河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年5月21日

(令和3年5月21日(金) 9:15~9:36  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 まず、来週の月曜日の5月24日午後4時から、今回もオンライン形式になりますが、第9回目となります「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」を開催いたします。テーマは「水循環政策における再生可能エネルギーの導入の促進」ということで、ダム、小水力等を取り上げます。また、風力発電、地熱発電の導入拡大に向けた森林の有効活用についてもフォローアップしてまいります。YouTubeチャンネルで、これまで同様にご覧いただくことができます。
 ワクチンについてです。5月20日までで医療従事者への接種回数の累計が620万回弱となりました。480万人といわれている医療従事者の約8割が1回目の接種を終えられました。高齢者は、19日水曜日までの実績で、累計約160万回弱です。
高齢者のワクチン接種、それから医療従事者のワクチン接種は、それぞれVRS、V-SYSで入力をしておりました。医療従事者につきましては接種券がありませんので、これまでどおりV-SYSで回数の入力を引き続きお願いいたしますが、高齢者接種につきましてはVRSで記録が取れますので、V-SYSへの入力は必要ないということで、今般、各市町村からの報告はVRSにタブレットで入力していただくことで結構ですということで、高齢者に関してはV-SYSの入力を廃止したいと思います。接種にかかる費用請求の事務については、引き続きV-SYSをお使いいただけます。医療従事者については、V-SYSの入力を引き続きお願いすることになります。
 ワクチンの供給は、6月末までに高齢者接種のための必要回数を送り出すことになっておりますので、自治体への医療従事者の人的資源の方のサポートが必要になっているという状況にあります。まず、公的病院・大学病院等について、接種に必要な医療人材の送り出しをお願いしてございます。兼業が禁止されているところはございませんので、医師・看護師、あるいは薬剤師から、接種への協力の申し出があれば、直ちに許可して送り出していただきたいと思っております。積極的に自治体に人材協力をしていただきたいというお願いをしてございます。
 厚生労働省の「医療のお仕事Key-Net」というマッチングのサイトがございますが、今、2,630人の医師の方に登録いただいております。それから、都道府県の看護協会の「ナースセンター」で、全国で4,000人を超える方々がワクチン接種の講習を既に受講されております。ワクチン接種にご協力いただける方がそろっております。また、民間の職業紹介事業者、医師・看護師のマッチングを行っている企業もありまして、かなりマッチングが成功し、医師については今のところ100%と聞いております。こうした医療人材を確保して、接種時間あるいは接種日数を増やしていただく、あるいは集団接種でもう1レーン、2レーン増やしていただく、そういうことが可能な状況にございますので、是非、自治体には接種のスピードアップをお願いしたいと思っております。
 変異株の拡大が各地域で見られ、緊急事態宣言の拡大が行われている中、高齢者接種に限らず、その次の現役の接種のスピードアップというのも必要になってくると思われますので、まずは高齢者2回接種をスピードアップしていきたいと思っております。自治体におかれては、こうした医療人材に積極的に働きがけをしていただいて、スピードアップをお願いしたいと思います。
 昨日、厚生労働省の審議会で、モデルナ及びアストラゼネカ製ワクチンを承認して差し支えない、という結論が出たわけでございます。今日、ワクチン分科会が開かれて、様々な条件などが決まるということでございますので、モデルナ製ワクチンを使った大規模接種を来週の月曜日から、自衛隊による東京、大阪をはじめ、愛知県2か所、群馬県、宮城県等でスタートする予定となっております。その後も、大規模接種会場は順次拡大してまいりますので、積極的に都道府県あるいは政令市、あるいは必要ならば幾つかの自治体の組み合わせということも考え得ると思いますので、積極的な大規模接種の拡大をお願いしたいと思います。
 今日から新しいワクチン接種のテレビコマーシャルが放映されることになります。予約が取れなくてもワクチンは必要量が確保されているのでどうぞ安心してくださいということと、発熱などの副反応が出ますが、それをあらかじめご承知おきいただいて、体調を整えて打っていただきたいということでございます。もちろん、当日の体調が悪ければ無理せず、それでもワクチンの必要量はございますので、無理しないでいただきたいと思います。
