河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月30日

(令和3年6月30日(水) 18:59~19:44  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 6月23日に接種した回数が、高齢者を含む一般接種だけで100万回を超えました。今までは高齢者を含む一般接種の回数に、医療従事者への接種回数を足して100万回を超えてきましたけれども、いよいよ一般接種の回数だけで100万回を超える数字が出てきたことになります。
 6月14日から25日までの平日の接種回数は、常に100万回を超え、6月17日は1日の接種回数が112万回という数字になっていると思います。我が国の自治体の底力の結集と言ってよいと思っておりますが、これにさらに職域接種が加わってくるという状況になっております。
 今後それぞれの自治体におかれては、手持ちの在庫と今後の供給を見ながら、接種スピードを最適化していただくということをお願いすることになろうかと思います。
 7月後半分の第10クールの基本計画枠については、すでにお示ししているところでございますが、8月の前半分(第11クール)と後半分(第12クール)につきましては、基本的に8,000箱の基本計画枠を人口割にして自治体に配送してまいります。
 自治体ごとの細かな数字については、早急にお示しをしてまいりたいと思いますが、今、計算をしているところです。基本的には第10クールの基本計画枠と同じ8,000箱をベースに、人口割で配分されますので、1箱がどちらに行くかという微調整がありますが、8月の末まで、自治体に送る基本計画枠をお示しいたします。
 8月末になりますと、今始まっている職域接種が、VRSに計上されてくるという時期にもなってくると思いますので、8月後半頃には職域接種の数字を加味しながら、その後についてはお示ししていきたいと思っております。
 ファイザー社製ワクチンについては、自治体にこれまで配送した分の在庫と、8月までに供給される分を組み合わせて対応していただきたいと思っております。
 モデルナ社製ワクチンの使用を想定しておりました、自治体による大規模接種につきましては、承認済みのものが1,200万回分ございます。これまでの方針どおり内容を精査した上で、モデルナ社製ワクチンで接種を続けていくことになります。貴重なワクチンを無駄にすることのないように、今一度、数の方もしっかりと再確認していただいた上で、必要な量のオーダーを入れていただきたいと思っております。
 それから自治体によるモデルナ社製ワクチンを想定していた大規模接種について保留分がございますが、保留分にはファイザー社製ワクチンを使わせていただきたいと思っております。モデルナ社製ワクチンは、承認済みの自治体による大規模接種に加えて職域接種で使用を想定しておりますが、1日の配送可能量が非常に厳しい状況になっておりますので、保留中になっておりました自治体によるモデルナ社製ワクチンを想定した大規模接種については、ファイザー社製ワクチンで対応するということにさせていただきます。
 7月中に必要な約200万回分につきましては、市町村分と都道府県分を合わせて、7月下旬の第10クールの中で供給いたします。この第10クールはすでにお知らせしている、基本計画枠の8,000箱に加えて、ファイザー社との交渉で600箱追加になりましたので、基本計画枠に加えて2,600箱を供給することができるようになりました。そのうち1,700箱余りを7月中に必要な大規模接種会場にお届けするということにいたします。
残りの900箱弱については、VRSの接種回数で見た接種率上位の自治体から順番に、直近1週間の接種回数と希望量のいずれか小さい方の数量をお届けするということになります。これで恐らく上位200番程度までの自治体に対して、追加的にワクチンが配送されることになろうかと思います。第10クールは基本計画枠8,000箱に加えて2,600箱供給されますので、合計して1万600箱、1,240万回分を第10クールでお届けするということになります。
 8月以降の市町村による大規模接種については、今後、各市町村にお示しする供給量の中でご対応いただくということになります。お示しする供給量については、自治体が計画的に接種を行うことができるよう、人口規模を基準としながらお配りいたしますが、各自治体における接種の進捗に応じて調整をする何らかの仕組みをお示ししたいと思っております。
