河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年5月25日

(令和3年5月25日(火) 9:58~10:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 まず、「行政事業レビュー」の「公開プロセス」を5月28日から6月29日までの1か月をかけて実施いたします。今日の閣僚懇におきまして、私から、公開プロセスを通じて各事業の在り方の再検討を行い、その結果を概算要求に反映してくださいということを申し上げました。外部の有識者の視点から、無駄の削減だけでなく、政策をしっかりと磨き上げていただきたいと思っております。
 各府省、インターネット中継も実施いたしますので、多くの国民の皆様にご覧いただけたらと思います。
 2つ目です。縦割り110番に、ハローワークにおける失業給付金の手続の簡素化についてのご要望をいただいております。厚労省においてこの度、対応していただくことになりましたので、ご報告申し上げたいと思います。
 教育訓練支援給付金を受けながら看護学校に通っている方から、「2か月ごとに受給継続の手続をハローワークで行わなければいけなが、授業の合間にわざわざ居住地のハローワークで手続を行っていて負担になっている。学校近くのハローワークで手続をできないか」ということが110番に寄せられております。
 雇用保険法の施行規則によれば、原則、手続は居住地のハローワークで行うわけですけれども、本人の申出があって、所管のハローワークが認めた場合には、ほかのハローワークでも手続を行うことができるとされており、今回、話題になっております教育訓練給付金の受給継続手続もこうした取扱いが可能であるということが確認できましたので、2月15日付で全国のハローワークに対して改めて周知しておりました。
 ところが、直轄チームで念のために6か所のハローワークに電話で確認をしたところ、いずれもそのような対応はできないという回答でございましたので、厚労省の周知の内容がハローワークに全く周知徹底されていないではないかということになりました。
 そこで、厚労省の方から、受給者に渡している『受給者のしおり』という冊子に、こうしたケースではそのような対応が可能であるということを明示する改訂を8月に行うことになりました。また、もう一回各ハローワークに、受給者から希望があった場合には対応するように周知徹底いただくことにいたしました。
 こうしたことがハローワークでなかなか徹底されていないというのは困ったことでありますので、そこはきっちりやりたいと思いますし、以後、この冊子に明記しますので、もしハローワークが「不可能」と言った場合には、受給者の方がこの冊子を示して「いや、できるはずだ」と言えることになりますが、そのようなことにならないようにハローワークには徹底していただきたいと思います。
 ワクチンでございます。医療従事者が680万回弱、高齢者等は230万回強でございます。合わせて900万回を超えてまいりました。
 閣議前に総理、官房長官、田村大臣、西村大臣と私で、接種促進のための財政支援について、及びワクチン接種の職種の拡大について議論させていただきました。具体的には官房長官会見で発表があると思います。
 また、近く、厚労省に通知を出してもらうことになりますが、今、コロナ対応でオンライン診療が特例的に解禁されている部分もございますので、ワクチン接種についても、ワクチンの予診についてはオンラインや電話が活用可能でございます。接種の後の健康観察が必要ですから、その体制は取ってもらわなければいけませんけれども、予診につきましてはオンラインや電話で医師等により対応をしてもらいやすくなると思いますので、オンラインや電話の活用も各自治体でしっかり検討していただきたいと思っております。
 市区町村でいまだに余剰ワクチンの問題で廃棄をしているというところがあります。繰り返し、最後は接種券の有無にかかわらず無駄にせず接種してくださいというお願いをしてございます。もう一回厚労省から通知を出しますが、4情報、接種期日、ロット番号等を記録しておいていただければいいわけですので、繰り返しますが、貴重なワクチンを無駄にすることがないようにお願いしたいと思います。
 ワクチンの供給についてですが、高齢者約3,600万人が2回打つのに十分な量のワクチンを6月末までに各市区町村に配送するということは既にお知らせをしてございますが、7月以降の供給量につきましては、およそ一月前に供給量が分かるようになるはずでございますので、一月前に各自治体にお知らせをできるようにしていきたいと思っております。
