西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月2日

(令和2年10月2日(金) 15:23~15:41  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から3点、冒頭申し上げます。
 まず、GoToトラベルですけれども、昨日から東京が加わりました。また、GoToEatのオンライン予約も始まっております。昨日、一昨日と出張に行った沖縄におきましても、この「GoToキャンペーン」に対する非常に強い期待を感じたところであります。
 私からは、旅行業者など観光関係の方々にはガイドラインの遵守、もう既にこのGoToトラベルに参加する、GoToEatに参加するという中で、ホテル、旅館、飲食店などは、徹底した感染防止策に取り組んでいただいていると思いますけれども、改めてガイドラインの遵守をお願いいたします。それと、参加される方、旅行をされる方や食事に行かれる方、何といっても体調が悪ければ、これはやめていただく。喉に違和感があるとか、味覚の感覚がおかしい、あるいは熱がある、こういった方は自粛していただくことが大事であります。そして、手洗い、消毒、3密回避、こういった基本的な感染防止策、3密回避も是非、徹底をお願いしたいと思います。
 昨日の東京都のモニタリング会議において、職場での感染が多数報告されております。これで見ていただいて、この直近の1週間、2週間ですが、職場が黄色というか黄土色というんですかね、増えております。それから、会食も赤い色で増えてきています。このあたりですね。家庭内感染もよく言われるわけですけれども、同居ですね、注意しなければいけないということであります。
 そして、先般の分科会でこの7つの場面が感染リスクを高めやすいということで指摘を受けました。赤丸が会食関係、青丸が職場関係ということで、飲酒を伴う懇親会、大人数や深夜に及ぶ飲食、それから大人数やマスクなしでの会話、仕事後や休憩時間、屋外での活動の前後、こういったところがまさに会食関係、職場関係で指摘されているところであります。
 最近の事例を申し上げると、東北の飲食店ではお寿司屋さん。お寿司屋さんはクラスターの発生は、なかなかしていなかったんですね。握られる大将なんかもマスクをして、そしてかなり注意しながらやっておられたと思いますので、クラスターは発生していなかったのですが、従業員3名と利用客の合計6名が陽性と判明しました。どうもマスクの着用を徹底していなかった。一部の従業員は常時マスクを外していたということでありますし、検温などもしていなかったということ、ガイドラインの設定や掲載を行っていないということでありまして、こういったマスクの徹底、検温とかも大事であります。
 関東の飲食店でも居酒屋でクラスターが発生しています。居酒屋での大きな飲み会で発生するケースはありますけれども、従業員の方、経営者の方なんかと利用客の間で陽性が判明したケースは珍しいんですけれども、やはりマスクを着用せずにカウンターに座って、客と話をしていたようであります。
 甲信地方のある官署の職場で、職員5名の感染ですけれども、アクリル板とかベッドの間隔をとることはやっていましたけれど、換気が十分でなかったのではないかとか、それから発熱があったにも関わらず、症状が改善したと言って出勤をしていたと。こういったケースですね。必ず連絡をとって検査を受けることが今、必要だと思います。
 それから、東海地方のある職場ですけれども、自宅兼職場で陽性者4名。要は定期的な消毒を行わずに事務用品をみんなで共有していたとか、何人かで共有していた。あるいはマスク着用がない、換気もない、アクリル板もない。昼食は事務室にてみんなで一緒にとっていたということで、恐らく食事をしながらいろんな話をしたんじゃないかと思いますが、そういったケースがあります。
 それから、ある職場では8人が感染していますが、アクリル板の設置とか座席配置の工夫等の基本的な感染症対策がとられていなかった。換気もあまりよくなかった。それから飲み会も何度となく行っていたと、参加者が入れ替わりしながらやっていたということであります。
 ということで、感染が東京都でも見られますし、私どもの分析でも会食、職場で見られています。3密回避、換気の徹底、マスクの着用、体調のすぐれない人は出勤させないなど、新たな日常の構築、定着が重要であります。
 もう何度もお願いしていますが、経済との両立を図っていく上で、基本的な感染防止策、手洗い、マスク、消毒、換気、3密の回避、ガイドラインの徹底、できることならテレワーク、時差出勤、自転車出勤。そしてこれが大事ですからね、体調の悪い方は出勤させないと。相談し、PCR検査を勧めることが大事です。それから、大人数の会食は控える。それから、接触確認アプリを導入していただくことで、是非、進めていただきたいと思います。
 経済活動との両立を図っていくことが大事でありますので、感染が広がれば多くの人がそれを見て自粛しますし、経済活動を抑制していかなければならなくなりますので、何とか両立を図っていくために新たな日常をみんなで作っていければと思います。
 それから、今朝、日本国際交流センター及び在ニューヨーク総領事館主催で、ウェブ会議、ウェビナーと呼ばれるダイアログが開かれました。山中伸弥先生、私、それからローリー・ギャレットさんというコラムニスト。私は冒頭、少し日本の取組をお話ししたんですけれども、このホームページで、もう恐らく今晩か明日には公表されると思います。多くの皆さんに日本の取組も聞いていただきました。
 山中先生にはアドバイザリーボードに入っていただいて、大所高所からいろんな御意見をいただいておりますが、これまで繰り返し述べてきましたように、4月、5月、そして7月、8月の経験を今、様々なデータに基づいて分析を行っています。分科会でも幾つか提示もさせていただいていますけれども。PCR検査をそれぞれの地域の繁華街で集中的に行った効果がどの程度あったのか、2次感染、3次感染をどの程度防げたのか。あるいは営業時間の短縮、あるいは営業の自粛要請、これがどういうふうに効いたのか。こういったところの分析を進めています。人の流れとの関係なども進めています。