 8月以降の都道府県による大規模接種会場については、国が各自治体に示す供給量とは別枠で都道府県に対して供給をすることにいたしたいと思っております。
 職域接種及び大学拠点接種についてでございますが、先週の金曜日の午後5時までに申請を受け付けた職域接種と大学拠点接種については、内容を精査した上でモデルナ社製ワクチンで対応いたします。大学拠点接種については、文科省の方でご精査をいただくということになります。
 今後の職域接種の開始時期等の見通しについては、今、関係各省の協力を得て精査をしている最中でございます。数字を見ながら検討しておりますので、それぞれの接種主体の判断に資するように、一定の見通しをお示ししていきたいと考えております。現時点での状況をざっくりと申し上げると、8月に入ると、最初にスタートしていた職域接種が、少しずつ量が減っていくと、配送可能量に隙間が出てくることになりますので、そこにどんどんと入れていきたいと思っております。すでにスタートしているものの今後の精査の状況によっては、8月よりも前に枠が空く可能性もあると思います。そこは順次、精査の状況を見ながら対応していきたいと思っております。
 引き続き職域接種と自治体の大規模接種の新規受付は、停止を継続させていただくことになっております 。

2.質疑応答

(問)職域接種と大学拠点接種に関してです。申請しているけれども、例えばワクチンが全く来ない企業、大学が出てくる可能性もあるということですか。
(答)ワクチンの総量は、まだ範囲内に収まっております。ただ、今ネックになっているのは1日の配送限界で、総量には収まっているけれども、それを配送限界でならして引っ張っていかなければいけないという状況でございます。配送限界に空きが出たときに、うまくその数が収まるように次を入れていくということになりますので、配送が後ろ倒しになっていくということです。
 お待ちいただければ、どこかの段階で必ず枠の中には入りますけれども、自治体の接種の方が早いということもあり得るわけで、それなら職域接種の開始を待っていなくても、自治体接種の方で打っていただいてくことは構いませんし、結果として申請を取り下げますということはご自由にやっていただいて構わないと思いますので、職域接種で申請をした上で、自治体による接種の方が早ければ、自治体接種の予約を取って打っていただくということは、全く問題ございませんので、その結果申請を取り下げるというときに、ご連絡をいただければと思います。総枠では収まっておりますので、どこかの段階で打てるという状況ではあります。
(問)申請受付が止まってから申請を取り下げた企業、大学というのはあるのでしょうか。あるとしたら、どれぐらいあるのかということを教えていただきたいです。
(答)全くないわけではないと思います。大学については文科省の方で精査をしていただいております。大学については2学期に対面で授業をやるために、何とか夏休みで打ちたいという話をされておりますので、文科省の方と配送限界の中にどのように大学への配送分を入れるかというところはご相談をさせていただいております。
 職域接種の方で申請を取り下げたというところがあるとは聞いておりますが、詳細について私は把握しておりません。
(問)先ほどの大臣の冒頭の発言で確認ですが、職域接種に関して現時点で8月に入ると最初にスタートしていた、職域接種が減ってくる。そこにどんどん入れていけるようになるというような発言がありましたが、これは新規のものをどんどん入れられるようになるということでしょうか。
(答)今、承認済みのものも、1日の配送限界に達しているために、承認をしているけれども、まだワクチンの配送を受けられないというところがございますので、これまですでに承認済みになっているものを、枠が空いたところへどんどん入れていきたいと思います。そして今、承認待ちになっているものを、その後に足していくということになります。
(問)そうすると新規の受付は継続して停止ということですが、今回の締切には間に合わなかったけれども、これからやりたいと思って検討している企業というのは、一応準備して待っておいた方がよいのでしょうか。
(答)今の状況で配送限界がありますので、スタートは後ろ倒しになっております。現時点で承認済みになっているものも、まだ全てがスタートできていないという状況ですから、承認待ちのものはさらにお待ちいただくということになります。
