河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月22日

(令和3年6月22日(火) 11:33~11:56  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 ワクチン接種後26時間半たちましたが、肩を上げると、ちょっと痛いかなという感じになっておりますが、それ以外は特にありませんので、今のところは副反応もそれだけにとどまっているようです。
 明日、6月23日は、沖縄県の「慰霊の日」です。現地において、沖縄全戦没者追悼式が執り行われます。今年の追悼式も昨年に引き続いて新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑みて規模縮小、県内の招待者のみで開催することとなりました。政府からは菅総理がビデオメッセージをお送りする予定になっております。現地での式典参加はできませんが、改めて戦没者を悼むとともに、沖縄の方々が経験された筆舌に尽くしがたい苦しみを深く心に刻んでまいりたいと思います。
 縦割り110番に寄せられておりました技能実習制度の適正化につきまして進展がありましたので、ご報告したいと思います。先週の6月18日金曜日の夕方、外国人技能実習機構から、「失踪者の発生が著しい送出し機関に対する措置」が出されました。これまでの技能実習生の送出しの状況、失踪者の発生状況等を踏まえ、ベトナム政府にも既に通報しておりますが、5つのベトナムの機関に対して当該機関から送り出される技能実習生の新規受入れを停止する措置が実施されました。
 管理団体や技能実習の受入れを行う企業・団体には、各種申請に十分ご留意していただきますよう、お願い申し上げたいと思います。
この技能実習制度については様々な指摘がなされております。必要な措置を果断に躊躇なく取ることで、技能実習生の方々の人権が守られ、また我が国の経済協力が国際社会の中でも認められることにつながっていくと思います。
 私の下で規制改革・行政改革に取り組んでいる直轄チームのテレワーク状況を報告いたします。東京で緊急事態宣言が解除されたことに伴い、期間中の実績をまとめましたところ、66%と、7割に少し足りませんでした。引き続き、直轄チームにおいてテレワークの促進に取り組んでいきたいと思っております。
 ワクチンでございます。月曜日(21日)の医療従事者への接種回数は19万8,000回、約20万回となり、累計で1,001万回を超えました。累計8県で医療従事者への接種が完了しているということになりますが、当初の医療従事者の数の2倍を既にずいぶん超えております。これから、自治体から、順次一般の方々を含め接種券が送付されることになると思います。今まで医療従事者はV-SYSの接種券付予診票で接種していただいておりましたが、自治体からの接種券が発行されれば、医療従事者も接種券で接種を受けていただきたいと思います。自治体の事務にとって、接種券で接種を受けていただくとVRSで速やかに入力ができますので、ご配慮をお願いしたいと思います。
 高齢者への接種回数は、20日(日曜日)で45万回であり、累計で2,178万回となりました。医療従事者と合わせた接種回数は3,000万回を超えております。
 公表分の増分を見ると、月曜日の公表の増分は、高齢者は金曜日・土曜日・日曜日の3日分ですが、270万回を超えております。
 ファイザー社製ワクチンの配分量でございます。複数の自治体から希望量に達していないという指摘をいただいております。これまでも何回も申し上げておりますが、4月~6月の輸入量約1億回に対して、7月~9月の輸入量は約7,000万回になりますので、第9クール、第10クールの配分量は、当然それを反映した数量になります。ただ、現在累計で3,000万回の接種回数を超えたと申しましたが、自治体等に供給しているファイザー社製ワクチンの総量は約6,000万回でございますので、6月末までに接種回数が4,000万回に達するとしても、今月末までに1億回分が分配されることを考えれば、6,000万回分が在庫として存在するということになりますので、ワクチンが今日、明日にも足りないという事態になることはおよそ考えにくいと思っております。市区町村において、市区町村に配分されたワクチンの接種状況をまずご確認いただきたいと思います。効率的なワクチンの活用を、是非お願いしたいと思います。
 また、都道府県においては、都道府県内の市区町村のワクチンの在庫量を確認して、しっかりと融通できるように調整のリーダーシップをとっていただきたいと思います。
 昨日から本格的に大学拠点接種並びに職域接種がスタートいたしました。申請は3,000件を超えてきております。接種予定人数は申請数で1,400万人を超えてきているところでございます。
 ただ、このモデルナ社製ワクチンは、納品を受けた施設からそのほかの施設への小分け配送が認められておりませんので、納品されたワクチンは全てその施設内で接種する必要がございます。