 あるいは、スーパーコンピューター富岳を使って飛沫のシミュレーションをやって、映画やクラシックコンサートなどでは席を10分の10、最初の手前の距離だけをとってもらえれば、2分の1制限は緩和したというお話を申し上げました。世界の中で科学的根拠に基づいてこういう緩和を行っている数少ない例でありますので、そういった、取組を紹介いたしました。遅くとも明日にでも公表されると思います。
 それから、感染状況です。
 東京都の数字が、このところ212、194、235と200人前後で高い水準となって、減少してきたが少し横ばい、若干上向きかけているかどうかっていうところにきています。今日もこの後、専門家の皆さんとまた意見交換をしますけれども、陽性率自体はまだ3%台でありますし、他の地域を見ても、愛知が、この日は件数が少なくて4.5%ですけれども、大阪も3%台にきていますし、以前から申し上げているとおり福岡が0.5%。沖縄も昨日30件ということで、このところ20件前後で少し警戒を強めていますけれども、3%台ということであります。このあたりですね、よく注視していきたいと思っています。
 次のページも東京都の陽性率が横ばいですね。陽性率も下がってきたのが、少し横ばいになっています。
 60代以上の感染者の方も、242人でありますから、ここも要注意ということで、しっかり見ていきたいと思っております。
 病床、重症者のベッド数もしっかり確保されていますので、何か緊迫してきている様子ではまだありませんけれども、沖縄も医療機関にも訪問しましたし、医師会の皆さんとも意見交換をしてきましたけれども、何か急速に逼迫してきている状況ではないですけれども、しかし入院される方が少し増えてきた感じがありますので、このあたり、警戒感を持って今、見ているところであります。県ともよく連携しながら、医療機関間の連携を図っていただきながら、そしてまた、軽症の方には宿泊療養施設に入っていただくということで、宿泊療養施設も視察させていただきました。看護師さんが献身的に対応されていますし、医師も巡回して対応していますので、しっかりとした対応がなされています。宿泊療養施設も、沖縄もしっかり確保されていますので大丈夫でありますが、いざというときに備えて、JICAの施設も視察させていただいて、受付もしっかりありますし、食堂もありますので、県の要請があればいつでも対応できるということで、いざというときに備えて準備しておきたいと考えています。
 いずれにしても、9月の4連休の影響も出始めるわけでありますので、こういった状況をしっかり見極めながら、感染を防止しながら、拡大を防止しながら経済社会活動と両立を図っていくという非常に難しい局面にきていますが、先ほど申し上げた基本的な感染防止策を徹底していただくことが大事だと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2点お伺いします。東証のシステムトラブルで今日から売買が再開しましたけれども、経済再生相として改めて受け止めをお願いします。あともう1点、内閣府所管の日本学術会議が推薦していたうちの6人が新会員に任命されなかった件についてなんですけれども、その理由を明らかにする妥当性について大臣はどうお考えでしょうか。よろしくお願いします。
(答)東証のシステムのダウンの件ですけれども、まさに取引、マーケットの重要なインフラである取引所において、取引が行えなくなるということでありますので、投資家の取引機会が制限される、制約されたということでありまして、大変遺憾であります。
 まさに骨太の方針、成長戦略でもお示ししていますとおり、国際金融都市を目指して、東京を初めとして各地でいろんな議論が起こり、その中で国際的な金融人材も誘致していこうというところであります。また、菅政権の一丁目一番地でデジタル化を進めるということで、デジタル庁設置も含めて進めようとしている矢先でありますので、大変残念なことであります。
 二度と起こらないように、原因究明をしっかりやっていただいて、再発防止策を徹底していただきたいということを申し上げたいと思います。
 あわせて、今後デジタル化というものを社会全体、経済全体で進めていくわけであります。これは密を避けるという意味で、非接触型の様々なビジネスも進めていくわけでありますし、生産性、効率性を上げていくいろんな手続も効率よくやっていくというために、デジタル化はまさに必須、急務、そして一丁目一番地の政策であります。そうした中でこうしたことが起こって本当に残念でありまして、ITベンダーを初めとして、IT産業、IT業界においてもいわゆるセキュリティー向上もそうですし、こうした情報システムの信頼性の向上に向けてもしっかりと取り組んでもらいたいと。国際競争で激しい競争をやっていかなければいけないわけでありますから。いろんな政府の手続のシステム、雇用調整助成金のシステムがダウンしたりしております。こうしたシステムの信頼性向上に向けて、本来は世界に冠たる技術を持っているはずの日本のIT業界だと思いますので、是非、信頼性向上に全力を挙げていただきたいと思います。
 それからもう1点。学術会議につきましては、所管外でありますので私からコメントをすることは差し控えたいと思いますし、官房長官がしっかりとお答えをなさっているのではないかと考えています。
(問)先ほど、アメリカのトランプ大統領が新型コロナウイルスに陽性反応が出たというニュースが流れました。ニューヨークのダウ市場が一時500ドル以上下落し、東京株式市場も一時200円以上下落したということで影響が出ていますが、受け止めをお願いします。
(答)やはりアメリカの大統領の感染という情報でありますので、マーケットに大きな影響を与えているものと思います。しかし、これは誰もが感染する可能性のあるウイルスでありますので、常々申し上げているとおりであります。
 ということも理解しながら、かつ、海外の首脳の健康に関わるお話でありますので、私からこれ以上のコメントは控えたいと思いますけれども、一刻も早く回復されるということをお祈りしたいと思います。
 ありがとうございました。

(以上)