西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月27日

(令和2年10月27日(火) 16:29~16:52  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 10月29日木曜日、午前8時から新型コロナウイルス感染症の分科会を開催いたします。
 今回の主な議題は、最近の感染状況等についてということで、これについては明日、10時から厚労省でアドバイザリーボードが開かれますので、そこでの評価を踏まえ御議論いただく予定です。恒例の定期的な感染状況の評価ということであります。それから2つ目に、本日開きました大都市の歓楽街における感染拡大防止のワーキンググループの取りまとめがなされていますので、ちょっと文章の修文などありますけれども、それを報告する予定にしております。3点目に、これまでの感染症対策の効果分析、それから検査体制についても御議論いただく予定です。
 本日の大都市の歓楽街における感染拡大防止のワーキンググループにつきましては、自治体の皆さんにも参加していただいていますので、それぞれの地域での取組の事例の共有、経験・知見の共有、それから実際に事業者、有識者へのヒアリング、さらには新宿、沖縄へ委員を派遣して現地調査を行ってもらいました、それを踏まえた議論、それからICTを活用した、人工知能も活用した対策の効果分析、こういったことを御議論いただいてきたところでありますけれども、特に7月、8月の感染拡大期における取組を徹底的に分析してきたところであります。
 ざっくり申し上げれば2つのことが重要です。1つは重点的なPCR検査、もう一つは24条9項、特措法に基づいて、エリアを絞って、業種を絞って営業時間短縮の要請であるとか、場合によっては休業要請だとか、かなり焦点を絞ったピンポイントの要請を行う、この2つで、それぞれの地域が感染を抑えてきています。そうした分析をさらに今、詳細に出しておりますので、それについて報告する予定であります。
 このワーキンググループは一旦、一つの区切りとしたいと思いますが、今後は冬に備えて、この報告の内容を各地域で実践してもらわなければいけませんので、それぞれの自治体への支援を行うチームとして機能してもらえればと思っております。リスクコミュニケーションの専門家もおられますし、そうした対策の専門家もおられますので、それぞれの地域で歓楽街、繁華街を中心に感染拡大した時の応援・支援チームとして活動してもらえればと考えているところであります。
 それから、これまでの感染症対策の効果分析の一環として、3月の連休、7月の連休、9月の連休、それぞれ人の移動がかなり活発になったわけですけれども、それぞれ感染の拡大、感染の状況には差異があります。3月、7月はそれなりに、特に3月はかなり地方も含めて広がったという評価を専門家の皆さんもされていますが、実は9月の連休では移動がかなり増えました。旅行者も増えましたけれども、3月、7月に比べて陽性者の数、感染者の数がそれほど増えたわけではありません。感染拡大が大きく広がったということではありません。なぜそのような違いが出てきているのか、こういったことについて数理的な分析も進めておりますので、分科会では現時点での分析の結果について報告する予定にしております。これまで繁華街の対策をまとめてきましたけれども、人の移動をどう考えるかということについて、分析を深めていきたいと思っております。
 感染拡大防止と経済活動、社会活動との両立を図っていくといううえでは、できる限り人の移動も制限をかけることなく感染拡大を防げればいいわけでありますので、どういった対応が必要なのか、こういった議論をいただければと思っております。
 もちろん一般論で言えば、人の移動が増えて接触が増えれば感染症というのは増えるんですけれども、これはこれまでのいわば基本的な認識でありますが、これに基づいて4月、5月は緊急事態宣言をやり、県をまたぐ移動などの自粛をしてもらうことによって感染拡大を防ぐことができました。しかし、7月、8月、9月にかけては、人の移動を大きく止めることなく、以前にも申し上げましたけれども、地下鉄やバスを利用している方もたくさんおられます。そういった中で感染を減少傾向にできていますので、どういった要因で、どういった対応が今後必要なのかという、この移動のことについてどう考えればいいのか、分析を進めているところであります。
 基本的には、マスク、手洗い、消毒、3密の回避、こういった基本的な感染防止策はかなり定着してきたということも大きいと思っています。先般、東京大学、河岡先生のマスクの効果についての研究もなされていました。マスクがやはりかなりの、これは飛沫を出す方も止められるし、受ける方もマスクで止められるということが分かってきていますし、以前から申し上げているとおり、真正面や横に座るより、斜めに座った方が飛沫の飛び具合は4分の1になると、これもスーパーコンピューター富岳のシミュレーションで分かってきています。こういったことが、いわば「新たな日常」が少しずつ定着してきていることが感染を防いでいるのではないかと思いますが、このあたりの分析を進めているところであります。現時点での分析結果について御報告し、御議論いただこうと思っております。
