河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月21日

(令和3年7月21日(水) 14:21~14:49  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 お疲れさまです。今日、2回目のワクチン接種で、もうそろそろ腕がちょっと痛くなってきました。
ワクチンの接種実績について、総接種回数は約7,400万回となりました。少なくとも1回の接種を受けた方が35%、65歳以上の高齢者に限れば83%以上の方が1回目、6割以上の方が2回目の接種を終えております。
 今日はお手元にA3の資料をお配りしております、字が小さくて申し訳ありませんけれども、この縦軸が打った日付で、その日付に最初に入力されたVRSの数字がずっと横を見ていただきますと、日が経つにつれてその日の接種回数のVRSの記録が伸びている具体的な状況をお示しいたしました。
 若干報道でVRSに基づくと接種スピードが減速しているという報道がありましたので、VRSの数字がどのように増えているのかというのを分かっていただこうと思い、メディアの皆様にお示ししております。
 右の方を見ていただきますと、例えば7月1日なら、7月1日にVRSに入力された数字が7月20日頃までにどの程度増えているのかという倍率を見ていただきますと、コンスタントに2倍弱程度に数字が増えているのがお分かりいただけると思います。これは、リアルタイムで入力されて、その日に報告に上がってくる数字と、かかりつけの医師等から接種券を回収して、自治体がまとめて入れてくださっている分が、日が経ってだんだん増えていきますので、当日入力している数字の、だいたい倍程度の数字が後日入ってくるということがお分かりいただけるのではないかと思いますので、参考にしていただきたいと思います。
 これは、VRSに入っている数字でございますので、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチン、両方入っておりますが、職域接種と大学拠点接種で接種券が来ていない方の分はこれに入っておりません。
右側の表を見ていただくと、今朝の時点で各接種日ごとに何回打っているかというのが分かると思います。7月6日を見ていただきますと、138万回のVRS入力が今日までに入っておりますが、これ以外に職域接種が20万回程度行われておりますので、7月6日はおよそ158万回の接種が行われているということです。
 先週の金曜日の数字を見ていただいても、もう110万回を超えております。これに職域接種が20万回加わるということで、現在もこの足元のワクチン接種は引き続きかなり速いペースで打っていただいているということが分かると思います。
 それから、8月後半(第12クール)につきましては、8月前半(第11クール)と同様の考え方でお配りをしたいと思っております。各自治体への具体的な配分数につきましては、最新の数字で計算して、26日に具体的な都道府県への配分数をお示ししたいと思っております。
 それから、第13クール以降ですが、お手元の数字を見ていただくとお分かりだと思います。まず、12歳以降人口がAの欄に入っております。Bの欄が12歳以上の人口の接種率8割まで2回接種を行うためにどの程度の量が必要なのかという接種回数が書いてあります。各国で少なくとも1回打った人の割合が一番高いカナダが7割ですので、8割として、12歳以上の方の8割が2回打つのに必要な数が約1億8,300万回分です。8月の末(第12クール)までにファイザー社製ワクチンをそれぞれ都道府県別にどの程度お配りをしたかという数字がCの欄に入っております。
 必要な数と、お配りをした数の割合がその隣に出ております。これを見ると、8月末までに全国的に平均してみると、対象人口の8割が打つと考えたときに、必要なワクチン量の75%が8月末までに全国平均すると届けられているということが分かると思います。
 9月からの配分につきましては、この残り分をどうするかということを考えたいと思っております。9月は27日から10月10日までのクールを9月分と考えると、3クールあることになります。9月の3クールで対象人口の8割が2回打つのに必要な量を各都道府県にお配りしたいと思っております。
