西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年9月29日

(令和2年9月29日(火) 16:03~16:22  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 まず何点か、冒頭申し上げます。
 まず、鹿児島県の塩田知事と意見交換を、電話会談を行いました。鹿児島、ほとんど0とか1だったんですけど、このところ10件とか、いわゆる繁華街の天文館でクラスターが発生して29名が、あるお店の関係で感染者が出ておりますので、その状況をお伺いしまして。ここのところ、かなりPCR検査をやって落ち着いてきているようでありますけれども、他の繁華街の例もありますので、幅広くPCR検査をやることも考えてはどうかということを御提案しました。
 知事からは、人出はそれなりに増えてきていますけれども感染防止策を徹底しているということと、無症状であっても店舗関係者にはPCR検査を呼びかけて実施しているということでありましたけれども、熊本の例など私から申し上げましたので、参考にしながら今後検討していきたいというお話でした。
 それから、大村愛知県知事とも電話会談をしました。愛知県もこのところ、一昨日49人とか、1週間単位で見ると減少傾向にはあるんですけれども、20人前後だったのがちょっと増えてきていまして、状況についてお伺いしました。
 大村知事からは、10人、20人規模のクラスターが発生しておりますけれども、ほぼ落ち着いてきているということで、PCR検査をしっかりやっていくということでした。秋から冬にかけてのインフルエンザとの同時流行についても備えていきたいということでありましたので、引き続き連携して対応していければと思います。
 それから、今日、第2回のいわゆる歓楽街のワーキンググループを開催いたしました。私、官邸との行き来がありまして出たり入ったりしましたけれども、事業者の皆さんとの信頼関係を構築しながら、日頃から相談や検査の体制を作っていくことが大事だと考えております。
 そうした中で、今日は現場の声をお聞きしました。ガールズバーを経営されている方、商店街の方、それからホストクラブを経営されている方々、それから新宿でHIV、エイズをはじめとした情報提供を行っておられるNPOの方から御意見を伺いました。また、感染研の砂川先生から、直接こうした接待を伴う飲食店の皆さんへのヒアリングなどを通じて行った調査・研究の結果も発表していただきました。
 様々な意見交換を行いましたけれども、やはりPCR検査を、抗原検査もありますけれども、いずれにしても検査を受けやすい環境を作っていくということが大事だと思います。あるいは相談できる体制ですね。風評被害なんかもありますので、そうしたところにも配慮しながら検査を受ける、あるいは相談する、こういった体制を作っていくことが大事だという印象を強く持っております。
 また、様々いつも申し上げているこういうアクリル板の設置などについて、国も支援策はありますし、それぞれの自治体でも支援策、上乗せの措置もあるんですけれども、なかなかやっぱりこうしたことに慣れていないということがありますので、こうしたところを丁寧に説明して、そして手続などをしっかりと手伝うような、そうした仕組みも必要なのかなということを感じました。
 いずれにしても各自治体でいろんな取組がなされていますので、しっかりと分析して、特に7月、8月のこの対策の効果などを分析して冬に備えていきたいと、秋、冬、インフルエンザとの同時流行にも備えていきたいと考えております。
 その一環で、沖縄と新宿に専門家の皆さんを派遣して現地調査を実施いたします。私自身も明日、明後日、沖縄県に出張し、専門家の皆さんと一緒に現地のヒアリングなどを行ってきたいと思っております。
 御案内のとおり、7月下旬から8月にかけて、かなり沖縄は感染者が増えました、陽性者が増えました。8月上旬には156名まで達したわけでありまして、もう御案内のとおり、この間、玉城知事とも電話で私も何度もやり取りしていますし、橋本厚生労働副大臣、当時ですね、派遣して、また、看護師さんや保健師さんも派遣したところでありますけれども、現地ではこうして派遣した看護師さんを受け入れてコロナ対策に当たられた病院の視察をいたします。
 また、那覇の松山地区の繁華街での取組について、保健所長さんと一緒に現地を視察させていただき、また、保健師さんの派遣についても受け入れていただきましたので、こういったことについても意見交換できればと思っております。
