河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月27日

(令和3年7月27日(火) 13:48~14:14  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 日曜日にかけて、沖縄県で台風の被害がございました。被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。被害状況をしっかり注視しながら、各省庁と連携して復旧に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、昨日開催されました世界遺産委員会におきまして、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産一覧表への記載が決定されました。大変喜ばしいことでもあり、コメントも出させていただきましたが、地元をはじめ関係者のこれまでのご努力に改めて敬意を表するとともに、お祝いを申し上げたいと思います。
 今後、世界遺産になったということで来訪者が増えると思いますが、受入れを適切に管理していただいて、この貴重な自然環境を将来にわたって保全をしていくということが非常に重要だと思います。地元の産業の活性化ですとか、雇用の創出といった地域全体の振興につながることも期待されますが、世界遺産のベースとなりますこの貴重な自然環境の管理ということも非常に重要でございますので、内閣府として地元へ様々な対応、支援をしていきたいと思っております。
 ワクチンございます。接種実績が7,938万回と8,000万回に近づいてまいりました。1週間から10日以内で1,000万回ずつ増えているという状況にいまだ変わりはございません。少なくとも1回の接種を受けた方が4,600万人を超え、12歳以上の人口に対する割合で見ると4割を超えているという状況でございます。
 また、先ほど全国知事会の飯泉会長からもご連絡をいただきましたが、7月23日までに全ての都道府県で医療従事者への接種が完了したということでございます。
 8月後半(第12クール)のファイザー社製ワクチンの配分につきまして、昨日、厚生労働省から自治体に事務連絡を発出しております。今クールは、第11クールと同様の考え方で配分しておりますが、9月には12歳以上人口の8割の方に2回接種するに足りる数量を各都道府県に供給するという考え方で、いよいよワクチン接種に関しても最後のフェーズに入りつつあると思っております。8割をそれぞれの自治体に配布するということから、そこで都道府県に調整をしてもらえるということで、今回は基本計画枠の1割削減を行っておりません。この次のクールから、8割の方に2回接種するに足りる数量を供給するということが始まりますので、今回は、1割削減を行う必要がないと考えております。今回も「希望量0」、あるいは「希望量削減」という自治体が幾つかございましたので、その分は都道府県の調整枠に上乗せさせていただいております。
 ファイザー社製ワクチンに関して先日も申し上げましたが、ファイザー社製ワクチン、モデルナ社製ワクチン、両方合わせて9月27日からの第15クールに配送する分を含めて各都道府県の対象人口の8割に2回接種するのに十分な量をお配りするということで、次からは各都道府県で配布調整をしていただくということになっております。
 また、最後に1割削減が入ると、その分土壇場で削られてしまって予見性に欠けるという話もありましたので、今回は「希望量、要りません」という自治体はその分を削減しておりますが、それ以外の自治体に対しては1割削減をしておりません。結果として、都道府県に調整枠としてお配りをしたのは2,063箱になります。
 これまでのそれぞれの市区町村別の割当量や接種実績、それに加えて都道府県で大規模接種会場を設置していただいている都道府県はその接種実績と予約状況、あるいは住所地外の方への接種の状況、これはデータをお出ししております。それから、都道府県あるいは県内の市区町村間のワクチンの融通といったものの精算等に留意していただいて、調整枠を使っていただきたいと思っております。
 また、職域接種、大学拠点接種がスタートして、18日の日曜日までに合計で465万回の接種が職域接種及び大学拠点接種で行われております。他方、この中でVRSに入力されている実績が70万回強にとどまっております。自治体で見える数字はVRSで自分の自治体の住民の方がどれぐらい職域接種あるいは大学拠点接種で接種が終わっているかというのを見るのに、465分の70しか見られないものですから、自治体からしてみると、どの程度職域接種で自分の自治体の住民が打ってもらっているのかというのがなかなか見づらいと思いますので、今日はお手元にモデルナ社製ワクチンが、今、都道府県ごとにどの程度打たれているかというVRSの登録回数を都道府県ごとにまとめた表を配布資料にお付けをしております。現在、モデルナ社製ワクチンによる接種でVRSに入力されている回数が約340万回ということになります。そのうち、70万回が職域接種、その他が自衛隊による大規模接種や自治体の大規模接種ということになっております。
