河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月10日

(令和3年8月10日(火) 14:40~15:06  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 最初に、国家公務員制度担当大臣としてご報告がございます。今日、国家公務員の給与改定に関する人事院勧告を頂戴いたしました。また、先ほど持ち回りで第1回給与関係閣僚会議を開催し、勧告の取扱いの検討に着手したところでございます。
 今回、勧告にあわせて「報告」が出されております。人事院から公務員の志望者が減少している、あるいは若手職員の離職が増加しているということ、この「国難」の中、幹部管理職員が組織マネジメントに真摯に取り組んで、長時間労働の是正あるいは国会対応業務の改善を行わなければならないという強い問題意識と、今後の取組の方針が示されております。
 また、国会対応業務を改善するということが明示され、国会の理解、協力を切願するということも書いてございます。
 また、そのほかに不妊治療のための休暇の新設、あるいは育児休業の取得回数の緩和といったことも記載されております。
 非常に前向きな内容でございまして、これまで人事院は残業時間について、あまり問題視してこなかったという対応を根本から変えて、この問題を解決しなければならないということを明確に示されたということは大変に画期的な報告だと思います。
 川本新総裁が着任され、早速、人事院が意欲的な取組を進めるということになりましたことを、歓迎したいと思っております。
 人事院も新たな時代の人事院ということになったと大いに期待をしたいと思っておりますし、公務員制度を担当する大臣として、人事院に全面的に協力し、共に改革を進めてまいりたいと思っております。
 2つ目、少し先になりますけれども、8月17日火曜日の午後1時から、第14回となります「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」をオンライン形式で開催いたします。
 議題としては、「住宅・建築物におけるエネルギー性能の向上に向けた規制・制度の在り方」、それから「地熱発電等の導入拡大に向けた自然公園法、温泉法等の在り方」、「水循環政策における再生可能エネルギーの導入の促進」という、3つの議題についてフォローアップした後に、「九州エリアにおける再エネ出力抑制」について取り上げます。
 これまで同様、規制改革推進室のYouTubeチャンネルで生配信いたしますので、是非、ご覧をいただきたいと思っております。
 ワクチンについて、総接種回数は1億回を超えました。2回接種完了されている方が約4,300万人、人口当たりの接種率が34%、また1回接種されている方は約6,000万人、人口当たりの接種率は47%ということになっております。職域接種の接種実績は、水曜日ごとに週の回数をお出しすることにしたいと思いますが、現時点での接種回数は770万回ということになっております。
 5月から本格的に各自治体で高齢者の接種に取り組んでいただきましたけれども、ゴールデンウイーク明けからの3か月で、2回接種の高齢者接種率が8割を超えている状況になりまして、自治体、医療関係者の皆様に感謝申し上げたいと思います。
 9月の3つのクールでのファイザー社製ワクチンの都道府県ごとの配分量につきましては、既に国からお示しをしておりますが、本日、第13クールについて都道府県から自治体に割当量が示されることになっております。また、第14、第15クールについてもできるだけ速やかに割当量を示していただくよう、お願いをしているところでございます。
 アストラゼネカ社製ワクチンにつきましては、ファイザー社製ワクチン及びモデルナ社製ワクチンの配分とは全く別個で、12歳以上人口の8割の方が2回接種するのに必要な数量の計算にはアストラゼネカ社製ワクチンは全く入れておりません。今月、来月に配送できる分として200万回分を確保しております。緊急事態宣言が発令されている6つの都府県に重点的に配分をすることにしておりまして、既に先週、初回の納入希望量をいただいております。初回分としてですので、今後、徐々に追加があるのかもしれません。8月16日から順次ワクチンを配送してまいります。
また、緊急事態宣言と関係なく各都道府県にmRNAワクチンをアレルギーで打てない方用、それから海外で1回アストラゼネカ社製ワクチンを接種して2回目を打つ前に日本に帰国された方用のアストラゼネカ社製ワクチンは、上限を1,000回分として各都道府県に配布しております。これらにつきましては、来週の月曜日までに送付先をご連絡いただき、23日から順次配送できるように準備しているところでございます。
 アストラゼネカ社製ワクチンの安全性・有効性につきまして、正しく理解をしていただいた上で、必要とされる方に円滑に接種をしていただけるよう、対応してまいりたいと思います。
 一部の職域接種の会場で、妊娠されている方を対象外としているケースがあったようでございます。妊娠されている方がワクチンを打てないということはありませんので、全ての職域接種の会場に対して、それは望ましくないということをご連絡させていただいております。職域接種の会場でも、しっかりと妊娠されている方にもワクチンの接種をお願いしたいと思っております。

2.質疑応答

(問)冒頭発表のありましたアストラゼネカ社製ワクチンの配分について、まずお尋ねします。自治体への通知で、東京都に対して579,500回分等、6都府県それぞれ配分の上限を定めていたかと思いますが、調査結果を踏まえて、6都府県にどの程度の数量を運ぶことになるのか、この点をまずお聞かせください。
