河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月13日

(令和3年7月13日(火) 11:20~11:41  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 まず、大臣直轄チームのまん延防止等重点措置期間中のテレワークの実績です。6月21日から7月11日までの実績は68%でした。前回報告をした緊急事態宣言期間中の実績が66%でしたから、少し向上しましたが、目標の7割に届きませんでした。申し訳ございません。
 ワクチンでございます。いまだ医療従事者への接種が行われておりまして、38都府県で接種が終わっているのですが、まだ9道県が残っております。自治体からは、順次接種券も送付されておりますので、接種券で接種を受けていただけると思っております。接種券付予診票で接種しますと接種記録がVRSに入りませんので、自治体の接種数にカウントされません。自治体のワクチンを使って打っていると、自治体のワクチンを消費してしまうことになります。自治体にとって若干不利な扱いになってしまいますので、そろそろ通常の接種に移行していただきたいと思っております。
 総接種回数は6,000万回を超えており、少なくとも1回の接種を受けた方が総接種回数当たりで30%に近くなってきております。高齢者の1回目の接種率は76%ということになっております。5月の連休明けから本格的な高齢者の接種がスタートしたわけでございますが、あれからまだ2か月しかたっていないのかという気もいたします。本当に2か月間でここまで接種回数が伸びてきたことについて、自治体、医療関係の皆様のご尽力には感謝申し上げたいと思います。
 一方、ワクチンの接種スピードがかなり加速しておりまして、接種の現場で予約の受付停止、予約キャンセルが生じております。せっかく予約を取ったのに予約をキャンセルされてしまった、あるいは予約を入れようと思っても受付が止まっているという方々には大変申し訳なく思います。お許しいただきたいと思います。
 こうした現状に対応するために、国として、8月の第11クール、第12クールの配分のうち、基本計画枠として8,000箱をお配りするということは既に先週考え方をお示ししております。9月についても同様の考え方を取りますが、職域接種・大学拠点接種の接種実績を反映する形で配分量を調整したいと思っております。市町村から見れば、2週間ごとにこれぐらいの量が来るという目安は9月もあるのではないかと思います。8月についてはお示しをしておりますので、かなり先を見通していろいろなことができるのではないかと思っております。
 在庫が6週間を超えている自治体については、配分量を基本計画枠から1割削減をさせていただきましたが、それよりももう接種は終わったので要らないとして、「希望量0」という自治体が結構ございました。結果として8,000箱をお配りするところ、7,702箱ということになりました。
基本計画枠の全国合計が7,702箱となっております。今後、接種が進んでいくと、人口の少ない自治体では、ワクチンが不要ということになるのではないかと思っております。
 それから、都道府県の裁量枠としてこの基本計画枠から削減した分を都道府県へそのままお配りして、都道府県内で配分していただくということにしてございます。
 8月末の時点で2週間分のワクチンの在庫が残っているように調整をしているわけでございます。1日平均150万回とか200万回の接種を行っている自治体に関しては、1日120万回換算で打っていただいたとして、在庫が8月末で2週間残る計算をさせていただいております。それ以下のペースの場合には、そのまま引き延ばして8月末で2週間分残っているように調整しております。8月末で2週間の在庫というのは、9月の最初のクールが2週間以内に来ますので、最大で2週間分の在庫があれば供給が途切れずに接種を続けられるということにしてございます。その後、人口による配分を基本としながら、在庫の少ない自治体に少し積み増すというような割り振りをしているところでございます。8月後半の第12クールについても、基本枠8,000箱とし、在庫の多い自治体は1割削減、不要という自治体へはお配りしないということで、その分は都道府県に調整枠としてお配りして、県内の調整をしていただくことにしてございます。

2.質疑応答

(問)ワクチンの関係です。大臣が今ご説明された調整枠ですとか、昨日は加藤官房長官が会見で明言された約4,000万回分の未接種分を活用していけば、先ほど大臣からご説明のあったような自治体の予約キャンセル等がなくなって、いわゆる自治体側の主張する不足状態が解消されるというご認識なのでしょうか。
