河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月24日

(令和3年8月24日(火) 16:00~16:19  於:―(オンライン形式))

1.発言要旨

 現行の沖縄振興特別措置法が、来年3月に期限を迎えることになります。内閣府で、期限後の沖縄振興につきまして、「新たな沖縄振興策の検討の基本方向」という内閣府案の取りまとめをいたしました。
 沖縄の振興につきまして、現行の振興計画の期間の中で、県内総生産や就業者の数が全国を上回る伸びを示す等、一定の成果を得ることができたと思っておりますが、1人当たりの県民所得あるいは子供の相対的な貧困率がまだまだ厳しい状況にあります。この特別措置法が目的とする沖縄の自立的な発展と豊かな住民生活の実現に向けて、まだまだ様々な課題が存在します。いま一度法的措置を講じて振興策を推進していかなければいけないと思っております。
 新たな沖縄振興に当たっては、これまでの施策について必要な見直しを行うことはもちろん、子供の貧困や教育といった本当に重要な課題、あるいは産業振興をはじめとする沖縄の諸課題に対して、所要の措置を講じるべく、関係各方面と協議し、さらに検討を進めていきたいと思っております。
 今回の基本方向に沿って、今月末の概算要求及び税制改正要望に向けて、内閣府として検討を進めていきたいと思っております。また、令和4年の通常国会に向けて法案の提出の準備を進めていきたいと考えているところでございます。