 当然、総枠に余りが出てくれば、今の時点で若干、総枠を下回っておりますけれども、仮に新規の受付を再開するということになれば、受付を開始するわけですけれども、それがどのような状況になるのかというのが、今は正直、先が見通せないので、今の時点では受付を停止させていただいておりますが、承認済み、その後の承認待ちを含めると、配送限界がなかなか上がってこないというのが現実です。
 ですからちょっと正直、いつできるかというのは、申し上げられない状況になっております。申し訳ありません。
(問)基本的なことを2点確認したいです。大臣は先ほど、職域接種の申請受付の一時停止について「停止を継続する」とおっしゃいました。これは「再開しない」ということではなくて、一時停止状態が長期化せざるを得ないという理解でいいのか、再開の見通しやめどなどがあれば、目標時期を併せて教えてください。
(答)今の時点で再開のめどはございません。まず今の承認済み、承認待ちをはめていくという作業を進めております。再開しないと決めたわけではありません。
 ただ、今の時点でも、後ろ倒しになっておりますので、どのようなタイミングで再開することができるかどうかは、今の時点で申し上げるのは困難でございます。
(問)もう1点、基本的な確認です。モデルナ社製ワクチンの配分量について言及がありましたが、事実関係を確認させてください。大臣は先日の会見で、自治体による大規模接種は、トータル2,400万回分の申請があって、そのうち1,200万回分はすでに申請を承認されていると。残りの1,200万回分のうち500万回分はモデルナ社製ワクチンを使うと。つまり5,000万回分のうち1,700万回分はモデルナ社製ワクチンを自治体による大規模接種に割り当てるという整理でしたよね。つまり先ほどおっしゃった200万回分という数字は、一体どこを指しているのでしょうか。
 先日、大臣がおっしゃった、モデルナ社製ワクチン5,000万回分の割り当てが、職域接種向けで3,300万回分。自治体大規模接種向けで1,700万回分。一体このどれを見直すというご発言だったのか、ここをもうちょっと分かりやすく教えてください。
(答)自治体による大規模接種で承認済みのものが1,200万回分ございます。そのほかに1,200万回分あるわけですが、この1,200万回分に対してまずファイザー社製ワクチン200万回分供給をして、7月分を接種していただこうということでございます。
 残りのうち都道府県分については、地方自治体(市区町村)に配る基本計画枠の8,000箱とは別枠で、都道府県に対して8月に供給をしていこうと考えております。残りの8月の自治体(市区町村)分については、まず自治体(市区町村)の手持ちの在庫を使っていただいて、大規模接種をスタートしていただいて、そうすると接種のスピードが上がりますから、在庫の少ない分の配布の中で対象となれば送っていきたいと思っております。
(問)確認ですけれども、モデルナ社製ワクチン5,000万回分の配分について、職域接種向けに3,300万回分と自治体による大規模接種向けに1,700万回分という総量は変わらないということですか。
(答)1,200万回分は今、自治体によるモデルナ社製ワクチンを使用する大規模接種が承認済みになっています。その外の分の大規模接種でモデルナ社製ワクチンを使うのをやめて、ファイザー社製ワクチンで接種を行うということでございます。残りのモデルナ社製ワクチンについては、今、職域接種で対応をどこまでできるかというのを精査しているということです。
(問)そうなると「モデルナ社製ワクチン5,000万回分のうち、1,700万回分を自治体大規模接種向けに割り当てる」とおっしゃった大臣の発言から一部変更されるということですか。
(答)変更するということです。モデルナ社製ワクチンの配送限界が上がってきませんので、モデルナ社製ワクチンは恐らく相当後ろの時期に、それなりの配送量が回るということになると思います。そうするともっと早く、自治体接種等で打つことができると思います。
 どの程度の接種率になるのか分かりませんが、9月末で希望する国民全員が打てる量が入ってきます。接種率がどれぐらいになるかによって、9月末に入ってくるワクチンが若干残るということになると思います。
 もしモデルナ社製ワクチンの配送可能量がファイザー社製ワクチンのように上がってくれば、もっと配送時期を前倒しして早く打てると思いますけれども、なかなか配送可能量が上がってこないということと、モデルナ社製ワクチンをずっと継続して供給するということになりますので、そうするともっとほかに、自治体でファイザー社製ワクチンを使って打てる量というのがあると思いますので、そのあたりを加味して、取りあえず自治体の大規模接種の保留分については、まずファイザー社製ワクチンを供給して、7月分をスタートしてもらうということにしています。
