河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月31日

(令和3年8月31日(火) 10:45~11:45  於:ー(オンライン形式))

1.発言要旨

 まず、沖縄担当大臣としてご報告をいたします。令和4年度の沖縄振興予算の概算要求につきまして、沖縄振興特別措置法が来年3月末に期限を迎えるということになりましたので、先日の会見でもご報告した「新たな沖縄振興策の検討の基本方向」に沿って概算要求で総額2,998億円を要求するとともに、防災・減災、国土強靭化のための5か年の加速化対策に必要な経費の事項要求を行うということにいたしました。
 今回の要求では、沖縄の子供の貧困対策あるいは産業競争力の強化・産業人材の育成、北部地域及び離島の振興等、重点的に取り組むべき分野の予算を増額して要求いたしました。
 また、各種のインフラ整備に必要な予算や一括交付金、沖縄の健康医療拠点の整備に関する予算、OIST関係予算等について、所要額を要求しております。
 税制改正要望については、これも基本方向を踏まえまして、5つの地域・特区の税制、あるいは離島振興を図るための税制措置の見直し・延長、酒税について軽減措置を段階的に廃止する等、13の措置について所要の要望を行っております。
 沖縄の課題の解決に向けた沖縄の取組をしっかり支援できるように、また沖縄の優位性、潜在力を活かして、日本経済の牽引役となれるように、また沖縄の県民の皆様が豊かさ、あるいは暮らしの向上を実感できるように、新たな振興策の実現に向けて、まずは必要な予算の確保と税制改正にしっかり取り組んでいきたいと思っております。
 ワクチンでございます。ワクチンの総接種回数は、1億2,700万回を超えました。1回目の接種は7,000万回を超えております。順調に進んでいると思います。お盆の期間中は少し接種スピードが落ちましたが、お盆後はまた接種スピードが元に戻ってきています。非常に順調に進めていただいていると思っております。
 都道府県には、既に第15クールまでの基本枠と第14クールの調整枠をお知らせしておりますが、第15クールまでの基本枠が市区町村に知らされていない都道府県がございます。それから、都道府県独自の調整枠を設けていただいて構わないですが、それをどのように配分するかということが示されていないので、市区町村に配分されるワクチンの量が極めて少なくなっていて、残りのワクチンを都道府県がまだ持っているという状況になっております。現時点で市区町村では予約が取れない状況になっているというところが幾つかございますので、都道府県の方から一刻も早く市区町村に配分をお示ししていただかないと、市区町村が予約を受け付けることができません。調整枠を含め配分をしっかりと示していただきたいと思います。
 ワクチンの3回目の接種につきまして、様々な報道がされておりますので、正確にお伝えしたいと思います。
 アメリカでは8か月の接種間隔を置いて3回目の接種を9月から実施すると公表しているところです。日本では、医療従事者への先行接種が2月17日から始まっております。3週間後に2回目の接種を受けられておりますので、アメリカ同様8か月の接種間隔を機械的に当てはめれば、先行接種を受けた医療従事者への3回目の接種は11月以降になるということだと思いますが、希望される国民への2回の接種が先行すると考えております。
 今後の我が国における3回目の接種については、必要性や実施時期、1回目・2回目と同じ種類のワクチンで3回目を接種するのかといったことについて、ワクチンの効果がどの程度の期間持続しているのかという情報を踏まえながら、今後厚生労働省の審議会で議論され、判断されるということになります。
 仮に3回目の接種を行う場合にどのようなロジで実施するのかということは、小林補佐官の下でシステム化を含め、どのように対応するのがいいのかというロジの検討を並行して行っておりますが、必要性、期間、その他は厚生労働省の審議会での議論を踏まえて判断されるということになります。
 アストラゼネカ社製ワクチンを1回目に接種した後の交差接種についても、厚生労働省の審議会においてその是非を含め、同様に検討していただくことになりますので、3回目接種あるいは交差接種については厚生労働省の審議会の検討結果待ちということでございます。
