河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月29日

(令和3年6月29日(火) 11:17~11:42  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 私からは1件です。昨日、第11回目となります「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」を開催いたしました。議題は、「住宅・建築物におけるエネルギー性能の向上に向けた規制・制度のあり方」のフォローアップでございましたが、7月中に再度開催してフォローアップをしたいと思います。
 また、今週金曜日の午後2時から、12回目となります「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」をオンラインで開催いたします。議題は「バイオマス発電などの再エネ可能エネルギーの拡大に向けた廃棄物リサイクル関連法制のあり方」ということで議論をいただきます。
 これまで同様に、YouTubeチャンネルで配信いたしますので、是非ご覧いただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)ワクチンの職域接種の関連で2点伺います。先週の時点で企業と大学からの申請件数が約3,642万回分に達して、先日大臣が発表された割り当て分の3,300万回分を既に超えています。申請内容に不備があった企業に加えて、申請が遅かった企業等も申請を受け付けできなくなるということになるのか、割り当てから漏れてしまうであろう企業への救済策等、併せて今後の対応をお聞かせください。
(答)今のところ、大学拠点接種の上限が600万回、職域接種の上限が2,700万回ということで、それぞれ調整しております。大学拠点接種につきましては、文科省の方でご調整をいただいております。職域接種については、2,700万回ですけれども、総量というよりは配送限界にきておりますので、総量に収まっても配送ができないという状況がしばらく続くことになると思います。
 なるべく多くの職域接種をやりたいと思っておりますが、今、様々調整をしているところでございますので、今週中には何らかの方針をお示ししたいと思っております。
(問)ワクチンの関連でもう一点。19日に全国知事会がいわゆる緊急提言で、ファイザー社製ワクチンの供給が7月以降急減する実情にあると指摘し、この供給量減少への対応策を求めています。大臣もファイザー社製ワクチンの供給が急激に減少するとのご認識なのでしょうか。また、大臣は先日、飯泉知事との会談で在庫確認の作業を求めました。この進捗状況とワクチン供給量の急減に対する対応策をお聞かせください。
(答)9月末までにファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンあわせて、希望する全国民に接種できる量が入ってまいります。ファイザー社製ワクチンに関して言うと、4月~6月に1億回分入ってきていましたが、7月~9月で7000万回分ですので、総量が3割減るのは事実でございます。自治体によっては接種スピードが速い、遅いがありますから、ばらつきはございますが、今時点で、おそらく全国で平均して、ファイザー社製ワクチンの在庫が80日分ございます[注]。おそらくかかりつけ医は2回目の分がないと、なかなか1回目を打たないという方もいらっしゃると思いますが、2で割っても40日分の在庫が全国平均でございますので、新たな供給がなくても、1か月は打てるということでございます。2週間ごとに1万箱のサイクルで供給する量は7月、8月、9月も入ってくるということでございますので、急減ということはあたらないと思っております。
 ただし、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンで、希望する方全員を打てる量が9月いっぱいで入ってくるわけですけれども、配送のタイムラグとか、あるいは自治体からかかりつけ医にお配りをする期間等がかかりますから、10月のどこかまでで恐らくそれぞれ所定の場所に配送されるということになると思います。これは、全国一律、一定のペースで接種が行われていると仮定をすると、9月末までに必要量が入ってきて、それが配られて、10月のどこかの時点で接種するための所定の場所にワクチンが送り届けられるということになります。
