状況を見ながら対応は判断していきたいと思います。
 ありがとうございます。

(以上)