 例えば北海道で見ると、必要な量が770万回分あって、第12クールまでに570万回分を配っておりますので、残り200万回分を9月の3クールでお届けをするということを考えております。
 これは、都道府県にお渡しをして、都道府県内で市区町村の進捗に合わせて配分をしていただきたいと思っておりまして、都道府県には国が持っているほぼ全てのデータを共有していきたいと思っております。
 中には、接種率が8割を超える自治体や、極端に速い、あるいは少し遅いというように、いろいろな自治体があると思いますので、都道府県で調整をしていただきたいと思っております。
 大規模接種については、例えば東京・大阪の自衛隊による大規模接種会場や、どこの自治体がどの程度打っているというのが分かりますので、その数字を自治体に配分をしております。
 それから、もう既に承認済みでスタートしている職域接種・大学拠点接種については、今の段階で、どの程度東京での職域接種で千葉、埼玉、神奈川の人たちが接種しているかという数字を出しております。まだ接種券が全部出されていないものですから、東京の比率が高くなっていますが、接種券が出てVRSにそれがどんどん入力されてくると、東京の比率が下がって、千葉、埼玉、神奈川の3県の割合が増えてくると思います。
 VRSの入力をぎりぎりまで待って配分を決めていきたいと思っておりますが、職域接種・大学拠点接種のVRS入力が必要になりますので、そこはそれぞれ急いでやっていただきたいと思っております。
 この計算には、今までにスタートしているものを入れておりますので、今後スタートするものはこれに上乗せになりますが、今までの数字で計算しておけば間違いないだろうということで、これからスタートする職域接種の分については上乗せされることになると思っております。
職域接種及び大学拠点接種について申し上げますと、確認済みの案件については既に予定どおり実施されておりまして、18日日曜日までに2,090会場で約465万回接種されております。8月2日の週から隙間に配送するということにして、ワクチンの供給を始めて8月9日の週から危機管理要員、大学拠点接種、それから一部の職域接種ができるようにしていきたいと思っております。
 今、お待ちいただいている申請済みの職域接種及び大学拠点接種は、お待たせをいたしましたが、全て8月中にワクチンの供給を開始できる見込みとなったことをお知らせしたいと思います。
 全部に番号を付けて、「今、何番までワクチンの供給を開始しております」ということをお伝えしております。8月2日の週は、隙間が非常に小さいですから、おそらく100番までいかないと思います。それで割ると「22週間も待つのか」ということになりますが、スタートのところだけは隙間が少ないですが、その後はかなりの量について、毎週、供給をスタートできますので、8月中にはワクチンの供給が開始できるという状況になっているということでございます。
 それと、住所地外で打っている方との入り繰りのデータを市区町村にも共有をさせていただこうと思っておりますので、毎週データをしっかりとお渡ししていきたいと思っておりますし、都道府県にも配分の参考にしていただきたいと思っております。
 昨日、埼玉県の大野知事が「ワクチンの供給を一方的に停止された」というようなご発言をされたと報道されておりますが、埼玉県庁内で情報の共有がされていなかったようです。事実は、埼玉県の大規模接種は7月末で終わるということになっておりましたが、埼玉県から「延長が可能か」というお問い合わせがございました。8月の最初の2週は、職域の供給がタイトですので、8月の2週についてはご要望に応えられませんが、その後、ワクチンの供給を再開して、延長をしていただくことは可能ですという事務的な打ち合わせをさせていただいて、8月の2週はお休みして、その後再開ということで話をしておりましたが、知事のところに報告がなかったので、知事があのような発言をされてしまったということのようでございます。
 昨日、私から大野知事に経緯を報告して、「そういうことですか」「すみません」ということでしたので、地方自治体内の情報の共有をしっかりやっていただきたいと思います。
 神奈川県の横浜市と川崎市についても、全く同じ状況で、7月末で一度終わるということになっていたものの延長の要請がありましたので、同じように8月の2週はお休みして、その後からの供給の再開でよければやっていただいて構わないということで、事務的に合意をしているところでございます。

