西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月30日

(令和2年10月30日(金) 12:28~12:50  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私からまず、今朝、全国知事会と経済3団体と意見交換を行いました。テレビ会議です。
 冒頭、もう御覧いただいたと思いますけれども、年末年始の休暇を分散することの呼びかけ、それから知事会には、明日ハロウィンを控えていますので、感染防止対策を徹底した上で楽しんでいただくよう、呼びかけをお願いしました。それから知事会には、大都市部の感染防止対策のワーキンググループの取組は地方都市でも活用できるということ、当てはまるということで、対策の共有をお願いいたしました。
 知事会では、年末年始に向けたメッセージを出すことを議論するということで伺いました。徳島県知事、鳥取県知事に御主旨を理解いただいていると思います。特に平井知事は分科会のメンバーでもありますので、そこでの平井知事の御意見も踏まえてこうした対応になっておりますから、両知事に御理解をいただいたと思っております。知事会として何らかのメッセージを出していただけると思います。
 それから、経済3団体も基本的には御主旨は理解いただけたと思いますけれども、三村会頭から、休暇を延ばした場合の効果などを是非示してほしいということでありましたので、私どもはこれまでもいろんな試算を行っておりますけれども、どこかでまとめて試算をお示ししたいと思っております。年末年始の休みの前後が休暇になることによってその分消費が増えるという試算がありますので、それをベースにお示しできればと思っております。
 それから、本日夕方には、全国市長会の立谷市長ともテレビ会議を行う予定であります。
 それから、本日、幾つかの経済指標が発表されております。鉱工業生産、4%増ということであります。9月ですね。幅広い業種がプラスになっておりまして、これを見ていただきますと、自動車、生産機械、電子デバイスですね。自動車が、輸送機械が7月、8月、9月、6月以降ずっと伸びていますけれども、9月もしっかり伸びて、予測も、ちょっと11月はあれですが、全体としてはプラスの伸びであります。さらに、電子デバイス、この赤というか茶色というか、この色が電子デバイスですけれども、これも伸びております。5G関連、データセンター関連が伸びているものと思います。先行きもプラスになっておりますので、引き続き、海外の状況によって輸出が変動します。生産にも当然影響を与えますので、海外の今、感染拡大が見られるヨーロッパ、アメリカ、こういったところはよく注視していきたいと思っております。
 それから、労働力調査、職業安定業務統計が発表されました。御案内のとおりでありますが、雇用者数が13万人増えていることは嬉しいことだと思います。就業者の方は、自営業者の方もおられますので、廃業された方などを含めてちょっと減っていますが、雇用者の数は増えています。休業者も、前月よりもちょっと増えていますが、211万人と3月並の数字であります。4月に比べれば441万人減っていますので、少しずつ戻りつつある状況ではないかと思います。
 それから、非労働力人口も、ちょっとこの8月から9月にかけては増えていますが、これは廃業された方など、就業された自営業の方なんかも非労働力になられていればここに入りますので、そういったこともあるのかと思います。全体としては、3月から4月にかけて94万人増えましたけれども、61万人減っております。女性も68万人増えた分が45万人減っているということで、少しずつ改善してきているということであります。
 他方、失業者が8月から9月にかけて1万人増えて206万人ということで、4月から比べますと28万人増えています。失業率も3%ということで前回から維持でありますけれども、こうした状況の中で、今日も三村会頭から中小企業の状況はまだまだ厳しいものがあるというお話がございました。失業者の数が少しずつ増えている点、これはよく注意していかなければいけないと思っています。御案内のとおり、雇用統計は遅行指数として遅れて出てきますので、ここはよく注意深く見なければいけないと思っています。
 他方で、先ほど申し上げた生産の持ち直しなども含めて、雇用者数であるとか、それから新規求人も、これも職業安定業務統計ですけれども、有効求人倍率は1.03ということで全体は落ちているんですが、新規の求人・求職に限って見れば0.02ということで、これは前月比で見ますと、8月、9月と新規の求人が増えてきています。前年と比べるとまだ低い数字でありますので、そういう意味ではまだまだ厳しい状況にあるんですけれども、少しずつ求人も新規の求人が増えてきているということ、また、雇用者数もプラスの動きがあるということで、こうした前向きな動きを後押しするような取組を強化していきたいと考えています。
 引き続き、1次補正、2次補正、そして予備費もありますので、臨機応変に経済財政運営に万全を期していきたいと考えております。