2.質疑応答

(問)ワクチン接種に関してお伺いします。昨日の公表分で2回接種完了が国民の4割に達しました。大臣は、これまでこの4割達成を含めて、総理が掲げられた1日100万回の接種や、7月末までに希望する高齢者全員への接種完了等、難しい目標を着実にクリアされていると思います。ただ、その一方で、各社の世論調査ではワクチン接種について順調に進んでいないという声の方が多いのが現状です。成果が国民の評価に結び付いていない現状の受け止めと原因、それと、こうした国民の不満を解消するために今後どのように取り組んでいくお考えかお聞かせください。
(答)まだまだワクチン接種を受けたいと希望されている方が多くいらっしゃる中で、何千万人の方が1日に接種ができるわけではありません。まだなかなか予約が取れないというような方がいらっしゃるのも現実だと思います。
 そういう方からしてみれば、予約を取りたいけれども、なかなか取れないということだと思います。
多くの方が接種を希望していただいているということは、最終的に接種率が高くなるということだと思いますので、お叱りはいただいているところはありますけれども、それは嬉しいことだと思っております。
 お盆期間中は、1日当たり100万回を切る程度にスピードダウンしましたが、お盆明けからまだスピードが回復しておりますので、しっかりと10月から11月にかけての接種完了に向けて頑張っていきたいと思っています。
(問)多いですが、3点お伺いします。まず、沖縄振興ですけれども、これまでの結果を踏まえて、例えばビールや泡盛の方では税の軽減措置の卒業といったことが盛り込まれています。また、昨日の沖縄振興審議会で議論となったEBPMという形も盛り込まれていますけれども、新しい法制度に向けて、河野太郎大臣としてここに力を置いたという点があればお聞かせいただけますでしょうか。
(答)沖縄の振興ということですから、沖縄県民の皆様の声をしっかりと受け取って実現をするということが私の役目であって、河野太郎だからというようなことよりは、沖縄の皆様の思いを着実に実現できるようにしていくというのが大事だと思っております。
 ただ、その中で強いて申し上げれば、子供の貧困と教育というものを少し前の方に書かせていただきました。これからの沖縄を考えたときに、子供の貧困の問題を解決するということと教育が今後の沖縄の発展のベースになるのではないかというところから、ここの部分を前倒しで書かせていただいたというところがあります。
(問)2点目です。大臣は今週末に本を出版されます。外務大臣等を務めていらっしゃる時から、いずれ自らが総理大臣になったときの政策や考え方を記した本を出版したいとかねがねおっしゃっていましたが、今回のこの著書の位置付けと、著書を通じて国民にこういうことを理解してもらいたいということがあればお聞かせいただけますか。
(答)1996年に初めて衆議院に当選して今年25年になります。最初は在職25年と言っていたのですが、解散期間中は在職にならないので、在職25年にはならないということで、初当選以来25年とさせていただいております。これまで河野太郎がやってきたことを少し、とても全部は書き切れませんでしたし、最後の方はワクチン接種担当にもなって時間も取れなかったものですから、また続編を書きたいとは思っておりますが、私がこれまでやってきたことについて、国民の皆様に読んでいただけたらと思っております。
(問)そうしますと、これは総理になったときの政策をまとめたいと言っていたものとは違って、25年の歩みを記したものということでしょうか。
(答)25年の歩みと、こういうことを考えています、というものも多少入っております。主には、これまでこのような思いで、こういうことをやってきました、ということを書いてあります。
(問)3点目ですけれども、菅総理大臣が自民党総裁選挙に再出馬する意向を示しています。これまでに小泉環境大臣や二階幹事長、森山国対委員長等が支持を表明していますが、改めて閣僚として、大臣は菅総理に対して今回自民党総裁選挙にどのように向き合っていこうとお考えでしょうか。また、ご自身の対応はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)今、このコロナ禍で、ワクチンの接種という、国民の皆様の健康を守るための責任を菅総理から任されておりますので、まずそれをしっかりやっていきたいと思っております。
(問)沖縄振興についてお伺いします。一括交付金制度について、継続する措置を講ずるとされています。継続するというところを基本として、その規模については今後どのような規模でお考えかということと、あと沖縄振興開発金融公庫について、日本政策金融公庫に統合することとされているとなっております。存続には言及されておりませんが、この方向というのは堅持されるご予定なのでしょうか。酒税についても、5年及び10年以内の段階的な廃止に言及しており、揮発油税については、必要な措置を講ずるとあります。税制措置についての見直しが必要であるとお考えでしょうか。この3点についてお伺いします。
(答)酒税については、地元からもいろいろな卒業への申し出もございましたので、恐らくそういうことになるのではないかと思っております。税制改正要望に向けて、そこはしっかり検討していきたいと思っております。一括交付金についても、概算要求に向けて検討しているところでございます。公庫については、法律で統合するということになっていると思います。与党内あるいは県内からも様々ご要望がございますので、そのようなものを含めてしっかり検討していきたいと思っております。
(問)沖縄振興の必要性の部分で、特殊事情に鑑みてこれまで推進されてきたという部分、改めて明記されています。いわゆる地理的な特殊事情であったり、歴史的な特殊事情、米軍基地が存在する社会的な特殊性、そういったものを特殊事情と言っているわけですけれども、今回、その点については具体的に一個一個に触れるところはないですが、大臣としてはそこを踏まえた上で沖縄振興を今後推進していくというふうなお考えなのかというところを1点伺います。
(答)はい、そのとおりです。
(問)それともう一点です。米軍基地やOISTをはじめとする英語教育の推進という点ですが、これは具体的な方向性というのはあるのでしょうか。
(答)これから国際化する中で英語教育というのが非常に重要になってきています。また、新型コロナウイルス感染拡大が終われば、沖縄でまた観光産業が発展していく中で、非常に重要になってくると思います。これは観光産業だけに限らず、英語というのは自転車に乗れるとかパソコンが使えるというのと同じような、ニーズの高い一つのスキルということになると思います。そういう中で、沖縄の資源を活用して、沖縄の子供達がみんな英語でビジネスができる、あるいは機会があれば英語圏へ留学ができる、そういう素養を身に付けていくということは非常に重要なことだと思います。
(問)沖縄振興に関してもう一点、離島振興について、これはあくまで自民党の提言ではあるんですけれども、離島が安全保障に資するという表現を使われて、離島振興と結び付けてという提言があると思いますが、内閣府の案には安全保障との関連というのは明記されておりません。大臣の個人的なお考えとしては、安全保障に資するというお考えというのはあるのでしょうか。
(答)今回は沖縄の振興策について内閣府でまとめたものでございます。沖縄の離島は恐らく東西で1,000キロ、南北で400~500キロの海域に渡っており、排他的経済水域や領海の保全という意味で重要な役割、地位にあるというのは、そのとおりだと思います。
(問)令和4年の法案提出は、新たな法律なのでしょうか、改正なのでしょうか。
(答)そういうことも含め、今後検討をしっかりやってまいりたいと思っております。まず、月末の概算要求や税制改正要望に向けて、今、検討をしているところでございますので、様々な法律についてもしっかり検討を併せてやっていきたいと思います。
(問)あと1点、すみません。沖縄振興策の必要性の部分で、「近年、特に我が国の広大な領海及び排他的経済水域の保全にも極めて重要な役割を果たすようになってきている」と、最後に離島について触れている部分があると思うんですけれども、厳しくなる安全保障環境のことが念頭にあると推察はされるんですけれども、この部分に込めた大臣の思いをお聞かせください。
(答)先ほど申し上げましたように、東西1,000キロ、南北400~500キロと、非常に大きな海域で、排他的経済水域や領海の保全に非常に重要な役割を果たしているのが沖縄の離島だと思います。

(以上)