 それから、検査体制については、これまで症状がある方、あるいはリスクの事前確率の高いという言い方を尾身会長はされてきました。症状のある方は第1分類、で、第2分類のうち事前確率が高い、リスクの高いという評価の方々、そういう地域については、2Aとして広く行政検査を行っていく。これが院内感染を防ぐ、病院であったり、高齢者施設であったり、あるいはまさに今回、繁華街で感染が広がってきた場合に無症状であっても、あるいは店舗で有症者が出ていなくても幅広く重点的に検査を行ったわけでありますけれども、こういったところが2Aに当たるわけですが、無症状で事前確率が低いと言われる2Bの方々の中でも、最近ではクラスター分析で様々なことが分かってきていますので、むしろ2Bから2Aに分類を替えた方がいいのではないかというような議論とか、あるいは、全く無症状で、御自身の安心のために民間検査を受ける、このことについてどういうふうに考えていくのか、こういったことも含めて、検査について御議論いただく予定にしております。分科会については以上であります。
 昨日の新規の陽性者は全国で401名ということでありまして、それぞれの地域で、日曜日、月曜日は報告数はいつも少ないんですけれども、陽性率で言いますと、東京3.4%、北海道はちょっと4.6%ということで高くなってきています。4.6%、4.7%。愛知も3%台だったのが今、5.2%まできています。少しこのところ陽性者の数が増えています。大阪も5.0%ということでありますし、沖縄が4.1%ということであります。
 次、お願いします。
 東京はこういう形で横ばい状況なのかなと思います。
 次、お願いします。
 他方、60代以上の方は1週間で208名ということで、ピーク時の300名近いところからはかなり少なくなっておりますが、リスクがあるということで要注意であります。
 次、お願いします。
 病床などの各県の数字ですけれども、東京も、特に北海道はかなりまだ病床は余裕があります。これは先般、私も鈴木知事とお話ししたところであります。沖縄が少し、逼迫までいかないんですけれども、かなり病床を使うようになってきていますので、このあたり、よく連携をとっていきたいと思っています。先般、玉城知事と話した時には、まだ逼迫しているような状況にはないということでありましたけれども、いろんな事態に備えて連絡をよく取っていきたいと思っております。以前には離島から本島へ自衛隊が患者さんを移送したり、あるいは看護師、保健師さんを派遣してサポートしていったことがありますけれども、そういった経験をしっかり活かしていければと思います。
 次、お願いします。
 これがステージ3、4の指標ですけれども、東京は若干3に入っているものがあります。新規報告者の数はまだ7点台ですが、東京は前週と比べて0.87ですので、東京、埼玉あたりはちょっと、神奈川も0.99ということで、ちょっと落ち着いてくれればいいなというところにきていますが、他方、大阪とか沖縄が1を超えていますので、先週より多くなっております。沖縄の病床はこういう形でありますので、よく注意しなければいけないと思っています。
 PCRはそれぞれ比較的低い数字で、愛知がちょっと高くなっておりますが、福岡は0.7とかなり落ち着いています。全国で3.2ということでありますので、全国で1.09ですから、前週と比べれば、ちょっと微増ということですね。地域によってちょっとばらつきがありますけれども、特に重症者の病床はよく見ていきたいと思っています。
 次、お願いします。
 東京は今、申し上げたとおりですね。
 次、お願いします。
 これもいいですね。全国の数も、これ全国ですから見ていただいたらいいですね。
 次、お願いします。
 人工呼吸器とECMOですけれども、こういう形で8月の山からかなり低くなっていますので、凸凹ありますけれども、このECMO、人工呼吸器もよく見ていきたいと思っております。4月の段階に比べると、かなり少ない、ECMOも4分の1でありますし、3分の1程度でありますので逼迫している状況ではありませんけれども、地域差もありますので、よく見ていきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)本日行われました歓楽街における感染防止のワーキンググループについてですが、木曜日の分科会に報告を上げるということですが、これまで議論で夜の街での感染が水面下に潜らないように、いかに接待を伴う飲食店の従業員にどのようにPCRを受けてもらうか、例えばプライバシーを配慮した形でのPCR検査とかそういった論点もあったかと思います。また、飲食店については、全ての飲食店が休業要請に従ったわけではなくて、そういったガイドラインや休業要請を守らない飲食店に対してどういうふうに対応するのかと、そういった論点もあったと思いますが、そういった点については報告ではどういった対策を取りまとめたのですか。伺いたいと思います。
 あともう1つ、先週の分科会で、年末年始の休暇の分散取得について提言がありましたけれども、1月11日までの期間を念頭に柔軟な休暇の取得を促すということですが、一方で自民党内で、昨日の二階幹事長の会見でもあったようですけれども、国会の召集日に影響が出るのではないかというような懸念も出ているようです。つまり、霞ヶ関の省庁の多くの職員が年始以降も休みが続くということで、仮に国会の審議を早々に招集する場合、それができなくなるという懸念だと思います。今回の分科会の提言が国会の召集時期であるとか、さらに言うと衆院の解散の時期を縛ってしまうのではないかと、一部にあるそういう与党の懸念について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)まず1点目のワーキンググループにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、これまでの議論の整理を行ってきておりまして、御指摘のように、やはり事業者の皆さん、地域の皆さんとの信頼関係を構築しながら、そして普段からそういった関係を構築しながら、研修会を開いたりする形でコロナについての正しい知識を理解してもらうということが大事だと思いますし、その段階から、何か体調に違和感がある人がスムーズに検査や相談を受ける、そういった窓口を作ることが大事だと思っています。
