河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月5日

(令和3年8月5日(木) 17:21~17:52  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 ワクチンの接種回数でございますが、総数で9,800万回程度です。週明けには1億回になると思います。1日当たりの接種回数が120万回程度に適正化、最適化されつつあると思います。ありがとうございます。
 第3四半期のファイザー社からのワクチンの供給が600万回分増えるということになりました。ファイザー社とは非常に緊密な関係を築いてまいりましたし、総理とブーラCEOとの間では先日もワクチンに関して意見交換、あるいは総理からオリンピックへの支援に対するお礼を述べたということもございました。日本のワクチン接種のスピードが非常に速く進展しているということをファイザー社もよく理解をしてくれておりまして、それを維持していくために必要な協力をしていただいているところでございます。
 ファイザー社のワクチンの第13クールから第15クールの都道府県ごとの配分について、この3クールでは、希望される全ての対象者の接種完了を見据えることになります。考え方として、以前にも申し上げておりますが、12歳以上の全人口の8割の方が2回接種するのに十分な量のワクチンを自治体ごとに計算し、都道府県にその分を配分しております。
 都道府県の配分量につきましては、12歳以上の人口の8割が2回接種するのに必要な総量が人口から分かりますが、そこから8月末までにお配りするファイザー社製ワクチンの量を引いて、8月1日までのモデルナ社製ワクチンの使用量を差し引いて算出しております。ですから、ファイザー社製ワクチンは8月末までに配った分を差し引いておりますが、モデルナ社製ワクチンは8月1日分までに配分した量を基本に計算しておりますので、モデルナ社製ワクチン5,000万回分のうち1,672万回分を差し引いております。8月に行われる自衛隊の大規模接種やモデルナ社製ワクチンを使う自治体の大規模接種、あるいは職域接種、大学拠点接種に関して、8月に接種が行われる分は差し引く数量には入っておりません。その数字を3分の1ずつ第13クール、第14クール、第15クールでお配りするということになります。
 一つは市町村に予見性を持ってもらうということで、9月の終わりまでの3クール分の数字をお示ししておりますので、まずは市町村に予見性を持っていただくということと、これから接種率が8割を超えてくる自治体、それから若干低い自治体と、たぶん同じ県内でも自治体によって接種率にはばらつきが出ると思います。
 また、職域接種あるいは大学拠点接種で接種が進む自治体と、職域接種の影響があまりない自治体と、やはり県内でも差があると思いますので、そうしたことの微調整を都道府県にお願いするということで、市町村に予見性を持っていただくという観点からは、都道府県に割り当てた量をなるべく早く市区町村に割り当てて、お示しいただきたいと思います。
 市区町村に数字が割り当てられれば、計画的に様々な接種が進むことになると思います。
 市区町村に割り当てるのに当たって必要なデータは、VRSのダッシュボードで見ることができるようになっておりますし、住所地外の接種のデータ、その他、必要なデータは都道府県に提供しておりますので、ご活用いただきたいと思っております。
 第13クールの9,244箱は計算で割り出した必要量の3分の1をそのままお出しするだけでございますが、第14クール、第15クールにおきましては、このお示ししている分配量に加えて、合計300万回分の調整枠を設けております。それまでにVRSへの入力が進むと思っておりますので、職域接種の影響であったり、あるいは接種率80%を目指してワクチンをお配りしておりますが、接種率が80%を超えてくるような自治体、それから都道府県に必要量をお渡ししておりますが、やはり配ることになれば、必要量にばらつきが出るということも想定をされますので、第14クール、第15クールにおいては300万回分の調整枠を必要に応じて都道府県にお配りをいたしますので、都道府県が必要な調整ができると思っております。是非、県内の状況を把握した上でご調整をお願いしたいと思っております。
 昨日、一部報道で11の自治体で高齢者の接種が未完了であるという報道がありましたので、11の自治体にどのような状況か確認したところ、報道内容とは異なりまして、指摘のあったいずれの自治体もおおむね高齢者接種は完了していると認識しているということでございました。ワクチン供給の見通しが立たないので、高齢者接種が遅れているというような内容が一部ございましたけれども、6月末までに全ての高齢者に2回接種する分のワクチンはもう自治体に届いておりますので、おかしいなと思いましたが、自治体は「春の頃の状況の話をしています」ということでございました。