 また、宿泊療養施設も、知事ともやり取りをしながら国としても支援するということでありました。国の施設としてJICAの施設も準備していたところでありますが、こういった施設も視察ができればと思っております。
 あわせて、玉城知事との意見交換、それから沖縄の経済団体の方々との意見交換も予定しております。また、観光地である国際通りとか、あるいは道の駅も、全国で有数の道の駅があるそうですので、糸満地区ですね、訪問したいと思っております。感染防止策を徹底しながらでありますけれども、経済活動との両立を図っていく上で、こうした現地の皆さんとの意見交換も行いたいと思っております。
 また、沖縄はITパーク、沖縄IT津梁パークがございます。以前に訪問したこともあるんですけれども、IT企業がかなり集積してきております。特区の仕組みなども使いながら、また、アジアとの距離が近いという利点も含めて、様々、IT関係のベンチャーも出てきております。デジタル化という、まさに菅政権の一丁目一番地の施策に取り組む上で、こうした企業との意見交換も行いたいと考えているところであります。
 あと、感染状況につきましては、東京についてまだ最新の陽性率は入っていませんけど、4%弱ぐらいで推移しております。愛知県がちょっと直近増えていますので5%となっていますが、知事と意見交換する限りは落ち着いてきているということでありますし、大阪も5%を超えておりましたが4%台、月曜日ですので週を通して見なければいけませんけれども、ということ。それから、福岡は0.5%、かなり落ち着いていると思います。沖縄も3%前後ということでありますので、全体として落ち着いていると思いますが、少し落ち方が緩やかになって横ばいになっていますので、注意して見ていかなければいけないということであります。
 それから、60歳以上の方も254人となっていますので、ここのところが重症化しないように、命をお守りできるように病床の体制もしっかり見ていかなければいけないと思っております。
 重症者の数は26名ということで、病床はしっかり確保できております。大阪も18%台でありますし、沖縄はちょっと高いですけれども病床数はあります。全体のほうの病床が25%を切ってきておりますので、全体としては落ち着いてきていると思いますが、命をお守りするというところをよく見ていきたいと思っております。
 この指標も、東京が第3ステージで黄色ですね、超えているところがありますが、沖縄もかなり落ち着いてきています。PCR検査が落ち着いているのと、先週、今週のウエイトで、岐阜は人数が少ないものですから、ちょっと増えると倍数が高くなりますが、これで見ますと、北海道、埼玉、沖縄と、このあたりを注意して見ていかなければいけないと思っております。
 全体、全国もこういう数字でありますので、いずれにしても減少傾向にあるわけですけれども、このところ少し緩やかな落ち方、また、横ばい状況でありますので、この後、また専門家の皆さんとこうした数字の分析を行いたいと考えているところであります。
 いずれにしても、先ほどのワーキンググループ、歓楽街における対策のワーキンググループも10月中には取りまとめを行い、対策の分析もあわせて意見の取りまとめを行い、また、分科会にも報告できればと考えているところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)歓楽街ワーキングでお伺いしたいんですが、冒頭にもおっしゃいましたように、風評被害に配慮しながらのPCR検査の体制づくりということに力を入れられるということですけれども。具体的にどういった検査の体制、あるいは具体的な検査の仕組み、施設といったものが考えられるのかという点、案がありましたらお願いします。
(答)様々、御意見をいただいています。今日も偏見・差別のワーキンググループの座長であります中山先生にも入っていただいていますし、リスクコミュニケーションのある意味、専門家のお一人でもある武藤先生にも入っていただいて、先ほどの風評被害や差別、偏見につながらないように、ぞれぞれの方の立場に配慮した相談の体制、あるいは検査の体制が大事だと思っています。
 視察させていただいた熊本では、幅広く呼びかけて検査を行われています。少し離れた場所、離れたといってもバスに乗ったり電車に乗ったりということではなくて、歩いて行ける範囲の場所で分からないような場所の工夫をされて検査を受けられるという仕組みをつくっておられます。