 そのようなことを考えると、みんなが仲良く手をつないで一緒のペースで自治体での接種が進めば、一番早くてそのタイミングで打ち終わるということになるわけです。一生懸命頑張って接種体制を強化してくださっている自治体の中には、9月の中旬頃に打ち終わるというような体制を組んでいただいている自治体もありますし、9月いっぱいで終わりそうだと言っていただいている自治体もあるわけです。これは非常に関係の皆様に感謝を申し上げたいと思います。ただ、その必要量が入ってくるのが9月末で、所定の場所まで配送されるのが10月ということを考えると、例えば全員が9月末で打てる体制を取ったからといってワクチンは配送されて来ませんので、どこかが早く打つということは、接種が遅れている自治体の分のワクチンをそちらへ回して、早く打っていただくということに最終的にはなるわけでございます。
 ですから、これから先はこの在庫を見ながら、在庫の少ない自治体に優先的にワクチンを回していくというオペレーションをやりながら、2回接種すること考えれば、今の40日分の手持ちの在庫が確実に各自治体で減っていって、10月ないし11月のどこかの段階で9月までに入ってきた分がゼロになって、接種完了ということになるわけです。これから手持ちの在庫が増えるということはないと思っていただいて、手持ちの在庫を使いながら打っていただいて、それに対して在庫の少ない自治体に1万箱を割り当てていく。手持ちがどんどん少なくなって、ある時点で供給された量だけでそのクールは打っていただくというところにスピードが落ちるということになります。今まで打ち手を確保すると申し上げてきた山は、もう既に登頂し終わって、ある意味これから先はその山を下山していかなければいけないという時期になるわけです。
 その中で、どのような形で接種体制を維持していただくか、あるいは、接種スピードにばらつきのある中で、現時点では、早く打っている自治体にはなるべくワクチンが弾切れしないように送ることは可能だと思っておりますが、どこかの時点で供給量に合わせて打っていただくという局面になっているということをそれぞれの自治体にご理解をいただかなければいけないと思います。
 接種体制を強化するために、各自治体、各医師会、様々な医療従事者の皆様にご努力をいただいて、恐らく今はもう1日あたり120万回程度は打っているのではないかと思います。実力的にその程度は打っているのではないかと思いますし、それにモデルナ社製ワクチンによる職域接種や大学拠点接種等が加わりますから、恐らく1日あたり百数十万回という接種回数になると思います。この接種スピードがどこまで維持できるかという、なるべく在庫が偏在しないようにやっていくというオペレーションに切り替えていかざるを得ないと思っております。接種体制の確立にご努力をいただいた皆様には、改めて感謝を申し上げたいと思います。今の段階では、接種体制の早い自治体にはまだワクチンを配送できますが、どこかの段階で接種のペースをワクチンの供給と合わせて考えていただく必要が出てくると思っております。

[注]「80日分」については、6月24日時点で、確定している自治体への配送量(7月上旬分を含む。)から、それまでの接種回数を引いたものを、
   直近2週間の接種回数で除することにより、機械的に算出したものです。関係するやりとりについても、こうして算出した数値であることを
   前提としたものです。
(問)確認ですけれども、そうすると、10月のどこかの段階で各市町村、もしくは個別接種のクリニックとかに、全ての接種対象者分のワクチンが行き届くという理解でよろしいですか。
(答)9月末までには必要な量が入ってきますので、たぶん在庫に合わせて送っていくということになると思います。今は、かなりかつかつで特にファイザー社製ワクチンを送り出しています。モデルナ社製ワクチンは配送限界にきていますので、在庫があっても配送限界で出せないというような状況です。そうすると、9月に入ってきたワクチンが、今ですと政府売却されてもうその週には送り出している状況になりますので、今のサイクルでいけば、9月末までに入ってきたワクチンは10月のどこかの時点で自治体向けに配送されるということになります。
(問)もう一点だけです。10月の上旬に入って来た分については、接種の間隔がありますので、配送は11月までかかるということになると思うのですけれども、大臣として接種完了期間は11月までかかるというご認識でしょうか。
(答)そこは、接種率との兼ね合いも当然あると思います。接種率が下がってきて、予約枠が100人あるところに50人分しか予約が入らなければ、当然接種スピードは落ちてくると思いますので、これから先はむしろ打ち手の数、接種体制というよりは、年齢が下がってきたときにどの程度の方が打ってくださるかということで、いろんなものが決まってくるという局面になると思います。
(問)モデルナ社製ワクチンの供給について確認ですけれども、政府は当初6月末までに4,000万回分の供給を受けると。
(答)違います。もう、それはとっくの昔に違っています。何回も記者会見で否定しています。
