河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年9月7日

(令和3年9月7日(火) 11:00~11:19  於:ー(オンライン形式))

1.発言要旨

 まず冒頭ですが、縦割り110番に、「交通違反の切符を切られる際に署名に加えて押印や拇印をしなければならない」ということに対して、疑問の声が寄せられておりました。今般、この点につきまして、法務省、警察庁に確認いたしましたので、ご報告いたします。
 警察官が交通反則切符を作成する際は、交通違反をした人に供述書の作成を求めます。その際に、違反者に対して署名のみならず印鑑、あるいは拇印を押すことが求められております。法務省、警察庁によれば、印鑑あるいは拇印はあくまで供述書を作成したのが違反者本人であるということを確認する証拠になるということでありますが、法律上は交通反則切符に印鑑や拇印を押すということは義務とされておりません。従って、強制ではありません。交通反則切符に対する押印を義務とする規定の法律はなく、警察庁の通達においても、「違反者に指印又は押印を求めても差し支えない」とされております。一部の県では、その旨をホームページに掲載しているようです。
 今般、全国の都道府県警察のホームページに、「指印あるいは印鑑を押すということは法律上の義務ではない」ということを今月中に掲載していただくようにお願いしております。
 我が国が進めるデジタル化社会にふさわしい制度とすべく検討を進め、今年度中には、司法制度、その他、刑事手続全般におけるデジタル化に一定の結論を出していただくように、法務省、警察庁に速やかな対応をお願いしているところです。その検討を踏まえて、前例にとらわれないスピードで、法制化を含めた成果をしっかり出していただけるようにお願いしております。
 交通事故は多くの人を不幸にいたします。車を運転する方々には、細心の注意を払っていただきますよう切にお願いしたいと思います。また、メディアの皆様には、ドライバーの方々の安全運転のための報道を併せてお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、ワクチンでございます。ワクチンの総接種回数は1億3,000万回を超えました。1回目接種を終えた方が6割、2回目接種を終えた方が約5割近くとなっております。
 モデルナ社製ワクチンにつきまして、5月に薬事承認されて以来、自治体の大規模接種会場、職域接種、大学拠点接種、あるいは自衛隊の大規模接種センター向けに順次供給してまいりました。これまでに自治体の大規模接種で約550万回、職域接種、大学拠点接種で約1,300万回、自衛隊大規模接種センターで約150万回、合計約2,000万回の接種がこれまで行われてきたところでございます。また、職域接種、大学拠点接種については、対象の半分を超えてきました。
 先日、モデルナ社製ワクチンの異物混入がございましたが、混入していた異物については製造機器の破片の微小なステンレスということで、仮に筋肉内に注入された場合でも医療上のリスクが増大する可能性は低いということでございます。
 武田、モデルナ両社において、品質管理に万全を期すべく、現在製造プロセスの確認を行っているところと承知をしておりますが、このために、先週の輸入に遅れが生じております。ただ、在庫を活用しながらワクチン接種を予定どおり進めることができております。安全性の確保を大前提として、安定的なワクチンの供給の確保に向けた取組を武田、モデルナ両社にはお願いをしているところで、今週から供給は正常化される見込みと聞いております。新しい動きがあれば、お知らせをしてまいりたいと思います。
 モデルナ社製ワクチンにつきまして、これまで自治体の大規模接種会場等で余った場合、あるいは調整をする場合に、配送先から他の会場に移送ができないということがございました。自治体からも調整をするために、ワクチンを有効活用するために移送を認めてほしいという声がございました。
 このたび、ワクチンの品質を維持したまま、配送先の会場から県内の他の会場への移送を1回に限って認める仕組みができました。余剰のワクチン、あるいはワクチンの不足に対処するためにワクチンそのものを融通する場合にはこの仕組みによってワクチンを融通することが可能となります。移送に当たっては記録の作成、移送先の会場を設置している市町村あるいは都道府県への送付など、この仕組みに則って活用していただきたいと思います。
 それから、ワクチンはかかりつけ医に多く打っていただいておりますが、かかりつけ医の中には「患者さんに限る」と言われているところがまだあるようでございます。結果として、ワクチンが供給されているものの、予約が入っていないワクチンがかなり残っているかかりつけ医があるということが分かってまいりました。かかりつけ医におかれては、日頃のかかりつけの患者のみならず、ワクチン接種を希望する一般の方に広く予約を開放していただきたいと思います。また、都道府県、自治体と協力して、ワクチンナビを積極的に活用して、どこのかかりつけ医なら予約が取れるのかということが分かるようにしていただきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)大臣からご紹介のありましたモデルナ社製ワクチンの移送を可能とすることについての意義をもう少しご説明いただきたいです。これによって、例えばワクチン接種を希望する対象者への接種が早まるとか、そのあたりはどのような意義があるのか、もう少し分かりやすくご説明いただけますでしょうか。
