河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年9月10日

(令和3年9月10日(金) 11:10~11:30  於:ー(オンライン形式))

1.発言要旨

 まず、縦割り110番に、海外に滞在している人の運転免許証の更新についての改善の要望がございました。警察庁に確認したところ、特例制度があるので、是非活用してほしいということでしたので、改めてお知らせしたいと思います。
 定められた期間中に、免許証の更新手続ができない場合、事前に更新する制度があります。例えば、海外赴任の予定がある方は、更新期間に関わらず、出国する前に更新をすることができます。そうすると、ゴールド免許の方は5年間有効な免許証を持って海外に赴任することができますので、5年以内に帰国しても、まだ免許は有効です。ゴールド免許ではない方は、有効期間は3年になってしまいます。
 既に海外に赴任している方が、免許の有効期間中に一時帰国する用事があるときは、その際に、更新期間に関わらず更新することができます。海外で免許が失効して帰国した方も、外国の免許を取得していれば、視力検査等の簡単な検査で日本の免許を取得することができますし、海外で免許を取得していなくても、日本の運転免許証が失効してしまった場合、失効後3年以内で帰国後1か月以内ならば、通常の免許の更新と同じ手続で免許を取得することができます。
 このような特例がありますけれども、あまり広く知られていないように思います。せっかく制度があるのに、知らなくて利用できなかったので、結局、一から免許を取り直すようなことになってしまっては、制度がないのと同じになってしまいますので、警察庁あるいは都道府県警のホームページで分かりやすい広報をするようにお願いをすることになりました。
 いろいろな特例制度を作っても、その特例が周知されていなければ、知られていなければ、ないことと同じになってしまいますので、特例制度を作った場合は、作って終わりということではなくて、その後のフォローアップをしっかりやってもらうようにしていきたいと思います。直轄チームのメンバーを通じて、このような利便性の高い特例制度がしっかり周知されるように働きがけをしていきたいと思っております。
 ワクチンの総接種回数が1億4,000万回を超えました。思えば遠くに来たものだという感じがいたします。
 1回目接種を終えた方が全人口の61.4%で、これは、少なくとも1回打った方の比率はアメリカと並んだのではないかと思います。2回目接種を終えた方が約49.4%になっております。12歳以上の対象人口で見ると、1回目接種は既に3分の2を超えて、68%近くになっています。2回目接種を終えた方は、対象人口の55%まで来ておりますので、このペースで進めば、少なくとも1回目の接種を終えた方の割合が9月末に全人口の7割ぐらいまで行くのではないかと思っております。現時点で、1日の最多接種回数、VRSに入力している分で162万回、これは7月6日ですが、最近も恐らく100万回をキープしている回数で進んでおります。
 ファイザー社製ワクチンにつきまして、今年2月から医療従事者向けの接種を始めました。4月に高齢者向けの接種が徐々に始まって、ゴールデンウイーク明けからかなりフルスピードで接種がいくようになりました。今、64歳以下の接種が進んでおりますが、第3四半期は600万回分前倒しの供給になり、第14クール、第15クールの調整枠も、当初300万回分と言っていましたが、交渉の結果、調整枠を416万回分まで増やすことができました。
