河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月30日

(令和3年3月30日(火) 8:59~9:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 幾つかございます。まず、「縦割り110番」で御要望いただいておりました「ドローンの飛行に関する航空法上の許可基準の改正と手続の合理化」が行われました。
 まず1つ目は、目視外の高高度、目視外の飛行で高度150メートルを超える場合には、これまではいかなる場合も補助者を配置するルールになっておりましたが、例えば山がうねっているときに、ドローンを真っすぐ飛ばすと、うねっている部分の谷のところは150メートルを超えてしまうようなことがございました。こういう場合、あるいは高い構造物をドローンで安全性の点検などをやるために、この構造物の周りだけを飛ばすというような場合には、必要な安全対策を講じれば高度150メートル以上を補助者なしに飛行させてもよいということになりました。
 必要な安全対策、これまでは飛行前に現場を確認しろとか、立入管理区画を設定して立て看板を設置しろとか規定されておりましたけれども、例えば災害が起きたときは、人が入りにくいからドローンを飛ばして現場を見たいのに、飛行前に現場を確認しろとか、立て看板を設置しろとか、それができないから飛ばしたいのではないかという要望もございました。
 今日から、飛行経路の直下、あるいはその周辺に第三者が立ち入る可能性が極めて低く、飛行前の現場確認とか立入管理区域の設定が難しい場合には、看板の設置などの対策が不要となります。この改正によって、災害時の被害状況の確認にドローンを使うということが普通にできるようになると思います。
 それから2つ目です。目視外の状況での物件の投下ですけれども、これまで目視外で荷物を切り離すときは、補助者を配置するか、一度ドローンを着陸させて荷物をおろしてということになっておりましたが、ドローンによる荷物の配送がこれから頻繁に行われるということを想定して、荷物を切り離す場所、あるいはその周辺の立入管理区域を設定すれば、高度1メートル以下で荷物を切り離すときに補助者の配置は要らないということになりました。
 それから、手続の合理化です。これまでは、インフラの点検のときもいろいろございましたけれども、今日、国交省がインフラ点検の際の飛行マニュアルをホームページで公表いたします。このマニュアルに沿って安全対策が行われる場合には、許可申請の審査が一部省略されるということになります。
 それから2つ目、物件管理者への手続の有無の明確化です。これまでは、道路の上、河川の上、港の上、国立公園の上など、ドローンを様々に飛ばすときに、航空法や電波法の飛行許可以外に、それぞれの管理者に飛行許可を求めなければいけないのかどうか不明でございました。整理がされておりませんでした。
 内閣官房の小型無人機等対策推進室と私のところの直轄チームのメンバーが手続の洗い出しと所管官庁との調整を行った結果、今日、ガイドラインをホームページで公表いたしますけれども、ドローンが単に上空を通過する場合、道路交通法、道路法、河川法、自然公園法などでは、原則管理者への手続は不要という整理をいたしました。
 このような手続の簡素化、あるいは許可の改正でドローンが今後もっと様々な用途に活用されることになると思います。
 今後、航空法、電波法、その他、まだいろいろな手続をしなければいけないものがございますので、今、官民あわせて航空法、電波法などの手続のオンライン化とワンストップ化をやるように進めていきたいと思っております。独自にああしろ、こうしろと言っている手続がありますが、そういうものもワンストップ化できるようにしていきたいと思っております。
 今回、国交省、内閣官房、いろいろと御尽力いただきましたので、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 2件目です。公務員制度担当大臣としまして、「令和2年度ワークライフバランス職場表彰」についてご報告します。業務、職場環境の改善に向けて創意工夫に優れた取組を表彰しております。毎年度やっております。
 地方機関も含め、今年度は、各府省から132件の応募がありました。国家公務員制度担当大臣賞として6件、内閣人事局長賞として6件を決定いたしました。今、そこにもパネルを飾らせていただいています。
 現場の管理職が実務について問題意識を持って改善を図っている、マネジメントをきちんと行うということで、事務負担の軽減、超過勤務の縮減に大きな成果が上がるということが示されております。様々な取組をこれからも応援してまいりたいと思っておりますし、横展開することで働き方改革につなげていきたいと思っております。