 貴重なワクチンでございますから、有効に活用していただきたいと思っております。既に厚生労働省からも通知を出しておりますが、医療従事者や接種券を持っている人を優先して打っていただいて、それでもワクチンが余る場合には、自治体においてしっかり対応していただいて、貴重なワクチンを無駄に廃棄することがないようにと、強くお願いしているところでございます。
 幾つかの自治体、保健所等で、接種券がない者には打てないという誤った指導を行っているところがございます。そうした誤った指導の結果、貴重なワクチンが廃棄されているというのは極めて許し難い状況だと思います。保健所なり自治体の関係の皆様は、認識を新たにしていただいて、16歳未満の方には打てませんけれども、接種券の有無にかかわらず、しっかりと記録だけ取っておいていただければ、後日接種記録を入れていただければよいだけの話でございますので、貴重なワクチンが廃棄されることがゆめゆめないように、しっかりと対応していただきたいと思います。
 何かその件で問題が起きれば、これは私が責任を取ります。町長さんが先に打ったとか、何かいろいろなことで批判をされて、批判を恐れて廃棄をするというようなことがないように、自治体の裁量で廃棄をしないで有効活用してほしいと申し上げておりますので、自治体がやったことで批判があれば、それは私が責任を取ります。どうぞ遠慮せず貴重なワクチンを使っていただきたいと思います 。

2.質疑応答

(問)ワクチンの関係です。先ほど言及のあったモデルナ製ワクチン接種の24日からの各大規模接種会場での始動ですけれども、おっしゃられた宮城、群馬、愛知同様に、今後も自治体独自の大規模接種会場にはモデルナを使用していくという見通しでいいのかというのと、大臣は先日30自治体が大規模接種を検討されているとおっしゃいましたが、現時点でこの30のうち幾つの会場で早期にモデルナを使って会場運営が開始できる見通しか、この点をまずお聞かせください。
(答)大規模接種については、モデルナを流していきたいと考えております。具体的に作業が進んでいるものもございますので、確定次第お知らせしていきたいと思います。
(問)関連です。正式承認は今日ですけれども、アストラゼネカなんですが、こちらはモデルナとは異なり、使用予定等が明確になっていません。現時点でどのような使用方法が選択肢と挙げられるのか、大臣の想定をお聞かせください。
(答)恐らく今日のワクチン分科会で様々なことが議論されて決まってくると思いますので、それを見た上で考えてまいりたいと思います。
(問)もう一点です。モデルナなんですが、例えば今後は企業内接種等も検討されているかと思いますが、自衛隊や自治体の大規模接種会場以外の使い道については、モデルナはどのように想定されていますでしょうか。
(答)今、様々検討しておりますので、確定次第お知らせしたいと思います。
(問)関連して、大規模接種センターの24日からの開始の先ほどおっしゃっていた愛知と群馬と宮城、愛知が2か所、群馬が1か所、宮城が1か所で、計4か所ということでよろしいですか。
(答)4か所です。
(問)それと、これも関連してなのですが、昨日の専門部会でモデルナとアストラゼネカの特例承認の了承がされたということで、これまでモデルナについては承認の前提で体制を組んでいたと思いますけれども、改めてこの3種類が出そろったということで、どういうふうに体制が変わっていくか、今後の加速へ向けての焦点というのは何か、教えてください。
(答)ファイザーを自治体にお配りしておりますが、モデルナを使った大規模接種でスピードアップをしていただきたいと考えております。
やはり変異株の感染拡大というのが非常に大きなことになっておりますので、ワクチンの接種を希望される一人でも多くの方に一日も早く打っていただくというのがさらに重要になってきていると思います。総理は7月末とおっしゃっておりますが、自治体によってはかなり早く次のフェーズに移行できるところもございます。そういうところにおいては、積極的にスピードアップして、次のフェーズに入っていっていただきたいと思います。
(問)19日の自民党沖縄振興調査会で、沖縄担当大臣のご経験もおありである細田博之元官房長官から、新型コロナへの県の対応に関連して、「国の政策に頼るべきではない」、「沖縄県民らしくない」等のご発言がありました。また、「一国二制度でよい」とのご見解も述べられて、県内外で賛否の声が上がっておりますが、沖縄担当大臣としてこのご発言へのご所感をお願いできればと思います。
(答)報道は見ていますが、正確な内容を把握しているわけではございませんので、コメントは差し控えます。
(問)先日、玉城知事と沖縄振興計画の関連での会談をされていると思うのですが、冒頭に頭撮りはありましたが、改めて知事の要請に対する受け止めと、どういったお話をされたのかというのをお伺いできればと思います。
(答)現時点ではまだ先のことについては白紙でございますが、沖縄の声をしっかりと伺いながら計画を詰めて、何をするか詰めていきたいと思っております。