 こうした報道は例外的なものだと思いますが、事実と異なりますので、是非正確な報道に努めていただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)冒頭言及があった7,000万回分の供給が予定されていた7月から9月分に新たに600万回分、供給が増えるということですけれども、そのうちの半分を第14、第15クールの調整枠に使うということですが、これは先月大臣もご同席されたファイザー社ブーラCEOと総理との会談の成果というふうに言えるのでしょうか。また、今回のこの600万回分は、10月から12月分に追加供給を受ける予定の2,000万回分の内数のものではなくて、純粋な新規の増加という理解でいいのか、この2点をまずお聞かせください。
(答)7月から9月にかけて7,000万回分のワクチンが入ってきますが、この7月から9月に入ってくる量を全てそのまま7月から9月に出せるというわけではありません。空港に着いてから国家検定をやったり、政府売却をやったり、若干のタイムラグがありますので、そのあたりの誤差が必ず付いて回りますが、600万回増えた分のどこまでが調整枠になってというのは、そのスケジュールを見ないと正確なところは申し上げられません。そこは、何便がいつ入ってくるか、それから政府売却がいつできるかというようなところもありますので、数字がややこしいところです。7,000万回分の供給に600万回分プラスされていると認識していただいて、第15クールに出る分がどれだけが増加した分でるかというのはワクチンスケジュールを見て申し上げないといけないと思います。分かりづらくて申し訳ないと思います。
 ファイザー社とはいろいろとこれまでも交渉をさせていただいておりまして、例えば4月末までに1,200万回分の供給を受けると言っていたところが、3,400万回分の供給があったり、いろいろと交渉で浮いた1,000箱を我が国に回してもらったりという、そういう意味で非常にファイザー社とはよい関係ができていると思います。
 そういうことも受けて、総理とブーラCEOは先日も、ワクチンについての様々な意見交換をさせていただいたり、総理からオリンピックの協力へのお礼を申し上げたりということがございました。全体的にファイザー社とは非常にいい関係が構築できているのではないかと思っております。
(問)もう一点、関連です。8月30日の週から10月10日までの配送計画ですが、今回の発表によって、いわゆる自治体によって予約の受付停止ですとか、混乱が生じていますけれども、これが収束するというお考えを大臣はお持ちなのかというのと、先ほどの接種ペースのお話がありましたが、第15クール終了まで1日当たり120万回が引き続き適切であるというお考えなのか、より最適化が必要なのか、その点をお聞かせください。
(答)恐らくこれからしばらくすると予約に空きが出てくるようになるのではないかと思っております。そうすると、接種ペースは落ちてくると思っております。先日、慶應義塾大学が大学拠点接種の接種率が74.5%だったか75%だったか、という話がございまして、かなり高いなと思っていますが、様々な世論調査を見ると、「まだ接種を決めていない」とか、「あまり打ちたくない」という割合が若い世代で高いのも事実でございます。今までは、高齢者85%というかなり高い接種率でここまでまいりましたけれども、ここから先は接種率が落ちてくると同じペースというわけにはいかなくなってくると思っております。このペースで9月まで行ければかなり早いうちに接種が完了するのではないかとも思いますが、これから先、あまり予断を持たずに対応していきたいと思っております。
(問)関連して、600万回分の増加に関してですが、残りの2,000万回分の供給を受ける予定から前倒ししたという理解でよろしいですか。
(答)今の時点で発表について合意がなされているのは600万回分、増加したというところまででございます。
(問)関連してですが、今回の600万回分増えた分についてなんですけれども、今後の接種スピードの加速化にどう影響するか、大臣に伺いたいのですが。
(答)ワクチンの量というよりは、だんだん接種希望者の数という方に接種スピードが規定されてくるのかなと思っております。これで9月末までの供給量がお示しできておりますので、自治体としては計画的に打てるようになると思います。それ以外に、大規模接種、それから都道府県の大規模接種、職域接種・大学拠点接種がありますので、今はなるべく早めに職域接種と大学拠点接種のVRSへの入力をお願いしているところです。入力が進んでくると、自治体もあとどの程度打たなければいけない方が残っているのかというのが見えてくると思います。現時点だと、なかなか職域接種と大学拠点接種の数字が見えてこない部分がありますので、難しい部分があるのかなと思いますけれども、VRSへの入力が進んで、あと残りがどの程度というのが分かってくると、自治体ももう少し計画を立てやすくなると思いますし、どこに力をいれなければいけないのかというのが見えてくるのではないかと思います。