 実は、申請の中には過大な接種量を申請しているところが散見されて、このままいくと余剰ワクチンが相当数発生する恐れがあるということで、今、職域接種の申請の精査を行っております。貴重なワクチンでございますので、余剰で無駄になるということがないようにしなければいけないと思いますので、精査に若干時間がかかるということをご理解いただきたいと思います。
 また、承認された後、しっかりと連携が取れていなかったところが多々あるようでございまして、お詫び申し上げたいと思います。今、内閣府の方から個別にいろいろご連絡させていただいているところでございます。
 現在、原則1つの接種会場で1種類のワクチンを使うということでお願いをしてございますが、医療機関で自治体の接種をファイザーで受けているところが、余力を使って職域接種を行うという事例が出てまいりました。職域接種は期間が限定されます。それと、医療機関はこれまでの経験でも、複数の異なる医薬品を混同することなくやってこられましたので、現在、ファイザー社製ワクチンで自治体の接種を実施しているところが、職域接種を実施するというときに、一定の期間、職域接種のためのモデルナ社製ワクチンを同じ施設で扱うことを認めることとしたいと思います。
 具体的には、接種を受ける方の動線のフロアが違ったり、あるいは曜日や時間が違うということで、動線が重ならないようにしていただいたり、保管する冷凍庫の設置場所、あるいは管理の責任者・担当者を明確に分けていただくということ、それからワクチンの管理を複数人でしっかり確認するということの徹底をお願いしたいと思っております。
 それから、最後に、注意喚起でございます。今回の新型コロナウイルスに対するワクチンは、国が無料で提供するものでございまして、このワクチンを職域接種等で利用する際に企業が社員から費用を請求することは認められておりません。接種に関する会場を確保したり、医療従事者を確保するために、一部の費用を企業・大学等が自ら負担をするということは差し支えありませんけれども、それをさらに従業員あるいは学生に転嫁して、従業員や学生から今回のワクチン接種にかかる費用を徴収するということはできませんので、ご留意をお願いしたいと思います。

2.質疑応答

(問)職域接種の関連で2点。先ほど大臣は企業がワクチンを必要数より多く申請していないかの精査をしているということですけれども、およそどれくらいの企業で必要数より多く申請しているのか、具体例等があれば教えていただきたいのと、実際にモデルナ社製ワクチンの数量はどの程度余ってしまう恐れがあるのか、精査の進捗状況をお聞かせください。
(答)具体的にどこがどれだけというのを私が個々に把握はしておりませんが、今、チームの方で精査をしているところであります。無駄にならないように、そこはしっかり対応していきたいと思います。
(問)確認です。過度な申請というのは、従業員の規模等よりも一定数多く申請しているという理解でよいでしょうか。
(答)はい、そういうことです。
(問)もう一点。職域接種の関係で、昨日、大臣はテレビ番組で、職域接種だけで1日20万回の接種が今後可能になるのではないかという見通しを示されました。この1日20万回接種はいつ頃達成する見通しなのか、達成に向けての課題、その対応策と併せてお聞かせください。
(答)今、ワクチンの量を含め精査しておりますので、それがどれぐらいの量になるかというのは、現時点ではまだ分かっておりませんが、申請が承認されて、ワクチンの配送が始まっておりますので、そのあたりの数字をしっかり見極めていきたいと思っています。
(問)関連で、職域接種についてお伺いします。今、職域接種の申請が日に日に増えている状況ですが、現状でモデルナ社製ワクチンの供給や配送に問題はないのでしょうか。希望する量が届くようになっているのでしょうか。
(答)無尽蔵にあるわけではありませんので、どこかの段階である程度の上限に来るということはあろうかと思います。様々な状況をきちんと把握しながらコントロールしていきたいと思います。
(問)冒頭で、大臣が、職域接種に関して連絡がうまくいっていなかったところがあったとおっしゃいましたが、具体的にどのような事例が起きたのでしょうか。
(答)かなりたくさん申請をいただきましたので、厚労省の方で頑張って承認をしたわけですけれども、その後の冷凍庫の配送やワクチンの配送に関してご連絡が行き届かずに、いきなり冷凍庫が到着したり、いきなりワクチンが到着するというケースがあったようで、様々な企業・大学の皆様にご迷惑をかけた例があるようでございまして、お詫び申し上げたいと思います。
(問)幾つかお伺いさせてください。まず、先ほどの過大な申請計画のところですけれども、もう少し具体的に、何をもって過大と言うのか、例えば、その取引先の従業員や従業員の家族までを対象にと言っている中で、これは、おかしいだろうというふうに判断したのは、何をもってそういうふうに判断されたのでしょうか。
(答)総接種量と週ごとの配送の数が合わないとか、いろいろな状況がございますので、今、個別に調査をかけているところです。
(問)つまり、これだけの量が来ると言ったのに、もっと短い期間でしか接種できないだろうというような計画になっているということですか。