 高齢者の接種にめどがついたところから、順次基礎疾患をお持ちの方への接種に移っていただくことになります。早ければ5月中にもそうした自治体が出るのではないかと思っております。
 また、モデルナ製ワクチンにつきましては、大規模接種会場を中心に供給をしてまいりたいと思っております。
 それから、中山間地での個別接種についてです。高齢者への接種については、それぞれの地域で実情に応じて進めていただいております。例えば、まずは集団接種からスタートし、その後に個別接種をする地域もあると聞いております。他方で、例えば山間部等では、高齢者から、「移動が難しく地域のかかりつけ医で接種してほしい」という声が多いところもあるようでございます。集団接種を行う地域においても、地域の開業医の方の中で個別接種が可能だと考えている方がいれば、是非自治体に申し出をしていただきたいと思います。集団接種が行われている一方、高齢者の移動が難しい山間部などで、クリニックが個別接種でその地域の高齢者に接種しますということを申し出ていただくのは非常にありがたいと思っておりますので、是非お願いしたいと私からも申し上げたいと思います。その場合、市区町村におかれては柔軟に対応していただいて、高齢者が安心して接種できる環境をつくっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 また、ワクチン接種について、いろいろな自治体において、いろいろ創意工夫をしていただいております。官邸のツイッターで、ほかの自治体の参考になりそうな好事例をご紹介しております。自治体の皆様におかれましては、「うちもこういうことをやっているぞ」というのがあれば、是非お寄せいただきたいと思います。
 それから、接種を受けた方が日々の健康を記録したり、ワクチンの様々な情報をもらったり、あるいは有害事象を報告したりというアプリが製薬会社とアプリ開発会社の共同で開発されたものが提供されております。ワクチン接種を受ける方の利便性の向上を目的としたものでございますので、そうしたアプリを含め利用いただきたいと思います。
 それから、高齢者向けの接種ですが、いろいろな会場で接種が始まり、接種会場件数も増えてきている中で、VRSのタブレットの操作に関するコールセンターへのお問い合わせが増えてきております。VRSの操作方法やOCRラインの読み取りについて分かりやすく解説をした動画がございます。現場で使っていただくための動画でございますので、分かりやすく作成をされていると思います。特に立ち上げたばかりの会場で、基本的な操作に関する問い合わせがコールセンターで増えてきておりますので、一度この動画をご覧になっていただきたいと思います。再度ご案内いたしますので、是非ご覧いただいて、円滑に準備を始めていただきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)冒頭にご紹介のあったオンライン予診の解禁ですけれども、厚労省の通知の時期と、実際にこのオンライン予診が始まる運用開始の時期の見通しをそれぞれお聞かせいただきたいのと、大臣としては、このオンライン予診で薬剤師の方々を活用する選択肢はないのか。そうした予診のオンライン化による実際の効果や期待と併せて、それぞれお聞かせください。
(答)もうオンライン診療はコロナ特例で解禁されておりますので、今でもオンライン予診は可能でございます。もう一回それを周知するための通知を厚労省からなるべく早く出すようにしたいと思っております。
 オンラインで予診をやるということで、医師が現場に足を運ばなくて済むようになりますので、予診に加わってくださる医師の数が増えるのではないかと期待をしているところでございます。
 薬剤師には、予診のサポートをお願いしているところでございますので、現時点でまだ薬剤師の予診そのものがOKというわけではございませんが、打ち手、予診について、今後も検討していきたいと思っております。
(問)もう一件です。自治体による大規模接種について、政府が把握している最新の検討状況、自治体数、会場が分かれば教えていただきたいのと、神戸市や名古屋市ではファイザー製ワクチンを使用するようですけれども、この点の問題はないのか。また、そもそもこの自治体独自の大規模接種の定義を大臣はどう認識されているのか、お聞かせください。
(答)今、どれぐらいになっているか、手元に資料がございませんので、確定したものについては順次発表してまいりたいと思っております。