 昨日も札幌の、これはライブハウスだと思いますけれども、体調の悪い人が出演して、そして感染が広がった例が報告されています。体調に何か違和感を感じたらすぐに相談できることが大事ですし、スムーズに検査を受けることも大事だと思いますので、プライバシーを守りながら、そういった仕組みを作っていくことが大事だと思っています。
 また、要請を出した場合に、協力的な事業者、協力的でない事業者もありますけれども、それぞれ地域での対応、地域での経験が積み重ねられていますので、そういったことを踏まえて、協力的でない場合にどのようにしていくのか、こういったことも含めて整理を今、されているところであります。
 政府の支援策、あるいは都道府県、市町村の支援策、大都市ですから市の支援策、あるいは区の支援策、こういったものも、なかなかこうした事業者はなれておられない、あるいはそこまできちんと情報が届いていないケースもありますので、しっかりと情報を届け、そして活用できる、そうした体制も必要だと思いますので、そうしたことによって営業時間短縮とかに応じるということも出てくると思いますので、そのあたりの信頼関係を作りながら、できる限り協力を求めていくということの段取りというか、やり方などをそれぞれの経験を踏まえて整理しているところであります。
 実態上は応じてくれない事業者がいたとしても、中州とか栄とか、かなりの人出が減ることによって拡大を防いで減少傾向につなげていっていますので、そういう意味では、分析も踏まえてしっかりとそのあたりも整理できればと思います。支援策がしっかり届いていくということも大事だと思っています。
 それから年末年始については、二階幹事長にも御説明して御理解をいただいております。その上で、国会は、これは様々な審議事項を考えながら、どういう形で国会が開催されるかというのは決められていくことでありますけれども、例えば今年でいえば、5月の連休であっても、このコロナの議論をしましたし、かつては8月の夏休みであっても、様々な重要事項について臨時国会を開いて議論したこともありますので、ある意味で、もちろん一般の方には休みを柔軟に分散して取っていただいて密を避けていただく。どうしても3日が日曜日ですから、三が日にいろんな行事が集中したり、初詣などですね、あるいは移動が集中すると思いますので、それをできるだけ避けていただくために、いろんな柔軟な休暇の分散というのをそれぞれの事業体、事情があると思いますので、交代するとか、分担するとか、工夫しながら対応していただければと思っています。
 そうした一般の方々の休みがあったとしても、国会は連休であろうと、お盆であろうと、これは重要な議論をする時には開かれていますので、一般の皆さんが休まれることとは直接は関係ないものというふうに思います。
 解散権に至っては、総理の専権事項でありますし、総理御自身が真意を問うということは御判断されていることでありますので、これまでも年末に解散したこともあれば、1月に解散したこともあれば、郵政の時は暑い夏に我々も選挙しました。ですので、これは総理が御判断されることだと思っています。
(問)年末年始の休暇についてお尋ねします。一部ネット上とか報道では、14連休とか17連休を政府が求めているというような受け止め方があって、今日、加藤官房長官とか田村厚生労働大臣とかがそれを否定するようなことをおっしゃっていましたけれども、西村大臣の考えもそのようなことでいいのかということと、以前、西村さんが三木谷さんとお会いした時に、1月11日までの連続休暇などということを提案されたことが、少しそういう17連休とかという受け止め方につながったのかなと思うのですが、その点を改めて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これまで私が申し上げていることのとおりであるんですけれども、分科会から求められていることは休暇の分散ということでありまして、かつ、これまでも小規模分散型旅行を広げていくようにと言われてきています。
 今回、来年1月3日が日曜日ということがありますので、通常で言えば4日から様々な活動が始まり、3日までの間に初詣やいろんな移動が行われるということでありますので、この間に何百万人、何千万人という人が参拝したり動いたりということで、かなり密になる状況も想定されるわけであります。したがって、これを避けるために、例えば何日かその後、4日、5日と休む方もおられれば、ちょっと早目に2日に帰る人もおられるでしょう。今度、9、10、11と、土、日、月と休みになりますから、そのかわり8日を休もうとか、7、8と休もうとか、少し分散して休みを取る。場合によっては11日まで休まれる、そういう方もおられると思いますし、そういう企業もあると思いますけれども、選択肢の一つしてはそれもあるということで私は申し上げましたけれども、それを何も推奨して、それをやってくれということをお願いしているわけではなくて、それぞれの企業の事象に応じて休みを分散して、特に1月の三が日にいろんなことが集中しないような分散をお願いしたいという趣旨であります。
 いわゆる金融機関とか交通機関とか医療の従事者であるとか、あるいはごみの収集をされている方とか、どうしても休めない事業者もおられます。いわゆるエッセンシャルワーカーと言われる方もおられます。当然、市役所などの窓口も全て開けるかどうかはそれぞれ御判断があると思いますけれども、やっぱり必要な手続ができるような、そうしたこともエッセンシャルワーカーにあたると思いますけれども、そういったところを分担しながら、工夫しながら休暇を分散していただきたいと、そういう要請でお願い、呼びかけであります。
 ありがとうございました。

(以上)