(答)いろいろなケースがあります。そこは申請を急がれたので、担当者もいろいろとご苦労されたのだろうと思いますが、貴重なワクチンですので、そこはちゃんと精査したいと思います。
(問)それともう一点。先ほど従業員や学生に、ワクチンの接種に係る費用を転嫁することがあってはならないというふうにおっしゃいましたけれども、これは何か懸念するような材料があったのか、また、仮にそういうことが発覚した場合に、政府としてはどのように対応していこうとお考えでしょうか。
(答)そういうことが起こらないように、きちんと気を付けていただきたいと思います。
(問)モデルナ社製ワクチンとファイザー社製ワクチンの併用の件で伺いたいのですが、これは、医療機関に対してモデルナ社製ワクチンとファイザー社製ワクチンの併用を認可するという理解でよろしいでしょうか。
(答)現時点で、自治体のワクチン接種を担っていただいている医療機関が、余力があって職域接種の手伝いをお願いされたり、大学の拠点接種の手伝いをお願いされているというようなところがありますので、医療機関であるならば、これまでも複数の医薬品を混同することなく使っていることだろうと思いますので、そこは明確に動線を分けていただいて、併用していただいても構わないということです。
(問)もう、ガイドライン等を示されていらっしゃるという形になるのでしょうか。
(答)これは何らかの形で、これから通知が出ます。
(問)それともう一点ですが、大学の接種に関しては、「大学拠点接種」と先ほど大臣はおっしゃっていましたけれども、これからそういった呼び方をされていくということですか。
(答)萩生田大臣から、「大学拠点接種」と呼びたいというお話もありましたので、「大学拠点接種」と「職域接種」ということで呼び分けることになります。大学でやっているのに、職域は変だろうというご意見もありましたので、そこは職域接種と大学拠点接種という呼び方にしたいと思います。
(問)職域接種でワクチンを余らせると、何か罰則はありますでしょうか。それから、費用を徴収した場合に罰則がありますでしょうか。私のところに来た職域接種のお知らせには、「本人の社員と同居の親族」と書いてあるのですが。親族と言っても、例えば別居している子供が帰ってきたら、その子供と一緒に打ったりするとか、とにかくたくさん打てばいいと思うのですが、そのあたりはかなり緩く、多くの人に打っていただけるという、罰則はないという判断でよいでしょうか。
(答)ワクチンの必要量を明確にしていただく必要はございます。現時点で、冷凍庫に一度入れてしまうと、そこから再輸送ができませんので、もし余ってしまった場合は何らかの対応を考えないといけないと思っております。本当に余ったら、その地域の警察官にそこで打ってもらうとか、いろんなことを考えざるを得ないのかなと思います。
(問)先ほど、大臣は、ワクチンは無尽蔵にあるわけではないので、どこかの段階である程度の上限に来ることはあろうかと思うと述べられましたけれども、現在、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンの、2つのワクチンを使っていますが、例えば途上国等に供与しているアストラゼネカ社製のワクチンであったり、さらにはほかの会社のワクチンを、今後、現役世代に接種することというのは可能性としてはあるのでしょうか。
(答)ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンで9月末までに必要量は確保できておりますが、在庫が偏在すると、余っているところと足りないところが出るというようなことがあり得ると思いますので、そういうことがないように、在庫の管理はしっかりやっていかないといけないと思います。そういう意味で、そこはしっかり見ていきたいと思います。
 アストラゼネカ社製ワクチンについては、ワクチンそのものは承認されておりますので、予防接種法上の接種をどうするか、これは厚労省の方で検討されていると思っております。
(問)冒頭、慰霊の日のお話がありました。沖縄は終戦後、米軍の統治下に入りまして、その状況が26年間続いて、本土復帰する時に社会資本の整備がなかなか追い付いていないというところから、沖縄振興策もスタートしているという経緯があります。大臣もご存じのことかと思いますけれども、改めてその沖縄振興策を今後どのように取り組んでいくか、お考えを聞かせていただければ幸いです。
(答)これから先のことについては白紙でございますが、沖縄県としっかり、あるいは県内の自治体ともご相談をしながら、しっかり検討をしていきたいと思っています。
(問)職域接種でワクチンが余った場合には、もちろん公務員の方や警察官に接種するというのもよいと思うのですけれども、ある程度そこは、ワクチンが余りそうになったら希望者が打てるようにして、ワクチンを余らせないということはもう既に考えておられるのでしょうか。それは、病院等で医師の判断である程度緩くやって、とにかく全部打とうというお考えなのでしょうか。
(答)もちろん、ワクチンは貴重ですから、全部打つのが当然のことだと思います。

(以上)