河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月3日

(令和3年8月3日(火) 16:00~16:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 8月は「北方領土返還運動全国強調月間」になっております。全国で返還運動が特に積極的に展開されることになろうかと思います。新型コロナウイルス感染拡大の影響で十分に啓発活動が行えない地域も出るかと思いますが、感染対策を講じながら、あるいはオンラインを活用しながら、各種の行事を予定している地域も数多くございます。全国各地の関連行事は、内閣府北方対策本部のホームページで一覧を掲載しております。
 お手元の資料では、今年公開を始めました北方領土問題について分かりやすく学べる「体験型VRアプリ」や、元島民の方々の当時の「証言動画のページ」をご紹介しています。
 また、エリカちゃん、エリオくんのTwitterをフォロー、リツイートしてくださった方に、抽選でマスコット人形をプレゼントするキャンペーンを実施しておりますので、多くの方に是非参加していただきたいと思います。
 この夏休みは新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、小学生・中学生・高校生は家で過ごす時間もあるのではないかと思います。標語やキャッチコピー、ポスター、スピーチコンテストの作品募集が行われているところです。また、北方領土問題対策協会のホームページでは、自由研究に使える教材も用意をしておりますので、是非ご利用いただきたいと思います。
 ワクチンでございます。総接種回数は約8,900万回となり、これにVRSに未登録の職域接種・大学拠点接種での接種回数を合わせると、約9,400万回になったと見ております。かなりのスピードで打ってくださっております。
 モデルナ社製ワクチンにつきまして、前回お知らせをしたとおり、ヨーロッパの工場における製造過程の検査工程上の問題により、海外への供給が一時的に見合わせとなっておりました。また、既に製造が終わったものの、検査が玉突きで残っておりますので、日本を含め各国への供給量の調整が依然として続いている状況でございます。
 職域接種の新規スタートに関しては、今週配送分、来週接種分については特に影響なく、10万回を超える量を送り出すことができると思いますが、来週配送分のワクチンにつきまして、まず既に動いている職域接種会場に予定どおりの数量を配送するということを優先いたします。新規スタートする会場につきまして若干の影響が出ることは否めない状況でございますので、少なくとも危機管理・災害対応に関係する会場につきましては、数量をお届けし、さらに新規スタート分についても当初ほどではないかもしれませんが、新規スタートできる分がございます。詳細については、確定次第お知らせをそれぞれ各会場にしていきたいと思っております。
 そこから先につきましては、モデルナ社製ワクチンの世界的な供給の立て直しがどのぐらいのペースで進むかによると思います。できる限り、日本向けも早期に正常化してもらうべく、今、様々な交渉をしているところでございます。ワクチンの配送に影響が出る場合には、遅滞なくお知らせしたいと思います。
 ファイザー社製ワクチンの9月以降の配分の考え方については、既にお示ししているとおりでございます。今週中には具体的な数量をお示ししていきたいと思っております。
 アストラゼネカ社製ワクチンにつきまして、7月30日に厚労省の審議会で議論され、月曜日に予防接種法の臨時接種の対象に追加されました。先般もお伝えをしたとおり、まずPEG(ポリエチレングリコール)にアレルギーがあって、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンの両方とも打つことができない方、あるいは海外でアストラゼネカ社製ワクチンを1回打ったところで帰国された方、その他、原則として40歳以上でアストラゼネカ社製ワクチンの接種を希望する方を対象として接種を行いたいと思っております。
 アストラゼネカ社製ワクチンは、標準的には4週間から12週間の間隔をあけて接種することとされております。今月と来月分として200万回分を確保しております。10月以降もさらなる数量の確保ができる見込みでございます。8月、9月の供給量については比較的限られておりますので、緊急事態宣言が発令されている6つの都府県に重点的に配分していきたいと思っておりますが、それ以外の道府県につきましては、先ほど申し上げたアレルギー等でmRNAワクチンが打てない方と、1回打って帰国された方に対応できるように、都道府県にそれぞれ1,000回分を上限として、拠点病院も指定していただいて、配分していこうと思っております。
 まず、緊急事態宣言の対象の自治体から希望を取りたいと思っております。会場等の基本情報について、8月5日木曜日までにご回答をいただいて、お盆明けの16日からワクチンの配送を順次スタートしていきたいと思っております。
 それ以外の自治体の拠点病院への配送は、23日から順次配送していきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)ワクチンで2点伺います。冒頭で言及のあったファイザー社製ワクチンの9月分の配分について、大臣は先日のBS番組で人口の8割が2回打てる分を9月中に自治体に出すというふうに明言されました。自治体がこれで接種計画を立てやすくなるかと思います。大臣のお考えとして、9月中に行き渡れば、接種自体は10月中に8割達成可能という認識をお持ちなのか、その点をお聞かせください。
(答)12歳以上人口の8割の方が2回打てる分をお出ししたいと思っております。9月の3クール目は10月10日ぐらいまでかかりますので、そこから10月、11月にかけて、自治体でしっかり打っていただきたいと思っております。
(問)もう一点関連です。先日、総理は記者会見で、8月下旬には国民の6割が1回目、4割が2回目の接種を終えるという、新たな目標を示されました。最終的には、10月から11月中の早い時期に希望する方々への接種を終えたいという最終目標ともども、この目標達成に向けて克服すべき課題と、大臣自身の役割、そして戦略をお聞かせください。