 感染状況につきましては、昨日、全国で804名ということでありますが、岡山県で昨日31名ということで、このところ3日間で、9名、15名、31名とちょっと増えてきておりまして、先ほど岡山県の伊原木知事と電話会談を行いました。主として3つのクラスターということで、1つは津山市の津山中央病院、それから総社市の吉備の里というグループホーム、それから勝央町の食品工場で発生しているということであります。最初の病院、高齢者施設は、関係者全てPCR検査、また、吉備の里、高齢者施設は複数回にわたってPCR検査を行って、かなり陽性者を特定していっていますので、この範囲でかなりの部分、封じ込めができるのではないかということであります。
 食品工場の方が、まだどの範囲に広がるかが見えていませんけれども、私からも関係者を含めて幅広くPCR検査を行っていただけるようにお願いしました。知事の方も、その姿勢で臨んでいるということでありますので。また、県内で専門家の集まりでクラスター対策班を作っておられるようでありまして、必要であれば国としてもクラスター対策班、専門家を派遣しますということを申し上げました。
 それから、医療の方は、260床あって47名が入院しておられるということで、2割以下でありますので、逼迫している状況にはないということですし、重症者はゼロということでお聞きしておりますので、現時点で、確かにばたばたして忙しい感じはあるけれども、何か急に国にお願いするような段階ではまだないと、県の方で踏ん張っていますということでお聞きしております。病床の方は今のところ大丈夫だということでありますし、とにかく何か起これば検査を重点的にやって封じ込めていくということが大事だと思います。国として、しっかり連携しながら必要な対策を支援していきたいと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)経済3団体と全国知事会に今日、大臣から年末年始の休暇分散を呼びかけられたと思います。先ほどの三村会頭からの休暇を延ばした効果の話も出ましたけれども、業態、業種による事情がいろいろ違う中で、具体的に要望であったり、提案であったり、そういったものは何かあったのでしょうか。そこら辺をお聞かせいただければと思います。
(答)私の方から、業種、業態、それぞれの事情に応じて分担であるとか交代であるとか、工夫をして対応していただければというお話を申し上げました。当然、エッセンシャルワーカーと言われる我々の生活、活動を支えていただいている方々、これは医療・介護であったり、それから交通インフラであったり、金融の関係であったり、また、ごみ収集など我々の生活になくてはならない、まさにエッセンシャルな仕事をしておられる方々がおられますので、全てが全て休むわけにはもちろんいきませんし、工夫しながら業態、業種に応じてやっていただければということを申し上げましたので、そうしたことを踏まえて対応していただけるものと思います。
 櫻田さんから、同友会代表から、介護の事業もやっておられますので、そういった方々ももちろん休むわけにはいかないわけですけれども、全体としてやっぱり働き方改革というものを進めていこうと、そういう強い姿勢、意欲の表明がございました。
 それからあわせて、これは3団体共通ですけれども、もう1点私が申し上げたテレワークが、11月はテレワーク月間になります。毎年、進めていますけれども、それぞれに非常に理解を示していただきまして、もうこの一月ではなくて、「新たな日常」として定着させるべく進めていこうという、そういう強い意欲を感じたところであります。
 中小企業の皆さんはなかなかやりにくい部分もあると思いますけれども、テレワークの補助金であったり、IT補助金であったり、様々、支援策もありますので、そうした政府の支援策を有効に使っていただきながら、働き方改革の一つの象徴としてテレワークも推進していければと思います。
 もちろん、テレワークもどうしてもできない、現場で対応しなければいけない業態もありますので、それぞれの業態、業種への配慮は必要でありますけれども、できる部分をテレワーク、あるいはオンラインの会議、こういったことも含めて、今日もオンラインで会議をさせていただきましたけれども、「新たな日常」として定着させていければと思います。
 このことが感染拡大防止と経済活動との両立につながっていくと思いますし、また、こうしたオンライン、デジタルの新たな技術開発、新たなサービス、こういったものが生まれてくることも期待したいと思いますし、そうしたベンチャー企業の取組も応援していきたいと考えています。
(問)朝のテレビ会議でも話題になっておりましたけれども、明日はハロウィンであります。当日になりますけれども、これだけはちょっと注意してほしいという、大臣から注意点がありましたらお願いいたします。
(答)やはり基本的な感染防止対策を講じることが大事だと思います。これはもう繰り返し申しています、釈迦に説法というか、皆さん分かっておられると思いますけれども、マスク、手洗い、消毒ですね。これが基本で、もう1つは3密の回避ということで。室内でハロウィンをされる方もいると思いますけれども、ちょっと寒くなってきましたが、できれば窓を開けるとか、換気を良くするということですね。それから、あまり狭い場所でたくさんの人数が入ると、これはまさに密閉した空間で密集して、密接な会話がなされるということになりますので、これは是非注意していただければと思います。広い空間で、換気の良い場所でやるということが大事だと思います。