(問)ファイザー社製ワクチンの増加分の確認をさせていただきたいんですけれども、今日の配布資料には、この増加分は全く反映されていない状態でしょうか。
(答)それを確認するのは日時のスケジュールが必要になりますので、今のところ、7,000万回分供給予定だったところに600万回分増加されたということでご理解いただきたいと思います。
(問)600万回分の増加のことがよく分からないんですけれども、年内に合計で1億9,400万回分輸入すると言っていた総量にプラスして600万回分増加されたという理解でよろしいですか。
(答)第3四半期に供給を受ける予定であった7,000万回分が7,600万回分になったと今日の時点でご理解いただきたいと思います。
(問)10月から11月に2,000万回分の供給を受ける予定だったもののうち、前倒しされた600万回分が7月から9月に入ってきたという理解でよろしいですか。
(答)常々申し上げていますように、ワクチンの供給量に関して対外的にどのように発表するかというのは、ワクチンメーカーとの関係があるものですから、合意した事項を対外的に申し上げるということにしておりますので、今日の時点は第3四半期の供給量が600万回増えたというところでお願いしたいと思います。
(問)数字のところですけれども、第14、15クールで合わせて300万回程度の調整枠を設けるというのは、今おっしゃった600万回分の半分の300万回分をこの第14、第15クールで調整枠とするという理解でよろしいですか。
(答)600万回供給が増えますというのが右側にあって、300万回を調整枠にしますというのが左側にあります。歯切れが悪くて申し訳ないのですが。
(問)別紙2の第14クールと第15クールの基本枠の数字には、この300万回分は入っていないんですか。
(答)入っていません。ここに出ている数に追加して300万回分ということです。
(問)それは、いつ頃決めるのでしょうか。まだ決まっていないわけですよね。
(答)今後、様々な状況を見ながら決めていきたいと思っています。
(問)それと細かい点ですけれども、これまで第13クール以降も1万箱程度供給するというふうに言っていたと思うんですけれども、正確には9,200箱から9,100箱台だと思うんですけれども、もともと数字を1万箱というふうに表現していたわけですか。
(答)まず、12歳以上人口の8割が2回打つために必要な量を算出して、それを3分の1ずつにした数字が、今、お示ししている数字です。第14クール、第15クールはVRSへの入力も進んでいますし、接種率が8割を超えてくる自治体があるとすれば、どの自治体なのかというのも見えてくると思いますので、調整枠は少し後ろに倒してあります。
(問)それと、別紙2ですけれども、東京都や奈良県は第14クールから第15クールにかけて基本枠が減っていると思うんですけれども、どのような理由からでしょうか。
(答)これは恐らく都道府県の大規模接種がどの時点でスタートして、どの時点で終わるかといったことが影響していると思います。
(問)大規模接種の接種実績の回数が多い自治体ということでしょうか。
(答)ファイザー社製ワクチンを使った大規模接種がどのタイミングで終わるかとか、どのタイミングで行われるかというのに影響されています。
(問)職域接種についてお伺いしたいんですけれども、総理からは、昨日、来週から新たな会場での接種を開始していくというような発言があったと思うんですけれども、会場数で言うと、来週はどの程度の会場で新しく開始されるというイメージでしょうか。
(答)今、手元にありませんので、必要ならまたお知らせしたいと思います。お待ちいただいているところには8月30日の週までにはワクチンの供給を開始できるという見込みのままでございます。
(問)7月から9月の600万回分の増加の件ですが、こちらも年内にどれだけ全体量が入るのかを知りたいと思っているので確認ですけれども、今回、供給が600万回分増えるということは、年内にファイザー社製ワクチンは2億回分入ってくることになるのでしょうか。
(答)先ほどから申し上げておりますように、今、対外的に発表の合意が取れているのは第3四半期の供給量が7,000万回分から7,600万回分になるということですから、今日はそこまでにさせてください。
(問)もう一点。第14、第15クールで300万回分程度の調整枠ということですけれども、第14クールと第15クールで、47都道府県に全体で300万回分という理解でよろしいでしょうか。
(答)第14クール、第15クールを合計して調整枠は300万回分です。
(問)東南アジアに比べて日本は、本当にファイザー社からたくさん供給されていると思いますが、それは総理とCEOの関係は別にしまして、実務的なところまで役人任せにしないで、河野大臣がメールやZOOMを使って調整を担っておられることがよい関係につながっているというふうに考えてよいのでしょうか。もう一点、埼玉県への分配量がかなり多いんですけれども、埼玉県は接種が遅れていると見るのか、大野知事はなかなかワクチンが来ないと怒っているときもありましたけれども、これは何か理由があるようでしたら教えてください。