「まだ1回目を打てていないのに3回目の接種の議論をするのか」というような声が私のところにも来ておりますが、3回目の接種の前に、希望される国民への2回接種が行われると考えておりますので、そこはご心配なくお願いしたいと思います。
 また、異物混入で接種を見合わせているモデルナ社製ワクチンの3ロットの代替品につきましては、昨日までに必要と言われている会場には昨日までにお届けし、それ以外の会場についても必要と言われる時期までの供給が始まっております。若干、接種停止でご迷惑をかけた会場があると聞いておりますが、代替品の供給が速やかに始まっておりますので、落ち着いてくるのではないかと思っております。
 異物の中身、その他につきましては、厚生労働省の方からプレスリリース等出ております。

2.質疑応答

(問)若者へのワクチン接種に関してお聞きしたいです。若者が打ちたいという意欲を示している中で、自治体からは供給量が少ないという声も上がっています。政府として若者のワクチン接種を進めるためにどのような政策を講じていくのか、考えがあればお願いいたします。
(答)12歳以上の8割の方が2回打つのに十分な量の供給について、既に都道府県にお示しをしているところでございます。都道府県にお示しをした数字が速やかに市区町村に配分され、その配分数が市区町村に示されないと、市区町村は予約を受け付けられませんので、数字を示していない都道府県には一刻も早く市区町村にきちんと配分量を示すようにということを繰り返し申し上げているところでございます。
 今、予約が取れないと言っている自治体は、都道府県からの数字が示されていないところ、あるいは都道府県が都道府県の調整枠を押さえて、その残りのワクチンを配っているため、結果として配分される量が少なくなってしまっているというところがございますので、都道府県には都道府県が独自に設けている調整枠を含め、速やかに数字をお示しいただきたいと思っております。第14クールの調整枠まで国から都道府県にお示しをしておりますので、当面の配分数を示せるはずです。そこはしっかり都道府県に対応いただきたいと思います。
(問)2点お伺いします。1点目は、先ほど言及がありました3回目の接種に関連して、まずは希望する方への2回目の接種を優先するということですが、この「優先」というのは2回目が完了してから3回目を始めるということなのか、それとも、若干のオーバーラップはあるのか、そこは具体的にどのような組み立てを念頭に置いていらっしゃるのでしょうか。
(答)3回目の接種の是非、また時期については、これは厚生労働省の判断ですが、高齢者の接種については、5月の連休明けからスタートして3週間後に2回目の接種を受けるため、2回の接種完了が6月の頭とすると、8か月後というのは来年の2月になります。医療従事者は別として、仮に3回目の接種を行うとしても8か月後であるならば、連休明けにすぐ打っていただいていた高齢者への接種は来年の2月ということになりますので、それまでには希望する国民の皆様への2回接種は当然終わっているということになります。
(問)2問目お伺いします。菅総理は、二階幹事長が交代させることも検討しながら役員人事を行うという考えを固めています。大臣は、改めて党執行部はどういう形であるべきというふうにお考えなのか、また、現在日程が確定している自民党総裁選挙はどのような形で論戦が行われるのが望ましいというふうにお考えでしょうか。
(答)いろいろなお考えがあると思います。国民の皆様の健康を守るという大事な業務でございますので、私としては当面このワクチン接種をしっかりやっていきたいと思っています。
(問)冒頭で言及がありました来年度の沖縄関係予算の概算要求が出まして、安倍前総理が2021年度までは3,000億円台を確保すると約束した、翌年度に当たる年度で3,000億円を割り込む形となりました。一方で、子供の貧困対策事業は増額されるなど、大臣からもお話があったように内閣府が示した基本方向に沿う形になったようにも思えます。改めて担当大臣として、今回の概算要求の評価をお願いします。