(答)初回の納入量として、5万回分強だと思います。
(問)確認ですが、それは6都府県に一律5万回分強ということですか。
(答)そうではありません。合計してです。
(問)後で構わないので、内訳等を教えていただけますか。
(答)はい。
(問)関連で、ワクチンの関係で、韓国の防疫当局が昨日、モデルナ社側から8月に供給を受ける予定のワクチンについて、当初850万回分だったものが、供給量が半分以下になるという通知を受けたと明らかにしました。日本でも供給遅れが発表されていますけれども、数量等最新の状況と対応策をお聞かせください。
(答)モデルナ社のヨーロッパの生産拠点において検査の工程で問題が生じ、そのまま玉突きで検査待ちということになって供給が遅れていると理解しております。日本向けの供給も若干の影響があると思いますが、今のところ職域接種の順番待ちをしてくださっている会場に対しては、恐らく8月の最後の週にはワクチンの供給を開始できるのではないかと思っております。途中、若干の影響があるとは思いますが、大きな影響にはならないようにしてまいりたいと思っております。引き続き、モデルナ社とは連日のように協議しているところでございます。
(問)もう一点、話題変わって、8月15日の終戦記念日の対応について伺います。大臣は15日またはその前後に靖国神社を参拝されるご予定はありますでしょうか。参拝予定がなくても、真榊や玉串料を奉納するご予定があればお聞かせください。
(答)例年と同じようにしたいと思っております。
(問)総接種回数が1億回を超えたことについての評価と、今後、接種回数を増やすための課題等があれば伺えますでしょうか。
(答)当初は総理が掲げた「7月末までに希望する高齢者全員へ2回接種を終える」や、「1日当たり100万回接種」という目標は、やや高いハードルだと正直思っておりましたが、無事にそれもクリアしましたし、現時点で2回接種が終わった高齢者の方々が2,900万人、64歳以下の方も1,400万人程度の方が、2回の接種を既に終えております。7月末に高齢者2回終えられるか、ということでずいぶん疑問視されていた頃に比べれば、既にこの時点で64歳以下の方で2回接種が終わっている方が1,400万人いるというのは、相当スピードが前倒しできているのではないかと思います。「デルタ株」という変異株の感染が拡大しておりますので、今後も速やかに接種を進めていきたいと思っております。
 今の時点では、まだ予約が早期にいっぱいになるという状況でございますので、接種スピードは維持されていると思っておりますが、だんだんこれから先は接種率が下がれば、接種に隙間でできて、スピードが落ちるということにもなろうかと思いますので、なるべく多くの方に接種していただけるように、しっかりと啓発活動をやってまいりたいと思っております。
(問)それともう一点。アストラゼネカ社製ワクチンの配分の関係ですけれども、先ほど6都府県で5万回分という言及がありましたけれども、まん延防止等重点措置地域に配分等は考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)現時点では、まず緊急事態宣言が出されている地域にオファーをしたところでございます。初回分がこの回数ですので、今後、6都府県と相談をしながら、他へ回せる余力がありそうならば、次はまん延防止等重点措置地域ということになると思います。
(問)先ほどお話に出たアストラゼネカ社製ワクチンの対応ですが。初回納入5万回分強とのことだと思うんですけれども、沖縄県の分というのはどの程度含まれているのでしょうか。
(答)沖縄県は100回分だったと思います。
(問)沖縄県の知事が納入に対してあまり前向きではなかったと思うのですが、そのあたりについてお話というのはされたのでしょうか。
(答)取りあえず初回の希望量としてどのくらいですか、という検討期間が2日間でございました。取りあえず2日ご検討いただいた分ですので、今後、それぞれの都府県でさらに検討されて、追加分を希望されるということもあり得ると思いますから、状況に応じてお出ししたいと思っています。
(問)1点だけ、総接種回数が1億回を超えて、総理が目標として掲げている今月末までに4割強の国民が2回接種という目標については、達成できそうだという見込みでいらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。
(答)今日の時点で接種率が34%ということでございますので、4割達成できるように頑張りたいと思います。
(問)それと冒頭ご紹介のありました人事院勧告についてですけれども、これまで大臣は節目ごとに国家公務員の働き方に対する問題をいろいろと指摘されて取り組まれてきたと思います。今回、新しく人事院総裁になった川本新総裁の下で今回の新しい報告がなされたと思うんですけれども、新総裁に対する今後の期待について、どのように思っていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
(答)安倍政権で国家公安委員長を拝命しておりました時に、川本さんが公安委員のお一人でございました。当時から非常に改革志向で、「公安委員長しっかりやれ」と発破をかけられておりましたので、人事院新総裁に就任されて、すぐにこのような勧告あるいは意見の申出があったということで、大いに今後期待できると思っております。国家公務員制度担当大臣として、しっかりご協力をしてまいりたいと思います。
