河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月6日(前半)

(令和3年7月6日(火) 10:44~10:55  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 デジタル化の推進のため、認印等本人確認に資さない押印の廃止、書面・対面義務の見直しを行ってまいりました。その時から、次に常駐・専任の規制の見直しを進めたいということを申し上げてまいりました。今般、一定の成果を得ることができましたので、ご報告をしたいと思います。
 商品やサービスの安全あるいは品質の管理等を目的として、特定の技術・技能を有する者を事業所や設備等に配置あるいは専任させる規制があります。常時滞在を義務付けるいわゆる「常駐規制」。常時滞在までは義務付けないものの他の事業所などで同様の業務を専任・兼任することを禁止する、あるいは制限する、いわゆる「専任規制」というもの。それらが常駐・専任義務といわれております。
 これらの規制については、webカメラを使う等のデジタル技術を活用することによって、人を「場所」や「時間」で拘束しなくてもいろいろできることがあるのではないかということで見直しを行っております。
 今般3件の常駐規制について具体的な緩和措置が取られることになりました。国交省の迅速な対応に感謝申し上げたいと思います。
マンションの管理業者の事業所への「管理主任者」の常駐義務、宅地建物取引業者の事業所への「宅地建物取引士」の常駐義務、自動車ナンバープレート封印取引受託者における「封印取付責任者」の常駐義務を緩和いたします。
 また、資格者等の配置は求めるものの、常駐や専任までは求めないという解釈ができる規則が25ありました。これらは、常駐・専任の規制が必ずしも明確ではないのですが、常駐・専任を義務とするとみなされていた可能性があります。
 それぞれの規制を所管する厚労省、経産省、国交省にこれらの規制については常駐・専任は必要ないという解釈を6月末までに公表していただきましたので、常駐・専任義務ではないということが明確になりました。
 我が国で少子化が進んでいく中で、労働力がだんだんと貴重になってまいります。本当に人がやらなければいけない仕事に、人がきちんと張り付いて、その仕事をやるというようにする。人が人に寄り添う社会をつくるために、人がやらなくてもよい仕事についてはデジタル化を進めていくというような規制の見直しが必要だと思いますので、今後もこの常駐・専任義務については見直しを進めてまいりたいと思います。具体化できたものについては、今後も常時報告してまいりたいと思います。

2.質疑応答

(問)発表の件、今回は3件の緩和とのことで、大臣は今後も見直すべき規制案件があれば見直していくお考えを示されましたが、同様にまだ緩和すべき規制の案件というのは、およそ、どれぐらい残っているというご認識でしょうか。
(答)数限りなくありますが、恐らく数十件についてはもう少し、いろいろ見直しをしていけるのではないかと思っております。
(問)もう一点、関連です。その残りの数十件も含めて、最終的に常駐規制・専任規制を全面的に緩和できるようになる見通しについてはいかがお考えでしょうか。
(答)恐らく様々な技術の進歩を利用することによって、今までその場で人がやらなければいけなかったものが、いろいろな技術でかなり置き換えられるようになっているという現実はあると思いますし、少子化の中で労働力というのが非常に貴重になっている中で、そうせざるを得ない、あるいはそうすることによってむしろいろいろな安全性その他、品質管理のクオリティーが上がるというようなこともありますので、今、各省とそれぞれ詰めているところです。膨大にはなりますが、まず、すぐ判断ができそうなものからしっかり進めていきたいと思っております。
(問)最後にすみません。年内に全面的な見直しに至るかどうかというと、大臣の分析や認識はいかがでしょうか。
(答)恐らく、全面的な見直しといったときの数が相当にあると思いますので、なかなか網羅的に全部やるというは非常に厳しいかなと正直思っております。テーブルに上げられそうなものはどんどん上げて、各省に点検をしていただきたいと思っております。また、各省の方から、これもというようなこともありますので、そこはいろいろやっていきたいと思います。
(問)不勉強で恐縮ですけれども、常駐・専任規制の見直しについて、産業医についても検討していたと認識しているんですけれども、産業医の扱いについては今現在どういうふうになっているのでしょうか。
(答)オンライン化が進んでテレワークができている企業は、産業医が常駐しても社員が出社していないというケースがあって、そこから常駐は不要ではないのかという議論がありましたが、テレワークができていない企業はまだ社員が出社しているわけで、そうすると産業医がそこにいていろいろ診るということができるわけですので、そうしたことも含めて、今、いろいろな議論が行われていると思います。
(問)産業医の常駐・専任規制については今現在もまだ見直しを進めているという理解でよろしいでしょうか。
(答)いろいろなものの検討をしておりますが、中には、やっぱり見直せないというものもあると思います。産業医がどのカテゴリーになっているか、今現在は承知をしておりませんが、産業医が1人の方がずっと常駐しているという企業もあれば、いろんな科の先生が交代で来られるというような企業もありますので、今、産業医がどのカテゴリーになっているかというのは承知しておりませんが、少なくとも発端になったのはそうした理由だったわけで、テーブルには乗っていると思います[注]。

[注]規制改革実施計画(令和3年6月18日閣議決定)において「産業医に係る常駐及び兼務条件の緩和」は、令和3年3月31日付けで厚労省
   より通知文書を発出、見直し。今後更なる周知を行う。
 
(問)先日、内閣府沖縄総合事務局の局長が緊急事態宣言中等に県内離島へ出張していたという件に関してご質問させていただきました。この出張の目的の一つとされていた観光PRサイトの制作というものが、本紙が総合事務局側に出張記録の情報開示請求をした1週間後に起案されていたことが新たに分かりました。総合事務局側は、本紙の開示請求以前から具体的な検討があったかどうかということについては、お答えできないというふうに回答しておりまして、その開示請求があってからサイトの制作が検討されたとも取れます。私共も総合事務局側や局長ご本人への取材も経て報道しておりますが、それを踏まえた上で、所管する大臣としてのご見解を伺いたいです。あと、局長というお立場の方が、ご自身で写真撮影等のために出張を重ねるということがそもそも適切かどうかというところについても、ご見解をお聞かせいただければと思います。
(答)総合事務局の局長が自ら沖縄振興を担当するわけですから、一般論で申し上げれば、担当する場所をしっかり把握するというのは何ら問題ないと思っております。ただ、先週の会見からいろいろとご指摘をいただいておりますので、私もきちんと事実関係を把握したいと思っておりまして、今、きちんと説明するようにということを指示しているところでございます。
(問)既に指示をされているということでしょうか。
(答)様々そのほかにもご指摘がありますので、まとめて何が起きているのか、何をしたのか、きちんと説明をするようにということは申し上げております。

(以上)