(答)自治体がかなり速いペースで打ってくださっておりまして、それこそ速い自治体は全国換算すると200万回以上のペースで打っていただいており、手持ちの未接種のワクチンが相当速いペースでなくなります。ですから、全国からそういう自治体、あるいはかなり先々まで予約をそのペースで受け付けている自治体に関しては、7月から9月の供給量は7,000万回分ですから、基本配分枠8,000箱で数をお示しすると、おっと、ということになります。そこは申し訳ないと思っております。進んでいる自治体に集中的に配ると、今度は他の自治体へのワクチンの配分ができなくなりますので、ファイザー社製ワクチンに関してはなるべく、一律というわけではありませんけれども、全国それなりに打っていただけるような配分にしたいと思っておりますので、1日当たりの接種回数が120万回程度でなんとか供給が続くという数量で配分を考えております。ですから、相当ペースが速い自治体に関して言えば、ブレーキを踏まざるを得ないということになってしまっていることは申し訳なく思っております。
 ブレーキを踏まずに未接種のワクチンを全部打つというのもありだと思いますけれども、そうすると今度は供給量まで一気に数量が落ちてしまいますので、3週間後に2回目の接種を行うことを考えると、ある程度緩やかにやっていただく必要はあろうかと思います。
(問)もう一点だけ。先ほども、それから昨夜のテレビ番組でも言及がありましたけれども、職域接種が進んだ場合の対応策として、職域接種の実績の少ない地域へファイザー社製ワクチンを傾斜配分するという考えを示されたかと思います。これが実現するのは9月以降になるのかというのと、そのあたりの傾斜の配分、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)今、恐らく200万回程度の職域接種が行われていると思いますが、まだVRSの入力は10万回程度だと思います。これから接種券を持ってきていただいて、入力をしていただくと、どれぐらいの自治体でどれだけ職域接種が反映されているかということを見ることができるようになると思いますので、9月の配分からそれを加味して調整したいと思っております。職域接種に対してはVRSへの入力をなるべく早くしていただくようにお願いをしているところでございます。
(問)細かい点になるのですが、冒頭でご説明のあった1割削減した分ですが、これは全体でいうと何市区町村分というふうな言い方ができるのでしょうか。
(答)詳細は事務的にお答えさせます。
(問)後ほど教えてください。それと、都道府県と接種状況を共有するというふうに聞いているのですが、これはいつから運用を始めるのかと、それによる効果はどのような効果が期待できるかというのを教えていただけますでしょうか。
(答)VRSのダッシュボードのIDを15日から割り当てができるようになると聞いておりますので、15日から都道府県内の市町村、あるいは市町村内の個別接種・集団接種の会場ごとの接種回数まで見ることができるようになります。
 また、VRSで在庫も見ることができるようになりますので、市町村の接種状況を都道府県で把握しながら、配分を決めていただきたいと思っております。
(問)あと、最初に言及のあった第11クールの総量1万箱のうち基本計画枠が7,702箱ということですが、その差に当たる2,298箱が調整枠という定義でよろしいでしょうか。
(答)都道府県の大規模接種については調整枠の別で出します。大規模接種を行っている自治体へは、8がけ分を引いて調整枠に出すということにしております。
(問)あと一点。細かいところで恐縮なんですが、昨日、官房長官も6月末の時点での接種実績として大体4,800万回で、残りの4,000万回分程度が未接種だという説明をされているんですけれども、これまで、6月末までに1億回分を確保という説明をされていると思うんですが、その残りの1,200万回分についてはどのような位置付けでしょうか。
(答)それは、流通の途中にあると考えていただいていいと思います。
(問)政府側に引き渡されたけれども、まだ自治体側に配送していないものという理解でよろしいでしょうか。
(答)そういうことだと思います。
(問)まず1点、事務的に確認したんですけれども、資料を2ついただいているのですが、第11クールの例えば北海道の配分量の数字が、436と437となっていて、2つの紙で違っているんですが、どちらを見ればいいのかというのを後で確認させてください。その上で、今回、このような調整枠を設けましたけれども、このような対応を取ることによって、知事会の方から「はしごを外された」だとか、「予約をキャンセルしなければならない」といった懸念の声が相次いでいますが、そのような声は解消できるというふうにお考えなのでしょうか。
(答)そうですね。これはずいぶん違いがあります。失礼しました。きちっと精査して正しい方をお出ししたいと思います。