(問)これは、先週の木曜日の7大臣会合の資料にも上半期に4,000万回、9月末までに5,000万回の契約をしたという資料が出ていますけれども。
(答)違います。
(問)これ自体を否定されるということですか。
(答)違います。
(問)では、正しくは6月末までにどの程度の数が見込めるのでしょうか。
(答)ワクチンの量については、メーカーとの間で公表の合意ができた数字のみ公表しているところです。今、トータルで5,000万回ということです。
(問)では、9月末までに5,000万回というのは変わりなく供給されるということでよろしいでしょうか。
(答)そういうことです。
(問)職域接種の申請についてお伺いします。確認ですが、現時点でまだ申請受付再開のめどは立っていないということでよろしいでしょうか。
(答)精査しているところと申し上げております。
(問)関連でお伺いします。職域接種の申請受付休止を受けて、医療従事者や会場を準備していたものの、ワクチンの配送に遅れが出る懸念があったりですとか、職域接種の実現がかなわないかもしれないということで、不安に思っている企業があります。モデルナ社製ワクチンはそもそも総量に限りがあって、配送量にも限界があるという中で、こうした企業を出さないためにはどうすべきだったとお考えでしょうか。
(答)本当にうれしい悲鳴で、非常に多くの職域接種の申請をいただきました。配送量の限界に来てしまって、配送ができないということでございますので、どのように対応するか、今、検討しているところでございます。
(問)ワクチンの接種スピードについて伺います。昨日、ワクチンの総接種回数が4,000万回を超えました。官邸ツイッターの発表によると、総接種回数が3,000万回を超えたのが21日ですけれども、1週間で1,000万回ほど数字が増えてきているということで、このスピード感というのは想定内のことだったのかというのが1点と、今後、このスピードは加速するのか、それとも少しずつ落ちてくるのかというのをお伺いしたいです。
(答)想定を上回ったと言ってもいいのかもしれません。総理が掲げた「1日100万回接種」という目標を目指しておりましたが、恐らく2週間ほど前に実は1日100万回接種を達成していました。VRSの入力にタイムラグがありますので、そろそろだろうと思っていたら、もう達成していたという状況でした。今や100万回というよりは、今、実力がどれぐらいあるだろうかというところだと思います。
 昨日、ある自治体の方と話をしていましたが、「在庫が厳しい」という話がありましたので、「週1万7,000回接種のペースですよね」と言ったら、「いや、それは1週間前の話で、今や3万8,000回打っています」「2倍以上になっています」と、「ですので、在庫の日数はもう半分です」というようなやりとりがあったりしました。かなり急速に接種スピードを上げてきてくださっているというのと、おかげさまでVRSの入力を進めていただいており、以前よりかなりリアルタイムに近く数日遅れで接種回数のおおよその目安というのが見えるようになってきたと思っております。
 先ほど申し上げましたように、2回目の在庫を取っておくという仮定をおいても、平均して全国平均40日分ありますので、まだこのペースを維持することは当面できると思いますが、だんだん在庫日数が減ってくると、それからたくさん打っている自治体が接種スピードを上げてくると、供給量1万箱という限界がありますので、在庫日数がかなり少なくなってきたところで接種スピードのブレーキを踏むということもあるでしょうし、どこまでこのスピードが維持できるかというのは分かりませんが、総接種回数の3,000万回から4,000万回への増加はかなり速いペースだったと思っております。
(問)もう一点。SNSでワクチンを保管する冷蔵庫や冷凍庫のプラグを抜こうというような投稿が一部で見られておりまして、このような投稿に対する大臣のご所見と、実際に故意にプラグを抜くような行為が判明した場合、どのような対応を取られていくお考えでしょうか。
(答)そのことについては、しっかりと警察とご相談をしていきたいと思っていますし、自治体にもそのような行為あるいは威力業務妨害になるような行為については、警察に速やかに通報、相談してくださいということを申し上げております。もう既に幾つかの自治体では警察に威力業務妨害等のことで相談をしていると承知しております
(問)今の接種スピードの質問と関係するのですが、先ほど大臣は全ての自治体が9月末に終わるという体制を取ってもワクチンが来ないというようなこともおっしゃいました。今までずっと政府は接種のスピードをどんどん上げてほしいということを言ってきて、自治体もとにかく早く打ち終わろうという気持ちで進めてきたと思うのですが、自治体はこれ以上スピードを速めるという考えをとらないほうがいいということなのでしょうか。早く終わらせようという考えではなくて、次の考え方に変えたほうがいいということでしょうか。
