河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月16日

(令和3年7月16日(金) 15:58~16:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 今日は、規制改革関連はなくて、ワクチンのみでございます。
 ワクチンの接種実績は、総接種回数が6,700万回となりました。少なくとも1回の接種を受けた方が3割を超え、65歳以上の高齢者に限ると8割以上の方が1回目の接種を終えて、54%の方が2回目の接種を完了しております。
 職域接種と大学拠点接種でございますが、申請いただいている会場が約5,000会場、そのうち今週までに2,000会場でスタートしております。加えて400会場のスタートが決まっているところです。7月11日までの接種回数は約341万回、1週間で140万回を超えておりますので、職域接種の回数は、今、1日当たり20万回を超えている状況になっております。
 モデルナ社製ワクチンの需給見通しについて、輸入量の見込みが直前に変わるという状況にありますので、現時点で、長期的にワクチン接種をいつ開始できますということをお伝えすることが、難しい状況であります。職域接種をお待ちいただいている皆様に、なるべく進行状況をしっかりお伝えしていきたいと思っております。
 今、順番がどれぐらいで、何番目までスタートしていますということを、できれば毎週しっかりとお伝えする方向でいきたいと思っております。
お伝えしたように、8月に入って枠ができてきますと、危機管理、それから災害対策の観点から、自衛隊の危機管理、災害対策部門あるいは警察等を優先的に入れていきますが、開始希望日の早い会場から順番にスタートさせていきたいと考えております。
 大学拠点接種につきましては、大学の様々な活動日程もありますので、文科省において調整をして、別途順番を決めていただくということになります。
 職域接種の開始に当たりましては、スタートできますという日の3週間前に関係省庁から最終的なご連絡をして、計画を確定させていきたいと思っております。総接種人数等について3週間前に確定をし、2週間前にフリーザーをお送りして、前の週にワクチンをお届けするという段取りでいきたいと思っております。
 その3週間のさらに前は、順番が何番目で、どれぐらいの番号までスタートできているかというのをお伝えしたいと思います。1週間にどの程度の会場でスタートできるかという見込みがなかなか立ちにくいので、最初のうちは何番目と言われても、「それはどれぐらい?」ということになるのかもしれませんが、徐々にこれぐらいの間隔でスタートできるというのが分かるようになるのではないかと思っております。
 8月9日の週に、危機管理、災害対策等の部門への接種を順番に開始していきたいと思っております。9日の週から職域接種も幾つかスタートできると思っておりますが、お盆明け以降に多くの会場で開始ができると思っております。なるべく早くこのモデルナ社製ワクチンの供給スケジュールを確定して、できる限り早い情報提供に努めていきたいと思っております。
 職域接種と大学拠点接種に関して、VRSへの早期の入力についてお願いをしているところでございます。2回目の接種が終わった時点でまとめて入力するのではなくて、1回ごとにきっちりとなるべくタイムリーに入力をしていただきたいと思っております。職域接種、大学拠点接種を受けた方は、接種券が届きましたら速やかに提出をしていただきたいと思っております。また、ワクチン接種証明の発行も始まりますので、そういう意味でも職域接種もVRSへの入力をしっかりお願いしたいと思います。
 ワクチン接種の配分につきまして、8月までの基本計画枠をあらかじめお示しいたしましたが、都道府県には調整枠をお渡しして、都道府県内の調整機能を果たしていただくこととしております。既に都道府県内で調整が進められているところもあるようで、千葉、神戸、大阪といった自治体で予約の受付が開始されたと聞いております。
 今後、自治体において需給の見通しを立てながら接種を進めていただくために、都道府県に必要な情報をお出ししようと考えております。既に市町村の接種実績をベースにして、全国換算で120万回のスピードというのを、それぞれの自治体で見るとどれぐらいの回数かというのを都道府県にお渡ししております。人口の小さな自治体はあまり意味がないのかもしれませんが、それなりの人口以上の自治体については、そちらを参考にしながら、うまく最適化していただきたいと思います。