 本当なら3回ぐらい沖縄に行っているはずですが、残念ながらこのコロナの状況でたびたび出張を取り消しております。沖縄の皆さんの声をしっかり聞きながら、データとエビデンスに基づいた議論をしっかりとやってまいりたいと思います。
(問)モデルナの副反応についてなんですが、これまでファイザーについてはこういう副反応が出るというような紹介がいろいろとあったと思うのですが、今回、モデルナを使用されるに当たって、改めてファイザーとちょっと違ってこういうものがあるんだよという、何か呼びかけみたいなものがありましたらお聞かせください。
(答)今日の分科会後に厚生労働省から様々発表があると思いますので、積極的に週末も含め広報していきたいと思っております。
(問)それと、冒頭で貴重なワクチンを廃棄しないようにというお話があったと思うんですけれども、例えばどのぐらいのケースで、何件ぐらいそういう看過し難いケースがあったというような把握を大臣の方でしているか、どういう背景があるのか教えてください。
(答)1件でも看過し難いと思っております。とにかく貴重なワクチンですから、無駄にしないようにやっていただきたいと思います。
(問)今の発言に関連してなんですが、これはあくまでも医療従事者と接種券を持っている方を優先的に接種した上で、その後は自治体の判断でという理解でよろしいですか。
(答)そこも含め自治体の判断だと思います。
(問)それと、もう一点です。先ほどあったV-SYSの入力の件ですが、これは一般の方について移行した時も入力不要になるという理解でよろしいですか。
(答)そう考えていただいて構いません。VRSにタブレットで入力したデータが全部取れておりますので、V-SYSの入力は二重になります。ただ、医療従事者に関してはV-SYSでデータを収集するしか方法がございませんので、医療従事者についてはV-SYSの入力を引き続きお願いいたします。
(問)今日、アストラゼネカとモデルナに関しての承認が出るかもしれないということですが、改めてですが、こういった使えるワクチンが増えることの意義を教えてください。
(答)スピードアップしていくために使えるワクチンの種類・量が増えるというのは、私からしてみると非常にありがたいことでございますので、しっかり対応していきたいと思います。
(問)アストラゼネカのワクチンについては、血栓などの関連が指摘されている事例もありますけれども、そもそも日本国内で使うことは想定されているのでしょうか。
(答)今日のワクチン分科会で様々議論がされると認識しておりますので、厚生労働省の決定を待って私の方は動きたいと思います。
(問)決定次第では、使わないということも想定した上で、ロジであったり供給体制等は考えていらっしゃるということですか。
(答)これから議論されるでしょうから、その決定を待ちたいと思います。
(問)大規模接種で、大臣は先ほど「必要なら幾つかの自治体の組み合わせもあり得る」というご発言があったかと思います。これは、都道府県・政令市に限らず、一般市町村でも複数の自治体の合同という形なら大規模接種会場が可能という認識なのか、この辺をもう少し詳しく教えてください。
(答)まだそういう事例は要望として上がってきているわけではございませんけれども、必要ならばそういうことも検討していかなければいけないかなと思っております。
(問)ワクチンに関してですが、認知症のご老人や障害などがある方、つまり自身で意思表示ができない方のワクチン接種について伺います。先日、弊社に、函館市に在住の方から次のような情報提供がありました。その方に市の方から「新型コロナワクチン事務処理の手引き第1版」というものが送付されてきて、その中に、「本人の意思が確認できない場合は接種できません。たとえ家族の了解があっても本人の意思を確認できないなら接種はできない。また意識障害だけでなく認知症などで本人の意思が確認できない場合も接種できない」との記載があり、その理由はアナフィラキシーなどの重篤な副作用に関するリスク承諾をご本人ができないからとのことでした。この方は、「これまでインフルエンザワクチン等はご家族の同意と責任の下で接種を行ってきており、今回も同様に行えるのでは」と反論したものの、「そもそも他のワクチンもご本人の意思が確認できない場合は接種できないことになっており、今回は厳格に適用したまで」との返答だったようです。
 このような事例は全国的に起こっているのではないかと推察しますけれども、介護老人保健施設の本人の意思確認ができない認知症状態のご老人等がワクチンを打てないのであれば、施設でのクラスター発生は今後も避けられないのではないでしょうか。
 また、今後、一般の方の場合でも、後見人の必要な、判断力の不十分な方々にも同様の問題が発生するのではないかと考えますけれども、河野大臣のご見解をお聞かせください。
(答)どこの自治体ですか。
(問)函館市です。
(答)確認してお返事します。

(以上)