2.質疑応答

(問)2点お伺いします。まず1点目をお伺いしたいんですけれども、今回のこの新しいファイザー社製ワクチンの配分の考え方ですが、対象人口の80%というのを一つの基準にしています。他の国々のデータを見ながらということですけれども、これは8割というもので一定の目標達成というふうに考えるのか、一方、10月にもワクチンは入ってくると思うので、さらにその先まで接種率を高めていこうというお考えなのか、この80%の位置付けをまずお聞かせいただけますか。
(答)市区町村が今後の計画を立てるに当たって、なるべく先の見通しが欲しいということでしたので、多くの自治体で現役世代も合わせて80%の接種率までの見通しが立てば相当カバーできると思っております。ひょっとすると80%を上回るような自治体があるかもしれません。若干の離島で80%より高くなった自治体がありますから、全くないというわけではないと思いますが、少なくとも80%まで見通しができれば相当今後の計画はカバーできるだろうと、田村厚労大臣とも話をしております。それ以降もワクチンは入ってまいりますので、8割を超えてもワクチンの供給は続きますが、少なくともまず80%の見通しを立てていただくのに必要な量を9月の3クールでしっかりお届けをしたいと思っています。
(問)もう一点お伺いしたいです。事実上は最終的には10月の頭ぐらいまでかかると思うんですけれども、これまでは調整枠と大規模接種分を除いては、市区町村に対して発送していたと思うのですが、第13、第14、第15クールの配送先を全量都道府県というふうに切り替えた最大の理由を改めてお聞かせいただけますか。
(答)ここからは、恐らく相当微調整が必要になってくると思います。国が1,741の調整をするよりも、都道府県が県内の状況を見ながら調整をしていただく方がかなりレスポンスよく対応ができると思います。
(問)そうすると、最後の、第13、第14、第15クールというのは、ほぼ終わりのフェーズに入りつつあるというご認識でしょうか。大臣のご認識をお願いします。
(答)囲碁で言えば「ヨセ」なのではないでしょうか。
(問)囲碁をやらない人に分かりやすく言うと。
(答)野球で言えば、そろそろクローザーが出てくるような状況ではないかと思います。
(問)第13から第15クールというのは、毎クール1万箱程度ということでよろしいでしょうか。
(答)ここで申し上げた数字をお出ししようと思っておりますので、詳細についてはまた発表いたしますが、考え方としては9月の3クールでそれぞれ80%をカバーできる量が行くということでございます。
(問)もう一点です。職域接種は今、20万回ペースで。
(答)20万回。
(問)VRSへの反映というのは、そのうちどの程度が反映されているイメージですか。
(答)熱心なところは6割ぐらい入っていると思います。これは接種券が出ている人がたくさん来てくれているというのが1つ条件であると思います。最大で6割ぐらい入っているところが多くて、低いところはちょっとハッパを掛けなきゃいけないなと思っております。
(問)一部報道で、ワクチンの接種について控えるように社員に呼びかけている企業があるという報道が出ています。改めて自由意思で受けるはずのワクチン接種について、個人が選択をするに当たって周りが影響を及ぼすような発言をするようなことについて、大臣はどのようにお考えかお聞かせください。
(答)これはあくまでの個人の選択で打っていただくということで、明らかに重症化予防あるいは発症予防の効果が、副反応等の様々なリスクを考えても効果が高いということで推奨しているわけでございますから、社員に対して打たないように働きかけや何らかの強制が行われるというのはあってはならないことでございます。私も報道には接しておりますが、もしそれが事実だとすると、これは極めて異常なことと言わざるを得ないと思います。
(問)細かい確認で恐縮ですけれども、職域接種の8月中の供給の開始のあたりで、これまでのお話ですと、だいたい5,000件ぐらい申請があって、2,000会場で始まって400会場がもう既にという話だったと思うのですが、その数に変わりはなくて、残りの分が全部8月にワクチンが届くという理解でよいのでしょうか。