 また、各都道府県にVRSのダッシュボードの権限をお渡しして、市町村ごとの対供給量接種率、あるいは医療機関ごとの接種数なども把握できるようになっていきます。これは15日からIDの振り出しが始まりましたので、来週には参照していただけると思います。
また、市町村によっては、他の自治体から接種希望者が来て接種されていかれるという自治体がございます。例えば、豊島区は埼玉県の方が通勤途上にクリニック等に寄って接種して帰る等、そのようなこともありますので、市町村ごとの住所地外接種がどれぐらいあるかというデータも都道府県にお渡しして、調整の参考にしていただこうと思っております。

2.質疑応答

(問)ワクチンで2点。自治体で接種予約受付の停止や延期が引き続き相次いでいまして、職域接種の申請の受付一時停止も現状は続いています。国民の間で不満が募っていて、大臣も、この間、謝罪を繰り返されていますが、こうした全体状況がいつ頃改善されるのか。先ほど言及があったとおり、職域接種の再開めどの8月上旬から全体状況も改善されるという見通しなのか、今後の見通しをお聞かせください。
(答)自治体には8月までの基本計画枠をお示しして、都道府県に調整枠をお渡しするということで既に調整が始まっておりますので、早い自治体はもう動き始めております。順次動き始めると思っております。
 職域接種については、8月2日から配送量に隙間ができますので、そこから順次スタートをしていただくことができると思っています。
(問)もう一点関連で、大臣は、この間、テレビ出演や会見等の様々な場で、ワクチン接種に関する発信を続けておられます。振り返ると、ワクチンの有効期間ですとか、子供を対象にした夏休み接種等で、数日後に発言の訂正に至った経緯もあるかと思います。これまでの大臣の発信の成果と、もし改善すべき点、反省すべき点があれば併せてお聞かせください。
(答)おかげさまで、総理の掲げた1日100万回接種という目標を大幅に超える接種が行われております。7月末までに希望する高齢者全員に接種するというのもほぼ達成できるかなという状況になっており、もう既に自治体は現役世代の接種の計画を立ててくださっておりますので、ワクチン接種は非常に順調にここまで来ているのではないか、当初の見込みよりもかなり前倒しで進んでいるのではないかと思います。いよいよ若手世代になりますと、ワクチンに対するデマあるいは接種に対する無関心ということで接種率が落ちてくることが想定されますので、若者世代の接種率を上げていくためにも、しっかりと情報発信をしていきたいと思っています。
(問)何点か。最初に冒頭で紹介のあったモデルナ社製ワクチンの需給見通しについて、輸入量の見込みが直前に分かるという状況にあるというようなお話だったかと思うんですけれども、これは、今、申請内容を精査していて、どのぐらいのワクチンをこれから始める会場に回せるという数字が直前になって変わるからという意味ですか。
(答)いや。今、モデルナ社製ワクチンは入ってきた分をそのまま出すという自転車操業になっています。モデルナ社側がどの飛行機にワクチンを乗せられるかということが確定しないと、非常に揺れながら自転車操業を続けることになってしまいますので、それぞれいつ、どのワクチンが、どの便に乗るのかというのをなるべく先まで見通しを持って確定できるようにしようと思っております。
 1便遅れますと、その分の開始日が遅れることになりますので、本来ならある程度の在庫を手持ちで持っておけばよいのかもしれませんが、今、自転車操業でワクチンをお出ししているという状況になっております。
(問)冒頭でお盆明け以降に多くの会場で職域接種、大学拠点接種が開始できると思っているという見通しを示されましたけれども、これは、今現在、まだ動いていない3,000会場の大部分が、お盆明け以降の8月中に開始できる見込みということでしょうか。
(答)どれぐらいの部分かというのは、もう少し確定したらお知らせいたします。
(問)最後にすみません。今、職域接種は新規の申請受付を停止していると思うんですけれども、その再開の見込みや現在の検討状況はいかがでしょうか。
(答)見込みが立った時点でお伝えしたいと思います。
(問)ファイザー社製ワクチンの未接種分のワクチンについて伺いたいです。大臣は国会等でも7月の頭時点で4,000万回分の未接種のワクチンが残っていて、それを活用してもらえれば1日120万回の接種ペースを保てるとおっしゃっていました。今日の大臣の特別区長会との意見交換会でも区長側は2回目の接種分としてキープしていた分が余剰在庫として扱われているとおっしゃっておられました。これは、未接種ワクチンが例えば2回目分としてもう予定が決まっていてキープされているものだとしても、それを使って120万回の接種ペースを維持できるという理解でよろしいでしょうか。