(問)職域接種の関連ですけれども。大臣は先ほど「8月には接種の総量が減ってくる」とおっしゃっていましたけれども。
(答)要するに6月21日から多くの箇所で職域接種がスタートし、28日の週にもスタートしています。中には1,000人単位というところは、1,000人打って4週間後に1,000人打つと、そこで職域接種が終わりますので、その分の空きが出てきます。そうするとその空きに次の職域接種を入れることができるということです。
(問)そういう意味で、8月にも申請受付再開を目指すというところまで言うことは難しいですか。
(答)まだ承認済み、承認待ちのものを入れていかないといけませんので、それがどれぐらいはまっていくのか、精査することによってそれがどの程度数が減るのかということにもよります。
 それから8月の状況は、まだ企業も見えていないと思いますけれども、自治体によっては8月にそれなりに接種を行っている自治体があれば、むしろ自治体による接種の方が早く受けられるという判断をする企業もあるのかもしれません。そういうところから、まだいつ申請受付を再開するというのを申し上げるのは、今の段階では難しいと思っています。
(問)確認ですが、モデルナ社製ワクチンですけれども、500万回分は在庫というか、振り分けずに取っておくという理解でよろしいですか。
(答)いや、使えるものは使っていきたいと思っております。ただ、配送限界を見ながらモデルナ社製ワクチンを入れていきますので、どの段階でどれぐらい入るかというのを、今、先々までなかなか見通すのが正直困難なものですから、どこかで配送限界が上がればもう少し前倒しでいろんなものをスタートすることができると思っています。今の配送限界がしばらく続きそうな感じですので、その中へどれだけのものを入れ込めるかという作業をやっています。遅くなるのであれば自治体で接種を受けるということもあるかもしれませんけれども、配送スピードが速くなり、ワクチンが来そうということが分かれば、職域接種でやろうかという所もあると思いますので、先々、自治体の接種スピードと、自治体がどれぐらいのタイミングで接種券を出して予約を取り始めるかというようなタイミングと、いろいろなものを見合いながら決めていきたいなと思っています。
(問)モデルナ社製ワクチンの500万回分については、とりあえず振り分けないという理解でよろしいでしょうか。
(答)500万回分については今の時点で何とも申し上げられませんが、職域接種が最後の方まで残っていてくれれば、職域接種に割り当てるということになると思います。
(問)もう1点なんですけれども、先ほどから大臣、配送限界が今回の事態の要因だとおっしゃっていますけれども、そもそもモデルナ社製ワクチンは5,000万回分しか国内に入ってこないが、それ以上の回数分の申請が来ていて、ワクチンの総量自体も足りないということはないのでしょうか。
(答)今、総量は収まっているという理解です。
(問)申請数は5,000万回分を超えていますけれども、それでも総量は収まっているということになるのでしょうか。
(答)6月25日午後5時の時点で、職域接種と大学拠点接種で受け付けたのは3,600万回分です。
(問)それとは別に自治体の大規模接種で2,400万回分。
(答)そのうち1,200万回分がモデルナ社製ワクチンの供給の中に入っていますから、合計で4,800万回分ですね。
(問)整理させていただきたいんですけれども、モデルナ社製ワクチンは総量5,000万回分あって、そのうちの3,300万回分は職域接種と大学拠点接種に使いますと。既に大規模接種で承認した1,200万回分は予定どおりモデルナ社製ワクチンを使いますと。残りの500万回分はこれからの状況を見て、どのように使うかを決めると。そうすると、承認していない大規模接種で使うと予定していた1,200万回分についてファイザー社製ワクチンを使いますと。その数字が200万回分ということでしょうか。
(答)これはちょっと精査をしなければいけないので、多少数字がずれる可能性はありますが、大学拠点接種と職域接種で承認待ちになっているものを含めると恐らく3,700万回分あると思います。それに承認済みの大規模接種1,200万回分を加えて、合計4,900万回分です。その他に大規模接種に手を挙げていて、保留になっていた自治体が1,200万回分あるということです。この1,200万回のうち、7月に接種を行う200万回分はもう予約も取っているでしょうから、ファイザー社製ワクチンを自治体にお配りするということにしています。