 それから特に、どうしても楽しいイベントですから、お酒を飲んだり大声を出すということがあると思いますけれども、これも長い時間、そしてあまり大量のお酒を飲むこと、それがまた大声にもつながってきますし、大声はどうしても感染しやすいということで、こういった点は分科会からも示されていますので、是非みんなで工夫しながら楽しんでいただければと思います。
 知事会にも申し上げましたけれども、主催者がいない中で自然発生的に集まってきて密になることも考えられますので、これも是非注意していただきたいと思います。主催者なり、その場所の責任者がおられれば、いろいろ誘導しながら密にならないようにもできるんだと思いますけれども、自然発生的なイベントも考えられますので、是非、できればマスクをしておいていただいて、飲み歩き、それから分科会で言われている深酒、長時間、そして大声、これを注意していただくということだと思います。できればマスクをしていただければ、マスクをお互いにするだけでかなり感染リスクを下げられますので、このことをお願いしたいと思います。終わった後は、是非、手洗い、途中でも手洗いとか消毒とかを頻繁にやられれば良いかと思います。
(問)大臣、引き続き休みのことで伺いたいんですけれども。国家公務員が率先して休みの分散ですとか行事の見直しをするという話がありましたけれども。例えば、内閣府の一般職の今年度の募集要項を見ると、入庁3年目までの方で有給の取得が1日もできないと答えているような方がいたりとか、なかなか霞ヶ関で取りにくい状況があると思うのですが、目標の設定をするとか、特に大臣の部局で何か取組を率先してやるようなことがあれば教えていただきたいのと。
 もう1つ、今回、あくまでも呼びかけというベースになると思うんですけれども、実効性をどうやって担保していくのか。感染対策と経済の両立ということで、呼びかけ以上に何か取り組んでいくお考えがあるのかどうか教えてください。
(答)まず、私から各省には、各大臣には閣議の後で、閣僚懇談会でお願いしました。その後、事務的にもそういった考え方を共有して進めていこうということで、各省に伝わっていると思います。それぞれの省の事情もあると思いますけれども、対応していただければと思っているところです。
 その上で、内閣府について言えば、次官と話しまして、次官も対応しましょうということで取り組んでくれていると思います。まだ報告は受けておりませんけれども、休みを延ばす人もいれば、帰ってくるけれども、今度また週の後半から休む人もあったり、様々、工夫をして、この年末年始の休みをずらして対応するという取組がなされると思いますし、御指摘のあったように、内閣府のみならず、役所全体でまだまだ働き方改革を進めていかなければいけないと思っております。民間の方からも提案も出されていますし、やはり国会への対応とか、どうしても夜遅くなることもありますし、休めない日も出てくるわけですけれども、その中で上手く工夫しながら休暇を取る、あるいは長時間労働をなくしていく、こういった基本的なことは是非進めていきたいと思います。テレワークも夏にはかなりの部分、夏というのは4月、5月はかなりの部分ができましたので、それを継続して、後戻りさせることなく進めていくことが大事だと思います。
 私のところの会議も、ああいう形でオンラインでやることも、もう「新たな日常」として定着してきましたし、内閣府としては率先して、是非、そうした働き方改革を進めていければと思います。

3.資産公開に関する質疑応答

(問)本日、資産公開の日となりますが、連年どおり御自身の資産内容についての状況のコメントと、あと、資産公開制度について大臣はどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、この2点をお願いします。
(答)まず、この資産公開制度でありますけれども、政治家であり、また国務大臣の今立場にあります、公職にありますので、公職にある者として清廉さを保持していくこと、そして、政治と行政の国民への信頼を確保するという観点から、この大臣等規範に定められておりますので、しっかりとこれに従って正確に対応することが大事だと思っています。
 そうした中で、私自身は2世でもありませんし、そんな資産家の家に生まれたわけでもありませんので、これまで生きてきた、私なりに一生懸命やってきたことの結果が今のこの資産なのかなと思っております。
 妻の両親が亡くなったことで、妻の方は山林を引きついでいますので、たくさん山林とか畑とかいっぱい記載されておるんですけれども、これは本当に財産的な大きな価値があるということではなくて、むしろ何かあったときに周りの人に迷惑をかけてはいけないということで、大変苦慮しながら管理しているというところが正直なところです。
 あと、娘たちがそれぞれ二十歳を超えまして、3人の娘が成人しておりますので、NISAとiDeCoを始めております。これはもうちょっとずつ積み立てて、長い期間で長期分散投資ということ。これは私もこれまでも推奨してきましたし、政府として、金融庁、財務省、いろんな形で進めているところでありますので、それを少しずつ実践を始めたということで、少しだけその金額が増えたりしております。
 そういったことでありますので、それぞれの立場でこつこつやっているという結果を正確にお示しするということが大事だと思っています。
 ありがとうございました。

(以上)