 3件目です。これも表彰でございます。沖縄の魅力を全国に発信することを目的といたしまして、インターネットサイト「OKINAWA 41」というものを内閣府が運営しております。このサイトで運営していました令和2年度の「フォトコンテスト」と「かりゆしウェアデザインコンテスト」に関して、最優秀賞(大臣賞)を決定いたしましたので、発表したいと思います。
 まず「フォトコンテスト」の最優秀賞ですけれども、題して「マジックアワー」、これは竹富町在住の上勢頭輝さんに撮影していただきました。「マジックアワー」、何となくそういう感じが出ているかと思います。これは審査委員会で最多得票でございました。
 次に「かりゆしウェアデザインコンテスト」の最優秀作品です。題して「島バナナパラダイス」、バナナがいっぱい出ています。ピンクのバナナ、白いバナナ、青いバナナ、黄色いバナナ、いろいろございます。うるま市在住の兼城柊子さんのデザインでございます。今度の「かりゆし閣議」に着ていかなければいけないかな。ちょっとサイズが合わないな、ちょっと小さい。
 この「フォトコンテスト」は、昨年の5月から今年の1月までに計517作品の応募をいただきました。「かりゆしウェアデザインコンテスト」は、昨年10月から今年1月の間に、合計して312作品の応募をいただきました。応募をいただいた大勢の皆様に改めて感謝申し上げたいと思います。
 最後にワクチンをやります。日曜日に、小林補佐官がテレビで「ワクチンを国民が選択できる」と発言されましたが、完全に勇み足でございます。ワクチンの接種をするかどうかの選択はできるわけでございますが、現在、ワクチンはファイザー1社しか承認されておりません。今後、もう2社承認が予定されておりますが、それをどのような形で接種していくか、今、戦略を検討しているところでございますので、まだ何も決まっておりません。勇み足の発言を撤回し、お詫び申し上げたいと思います。
 医療従事者用の優先接種で数多くの通知が出されておりまして、自治体にしっかり伝わっていないところがございますので、お詫びを申し上げ、もう一度明確にさせていただきたいと思っております。医療従事者の優先接種のためのワクチンが医療機関の中で余っているということがあるようでございまして、隣の病院、あるいは隣の町ではまだワクチンが足りていない、融通できないかというお問合せをいただいておりますが、ワクチンに余裕がある医療機関が他の医療機関、隣町の医療機関に融通するのは、大いにやっていただきたいと思います。その際に、巡回接種という形をとってワクチンを有効利用していただくこともできます。これは、基本型の医療機関から他の基本型の医療機関にワクチンを融通できないかというお問合せがございましたが、基本型の医療機関同士で融通する際は、巡回接種という建前をとっていただくことで融通が可能でございます。
 その際、送り出す側の医療機関が管理責任を引き続き持っていただきますので、接種回数は送り出した側の医療機関が報告していただくことが必要になります。受け入れた側は副反応をはじめ、接種を受ける方の安全をしっかりやっていただく。当たり前のことでありますし、その際のワクチンの温度管理はしっかり厳格にやっていただくことが必要でございますが、巡回接種という形で融通することは可能ですので、大いにやっていただきたいと思います。
 システムの制約でワクチンの接種に影響が出るということはあってはなりませんので、何かそのようなことがあれば直ちに問合せをいただいて、我々からこうやったらできますという、できる方法をお知らせしたいと思っております。
 また、医療従事者の優先接種に当たって、県内で基本型の医療機関を1か所設定して、そこへまとめてワクチンを送ってもらって、そこから様々な医療機関に分配するという戦略をとっている都道府県がございますが、高齢者接種になりますとワクチンの量が非常に増えますので、ワクチンの直接配送を受けられる基本型の医療機関を増やしたいという御要望をいただいております。
 基本型の下の連携型から基本型に格上げをするということは変更可能でございますので、必要に応じてどんどんやっていただきたいと思っております。
 システムが接種の邪魔にならないようにしなければいけないと思いますので、何かシステムの関係で問題がある場合には、速やかにお問合せいただいて、どうしたらできるかということをしっかりお答えしたいと思いますし、こういうことが可能ですということは、通知なりなんなりで明確にお伝えしてまいりたいと思っております。
 ワクチンの融通は可能ですということと、連携型から基本型へ医療機関を変更することも可能ですということを、お伝えしたいと思います。

2.質疑応答

(問)2点伺います。まず、ドローンの規制緩和です。昨年12月にも発表されていましたけれども、今回のこの措置の実施によって、山間部に住むお年寄りなど、具体的に一般のどのような方々の生活がより便利になるとお考えなのかと、大臣が以前おっしゃったように、日本を世界最先端の飛行環境、あるいはドローン先進国にするために、更なる課題や改善点があれば併せてお聞かせください。