(答)基本方向で重要な政策課題として、子供の貧困ですとか産業競争力の強化等を取り上げましたが、そうしたものについてはしっかりと予算を増額して要求いたしました。また、県土の均衡ある発展、条件の不利な離島の不利性の克服、あるいは北部の振興、こうしたものについては、予算の増額を要求しているところです。加えて、OISTですとか健康医療拠点等、事業の進捗を踏まえて所要額を要求したところでございますので、予算編成過程において必要な調整をしっかりやっていきたいと思っています。
(問)3回目のワクチン接種について伺います。3回目分のワクチンについて、大臣はこれまで来年分、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンを確保されているということをおっしゃっていたかと思います。先ほどおっしゃったように、高齢者が、例えば来年の2月から始めるとなったときに、その時に必要な量が入ってきているという認識でしょうか。それとも、まだ時期というのは分からないものでしょうか。また、先日のテレビ番組でノババックス社製ワクチンの使用もあり得るということをおっしゃっていましたけれども、ファイザー社製ワクチンやモデルナ社製ワクチンが間に合わなくて3回目にノババックス社製ワクチンを使わなければいけないということもあり得るのでしょうか。
(答)何を使うかということについては、これは厚生労働省の判断ということになります。ファイザー社製ワクチン、モデルナ社製ワクチンに加えて、来年はノババックス社製ワクチンも確保しております。これは恐らく国内で生産されるというようなこともあると思っておりますので、何か起きたときのバックアップということにもなると考えております。
 時期、その他につきましても、厚生労働省が判断をされると思いますので、それに向けてしっかり対応できるように用意はしておきたいと思います。
(問)大臣は、以前から沖縄の基地問題と振興策の関係について「ひっくるめ論」というような表現をされておりましたが、その考えに今もお変わりはないでしょうか。あるいは、これまで沖縄振興についていろいろ取り組まれている中でお考えが変わった部分があるのか、その点についてお伺いしたいです。
(答)沖縄の議論をするときに、よく「リンク論」というのが言われることがありますが、特に沖縄の予算と基地がリンクしているということはありません。ただ、実際に基地負担をいかに軽減するか、あるいは返還された基地の跡地利用、浦添をはじめいろいろなところが現実になってくるわけで、返還された基地の跡地利用をいかに沖縄振興につなげていくか、これはひっくるめて考えなければいけないことだと思っております。
(問)都道府県がファイザー社製ワクチンについて自治体に配分量を示していないところがあるという大臣の発言がありまして、一刻も早く示してほしいというところを繰り返し申し上げているというふうに述べられましたけれども、そのような都道府県が現状でどの程度あるのかということと、県が配分量を示していない原因について何が考えられるのか、大臣お聞かせください。
(答)手元に資料はございませんので、幾つかというのは申し上げられません。都道府県の中には、都道府県独自の調整枠を設けているというところがあります。第13クール、第14クール、第15クールと、2週間ごとにどんどん供給されますので、今、大事なのは市区町村がいつ、どれだけのワクチンが入ってくるので、それに応じて予約が取れるということです。10月10日までには人口の8割が2回打てる分をお出しできますので、接種率が8割を超えるというようなうれしい悲鳴になれば別ですが、接種率が8割までならば打ちたいという方全ての予約が取れる状況にあるわけです。そこは市区町村にきちんと数字を示していただければ、時期が前後するということはありますが、少なくとも打ちたい方全員が予約を取れるだけのワクチンの確保ができているわけですから、一刻も早く数字を示していただきたいと思っております。また、8月1日以降の職域接種・大学拠点接種、あるいは自衛隊等での大規模接種といったものは、この数字には入っておりません。そのような会場で接種された方の記録がVRSに入力されていくと、自治体の残りの人数というのがどんどん減っているというのもお分かりいただけると思いますので、VRSの入力をしっかり、タイムリーにするようにお願いをしているところです。