 一方で、中洲での取組は、少し離れた場所でバスに乗って行かなければいけないとか、昼間の時間帯だったということもあって、450件ぐらい検査はされているんですけれども、しかし、事業者の関係の皆さんから、やっぱり利用するには使い勝手が悪いというような評価もあったようでありますので、このあたり、中洲の事業者の皆さんはむしろ近くに移動車で来てもらった方が良いんじゃないかという、そんな議論もなされているようでありますけれども、受ける側、あるいはお客さんとか、様々いろんな事情があるでしょうから、そういったことに配慮してどういった仕組みができるかですね。幾つかのアイデアも、今申し上げたようなこともありますので、専門家の先生の御意見をよく聞いて、また、事業者の皆さんとの信頼関係をつくりながら対策に取り組んで行くということができるように仕組みを考えていきたいと思っています。
(問)新型コロナウイルスについて2点ほど御質問差し上げます。新型コロナウイルスについて、中国の累計感染者が今8万5,337人に対して、日本の感染者数は8万1,055人、約4,400人の差ですが、人口差を考えると日本は中国の約13分の1です。感染者数は、中国は今世界44位で、日本は45位ですが、この順位は少なくとも10月10日あたりまでには逆転すると予想されています。人口が13倍も違う大国と感染者数で肩を並べようとしている現実を西村大臣はどうお考えでしょうか、お聞かせください。
 あともう1点。予算についてですけど、予備費の10兆円のうち1兆6,000億円をコロナ対策費に充てるとのことですが、その中にPCR検査を受検する費用が見当たらないという点について、本日午前中に開催された田村厚労大臣の定例会見にて弊社の記者が質問し、田村大臣より、PCRの民間への支援について予備費で43億円を措置しているとの回答をいただいています。西村大臣も同様の御認識でしょうか。また、43億円で十分だとお考えでしょうか。
 よろしくお願いいたします。
(答)まず1点目ですけれども、感染者の数、人口当たりでよく見ることもあります。できることなら1人でも少ない方が良いわけでありますし、人口当たりで見ても、もちろん少ない方が良いわけでありますが、日本の場合というか、それぞれの国の事情に応じて、また、法律なりの枠組み、それぞれの国の対応、やり方によって大きく異なってきています。日本の場合は、まず法律的にいわゆる強制力を伴うような自粛措置、休業措置、ロックダウンといったようなことはこれまで法律でできないということで、国民の皆さんに協力の要請、自粛のお願いをして、事業者の皆さんにも時間短縮とか休業とかの要請をお願いして、そしてそれを守っていただく中で収束を1回目、そして今回もかなり減少させることができているわけであります。
 それぞれの国によっては、かなり強力な措置で一歩も外出を許さないようなことも含めてありますので、そういう意味で各国によって事情が違いますが、できるだけ陽性者が出ないように、お一人お一人の感染防止策の徹底も含めてお願いしていきたいと思いますし、政府としても、当然増えないような枠組み、対策、これをしっかり、これまでの経験も踏まえて分析しながら進めていきたいと考えています。
 もう一つ言えば、個人情報も我々、COCOAの接触確認アプリにしても、位置情報とか電話情報とか取りませんので、個人の自由、まさにリベラルな民主主義の下での対策を講じているということも、是非、御理解いただけたらと思っております。
 また、予備費は、合計するとまだ8兆円ぐらい残っております。PCR検査については、田村大臣が答えられたとおりだと思いますけれども、まだ予備費もありますので、当然いろんな状況を見ながら今後の対策を考えていく上で、必要があればそうした活用を考えていきたいと思っています。
 また、田村大臣の方からもよく言われますが、民間で検査を受けるときの費用を少しでも安くできないかという検討も進んでおりますので、多くの人の安心につながる民間で検査を受けるということの環境整備も進めていければと考えています。
 あわせて、私の方は、早く検知するということ、また、次なる小さな波が大きな波にならないように検知していく、また、その範囲でPCR検査を行っていく、関係者を幅広く重点的にPCR検査を行っていく、あるいは抗原検査と組み合わせながらやっていくということ、そして今申し上げたような、リスクのある事業体の集積しているそういう地域で何かあった場合にスムーズに検査が行えるような、そういう仕組みも考えていければと思っております。厚生労働省と連携しながら、田村大臣と連携しながら検査体制の戦略的な拡充についてもしっかり考えていきたい、対応していきたいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)