 やはり自衛隊の大規模接種と職域接種の影響で、首都圏、近畿圏等に多い分布になっております。これを、恐らく職域接種の数が全部で1,500万人分ぐらいが最終的に接種されると思いますが、現在打たれているものは72万回強ですから、最終的にこれが1,500万人分ぐらいになった時に都道府県ごとにどれぐらいの数字になるかというのは、これをベースに見ていただくといろいろな計画が見えてくるのではないかと思います。なるべくタイムリーにこのような情報をアップデートしていきたいと思っておりますので、企業の職域接種、大学拠点接種におかれては、VRSへの入力をなるべくタイムリーにお願いしたいと思っております。接種券が発行されましたら、職域接種あるいは大学拠点接種を受けた方は、速やかに提出して、VRSの入力にご協力をいただきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)冒頭にご紹介のあった基本計画枠の1割削減は8月の後半はしないというお話についてなんですけれども、大臣の方から、先ほど、最後に1割削減になるとその予見性に欠けるという話もあったというご紹介があったと思うんですけれども、これは、具体的にどのような声が自治体から寄せられていたか、詳しく教えていただけますか。
(答)基本計画枠で何箱供給しますというのをお知らせして、それプラス調整枠をお配りするということにしておりましたが、1割削減ですと最後の段階で、来るはずの基本計画枠が減ってしまうというところで、いろいろと自治体でかかりつけの医師等への配布を決めた時に、最後に増えるならばプラスアルファとなるので、よいのでしょうけれども、基本計画枠がマイナスになるというのは当初予定していたところに配れないということにもなりかねないということで、やはり予見性に欠けるのではないかということを考えて、土壇場での削減につながる1割削減はやめようということにしました。
本来その分は都道府県の調整枠に充てていたわけですけれども、その分調整枠が若干減りますが、それでも2,000箱プラスアルファありますので、そこで都道府県にはしっかり調整をしていただきたいと思っております。
(問)要望を受けて、8月前半の方針から方針を変えたという理解でよろしいでしょうか。
(答)要望といいますか、やはり予見性をきちんと確保することが大事だろうと考えました。供給量が減るのは、自治体の計画に土壇場で影響が出ることにもつながりかねないのでやめました。恐らく、100箱弱、調整枠に振り向ける分が減ったというところはあると思いますが、それでも2,000箱の調整枠がありますので、そこは都道府県にしっかり対応していただけると思っております。
(問)最後です。8月前半と後半とで方針が変わることで混乱を招くのではないかとも思うのですけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。
(答)基本計画枠の削減をしないということですから、特に混乱にはならないと思っております。
(問)医療従事者の接種完了について、2月から始まって約5か月かかったということですが、大臣として、これだけ時間がかかったことについてどのように考えておられますか。
(答)当初の医療従事者の数を大幅に上回っておりましたので、どういうことなのかなと思っておりますが、一応終わったということですので、今後、必要があれば接種券で打っていただくということになろうかと思います。今までの医療従事者への接種分をVRS入力していかなければいけません。予想より数が相当上回ってしまった分、入力が大変になるのかなと思っておりますが、これに関しては国の方で全面的に費用負担して進めていきたいと思っています。
(問)別件です。先週末に総理と共にファイザーのCEOにお会いされていたと思うのですけれども、可能な限りで結構ですが、話された内容を伺いたいのですが。
(答)事後の貼り出しがあったと思いますが、その程度でございます。
(問)3つお伺いします。ブーラ・ファイザー社CEOとの面会に関してですけれども、10月以降に日本に入ってくる予定の2,000万回分について、前倒し供給を要請したという話も一部報じられていますが、その正誤についてはどういうふうにお考えでしょうか。
(答)会談の中身については、貼り出しで発表したこと以上でも以下でもございません。
(問)それともう一点、2点目をお伺いしたいんですけれども、基本計画枠の1割削減をやめたと。当初は予見性を高めるために早めに考え方を伝えるということでしたけれども、結果としてそれが1クールで終わってしまったということについては、どのようにお考えでしょうか。
(答)やはり最後のところに来て1割減りますというと、来る箱の数が変わってしまいますから、そのために自治体がかかりつけ医等に配る際に影響が出るだろうということは否めないと思いました。これで調整枠が大幅に減るということになると他にも影響が出るかもしれませんけれども、2,000箱の調整枠を確保した上での話ですし、もう希望量はゼロとか、配布予定よりも少なくて構わないという自治体の分で数十箱ありましたので、特にこの1割削減で都道府県の調整枠を増やすという必要もないということで、むしろ予見性を高める方に力を置こう考えました。
(問)一部自治体でかなり強く反発している自治体もありましたけれども、その反発を踏まえた上での判断ということでよろしいでしょうか。
(答)いろいろなところからご意見がありましたけれども、多くはVRSの入力が遅れているというようなことで、それはもう自治体の責任でやっていただかなければいけないことですから、特にそれは考慮しませんでした。
(問)それともう一点、この資料についてです。第12クールの配分の資料の考え方の(3)というところで、「第12クールが終わった段階で一定の日数分のワクチン量が確保できるよう、当該日数分のワクチン量に満たない市町村には必要な量の半分を分配」とあるのですが、もう少しこれをかみ砕いてご説明いただけますか。