(答)大学拠点接種も当初の数字には入っていたと思いますが、今は職域接種と大学拠点接種とを分けておりますので、そこで数字の入り繰りがあります。それから、幾つかの職域接種で実は自治体の接種がかなり早く進んでいるので必要がなくなったということで取り下げられているところもありますので、当初の数字と若干の入り繰りが出てきています。
(問)どれぐらい減った分があるのでしょうか。
(答)すみません。ちょっと細かい数字は分かりませんが、私が聞いているだけでも幾つかご連絡をいただいています。
(問)職域接種について、申請済みのものは8月中に始められるということですが、今、受付停止をしている新規の受付の再開のめどはどうなっていますでしょうか。
(答)すみません。まだそこまでいっておりません。今、8月中にはワクチンの供給を開始できるという見込みになっています。これは、全て予定どおりにいけばということですので、その後の状況を見ながらいろいろ検討していきたいと思っています。
(問)たびたびすみません。細かいことで恐縮ですが、第13クール以降、最終的な接種率を8割に高めるようにもっていくという話ですが、ここは職域接種の実績をどのようにアプライして計算しているのでしょうか。これまでは、そもそもVRSに終わったものも結構あるんですけれども、どのように職域接種の実態を踏まえて残り8割に向けた計算をしていこうということでしょうか。
(答)職域接種でVRSへの入力が進めば、職域接種でだいたいどこの自治体がどれぐらいの数を打っているというのが出てきますので、それを勘案したいと思っています。それを全部差し引いてしまうと職域接種のスピードアップという意味がなくなってしまいますから、どのようにそれを使って調整をするかというのは、知事会等ともご相談をしていきたいと思っています。
(問)具体的な計算式ではなくて、それを何らかの形で踏まえて、最終的に8割に達するようにもっていくということでよろしいですか。
(答)職域接種でこれからスタートする分は今の計算に入れていませんので、そういうものはその数に上積みをされていくことになりますが、基本的に職域接種と大学拠点接種についてはVRSの記録を見ながら勘案していかないといけないと思っています。
(問)9月以降、第13クールの配分量の詳細については、だいたい何月のどれくらいの時期にお示しいただける予定でしょうか。
(答)なるべく早く出したいということと、なるべく職域接種をVRS経由で精緻に分配をしようとすると、ぎりぎりまで待たないと「えいや」ということになりますので、そのあたりを勘案しながら早めに出した方がよいと思っています。
(問)8月のお盆の前ぐらいには分かりそうな感じでしょうか。
(答)どのあたりがよいのかというのは、自治体のご意見も参考にしながら、とにかく9月の第13から第15クールで80%に必要な分量はいきますということは申し上げられると思っております。その中の3クール分の内訳については、ご相談をしながらやりたいと思います。
(問)配布資料についてですけれども、例えば山口県ですと「参考1」の数字が93%になっていて、山形県ですと91%になっていると思うのですが、山口県や山形県は8割の方が打つための、ほとんど必要量分ぐらいには達しているから、9月の3クールではそこまでワクチンが入ってこないと理解になるのでしょうか。山口とか山形は、90%超えですね。
(答)あと7%とか、あと10%分がいくということです。
(問)あともう一点です。これから都道府県は調整枠で市区町村へ配分という形にすると思うんですけれども、9月以降に届くワクチンについて配分するのに当たって、都道府県側の負担が増えるとか、そのような懸念というのは特にはないのでしょうか。
(答)都道府県には微調整をしていただかないといけないものですから、情報はしっかりお出ししながら、都道府県が自治体といろいろ相談をしながら数を決めていっていただきたいと思っています。自治体の中には「もう終わったからワクチンは要らないよ」というような自治体も幾つか出ています。恐らく百何十箱だか、前クールで「もう要りません」というのが出てきて、1割削減を調整枠に回しますという量よりも「もう要りません」という量の方が大きいぐらいでしたので、恐らく各都道府県の中で「うちはもう要りませんよ」というところがそれなりにある一方で、どうしても人口の多い自治体はまだ「下さい」というところがあると思います。それから、人口の多い自治体は、職域もどちらかというとこれから出てきますので、そのあたりを都道府県で緊密に連携しながら見ていっていただきたいと思っています。

(以上)