(答)これまでは、山間部は谷があるのだったらそこへ沿って高度を上げ下げしながら飛ばなければいけないというので、燃料が無駄になるとかいろいろ言われておりましたが、山間部は、直線で谷を越えていけるようになりましたので、様々な物の配送ですとか、あるいは状況の確認ですとか、いろいろなことにドローンを使っていただけるようになるのではないかと思っております。かなり使用環境が変わりますので、創意工夫をしていただきたいと思っております。
 まだ、様々な届け出が非常に面倒くさいという要望をいただいておりますので、直轄チームで、これまで官民の合同ミーティングを2回やって、手続をワンストップ化しましょうという呼び掛けをさせていただきました。しっかり進めていきたいと思っておりますし、まだ独特の届け出方法をとっているところはそのようなことをせずに、ワンストップにちゃんと乗るように働きかけをしっかりしていきたいと思っています。
(問)ワクチンの選択制の件で、加藤官房長官は昨日の会見で、複数社の承認後ですけれども、地域によっては複数のワクチンが流通する場合があると。その際には接種会場ごとに原則1つのワクチンを接種する方向で検討すると承知していると長官は述べられました。確認ですけれども、市区町村の中でも接種会場によってワクチンの種類が異なる可能性があるのか、あるいは、市区町村単位ごとに1種類に限るのか、現在の検討状況、あるいは見通しをお聞かせください。
(答)ちょっとそこは官房長官ともお話をしなければならないと思いますが、まだ何も決めておりません。複数が流通するということも決まっておりません。
(問)年度替わりということで、北方対策について伺います。大臣は就任以来、若者向けにSNSを使って世論喚起を続けていきたいということに力を入れていましたけれども、ただ、表立って行った若者向けの啓発イベントというのは従来どおりのもので、2月7日にオンラインで初実施した全国大会の視聴者も500ほどという結果でした。大臣として初年度ということで、この成果についてはどのようにご覧になっているのかということの評価をお願いします。
(答)それ以外にもエリカちゃんとペアのエリオくんをつくったり、インフルエンサーを隣接地域に派遣したり、いろいろやっているのですけれども、北海道新聞にも認識されていないというのはちょっといけないかと思います。エリカちゃんのフォロワー数を見ると、宣伝するとドンと増えるのですけれども、徐々にそこから減るんです。それで何かまた広告を打つと増えるみたいな、徐々に本来ならフォロワーが少しずつ増えなければいけないものを、ドンと増えたフォロワーが徐々に減っていくというのは、やはり発信に難があると言わざるを得ないと思いますので、ちょっとそこは考えなければいけないというのと、今年は少し動画でYouTuberに北方領土のことを取り上げてもらえるように、YouTuberを派遣して、彼らなりに発信をしてもらったりとか、動画にも力を入れていきたいと思っています。ちゃんと認識してもらえるように頑張ります。
(問)沖縄に関連するお話ですけれども、先日、宜野湾市の市道11号道路が全面開通となりました。また、沖縄市の沖縄アリーナも落成しまして、新道路と新施設の落成記念式典が行われて、岡下政務官が沖縄にいらっしゃいましたが、岡下政務官から何かお話がありましたでしょうか。また、新道路と新施設の完成に当たっての受止めもお願いします。
(答)私もなるべくよいタイミングで行きたいと思っておりますが、なかなか難しかったり、あるいは県の往来自粛要請があったり、どういうやり方がよいかというのを今は考えているところでございます。11号線は、いろいろなことがこれで便利になるのではないかと思っておりますし、アリーナは沖縄市の新しいシンボルでもあり、スポーツの中心になるのではないかと、琉球ゴールデンキングスがアリーナを使って活躍してくれるのではないかと思いますので、非常にスポーツ、その他の面で、中心的な役割を果たしてくれるのではないかと思っております。
(問)ワクチンでお伺いします。昨日の長官の発言を若干確認したいんですが、1つの接種会場では1種類のワクチンを接種するという発言も含めて、これから確認するということなのかということがまず1点。仮にそうならば、受ける人たちが自分で、接種をするワクチンの種類に関わらず、一つの自治体の中で、私はここで受けたいということを選ぶことは可能なのか、その2点をお聞かせいただけますか。