 8月分は都道府県分は基本計画枠がありませんので、都道府県分は自治体(市区町村)に配分する基本計画枠とは別枠で送っていくことになります。8月分の市町村の大規模接種については、手持ちの在庫でスタートしていただいて、調整枠のところで供給できる分を供給していくということになろうかと思います。
(問)8月分の具体的な数字はまだ決まっていないわけですよね。7月に割り当てる200万回分のファイザー社製ワクチンというのは、今まで大規模接種会場では都道府県とか政令市が設置した所を指していたと思うのですけれども。
(答)これは市区町村もあります。
(問)市区町村が行う集団接種会場も含まれるのでしょうか。
(答)モデルナ社製ワクチンで大規模接種をやりたいと言って手を挙げてきてくれた自治体に、7月分の200万回分を供給します。
(問)その5,000万回分のうち3,300万回分が元々職域接種に割り当てられていて、1,700万回分を自治体による大規模接種に割り当てることを検討していたかと思うんですけれども、全部で2,400万回分の申請が来ていたうちの1,200万回分が承認済みで、残りの1,200万回分の保留分が割り当て分からはみ出ていることもあるので、そこにファイザー社製ワクチンを供給することによって、モデルナ社製ワクチンを職域接種の方に回せる数を多くしたということですか。
(答)1,200万回分の保留になっているものをどうするか、いろいろどうやってない袖を振るかということを考えました。7月分はもう予約を取り始めている所もありますので、ここについてはきちんと手当をしようということで、200万回分のファイザー社製ワクチンをお出しして、8月分については手持ちの在庫を見ながら、大規模接種にするかかかりつけ医による個別接種にするか、そこのところは考えていただいて自治体に動いていただこうと思っております。
 ただ、都道府県は基本計画枠がありませんので、都道府県の手を挙げている大規模接種については、別枠でその分を各クールお出しすることにしています。
 ファイザー社製ワクチンを供給するのは、かかりつけ医による個別接種で打ってもらうか、大規模接種で打つか、前々からやっている集団接種で打つか、どれで打ってもらっても最終的に接種を受けた人数はどんどん増えていくことになりますので、そこはそれぞれ調整をしていただくと。新たに大規模接種を立ち上げて打っていただければ、恐らく接種のスピードが速くなって、在庫割りで少し調整はできると思っておりますが、基本的に基本計画枠で配送しますので、基本計画枠を見ながら今のペースでかかりつけ医による個別接種と集団接種で進めていくのか、新しく大規模接種を立ち上げて手持ちの在庫を使っていただくのか、そのあたりは考えていただこうということでございます。
(問)先ほど、予約を取っている所もあるのでということで、ファイザー社製ワクチンを割り当てることにしたということですけれども、元々モデルナ社製ワクチンで予約を取っていた人がファイザー社製ワクチンで打つことになってしまうということになるかと思うんですけれど、接種を受ける側からすると接種の間隔等も変わって、それによって都合が悪くなるということも出てくると思うんですけれども、そのような懸念はないでしょうか。
(答)そこは飲み込んでいただくしかないかなと思います。
(問)それによってキャンセルが出てきてしまっても仕方がないということでしょうか。
(答)そこは大変申し訳ないと思いますが、もうここはやむを得ないと思います。
(問)職域接種の関係ですけれども、6月25日時点の申請が3,600万回分ということで、これは中身を精査していくということだったと思うのですが、圧縮はできなかったということなんでしょうか。
(答)いや、今、精査をしているところで、これは申請された人数です。
(問)今後、精査によって、新規にどれだけ受け付けられるかというところはあると思うんですけれども、空きが出て、新規受付の枠が増えていく可能性はあるということでしょうか。
(答)今の時点で新規の受付停止は継続させていただきます。まず、承認済みでスタートできていない所をスタートさせて、承認待ちになっている所をはめ込んでいくという作業を先にやります。
(問)結果的にこのように新規受付の再開の見通しも立たないという状況で、既に申請している所も遅れてしまう所もあると思うんですけれども、そうなってしまったことを改めて大臣としてはどのように受止めていらっしゃるのでしょうか。