(答)今の自治体の接種スピードによると思います。相当早く打ってくださっているところは、我々も可能な範囲で在庫を見ながら供給していきたいと思います。在庫がゼロに近くなったときに、そのスピードを維持できるだけの供給ができるかという勝負になってくると思います。まだ、在庫が実は平均以上たくさんありますという自治体は早く打っていただいて、その在庫をどんどん縮小していただいても構わないと思いますので、そこは自治体によっていろいろなことを考えてスピードを上げる、維持する等考えていただきたいと思います。
(問)つまり、先ほど実際に届くのは10月頃という話もありましたけれども、それぞれの自治体は少なくとも10月頃まではもうかかるという前提でいたほうがいいということでしょうか。
(答)いや。本当に早く打ってしまう自治体は、在庫を見ながらこちらも供給しますので、もっと早く終わる可能性はあると思います。
(問)ファイザー社製ワクチンの在庫は全国平均で、80日分と40日分ということですけれども、この算出方法は市区町村に調査をかけた結果、この数字が出てきたということなのか、それとも単純に機械的に計算して出てきた数字なのでしょうか。
(答)これは、VRSへの入力状況をもとに直近の2週間の数字で在庫を割って、80日間分ということです。VRSは入力にタイムラグがありますので、直近の1週間だけだと入力されていない部分もありますので、いろいろな接種のデータをとりながら、とりあえず直近の2週間の数字で見ております。
(問)最近、1日の接種回数は100万回を越えていると思いますが、80日分ということであれば、100万回×80日分で8000万回分の在庫があるというイメージを持ってしまいますが、そのくらいあるということなのでしょうか。
(答)だいたい、それくらいなのではないかと思います。
(問)2点お聞かせください。まず1点目、職域接種に関してなんですけれども、今は申請内容を精査したり、それぞれの企業や団体とやりとりをしていると思うのですが、これまでに既に承認されていたけれども、政府の方からお断りをした、あるいは配送時期が遅れるのであれば職域接種の承認申請を取り下げたというケースはあるのでしょうか。また、あるとすれば、どれぐらいあるのでしょうか。
(答)今、個別の精査をやっているところですので、まだ私のところに個別の情報は上がってきておりません。少々お待ちください。
(問)それと、もう一点、接種ペースの話です。これまではとにかく接種能力を上げてくれというふうに言っていたけれども、これからファイザー社製ワクチンの供給量が減っていくのと、モデルナ社製ワクチンの配送能力に限界があるということを鑑みて、これからは供給ベースの接種能力に調整していってもらいたいという理解でよろしいでしょうか。
(答)そこは自治体によって違うと思いますし、自治体の中でも在庫がゼロになっているというところはありませんから、これから恐らく在庫は減っていく方向にあると思いますので、それを見ながらこれは自治体でペースの調整をしていただく必要があると思います。まだまだ在庫がたくさんあって、これからペースを上げなければと思っている自治体も当然あると思いますので、これは決して一律なものではないと思います。
(問)自治体からすると、1日100万回接種や希望する高齢者への7月末までの接種完了という、当初は高いと考えていた政府の目標に対して、かなり必死に接種能力を上げていたと思うのですが、それを下げるかどうかは、今度は自治体に委ねるということでよろしいでしょうか。
(答)まだ下げる必要があるとは思いませんが、接種スピードの速い自治体は、これから在庫が減っていくということがあると思います。いずれ、それを見ながらペースを調整していただく必要が出てくると思います。
(問)いつ頃かは一概には言えないということでしょうか。
(答)そこはもう自治体によって差がありますし、自治体もなるべく早く在庫を打ち切って、あとは供給ペースに合わせようというところもあれば、一定の在庫を管理しながら緩やかにやっていこうというところもあるだろうと思いますので、そこは自治体によっていろいろ方針があると思います。
(問)職域接種と自治体による大規模接種会場へのモデルナ社製ワクチンの配分についてです。昨日、埼玉県の大野知事が最優先で大規模接種会場にモデルナ社製ワクチンを配分してほしいという要望をされました。今の時点では職域接種に3,300万回分と大規模接種に1,700万回分の割り当てという数字も示されていますけれども、自治体にモデルナ社製ワクチンを優先的に配分していくというような考えは、今のところありますでしょうか。
(答)方針については、今週どこかでお示ししたいと思っています。

(以上)