河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月6日(後半)

(令和3年7月6日(火) 11:58~12:15  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 ワクチン接種が5,000万回を超えたようでございます。確か6月28日に4,000万回を超えましたので、かなり速いペースで接種をしていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。
 医療従事者への接種については31県で接種が完了したと全国知事会のホームページに出ております。全体の3分の2の都道府県が医療従事者への接種を終了したことになると思います。また、高齢者のうち1回目の接種を終えられた方が66.7%となりました。
ワクチンにつきまして、現場からなるべく早く今後の見通しを示してほしいというご要望を頂󠄀いております。先が見えないと受付を止めなければならないというような話も出ておりますので、8月と9月の配分方針をお示ししたいと思っております。
 ほぼ全ての希望する方が2回接種できる量が、9月までに確保できております。6月末までに在庫が4,500万回分ほどあると認識しておりますが、7月、8月、9月のファイザー社製ワクチンの配分につきましては、各クール(2週間ごと)に1万箱を配分する予定にしております。
 7月、8月ともに1日当たり120万回の接種を行うとすると、約3,600万回程度の接種が見込まれますが、在庫を活用していただくことでクリアできるのではないかと思っております。8月の第11クール、第12クールは、それぞれ1万箱を配送する予定です。
 第9クール、第10クールは、7月分と同じように基本計画枠として、8,000箱を配分いたします。ただし、直近の接種回数を見て在庫が3クール(6週間)分を超えている自治体へは、配分量を1割程度削減させていただいて、調整枠に回させていただくことにしたいと思います。
 これまでも繰り返し申し上げていましたように、VRSで接種実績を見ることになります。今週8日(木曜日)までの接種実績を前提として、在庫量、在庫割合を見ることになりますので、各自治体はVRSへの入力を是非8日までに完了していただきたいと思います。
 さらに都道府県の大規模接種会場枠として500箱余りが、各都道府県に配布されます。調整枠から大規模接種会場枠を引いた分については、各都道府県の12歳以上の人口割でお配りいたします。
 大規模接種会場を開設して、大規模接種枠がある都道府県については、その分がございますので、人口割については調整していきたいと思っております。
 モデルナ社製ワクチンの量でございますが、当初の契約は第2四半期に4,000万回分ということになっておりましたが、その後モデルナ社との協議で調整をさせていただきました。第2四半期分で供給を受けたモデルナ社製ワクチンは1,370万回分で、残りが第3四半期に供給を受けるということになります。