(答)職域接種に対する企業の期待が非常に大きかったということはありがたいと思っています。最初の頃は中小企業も是非一緒に打ってください。取引先、関連企業で打ってくださいというお願いを、大企業をはじめ申請してくださった方にしておりましたけれども、中小企業の皆様がいろいろ集まって、県のトラック協会として申請を頂いたり、あるいは温泉の組合として申請を頂いたり、様々な形で手を挙げていただきました。非常に大きな数を申請していただきましたので、何とか応えていきたいと思っております。
 ただ、このモデルナ社製ワクチンの配送には、ファイザー社製ワクチンにはない制限がいろいろありますので、なかなかファイザー社製ワクチンのように全国一斉に配送するというわけにいかないという制約で、お待たせをすることになっているのは非常に申し訳ないと思います。
(問)特に当初の制度設計として、この職域接種は何か問題はなかったのでしょうか。
(答)通勤、通学をしている方を通勤先、通学先で打つというのは、効率を考えても非常に有効だと思っておりますし、地元で打ってくださいというと平日は、ワクチン休暇の制度がある企業はワクチン休暇を取得して休めるかもしれませんけれども、企業によっては有休を取得して接種しなければいけないという所もあるようでございますから、通勤先で打てるというのは制度として必要だと思います。
(問)確認ですけれども、職域接種の上限3,300万回分というのは、これは維持するということでよろしいですか。
(答)先ほど申し上げましたように、大学拠点接種と職域接種で今3,700万回分になっています。
(問)そこからどこまで圧縮するかというような目標というのは特にないのでしょうか。
(答)圧縮に目標があるわけではありませんけれども、配送限界に隙間ができれば新しい所がスタートしていただけるということになりますので、なるべく無駄な配送がないようにしていきたいと思います。
(問)接種スピードについてお伺いします。先ほど冒頭で大臣は、在庫と今後の供給を見ながら接種スピードの最適化をお願いするとおっしゃいましたが、前回の会見では接種スピードをまだ下げる必要があるとは思わないとおっしゃっていました。この認識は変わらないのかどうか、それとも実質、これから供給に合わせて接種スピードを下げる必要があるとお考えなのかをお聞かせください。
(答)そこはもう自治体のご判断だろうと思います。8月末までの供給量をお示ししておりますので、在庫を見ながらご判断いただくということだろうと思います。
 ただ、1つファクターXというのか分かりませんけれども、職域接種での接種回数は接種券が発行されないとVRSに反映されてこないわけで、各自治体にしてみると、職域接種がいろいろ行われているけれども、自分の自治体に接種すべき人がどの程度、職域接種で接種を終えていて、これから自治体で接種しなければいけない人数が、今、実際に我が町にどの程度いるのかというのが、しばらくの間見えない状況になりますので、そこをどのように判断するかというのが難しいと思います。
 我々も職域接種でどれぐらい打てているというのは報告をもらったり、ワクチンの配送量等で推計をすることはできますが、それがそれぞれの自治体の中にどれぐらいずついらっしゃるかという推計が今はできない状況です。ですから、自治体からしてみると、実はあと10万人打たなければいけないと思っているけれども、ふたを開けたら2万人は職域接種で打っていて、残りは8万人であったということが十分あり得ると思いますので、自治体が接種計画を判断される時にそれが見えない部分になってしまっているというところはご迷惑をかけております。
(問)先ほどから大臣、配送限界がネックだというふうにおっしゃっていますけれども、具体的には配送限界というのは何を指しているのかと、これが解消されるきっかけというか、いつ解消されるめどがあるのかをお願いします。
(答)1週間にどれだけのワクチンを配送することができるかという、シンプルにその数字です。
(問)解消すればそれは増やせるようになりますか。
(答)今、武田/モデルナ社側といろいろと検討作業をしているところでございますので、もう少し猶予を頂きたいと思います。
(問)大規模接種会場の方にファイザー社製ワクチンを回すということでしたけれども、1つの接種会場に取り扱い方法や接種間隔の異なるモデルナ社製ワクチンとファイザー社製ワクチンの2つのワクチンが併存するということになると、現場での混同や取り違えの懸念というのはないのでしょうか。