(答)種類については何も決まっておりません。会場は、当然、自分の近くで受けたいという方は自分の近くを選択されるでしょうから、それは近くの会場を選んで、予約して、行っていただくということになろうかと思います。あるいは車で行くから駐車場の大きなところがよいのだったら、それはそちらに行かれるということもあるかもしれません。会場は、自治体が指定するということも十分可能です。それは自治体のやり方にお任せしておりますので、自治体があなたはここで受けてください、あるいはこの地域の方はここで受けてくださいと言われれば、そこで受けていただきますけれども、それが特に指定されていないときには、御自分で選んでいただくということは、それは当たり前のことだと思います。
(問)ワクチンを選べるかどうかという話ですが、厚労省が立ち上げた「コロナワクチンナビ」というサイトがありますけれども、そこでワクチンの種類でソートをかけて会場が出るような仕様になっていると思うんですけれども、今、何も決めていないということですが、これからこういう仕様の変更とかも含めて考えるということでしょうか。
(答)それは「停止しろ」と言ってあります。誤解を招きかねないので。
(問)今の「誤解を招きかねない」というのは、どういう誤解を招きかねないから「停止しろ」ということなのでしょうか。
(答)あらゆる誤解を招きかねないので「停止しろ」と言ってあります。まだ何もワクチンについては決まっておりません。現時点で承認されているのはファイザー1つです。
(問)政治日程に絡んでですけれども、菅総理の総裁任期満了まで間もなく半年となります。大臣は次の総裁選に出馬するお考えはありますでしょうか。
(答)今の仕事を淡々とやっております。
(問)大臣はかねてから、いずれは総理大臣になって自分のやりたい政策を実現したいというお話をされていたと思いますが、今もそのお考えにお変わりはないでしょうか。
(答)今の仕事を淡々とやっております。
(問)国家公務員制度担当大臣としてお伺いしたいんですけれども、昨年の臨時国会で廃案になってしまった国家公務員の定年を段階的に引き上げる国家公務員法の改正案についてですけれども、今国会での対応というのは既に決まったのでしょうか。また、国家公務員の働き方がいろいろ問題になっておりますけれども、改めて定年延長に関する大臣のお考えをお聞かせください。
(答)法案については、まだ何も決まっておりません。働き方改革なしに定年の延長をすると、これは霞が関の若年層に大きな負担がかかり得るということなので、そこは慎重に検討したいと思います。
(問)確認ですけれども、ある程度霞が関のブラック化などが解消されないと法案も提出できないというお考えでしょうか。
(答)まだ何も決まっておりません。
(問)ワクチンに関して、冒頭、小林補佐官の勇み足だという発言がありましたけれども、常に隣の部屋で情報を共有しながら仕事をされていると思うんですが、どうしてこういった齟齬が生じたのか、その辺を説明していただけますでしょうか。
(答)不思議なことは起こるのだと思います。
(問)先ほどの「コロナワクチンナビ」のことで、ちょっと理解が追いついていないので教えてください。厚労省のホームページを見ると、3月29日に「コロナワクチンナビ」をオープンしましたというお知らせが載っているんですけれども、「停止しろ」と大臣が指示されたのはいつでしょうか。
(答)いや、その選択のところは誤解を生みかねないので「そこは止めろ」と言っています。
(問)接種会場を選択できるという。
(答)いや、ワクチンが選択できるかのごとくに表示されていることは、今の時点で何も決まっていないので、誤解を生みかねないので「そこは止めろ」と言っています。
(問)ワークライフバランスの職場表彰について案内がありましたけれども、基本的に様々な賞を見ていますと、超過勤務を削減できたとか、そういった先進的な取組の紹介がされていますが、これらを見られてみて、こういった事例がよかったとか、もっとこういう事例を横展開していけたらというような感想等があればお聞かせください。
(答)管理職がしっかりマネジメントをすることによって業務が標準化されたり、無駄なところが廃止されたり、削られたりして、超過勤務が少なくなっていくというようなことは、同じ業務をやっているわけではありませんから、同じことができるとは言いませんけれども、少なくともそういう意思を持ってマネジメントをする人がやれば、職場環境が改善されるというところは、横展開してもらいたいと思っています。
(問)ワクチンを選べるか、選べないかのところですが、以前には、一般国民の接種の時期をめぐって5月だという報道があった時に対して、大臣と坂井副長官の発言でも食い違ったことがあって、今回もまた、大臣とすぐそばにいらっしゃる補佐官と発言というか、方針が食い違ってしまったと。大臣は、ワクチン接種業務の混乱がないように発信も担っておられると思うんですけれども、今回、こういったことが起きてしまったということの受止めと、今後またこういったことがないように、どのように取り組んでいかれるかというお考えがありましたら、お願いいたします。
(答)小林補佐官には発言に気をつけるように注意しました。

(以上)