(答)打たれることには変わりがありませんから。
(問)在庫という言い方と未接種分という言い方、いろいろと受け取り方はあるかと思いますが、いずれにしても4,000万回分が、使い道が決まっていたとしても、未接種分としてそれを使いながら接種を進めるというお考えでしょうか。
(答)予約されているものはいつ打つかというのが決まっているわけですから、そのとおりに進んでいくと思います。
(問)昨日、大臣は、沖縄県の玉城デニー知事と自民党沖縄県連幹部、それぞれのご訪問を受けたかと思うんですけれども、知事からは、来年からの新たな沖縄振興の要請がありました。それと同時に、緊急事態宣言が発出された沖縄へのワクチンの優先確保等についても要請があったかと思います。県連からも同様のワクチンに関する要請があったかと思うんですけれども、県連に対するお話の中で、沖縄の大規模接種会場、今は既に2つあるんですが、3会場目を求められた際に、1・2会場はそれぞれもう少し稼働させたほうがいい旨のお話があったと聞いております。このご発言の真意と、どういったやりとりがあったのかも併せてお願いできればと思います。
(答)やりとりについては控えたいと思います。
(問)北方領土のビザなし渡航についてお伺いします。先日、8月分の中止が発表されて、今年は計画上9月分を残すのみになりました。現在の調整状況と、北海道等は代替案として上陸しない形での洋上慰霊という形も提案しているんですけれども、政府としてどのような検討をされているのか、お考えをお聞かせください。
(答)新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑みて、8月に計画された事業についても見送るということになりました。非常に残念ではございますが、まだ9月が残っておりますので、そこについてはしっかり協議を継続していきたいと考えております。千島連盟からは代替措置として洋上慰霊の話をいただいておりまして、これについて新型コロナウイルスの感染状況等を見ながらどうしていくか、検討していきたいと思っております。
(問)改めてなんですけれども、昨年から中断という形を余儀なくされているわけですけれども、四島交流というのは領土問題を棚上げした形で30年近く続いてきています。大臣として、改めてこのビザなし渡航の意義についてどうお考えかというのをお聞かせください。
(答)人道的な見地からも重要な事業だと思っておりますし、領土問題の解決に資する相互理解を高めていく、そういう意味でも日露政府で設定した特別な枠組みでございますから、非常に重要な事業であると思います。そういう意味で、新型コロナウイルス感染状況がこのような状況でやむを得ずということになってしまいましたけれども、まだ9月の状況を踏まえながら、しっかり今年できるものは何なのか、見ていきたいと思います。
(問)高齢者へのワクチン接種ですけれども、政府の発表で、1回目を打ち終わった65歳以上の方は8割を超えて、2回目を打ち終わった方が54%ということになりました。改めて7月末までに希望する高齢者全員への接種完了の目標は達成できるのか、受止めをお聞かせいただきたいのと、10月から11月までに希望する全ての国民へのワクチン接種を終えるという総理の目標がありますが、だいたい現時点でのペースでいくと、どれぐらいに打ち終えるだろうという現状認識を伺いたいと思います。
(答)7月末までに希望する高齢者全員へ接種を終えることは、多くの自治体で完了していただけると思っております。10月から11月にかけて、これから例えば若い世代の接種率がどうなるか、いろいろ課題はあると思いますが、10月から11月にかけて接種完了できるようにしっかり対応していきたいと思っています。
(問)大臣は、当初、10月の頭と11月の終わりだと全然違うというふうにおっしゃっていましたけれども、今のペースだとどのくらいに終えられそうかという見込みはあるのでしょうか。
(答)見込みができた時点でお知らせしたいと思います。
(問)冒頭にあったモデルナ社製ワクチンを使った接種ですけれども。8月に入って災害関連部門や警察等を優先的に入れていくということでしたが、これは立ち位置としては職域接種のようなことになるのでしょうか。
(答)職域接種の中で、自衛隊の災害派遣の関係、自衛隊の方から特定されている方々がおりますので、その方々と警察の関係、そのほかにも若干ありますが、危機管理、災害派遣対応で必要なところを職域接種の中で新たに入れていきます。
(問)申請が向こうからあったということでしょうか。
(答)申請があります、はい。

(以上)