 モデルナ社製ワクチンにつきましては、5月に薬事承認されてから、自治体の大規模接種会場、自衛隊の大規模接種センター、職域接種及び大学拠点接種で接種が行われ、合計で2,100万回の接種になりました。アストラゼネカ社製ワクチンについても、各都道府県から希望いただいた量について、希望どおりお届けしております。昨日までの実績で、約2万回の接種が行われたことになります。10月10日までにお配りするワクチン全体で、対象人口の9割が2回接種できる数量を配分できることになる予定です。
 ファイザー社製ワクチンの第15クールの調整枠は、ファイザー社との交渉の結果、当初の想定を超えて2,000箱を確保することができましたので、都道府県調整枠については、お配りしている資料のとおり配付をするということになってまいります。この第15クールの調整枠は、第14クールの調整枠と同じように、高齢者の接種率が8割を超えている分、この8割を超えた分の接種回数に応じた配分と、第12クールから第13クールにかけて供給量が2割以上減少した都道府県に対して、第14クールで2割減少した分の半分をお配りしましたが、今回、その残りを手当てするという観点で配分しております。
 この第15クールのファイザー社製ワクチンの調整枠、それからモデルナ社製ワクチンの自治体、それから自衛隊の大規模接種会場に10月10日までに配送する分、それから職域接種用の9月5日までに配送した量、これを加えると、全国の対象人口のおよそ9割に上るワクチンを配分することになります。9月6日からの職域接種、大学拠点接種については、さらにそれにプラスアルファということになりますので、9割まで接種率が上がってもカバーできるようになっております。
 残念ながら、まだ市区町村の中に予約が取りづらいという声も聞かれます。東京23区などでも、予約に空きが出てきている区と、まだ予約が取れないという区と、少し二極化しているような気がいたします。他にも予約が取りづらい自治体が残っておりますので、都道府県におかれては、是非、市区町村に速やかに第15クールの調整枠まで配分量を示していただきたいと思います。そろそろ接種完了に向けて、ワクチンを無駄なく活用しなければいけない時期に来ておりますので、予約が取りにくい状況を早急に解消していかなければいけません。市町村間のワクチンの偏在が是正されるように、都道府県に調整をお願いしたいと思います。
 具体的には、県内の市町村における接種状況、それから、予約が入っていないワクチンの量がどれぐらいあるのか、特にかかりつけのお医者さんの手元で予約が入ってないのがどれぐらいあるのかというのを把握していただいて、県内の市町村の偏在の調整に取り組んでいただきたいと思います。
 また、予約が取りづらい市町村に関しまして、国から配分しているワクチンを可能な限り活用して、予約を取りづらい自治体と連携をして、大規模接種会場等との連携をうまくやって、予約枠を最大限に増やせるように取り組んでいただきたいと思います。また、予約が空いている自治体と、予約の取りづらい自治体がだんだん出てきましたので、予約が取りづらい自治体の住民の方が他の市区町村で予約して接種できるような取組をそろそろ検討していただきたいと思っております。
 10月11日以降につきましては、今回の第15クールの調整枠で9割まで10月10日にお示しをしておりますので、それに追加する必要がある都道府県が出てきた場合に、調整状況や、予約の入っていないワクチンがどれぐらいあるのかというようなことも確認しながら、必要な分を出していきたいと思っております。
 是非ワクチンナビを活用して、かかりつけのお医者さん、どこで予約が取れるのかというのが、ワクチンナビで一覧を見られるようになっておりますので、是非、都道府県、市町村はかかりつけのお医者さんに、ワクチンナビ最新の状況を更新するように働きかけをしていただきたいと思います。また、職域接種、大学拠点接種等の実績を市町村に反映するためのVRSの入力のスピードアップを併せてお願いしたいと思っております。