(答)これは必要量の3分の1にしておりますので、この数字になっています。考えられるとすると、接種券が出ていないところがあって、その分職域接種の入力が遅れていると、分配量が増えるということにはなります。基本的に、これからも接種を頑張ってくださいという数字だと思います。
 埼玉県、神奈川県は800箱ということで、量が多くなっておりますので、そこは頑張っていただきたいということです。
(問)ファイザー社との関係についてはどうですか。
(答)ファイザー社とは、おかげさまで毎日のように交渉をしております。菅総理が「1日100万回打つぞ」と言っていましたが、1日当たりの接種回数が100万回をはるかに超える状況になっていて、ワクチンの供給が追い付かないという状況もよく分かっていただいております。1月の終わりか2月の頭頃からは毎晩のように交渉しています。ファイザー社のワクチンの責任者は日本にいたこともあって、花見をしたこともあるとか、いろいろなこともあって日本びいきだというところもあります。そういう中で一生懸命毎日「浮いたワクチンをこちらへ回してくれ」というのはやっているところでございますので、かなり来ていると思います。日本だけ特別扱いをされているというと、周りからいろいろご意見をいただきますので、対外的に何を申し上げてよいかというのは、ファイザー社が合意したものしか申し上げられないということになっています。今日は奥歯に鉄パイプが挟まったような話になって申し訳ありませんが、お許しをいただきたいと思います。
(問)大臣は、先日、アストラゼネカ社製ワクチンを緊急事態宣言の対象地域に優先配分するというようなお話をされていました。昨日、沖縄県の玉城デニー知事が、会見で、県内でニーズがなかったということで国の打診を断ったというふうにお話しされたんですけれども、このように断った都道府県が他にもあったのかということと、断った都道府県には基本的に配分はゼロだというふうに考えていいのかという点をお伺いします。
(答)まだ恐らく回答期限が来ていないのではないかと思いますので、どこがというのは承知をしておりませんが、緊急事態宣言の発令地域にオファーしているのとは別に、それぞれの47都道府県にmRNAワクチンで使っているポリエチレングリコールにアレルギーのある方用と、アストラゼネカ社製ワクチンを海外で1回打っただけで帰国された方がそれなりにいらっしゃるということで、各都道府県に拠点を1つ決めていただいて、最大1,000回分をそこにお出しするというオファーをしております。これは回答期限が先になると思いますので、その分は沖縄県にも行くことになると思います。
(問)600万回分の増加ですけれども、言えないことも多いと思うのですが、今後、さらに600万回分に上積みして、供給の前倒しや供給量の増加を目指して交渉は引き続き続けていくということでよろしいでしょうか。
(答)交渉は常にやっております。ほぼ毎日、交渉でなくても話はしています。
(問)職域接種のVRSへの入力実績についてですけれども、8月1日までということで、ある程度職域接種の会場によって差もあると思うのですが、まだ入力が済んでいない都道府県や自治体があると思うんですけれども、この8月1日までということで、取りあえず第13クールから第15クールの配分は実態に即した配分を担保しているという考えでよろしいでしょうか。
(答)職域接種なり大規模接種というのはある面加速化するというニーズに基づいてやっておりますので、100%全部引いてしまうと加速化にならないものですから、8月1日分までは計算に入れるけれども、8月の月間に打ってもらう分は、その分どんどん早く終わるということで、その分ワクチンは最終的には浮いてくると思いますが、県内で職域接種の濃い自治体と薄い自治体、大学拠点接種のある自治体とない自治体、いろいろあると思いますので、そこの調整に使っていただけると思っております。
(問)今回は第15クールまでの配分量を示したと思うんですけれども、全国の自治体には配分計画という意味では事実上これが最後の計画ということになるのでしょうか。
(答)いえ。必要なら先もあります。
(問)第16クール以降も。
(答)はい。必要ならお出しします。
(問)600万回分の増量に関してですが、これによって総理の掲げる10月、11月の早い段階に希望する全国民に接種を終えるという目標が前倒しになったり、そのような意義というのはどのように捉えていらっしゃいますか。
(答)恐らく、これから先は接種率との兼ね合いという部分が大きくなってくると思いますので、なるべく、今、接種を迷っているような若い世代の皆様にしっかりと働きがけをして、啓発をしっかりやっていくということが大事になってくると思います。ずっと迷っているままだと打たれないので、なるべくそういう方が決心していただいて打ってくれれば、その3週間後、4週間後に2回目がいきますので、そういう意味で迷っている方にしっかりと情報提供をしていきたいと思います。

(以上)