(問)人事院は独立行政委員会ですので、政府と緊張関係がありましたけれども、これらの公務員の立て直しにはやはり二人三脚でということで、これまでとは違って人事院総裁と大臣が直接意見交換したり、やはり何か新しい公務員制度の立て直しの形になっていくと、そういうふうに見て、前と違って物を言う人事院になって、政府も言うことにいろいろ耳を傾けると、そういうスタンスになっていくというふうに期待してよろしいでしょうか。
(答)おっしゃるとおりだと思います。これまでは、例えば長時間労働についても、見て見ぬふりとは言いませんが、残業ではないというような建前に終始していた人事院という気がしておりましたが、今回は公務員の志望者が減っている、あるいは若年層の離職、こうしたものを取り上げてこの問題を解決しなければならないという、人事院が正面から問題に向き合うということを宣言されたわけでございますので、政府側の窓口としてしっかり協力してまいりたいと思っております。我々も非常に大きな問題と認識していた課題でございますので、しっかりやってまいりたいと思います。
(問)もう一点伺いたいのは、やはり大臣は心を痛めておられるのは、やっぱり地元の感染爆発ではないかと思います。昨日、神奈川県から公表された対策等も非常に危機感に満ちていて、特に医療崩壊について懸念されていますけれども、神奈川県は東京に比べると医師が少なく、ワクチン接種も遅れていることもあって、さらなる感染爆発の懸念があると思うんですけれども、地元のそのような状況についてどのようにお考えになっているのか、伺いたいです。
(答)相当危機感に満ちたメッセージだと思いますし、自治体と県とのやりとりも相当赤裸々に危機感をさらけ出した打ち合わせであったと聞いております。神奈川県はかなり早い時期からスコアリングを取り入れて、自宅療養のようなことをやりながらパルスオキシメーターを翌日に持っていくとか、あるいは宅配をするとか、地域の医師とも連携するとか、いろいろやってきたわけですが、この感染拡大のスピードだとそうしたことが追い付かなくなるというような、非常に危機感に満ちた状況だと思います。神奈川県から特に人流の抑制をすることと、ワクチン接種をしっかり継続していくという2つが求められていると思っておりますので、神奈川県のワクチン接種もしっかりバックアップしていきたいと思っております。
 職域接種・大学拠点接種は神奈川県内でも8月中にスタートする会場もございますし、8月分・9月分のワクチンの供給見通しは既にお知らせをしております。今日、県から自治体に第13クールの見通しが示されれば9月の予約もスタートできるようになると思っておりますので、そこはしっかり神奈川県とも調整しながらやってまいりたいと思います。
(問)先日、閉幕した東京オリンピックですが、男子の空手形で沖縄県出身の喜友名選手が金メダルを取られました。空手は沖縄県が発祥といわれるようなもので、非常に沖縄振興と密接に関わる部分もあると思いますが、大臣としてのご所感をお伺いできればと思います。
(答)今回、日本選手団がオリンピックで獲得したメダルが多くて、連日盛り上がっておりました。空手の喜友名選手と野球の平良選手、それからレスリングの屋比久選手、沖縄県勢で金メダル2つと、銅メダル1つを獲得したということは、良かったと思っております。これをきっかけに、沖縄県でもさらにスポーツが振興して、健康の増進につながる、あるいは沖縄県民の誇りが高まっていくというようなことにつながっていくことを期待していきたいと思います。
 前回のオリンピックから5年たって、1年間の延期、開催の形態についても様々ある中で、しっかり準備され、集中力を切らさずに取り組まれたそれぞれの選手に、本当に敬意を表したいと思います。世界中のアスリートがオリンピックを目指している中で、多くは無観客になりましたけれども、こうした形でもオリンピックが開催され、勝つ人もいれば残念ながら敗れる人もいますが、それぞれ準備されたことを力いっぱい出されたのではないかと思っております。本当に準備された関係者、そして集中力を切らさず努力し続けたアスリートの皆様に敬意を表したいと思います。
(問)先ほどワクチンの総接種回数が1億回を超えたというお話がありましたけれども、これから未接種世代の接種率向上の問題とかも出てくると思うんですが、大臣としては、現在、ワクチン全体計画の中で、今は何合目を登っているというご認識でしょうか。
(答)今回のワクチンは山というよりは山脈だと思っております。ワクチンの確保、打ち手の確保というところは、既に登ったかなと思っています。今は「なかなか予約が取れない」という声の方が大きいと思いますが、接種が進んでいくとだんだん接種率の問題がクローズアップされて、最終的には若い世代の接種率がどこまで上げられるかというところになってくるのかなと思います。そこに向けて啓発活動がしっかりできるように準備していきたいと思っています。
(問)アストラゼネカ社製ワクチンの配分で1点だけ。沖縄県が初回100回分ということですが、全く希望がない自治体はなかったのか、あれば教えていただきたいのと、初回とはいえ200万回分のうちの5万回と聞くと少ないと感じますが、この希望調査結果の大臣の率直な感想をお聞かせください。
(答)初回分を16日に配布するという中で、最初の希望数を2日で教えてくださいということでしたので、都道府県も大慌てで数字を固めていただいたと思っております。まだ、今後、じっくり検討する時間がありますので、必要数はしっかり出していきたいと思っております。
 ポリエチレングリコールアレルギーの方、それから海外でアストラゼネカ社製ワクチンを1回しか接種せずに日本に帰国された方は、恐らく都道府県ごとに何人かいらっしゃると思いますので、その方々用のワクチンは、23日から全ての都道府県にお出しするということになっております。

(以上)