(問)規制改革・行政改革の関係でお尋ねします。大臣は、これまで平井大臣とデジタル化について1年間進めてきたと思います。明日、デジタル庁が創設されるに当たって、菅首相肝いりの政策ではありますけれども、デジタル庁やデジタル政策についての今後の課題について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)いよいよ明日デジタル庁がスタートして、行政のデジタル化がさらに加速すると期待しているところでございます。デジタル庁が発足する前であっても、例えば低所得の方の子供1人5万円という特例の給付を申請なしで政府側からプッシュで出すという、初めての取組も今年は行われました。ワクチンの接種も当初は予診票で管理すると言っていたのが、VRSというシステムを立ち上げて、職域接種や大学拠点接種があっても、きちんとそれが自治体に反映されるということになってきました。
 また、今朝も幾つかの省庁とデジタル化の加速についてやりとりをしてきたばかりです。菅内閣になって様々な行政の分野のデジタル化が進んできたというのは、ご評価いただけるのではないかと思っております。
 今後、様々な国と地方あるいは地方の事務で、今1,700を超える自治体が独自にシステムをつくっている、あるいは独自の様式でやっている、このようなものを地方の事務であってもいかに統一しながらデジタル化していくか、国と地方の共同作業のようなものをどのように進めていくか、それから、国の事業も今やっているものをそのままオンラインにしますということではなくて、デジタル化に合わせて事業そのものを見直すということがどれぐらいできるかということを考えていかなければいけないと思います。
(問)大臣は、冒頭で市区町村に対してワクチンの配分量を示していない都道府県があるというふうに言及していらっしゃいましたけれども、まず、どの程度そのようなケースが散見されているのでしょうか。また、なぜそういったことが起きているというふうにお考えでしょうか。そして、このように都道府県に呼びかけていらっしゃいますけれども、それを解決するために何が必要というふうにお考えでしょうか。
(答)先ほども同じような質問をいただきましたが、どの程度の数かというのは、今は手元に数字がございません。
 都道府県の中には独自の調整枠を設けているというところがあります。2週間ごとに各クールの数字がまいりますし、もう基本枠は既に公表していますから、第15クールまで基本枠はもうお示しができるはずです。調整枠がある程度必要だというのは分かりますけれども、その調整枠もなるべく早く配分してもらわなければ、調整枠を都道府県が手元に握っていてもワクチン接種の加速にはつながりません。調整するために都道府県にお出しをしておりますが、その調整の作業を一刻も早く進めていただきたいと思っております。
(問)若者のワクチン接種についてお伺いします。一部報道等でも出ていますが、渋谷の接種会場に若者が殺到して、接種できない若者が多く出ている状況です。大臣はこれまで若者に接種勧奨をしていかないといけないと繰り返し述べられていましたが、実は若者は受けたがらないのではなくて、受ける方法がないだけだったということはないでしょうか。この点についての大臣の認識と、現時点で国として、若者に接種に関して救済策を考えていらっしゃるのか、この2点を聞かせください。
(答)ありがとうございます。世論調査等を見ると、年齢が若くなると接種を希望する方の割合が下がっているというのは現実としてございます。今の時点は、まだ多くの自治体は重症化するリスクの高い、年齢の高い人から順番に打ってきているという中で、大学拠点接種、職域接種、自衛隊の大規模接種、あるいは都道府県の大規模接種等を利用して、若い方も少しずつ打っていただいているという状況です。
 現時点では、まだ打ちたい人の全てが予約を取れているわけではないという状況ですので、まず打ちたい人がしっかりと予約を取って打ち終わるまで、まだ少し時間がかかると思います。
 ただ、恐らく、しばらくするとだんだん予約の枠が埋まらないという状況が出てくるということが予想されますので、そうなったときに若者の集まる繁華街で今なら予約なしでもワクチンを打てるという会場をつくるというのはいい考えだと思います。現時点では、まだ打ちたい方の全てが予約を取れているわけではないということで、少し時期が早いと思っています。

(以上)