 これから都道府県内の自治体で既に接種が終わるところも多々出てまいります。これは高齢者だけでなく、現役世代も終わるというところも出てまいりますし、都道府県の中には人口が多くてなかなか接種が進まないというところもあります。また、職域接種でどんどん打てるところと、職域接種があまりないところというような、都道府県内の差が開いてくることが想定されますので、これは、都道府県に細かい微調整をお願いすることが一番的確に対応できるだろうということで、さらにダッシュボードもお示しをして、詳細な数字を見ていただきながら、調整していただきたいと思っております。
 本来からいくと、恐らく今は足元でも1日当たり140万回程度打っていて、自治体からしてみるとせっかくそのペースの接種体制をつくったわけですから、そのペースで打っていきたいというお考えがあるのは承知をしておりますけれども、ファイザー社製ワクチンで言うと7月から9月の供給量は7,000万回分で、月々2,300万回程度の供給になりますので、今のペースで全ての自治体が打っていただくと、途中で弾切れを起こして、接種スピードが供給数量へ一気に落ちるということになりますので、そこは緩やかに調整していただきたいと思っております 。
(問)ファイザー社製ワクチンの関係です。大臣がおっしゃったように、各地で受付の停止や予約のキャンセルが起きているとのことですが、そもそも7月からの供給量が減るという話は、確か1か月以上前から分かっていると思いますし、大臣も会見で触れられていたと思うんですけれども、分かっていながら現場でこのような混乱が起きてしまっている要因は何だとお考えなのか、また、政府としてもっと早くブレーキを踏むとか、何か対応はできなかったのか、その点についてどうお考えでしょうか。
(答)総量として4月から6月に1億回分の供給があったものが、7月から9月では7,000万回分になりますというのは、いろいろなところで申し上げておりましたけれども、個々の自治体からしてみると、それが自分のところの供給にどのように反映してくるのかというのをなかなか知る由もなかったということだと思います。今までに、例えば1万6,000箱を供給したこともありますし、当時は総量が1万箱のところ、自治体からの希望量が1万を超えたと言っても、若干のヘアカットで済んでいたというところもあるのかもしれません。それから、スピードもそれほど爆発的というわけではありませんでしたので、まだ多少吸収できるような状況だったのではないかと思います。かかりつけ医の接種が2万件から5万数千件になりました。2万件でやっていただいたときには1件当たり接種する人の数を3人ずつ増やしても6万回の増ですけれども、5万数千件ですと3人ずつ増やすとそれだけで1日の接種回数が15万件増えます。それを1つの自治体でなかなかマクロの目で見るというのは、難しかったと思います。もう少し早めに最低限の割当量はこうなりますというのを自治体にお示しをしておけば、自治体からかかりつけ医に対して予約数をこれぐらいで維持してくださいということができたのではないのかなと思っております。
 7月末までに希望する高齢者全員への接種を終えるという目標を見ながら、我々としても接種体制を拡充してくださいというお願いをしてまいりました。高齢者分はワクチンを配っておりましたけれども、気付いた時には、正直、現役世代にどんどん移っていって、現役世代もその調子で予約を取ってくださっていたようです。もうちょっと早いところで供給量をお示しして、予約を少し落としてもらう必要があったと思います。
(問)一点だけ。9道県で医療従事者への接種の遅れがあるという紹介もありましたけれども、なぜこのような事態になっているのかという分析はどのようにされているのでしょうか。
(答)これは、正直、よく分かりません。医療従事者として申請いただいた分のワクチンはとっくの昔に使い果たしている量でございますし、いまだに1回目接種というのがありますので、どのような方が対象になっているのかというのは、正直、調べてみないと分からないと思います。接種券は出ている自治体が多いので、そろそろ一般の接種で打っていただかないといけないと思います。医療従事者枠で打ってもらった分はVRSに入れ直さないといけないので、人件費の負担は国がやるわけですけれども、この労力は相当なものになると思います。
 それと、もう医療従事者用のワクチンは使い果たしていますから、自治体にお配りをしている一般接種用のワクチンで医療従事者が打たれているということはVRSに反映されません。VRSで見るとその自治体はまだ未接種のワクチンがあるということになってしまいますので、恐らく、適正なスピードかどうかという判断ができにくくなると思いますので、そろそろ医療従事者枠で打つのではなくて、正規の接種券で打っていただきたいと思います。
(問)もし、数字があればなんですけれども、第11クールの自治体の希望量というのはどれぐらい来ていたのでしょうか。
(答)もう意味がないので、取っていません。

(以上)