(答)都道府県の中には複数の大規模接種会場を持っているところがあります。片方の接種会場は予約が埋まっているけれども、こちらは予約に空きがあるというような状況が出た場合に、ワクチンが余っている会場の方から足りなくなる会場の方にワクチンを輸送する、あるいは、ワクチンをこちらからこちらの会場へ持っていって、予約数をそちら側で増やすという対応を速やかにしていきたいという要望がございます。あるいは、自治体、その他、会場によっては、もう接種が終わりそうで、ワクチンが余っているというケースが出てきております。打ち終わって余ったワクチンをまだ打っている会場に速やかに移送して、ワクチンの余剰が出ないようにするという意味でも非常に大事だと思っております。
(問)昨日のぶら下がり会見でも、自民党総裁選は、ワクチン業務には影響しないというふうにおっしゃったと思うのですが、正式に出馬を表明されるタイミングについて、どのようにお考えでしょうか。
(答)未定です。
(問)まず1点目、ワクチンでお伺いしたいのですが、かかりつけ医のところにそれなりの在庫があるというふうにおっしゃいましたが、これはそういうケースは相当あるという形なのか、それとも、ぽつぽつあるという形なのでしょうか。在庫がある、ない、ということを巡って、ほんの数か月前までは在庫は実はないという議論をしていたと思うのですが、現状の実態をもう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
(答)悉皆的な調査をしているわけではありませんので、どの程度になっているかというのは分かりません。かかりつけ医のところでかかりつけの患者に限って予約を受け付けているというケースがあります。供給量にマッチしていればそれでも構いませんが、供給量を余らせている、まだ予約が入っていない在庫があって、その街の多くの方がまだ予約が取れていないというようなケースは、かかりつけの患者に限らず新規の方に予約枠を開放していただきたいと思います。だんだんかかりつけの患者の予約数が減ってくれば、それに応じてワクチンの供給量を減らしていただき、残った分は集団接種会場等に回していただくというような調整を医師、医師会、あるいは自治体でお願いしたいと思います。
(問)それと、もう一点。前回の会見の際に、菅総理が次の自民党総裁選挙に出ないという話をされました。改めて閣僚としてこれまでをどう評価するのか、また、菅総理はこれで退任されるわけですけれども、これから日本の政治はどういうふうにあるべきなのか。また、政治家河野太郎としてそこにどういうふうに貢献していこうというふうにお考えでしょうか。
(答)菅内閣は非常に濃い1年間だったと評価しております。カーボンニュートラルということを宣言し、日本の温暖化対策は大きく進みました。9月1日にはデジタル庁も発足し、今年には申請を受けずに対象となっている方に政府の方からプッシュ型で給付をするということもできました。日米の首脳会談の中で、現在の国際情勢に鑑みた重要な会談も行うことができましたし、ワクチンについては「1日100万回接種」あるいは「7月末までに希望する高齢者への接種完了」という総理の号令があって非常に前倒し、前倒しでワクチン接種が進んだと思っております。また、今後の日本、こういうコロナ禍であったり、あるいは災害という危機的な状況の中で、国民の皆様に政策の根底となっている様々なデータや情報をお示しして、議論の様子を国民の皆様にしっかりと見ていただいて、納得して進められる政策というものを心がけていかなければいけないと思っております。
 国民の皆様と一緒に、ご理解をいただきながら、共感していただける政治というものを日本に実現する、そういう意味で私も全力を尽くしてまいりたいと思います。
(問)それと、前回、自民党総裁選挙は仲間と相談して検討していくということでしたが、その後の検討状況はいかがでしょうか。
(答)何かあればご報告します。
(問)自民党総裁選に絡んでの質問です。一部報道で石破元幹事長が河野大臣を支援する方向で検討していて、石破元幹事長自身は立候補を見送る方向で調整しているといった報道があります。事実関係や、大臣には何かご連絡等が来ているのか、受止めをお聞かせください。
(答)石破さんに聞いてください。石破さんの話を私に聞かれても答えようがございません。
(問)週末の各社の世論調査で、次の首相にふさわしい方として、河野大臣がトップになっています。こうした国民の待望論への受止めと、今、新型コロナウイルス感染拡大によって、非常に日本が閉塞感に包まれていますが、新型コロナウイルス感染症対策を含めて、日本をどのように前に進めていくか受止めをお聞かせください。
(答)いろいろな調査結果は拝見いたしました。ありがたいと思います。しっかりと日本を前に進められるように頑張っていきたいと思います。
(問)ツイッター上で「#河野さんにブロックされました」というハッシュタグが現在伸びている状況であるが、SNSでブロックされている理由を教えてください。また、批判的な国民の声に耳を傾けないという指摘があるが、それについての大臣の所見を伺いたいです。
(答)実際に道などで通りすがりに見知らぬ人を罵倒するというようなことはやらないと思いますが、SNS上ではそのようなことがかなり頻繁に起きております。SNS上で誹謗中傷されて悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。東京オリンピックの期間中にもそのようなことが話題になりました。例えばツイッターはそういうことがあった場合にブロックするという機能があるわけですから、その機能を使うということに問題はないと思っております。また、ブロックされてもツイートを見ることはできるわけですから、見たければご覧になればいいと思います。ツイッター上の会話を現実での会話のように一定の礼節を持ってやっていただければいいのではないかと思っております。

(以上)