(答)8月が終わった段階で2週間分のワクチンが手元にあるということを目指しております。2週間経つと次のクールのワクチンが到着いたしますので、仮に未接種の手元のワクチンを打ち尽くしたとしても、2週間分の量があれば、その間に次のクール分が届くということです。
(問)この半分というのは何を指すのでしょうか。必要な量の半分とすると残り半分が足りないというふうに読み取れるのですが。
(答)これは8月末に2週間分のワクチンが残るように、第11クールで半分出していて、第12クールで残り半分を出していくという意味です。
(問)配布された資料の中での質問です。65歳以上の高齢者の2回接種完了者が今日の公表時点で68%と公表されていますけれども、このまま7月末まで迎えると、政府が目標に掲げていた高齢者への接種は7月末までに完了するという目標はおおむね達成されたというふうに受け止めてよいのでしょうか。
(答)そうだろうと思います。
(問)大臣のTwitterに関連にして伺います。大臣は今日の午前中に、「7月30日金曜日19時よりYOSHIKIさんのTwitterスペースで対談します」とつぶやいていらっしゃいますけれども、これは何に関連して対談を行うのか、お聞かせいただければと思います。
(答)是非、当日、聞いていただきたいと思います。
(問)これはワクチン関連のテーマで対談されるということでしょうか。
(答)それも含めて、はい。
(問)それは、大臣が打診をされたのか、何か依頼を受けたということでしょうか。
(答)いろいろです。
(問)重ねてすみません。関連して、昨日、大手町の大規模接種会場で、さいとうたかをさんのゴルゴ13の立て看板等を出していらっしゃると思うんですけれども、あれは若い世代に対してアピールしようというふうにお考えだったのかということをお伺いしたいのですが。
(答)現役世代の方がいよいよこれから大規模接種会場でも打つようになりますので、そのような方の、「打ったよ」というPRに使ってもらうのを何か考えようということです。外務省時代にゴルゴ13とコラボさせてもらっていましたので、今回もお願いしました。若い世代といっても、これが10代、20代なら、また別なキャラクターを考えないといけないと思います。
(問)今のゴルゴ13に関連してです。外務省時代にも一緒にコラボレーションをしたということですけれども、大臣自身はゴルゴ13を愛読されているとか、そういうことはあるのでしょうか。
(答)愛読していました。
(問)現在開催中の東京五輪に関連して、ワクチン等について質問いたします。東京五輪に出場する米国の代表選手613人のうち約100人が新型コロナウイルスワクチン未接種であることが7月24日の時事通信社の報道で明らかになりました。また、先週から関係者の新型コロナ陽性が相次いでおり、組織委員会が個人のプライバシーとしてその国名、競技名、選手名を明らかにしておらず、疑心暗鬼がますます強まっています。選手村が既に危険な場所扱いされ、米国の女子体操チームは選手村に宿泊せずホテルに泊まることとしています。これもルールの崩壊の一端です。選手村以外に泊まれば行動制限も行動拒否もできません。また、日本選手団のうち一部種目の代表チームも選手村でなく別の宿泊施設に滞在することが認められており、こういったこともまた五輪の不公正さとルールの崩壊に拍車をかけているように思われます。
 五輪選手としてのルールの不順守は、国内で自粛生活を求められておられる一般の人々の行動に影響を与えるでしょうし、五輪出場選手のワクチン未接種がアナウンスされれば、それが一般の人々の意識に影響を与えて、接種を回避するような行動に出るかもしれません。日本政府のコロナ五輪の運営手腕に世界中が厳しい視線を注いでいる中で、最後の切り札であるワクチン接種の推進を一任されている担当大臣として、PCR検査も徹底されず、ワクチン接種が軽視され、バブル方式など運営ルールが崩壊しつつあるオリンピックをどのようにご覧になっているか、お聞かせいただければと思います。
(答)組織委員会及び担当大臣にお聞きください。
(問)何度もすみません。先ほどお聞かせいただいた話ですけれども、ゴルゴ13ですが、現役世代というお話をされて、10代、20代だったならば他のキャラクターのことも考えるとおっしゃっていました。かねてより若い世代が鍵であるというふうにおっしゃっていましたけれども、その場合、どのようなキャラクターであったり、カテゴリーであったり、表現媒体であったり、何が念頭にあるんでしょうか。
(答)今、内閣広報室やワクチンチームの若手でいろいろ議論してもらっております。やはり同じ世代からの情報発信が非常に大事だと思っています。それをどのようにやっていくのか。それから、政府だけでなく、いろいろな方が既に職域接種や大学拠点接種で接種されておりますので、そういう方に是非積極的に、「ワクチン打ったよ」という情報発信をしてもらいたいと思っております。今後、どういう取組ができるのか。YouTubeで、はじめしゃちょーとコラボということもやらせていただきましたが、若い方にどうやってリーチしたらよいのか、誰がリーチしたらよいのか。ワクチンチームや内閣広報室の若手をはじめ、いろいろな方の意見を聞きながらやっていきたいと思います。
(問)もう今は違うかもしれませんが、大臣は永田町ではどちらかというと若手と言われていたこともありましたけれども、ご自身として若手の心にリーチできる、あるいは把握できているとお考えなのか、それとも、もうちょっと自分はおじさんに近い年代になったかなと思うとか、そのあたりはどうでしょうか。
(答)お兄さんではあると思いますけれども、やはり同じ世代の人の意見というのが大事だろうと思います。

(以上)