(答)新しく立ち上げる所はどちらか1つでお願いをしていますので、ファイザー社製ワクチンが行く所はファイザー社製ワクチンで打っていただくということになります。医療機関で今まで自治体の接種を担当していた所が、職域接種の依頼を受けてモデルナ社製ワクチンを扱うという並列の状況は起こりうると思いますが、その場合には動線をきちんと分けていただいて、管理者その他、分けていただくということになっております。医療機関であるならば複数の医薬品をこれまでも取り扱ってきた経験があるので、そこは大丈夫だろうと思っています。
(問)ファイザー社製ワクチンのことですけれども、現状、モデルナ社製ワクチンを使おうと思って申請した自治体のうち1,200万回分は承認済みで、承認されていないものが1,200万回分まだあると。その承認されていないところの1,200万回分のうちの200万回分でファイザー社製ワクチンを使うということだと思うのですが、だいたいのイメージとして、この200万回分というのは何自治体ぐらいになりそうなのでしょうか。
(答)ちょっとそこはすみません。
(問)もしかしたら出ていたかもしれないですけれども、この200万回分を供給する自治体というのは、承認されていないところの1,200万回分の中からどのように決定するのでしょうか。
(答)7月にスタートする会場の7月分が合計で200万回分です。
(問)あともう1点、別件です。これからファイザー社製ワクチンもモデルナ社製ワクチンもまた引き続き日本国内に入ってくると思うんですけれども、EUの透明化プロセスが確か6月末までだったと思いますが、明日から7月になるということで、これまでどおり、EUからの輸出は1便ずつの承認になるのかどうか、そのあたり大臣の把握している情報を教えていただけますか。
(答)そこは確認します。
(問)精査する作業というのは膨大な量で、すごく時間がかかるものだと思うんですけれども、今週中にその精査の結果をお伝えすると先週からおっしゃっている中で、今日の会見がその精査の結果ということなのでしょうか。それとも、またこれとは別途、もう少し詳しく精査の結果の数字などが出てくるものなのでしょうか。
(答)今日のこの場で今後の見通しをお知らせしたつもりでございます。今週スタートする職域接種会場、来週スタートする職域接種会場がそれぞれ動き始めます。隙間がある所はどんどん入れていくということになりますので、個別にどこがというのはお知らせをしておりませんが、今、動いているものは動かしていこうと思っていますし、後ろの方はいろいろと数字が変わりますので、今後もそれはきちんとフォローして、実は必要なワクチンが3,000回分ではなくて2,000回分だとか2,500回分だというのであるならば、余分な500回分は返していただいて、なおかつ職域接種が終わって、隙間ができたところで次をスタートさせるということは順次やっております。
(問)精査の結果が、精査を続けるということになったかと思うんですけれども、具体的に自分の所が職域接種に参加できるかどうかというのが分かる時期の、ある程度の目途というのはいつぐらいに見えそうか、その精査の結果がいつぐらいに出せそうかというのも言えないという状況ですか。
(答)動き始めるところは個々の企業にお伝えして、「来週、ワクチンを配送します」とか、「この日から接種が開始できるように準備してください」ということは申し上げております。恐らく8月になると枠がもう少し空きますので、もう少し多くの企業にいろいろご連絡をすることができるのではないかと思います。それぞれの申請をしていただいている企業には、承認済み、承認待ちに限らず、定期的に今の状況をお知らせしていきたいと思っています。
(問)これで最後にするんですけれども、企業の中には自治体による接種の方が早そうだからということで、申請を取り下げる企業もあるかもしれないというようなお話を何度かしていただきましたが、そのような企業の自主的な辞退を期待されているということなのでしょうか。
(答)そうなってしまうところはあるとは思っていますが、少なくとも申請していただいている所は何とかスタートできるようにしたいと思っています。ただ、配送限界を考えるとスタートが後ろにならざるを得ないところがありますので、そのようなところは自治体による接種とどちらが早いかを判断していただいて構いません。申請したから必ずこの枠でやってくださいということも申し上げるつもりはないということでございます。

(以上)