(答)やはりここから先は、若い世代の方にしっかり打っていただくことが大事だと思っております。大学の拠点接種等でも、例えば慶應義塾大学では7割5分程度打っていただいておりますが、いろいろな世論調査を見ると、「様子見」という方が多くなってきているのも現実ですので、そういう方に積極的に打っていただけるような啓発活動をしっかりやっていく必要があると思っています。
(問)冒頭ご紹介のありましたアストラゼネカ社製ワクチンの配分についてお考えをお聞かせください。緊急事態宣言が発令されている地域に重点的に供給するということだと思うんですけれども、これは数量等についての規模感等はありますでしょうか。また、これまでにアストラゼネカ社製ワクチンの配分について、自治体や全国知事会等からはどのような意見があったのか、ご紹介いただきたいのですが。
(答)緊急事態宣言が出されております1都1府4県に対して、40歳以上の方への接種が推奨されておりますので、40歳以上の方のワクチン接種の加速化という意味で接種に使いたいという要望があれば、一定の量を上限としてお出しをします、ということはお伝えをして、今、恐らく各県で検討していただいていると思っております。その回答に応じてワクチンをお出ししていきたいと思っております。
(問)先ほどの質問でもありました、総理が先日示された、8月下旬には国民の6割が1回目、4割が2回目の接種を終えるという新たな目標がありますけれども、これに向けて、今回のアストラゼネカ社製ワクチンの使用がどのように接種の加速化につながるのか、どの程度期待を持っているのか教えてください。
(答)自治体にお配りをしているファイザー社製ワクチンは、予約がいっぱい入っていると思います。そういう中で、変異株で重症化する割合の多い40代、50代、あるいは60代前半の方のワクチン接種を加速するという意味で、40歳以上に推奨されておりますアストラゼネカ社製ワクチンが使えるのではないかと思っております。これは、各都道府県のご判断に委ねたいと思っております。
(問)アストラゼネカ社製ワクチンの関係ですが、6都府県については、16日に配送されると、早ければ翌週から打てるということになるのでしょうか。
(答)配送もできればもう少し前倒しをしたいとは思っておりますが、届いたらどんどん打っていただければと思います。
(問)若者の接種について言及がありました。大臣として、先日のYOSHIKIさんとの対談でも、8割程度打っていただければというようなことを言及されていましたけれども、接種率の目標等があれば教えていただけますでしょうか。
(答)12歳以上の人口の8割の方が2回打っていただける量を9月に出しますということを申し上げておりますので、その程度いけばよいと思っております。高齢者の接種率が85%を超えて、9割近い自治体もありますので、もちろん接種率が8割を超えていけば追加分はしっかり出していきたいと思っています。
(問)アストラゼネカ社製ワクチンについてですけれども、希望があれば6都府県に出すということですけれども、もう既に具体的にどこかの県から使いたいというふうな回答等はあったのでしょうか。
(答)すみません。そこまで承知しておりません。
(問)国内の接種実績の件ですけれども、本日の公表分で、1回の接種を受けた人の割合が国民の4割を超えました。民間シンクタンクの分析では、4割を超えると感染者数の減少傾向は明確になるという指摘もありますけれども、4割を超えたことの意義について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)具体的に西村大臣にお聞きをいただきたいと思っておりますが、まだ接種がそれなりに速いペースで続いておりまして、自治体の担当の皆様には感謝申し上げたいと思います。
(問)高齢者の77%というのはやっぱり驚異的であると思います。私はもう64歳ですが、私の周りを見ても副作用がほとんどない。逆に言うと20代の人などは40度とか、極端にそのような実態があります。だから、若い人に打ってもらうには、単なる啓発ではなくて、やはり同時にアセトアミノフェンですとか、具体的に教えていかないと、私はこういうスピードでは若い人への接種は進まない、接種率が5割いくのが大変だと思います。大臣は発信力がありますが、若い人にこれからそのあたりはどのように訴えたいとお考えですか。
(答)いろいろな情報を出していくことが大事だと思います。もちろん熱が出た場合にきつかったら解熱剤を飲んでいただいても構わないというのは、いろいろなところで発信をしていただいておりますので、だんだん知れ渡ってきているのではないかと思います。
(問)ワクチンを接種する際に、同時に解熱剤も渡してあげるとか、そのようなサービスはないのでしょうか。
(答)考えておりません。
(問)アストラゼネカ社製ワクチンについて伺います。大臣は先日ご自身のインターネット番組でも3回目の接種について言及されています。この3回目の接種にアストラゼネカ社製ワクチンを活用して、混合接種という形にしたりすることは検討されているのか、今の検討状況を聞かせていただけますか。
(答)考えていないと思います。
(問)アストラゼネカ社製ワクチンについてです。今までファイザー社製ワクチンもモデルナ社製ワクチンも、感染状況を考慮して配分するということはなかったと思っています。今回、初めて、緊急事態宣言が発令されており、感染が拡大しているところに重点的に配分するという新しい方針が打ち出されたと理解しているんですけれども、その判断に至った背景、その考え方を改めて教えていただけますか。
(答)緊急事態宣言の中で、ワクチンの影響だと思いますが、高齢の方は重症化される人数も減ってきていると思います。その次に50代あるいは40代の方の重症化をどう抑えるかというときに、アストラゼネカ社製ワクチンは40代以上に推奨されておりますので、必要なところにしっかりと回すことができると思います。
(問)事務的になるかもしれませんが、確保している200万回分というのは、これは全て国内で製造されたものというふう理解でよろしいでしょうか。
(答)たぶん、そうだろうと思います。後で確認します。

(以上)