 そもそも自治体はファイザーのワクチンで集団接種を行っておりますので、ファイザーで集団接種を行うのに何の問題もございません。
 一応、整理のためにモデルナを使うものを大規模接種と言っておりまして、ファイザー社でやるものを個別接種、集団接種と呼んでおります。大規模接種といっても規模に差がありますが、大規模接種と言わずにモデルナ接種と言った方がいいのではないかという声もあるのは承知しております。今のところは、モデルナを使う方を大規模接種、ファイザーを使う方を集団接種と言っておりますが、あまり大勢に影響はないと思います。特に意味はございません。集団接種の方が大規模接種より大きなケースもあるかもしれません。
(問)今のオンラインでの予診について教えてください。これは、接種を受ける人があくまで会場に行って、会場からオンライン上でつながっている医師と話をするということをイメージされているんですか。
(答)そういうことです。逆のケースだと、電話だとワクチンは打てませんから、受ける方は会場に行っていただかないと駄目なので、予診をする医師が遠くにいて予診をするということになります。ですから、医師が足りないような自治体があれば、遠くにいる医師に予診をやっていただくということも可能になるだろうと思います。
(問)冒頭に紹介のあったハローワークの手続について確認ですけれども、これは110番に要望が来たと。厚生労働省の見解では、既存の規則の中でできるというふうに通知を出したんだけれども、確認してみたら徹底されていなかったという理解でよろしいですか。
(答)そういうことです、はい。
(問)併せて、では、どうしてこういうことが起きたのかという原因については、どうお考えでしょうか。
(答)不思議です。そこはもう一回通知を出して、徹底してもらうと同時に、受給者側にもそれが分かるように『受給者のしおり』に明記しますので、そちらに明記されれば、ハローワークの方も、もうちょっと認識が出てくると思います。
(問)オンラインでの予診の件ですけれども。これはもともとできたということですけれども、既にやっている自治体というのはあるのでしょうか。
(答)すみません。ちょっとそこまで把握していないです。
(問)これを今回改めて周知しようと思ったのは。
(答)医師がいません、足りません、という自治体がありますので、こういうやり方で予診ができるということは、しっかり通知をしてお知らせしていきたいと思います。
(問)今まで伝わっていなかったというか、自治体がやれると思っていなかったというのは、なぜなのでしょうか。
(答)オンライン診療はコロナ特例で解禁されていますので、やろうと思えばできますが、それはもう一回できますということを周知徹底していきたいと思います。
(問)ワクチン接種の順番について伺います。現在、高齢者、基礎疾患を持つ者、施設従事者の後に一般の方の接種ということになっているかと思うのですが、今後、65歳未満の世代に対しても同時並行で接種をしていくというお考えはありますでしょうか。
(答)優先順位については厚労大臣にお尋ねください。
(問)重ねて、職域接種についても伺いたいのですが、打ち手の確保や会場の設置などで費用が発生した場合、職域接種を行う企業に対して自治体と同じように国が費用を負担するというお考えはありますでしょうか。
(答)このワクチン接種は国が負担をするということになっておりますので、当然そういうことも検討してまいります。
(問)2点伺いたいのですが。6月以降の供給量ですが、一月前にお伝えするということだったと思うんですが、これは1か月分を伝えるというイメージになるんでしょうか。
(答)いや、ローリングで1か月前にお知らせするということになると思います。
(問)もう一点なのですが。5月中に持病のある方に移る自治体も幾つかあるというふうにおっしゃったと思うのですが、これは把握されている限りで結構ですが、幾つぐらい把握されていますか。
(答)もう既に2回目の接種が7割を超えている自治体が複数ございますので、恐らく次に配送されるワクチンで基礎疾患をお持ちの方に接種を行うことは可能だと思います。具体的に接種券の配送をどうされているかというところまで細かく把握しているわけではございませんが、もうできるところは幾つかあるはずです。
(問)オンライン予診について追加でお伺いします。医師の偏在という、地域によってはそういった地域もあると思うんですけれども、こういったオンライン予診をやる場合は、地域を超えて医師が別の地域の予診をするというようなことを想定されているんでしょうか。
(答)そういうことも可能です。

(以上)