2.質疑応答

(問)自民党総裁選に関してお伺いします。今日、大臣は出馬会見を開く予定となっていますが、改めて、ワクチン担当業務を継続されるおつもりかどうかと、出馬に向けた意気込みをお願いします。
(答)おかげさまでファイザー社との交渉も第4四半期の分、10月に前倒し、あるいは今度の第15クールの調整枠2,000箱を確保と、非常にうまくいっているところです。また、それぞれ都道府県、接種率が9割になっても十分な量のワクチンを配分するということができておりますので、ワクチン接種は完了に向けて第4コーナーを回って直線に入ってきたという感じがしております。昨日も100を超える自治体の首長とのオンライン会議をやってまいりましたが、しっかりワクチンをそれぞれ自治体で接種していただけるように、サポートをしっかり続けていきたいと思っております。
(問)総裁選への意気込みはいかがでしょうか。
(答)今日記者会見をやらせていただきますので、是非お出かけいただきたいと思います。
(問)先ほどご紹介のあった、予約が取りづらい自治体とうまくいっている自治体とで、二極化してきているということですが、予約が取りづらい自治体の住民が他の市町村でも接種できる取組を検討してもらいたいというお話でしたが、これは、既にこういう取組を行っている自治体があって、それをもっと多くのところに広げてほしいという趣旨でしょうか。それとも、新しくこういうことをやってもらいたいという趣旨でしょうか、教えてください。
(答)例えば、東京都の狛江市などは、他の予約の取りにくい自治体の住民の方に打っていただいていたりということがもう既に始まっております。そういう事例が全国幾つもあるようですので、是非都道府県でそうしたところを把握して、調整して、なかなか予約の取れない自治体の方が他の自治体でも打てるように調整していただきたいと思っております。
(問)1回目接種の割合がアメリカに並んだということですが、日本の方が接種が始まるのが遅かったのに追い付いたということで、これはなぜ可能になったと大臣はお考えでしょうか。
(答)一つは、アメリカのワクチン接種がある程度のところで頭打ちになりつつあるというところです。それから、先ほど申し上げましたように、総理が「1日100万回接種」という号令をかけられましたけれども、160万回を超える接種があったり、本当に自治体、医療関係者、頑張ってスピードアップをしていただきました。その努力がまだ継続して、1日100万回、かなりコンスタントに打てているようですので、そういうこともあって、アメリカに肩を並べるようになってきたと思っております。いろいろな自治体の話を聞きますと、対象者全体で8割行きそうだという声もいろいろなところから聞かれますので、さらに高い比率になっていくことを期待していきたいと思います。
(問)まず1点、これまでワクチン行政をやってこられました。大臣は常日頃から、一番やりたいことは総理になって実現するというふうにおっしゃっていましたけれども、ワクチン行政をどういうふうに変えていきたいとお考えなのか、まずお聞かせいただけますか。
(答)新型コロナウイルスの感染が拡大する中で1億人の皆さんに2回接種していただくという、いわば有事の業務を平時の法律、平時の枠組、平時のシステムでやるということからスタートいたしました。やはり、必要に応じた体制を組んでいく、システムを作っていくということが大事なのだと思っております。
 今回も、一生懸命EUと交渉をしていたら、アメリカのカラマズーでも同じワクチンが製造されていて、そこから取ればEUを気にしなくてもいいのですが、そこが認証されていないので、当初そこからはワクチンを取ることができませんでした。あるいは、世界中モデルナ社製ワクチンの有効期限は7か月のところ、日本だけ6か月、あるいは日本だけ特別な試験を要求していたので、日本向けのワクチンは、世界向けの供給プールから早い段階で別に仕分けられてしまっていたりと、様々なことがありました。
 また、国と自治体の間も、これは自治体の事務ということになっていながら、国がたくさんの難解な通知を出して、自治体は逆に、自治体の事務であるけれども厚労省の通知を待っているというような、お互いの箸の上げ下ろしをコントロールしたい、あるいはこの通知を待っている、お互いのもたれ合いみたいなところもありました。それを自治体の創意工夫で、それぞれ自治体最適でやれるようにシステムを変えてきたこの半年、8か月だったと思っております。
 やはり新型コロナウイルス感染症全体の対応を見ても、今回我々がワクチンでやったように、国の持っているデータをしっかりとお示しをして、情報を基にきちんと説明をして、そしてある程度納得していただいて対応を進めていくということを、もっともっとやれるのではないかと思っております。
(問)それは、総理、総裁となられた場合には、そういったことを推し進めていきたいという理解でよろしいでしょうか。
(答)コロナの対応ということに関して言えば、そうしたことがこのワクチンの経験からやっていかなければいけないことなのかなと思っております。
(問)今日、閣議の前に総理と会っていらっしゃると思いますが、どういったお話をされたのでしょうか、また、立候補についての説明をされたり、支援をお願いしたり、そういったことはあったのでしょうか。
(答)やりとりについては申し上げるのは差し控えたいと思いますが、今日記者会見をやりますということは報告いたしました。

(以上)