2.質疑応答

(問)時間がないので、2点だけ。先ほど総理と打ち合わせをするということをおっしゃっていましたけれども、その結果、冒頭に発表があった配送計画を決定したのかという確認と、先週金曜日(2日)の会見で宿題となっていた、職域接種の未承認数をまずお聞かせください。
(答)職域接種の未承認数については、数字が日々変わっております。流動的なものですから、なかなか事務的にお示しするのは困難であると思っておりますので、お許しいただきたいと思います。調整方法については差し控えます。
(問)もう1点。先日の東京都議会選挙は自民党と公明党で過半数割れとなりましたけれども、与党内からワクチン接種に関する都民の不満の表れも作用したという見方が上がっています。大臣自らも多くの候補者の応援に入られましたけれども、こうした指摘への認識と、今後の接種加速に向けて何が最も重要かお考えを聞かせてください。
(答)直接、そのようなご指摘を頂󠄀いたことはございません。今後はワクチンの接種の加速というよりは、スピードをいかに維持していくかということと、若者世代の接種率を上げていくということが、非常に重要になると思いますので、各自治体にもこの若者層への接種率の引き上げというところに是非、注力いただきたいと思います。
(問)2点お伺いさせてください。今、8月と9月のワクチン配分について示されました。1万箱のうち8,000箱を人口割で配分し、自治体による大規模接種に回す分以外、つまり1,500箱を都道府県に人口割で調整して配分するということですけれども、これによって今様々な自治体で起きている、ファイザー社製ワクチンの接種の予約キャンセルといった事態は、解消できるというふうにお考えなのでしょうか。そして都道府県に1,500箱を割り当てた理由の2点をお聞かせください。
(答)自治体間の融通、調整をきめ細かくやっていただく必要があると思いますので、都道府県できめ細かい調整をしていただきたいと思っている次第でございます。
(問)これによって実際起きている予約キャンセルを回避できるのでしょうか。予約キャンセルが起きていること自体についてどのように受け止めているのかお願いします。
(答)テレビのニュースで、1,000回分の予約をキャンセルしたというような、クリニックのニュースが流れておりましたけれども、お示しした数量で、市町村として先々までの見通しを持ちながら、接種計画を立てられるようになると思います。
 今まではV-SYSに希望量を入れていただいておりましたが、その希望量が供給可能量と全く関係なく、供給可能量の3倍強の数字が入ってくるということになりましたので、希望量を入れていただくことにあまり意味はないと正直思っております。
 自治体におかれては、在庫の数と供給見通しをベースに接種計画を立てていただきたいと思っております。7月、8月の供給数をお示ししましたし、9月も総量として各クールに1万箱お出ししますが、職域接種に必要な量が入ってまいりますので、9月はその分の調整をやらなければいけないと思っておりますが、それはむしろ職域接種でプラスになっているということになるだろうと思います。
(問)1,000回分をキャンセルしたクリニックがあるということですけれども、今回配分計画を示すことによって、簡潔に言うと、そのようなことはしなくてもよいようになるのでしょうか。
(答)市町村がしっかりと見通しを持って、計画を立てられるようになると思います。個別接種をやってくださっているクリニックも「どこまでの量が割り当てられるか」ということがかなり事前に分かるようになると思いますので、割り当てられた量の中で、1回目と2回目の接種をそれぞれ配分しながら、予約を取っていただけるようになると思います。
(問)先ほど、6月末までのモデルナ社製ワクチンの供給量に関して、初めて1,370万回分という言及がありましたけれども、当初の4,000万回分の供給という契約から実際に減るという調整が、モデルナ社側から示されたのはいつごろで、どのような説明があったのでしょうか。
(答)かなり当初に調整をして、4,000万回分という数字を変更しております。
(問)具体的にはいつごろですか。
(答)正確には覚えていませんけれども、ゴールデンウイーク前ぐらいかと思います。
(問)この数量が減っているということが、今後の配送計画にも関わってくる重要な要素だと思うんですけれども、今日まで明かされなかった理由については、どのような理由でしょうか。
(答)量についてはそれぞれのメーカーとの合意の上で、発表するということになっております。それから、これは別に量が減ったわけではなくて、第2四半期に行う高齢者へのワクチン接種は、基本的にファイザー社製ワクチンで行うということでありましたので、そのようなことを加味しながら調整を行いました。それからモデルナ社製ワクチンに対する世界的な需要が非常に厳しい中で、日本政府として本当に必要な量を確保するということで、モデルナ社と協議の上、決めたものでございます。
(問)最後に、9月末までに5,000万回分の供給を受けるというラインは揺るがないということだと思いますが、日本国内への入り方、7月、8月、9月というのは均等に入ってくると考えてよろしいでしょうか。
(答)これは今調整をしているところです。
(問)先ほどのモデルナ社製ワクチンの件ですけれども、必要な量を確保したとおっしゃったと思うんですけれども、そうすると6月末まで1,370万回分で政府としては必要な量だったという認識でよろしいでしょうか。
(答)細かく1,360万回分では駄目なのか、1,380万回分なのかということではなくて、少なくとも当初の4,000万回分から減らしても大丈夫だということです。あとはモデルナ社製ワクチンの供給可能量と、モデルナ社製ワクチンに対する全世界の需要に鑑みて、日本向けの数量を決めたということです。
(問)それともう1点なんですけれども、在庫が6週間分を超えている自治体については、基本計画枠を1割程度削減すると先ほどおっしゃったと思うんですけれども、この6週間ということの根拠等がもしあればお伺いできますか。
(答)3週間ぐらいまで先の見通しを持って予約を取ってもらうということが大事だと思います。3週間先の1回目を打つと、その3週間後の2回目の分が必要になってくるので、そこまでの在庫は確保したいという話もございますので、6週間ということにさせていただきました。
(問)先ほどのモデルナ社製ワクチンの関連です。先ほどおっしゃったように、世界的な需要の関係で、6月末までに4,000万回分供給することは難しいという、モデルナ社側からの申し入れがあったという理解でよいでしょうか。
(答)詳細については差し控えたいと思いますが、モデルナ社製ワクチンに対する需要が非常に強かったということが背景にあります。
(問)先ほど在庫が6週間分というお話があったと思うんですけれども、自治体や医療機関にすると、2回接種する分のワクチンを確保したいと思うのは当然だと思うんですけれども、2回分を確保した上でプラスの量を希望するというのは希望し過ぎでしょうか。それともそれは当然あって仕方ないことなのでしょうか。
(答)なるべく先の見通しが見えるようにしたいと思っておりますし、出せるものはどんどん出していきたいと思っておりますが、接種スピードが早い自治体と遅い自治体と若干差があるのも事実ですので、在庫が少し積み上がっている自治体については、基本量を出すのを1割程度控えさせていただいて、接種スピードの早い自治体へ供給していきたいと思っております。
(問)これまでは基本的に接種が早く進んでいる自治体に優先して供給するという考えだったと思うんですけれども、その基本的な考えは変わらないということでよろしいですか。
(答)なるべく、接種スピードの早い自治体に、弾切れが起きないように供給しようということでしたが、今回は長期的に見通しを持って供給していこうと。そして、なおかつ在庫が少ない自治体に、少し在庫の多い自治体から回していこうと思っております。微調整は都道府県にお願いするということになろうかと思います。
(問)すみません。最後に1点。先日、7月後半分の供給量の発表があったばかりなので、もうすでに8月分の配送計画を示すのは、かなり前倒ししたのかなというイメージを持っているんですけれども、そのような理解でよろしいでしょうか。
(答)先の見通しが欲しいということでしたので、9月まで各クール、基本的には1万箱を供給します。8月については基本計画枠8,000箱ずつ。9月は職域接種の分を少し調整する必要があると思いますので、そこはご相談をしながら、9月分は決めていきたいと思います。基本的には今の数量が流れていくと思っていただいてよいと思います。
(問)モデルナ社製ワクチンの量に関してです。先ほど、少なくとも当初の契約の4,000万回分の供給から量を減らしても大丈夫だというふうに判断したということですが、この判断が先日の職域接種の申請受付を途中で止めるということになったことに影響はなかったのでしょうか。
(答)全くないと思います。
(問)職域接種の申請受付を止めるということに影響はなかったというお考えですが、どのような要因が一番影響があったというふうに見ていますか。
(答)職域接種についてはフローの問題ですから、モデルナ社製ワクチンの輸入総量の問題ではなくて、1週間ごとにどれだけ輸入できるかという量の上限というものが今限界に来ているということです。
(問)ただ、6月末までに4,000万回分入る予定だったのを、1,300万回分に減らしたというのは、まさにそのフローのことかなと思います。総量は、9月末までに5,000万回分というのは変わっていないということですけれども、フローの量が変わったということではないのでしょうか。
(答)1週間に何便入ってくるかというのは決まっていますので、特にフローに影響しているわけではございません。

(以上)