河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月16日

(令和3年3月16日(火) 8:31~8:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 今日は報告が1件です。昨年の12月に報告しました、環境省が所管する法令に基づく立入検査のための身分証がいっぱいあって、重くて首が折れそうだというような話がありましたけれども、今日、環境省の方で、たくさんあった身分証を1つに統合するための様式を定める環境省令が1本、それから環境省と関係府省の共同省令が5本公布されました。合計で45の身分証の統合が可能ということになりましたので、報告したいと思います。
 元々愛知県から、国が定める立入検査の身分証が25種類もあり、人事異動によってそれを全部発行する事務の負担が大変だと、あるいは、検査に応じた立入検査証を示す必要があって、迅速な検査の妨げになるという要望がありました。愛知県では、1人で20枚以上の身分証を持って行かなければいけないという職員もいたそうです。
 愛知県の要望になかった身分証も合わせると、全部で45の身分証を統合できるように環境省の方で手配していただきました。法令を共管する役所が11省庁ありましたので、それらとも環境省が調整して、新たな統合様式を定めていただきました。
 それから、検討している間にそれぞれの自治体が条例に基づいて発行している身分証も多くあることがわかりまして、これを言ってきた愛知県では、愛知県独自の条例で身分証が10個ぐらい出ていたそうです。
 環境省により、こうした各自治体が条例に基づいて発行している身分証も全部統合できることとしていただきまして、環境省の所管法令に基づく45の身分証と各自治体が条例で定める身分証との統合も可能になりました。小泉大臣、環境省、あるいは関係の皆様に、御礼申し上げたいと思います。
 本日、様式が出まして、4月の人事異動に間に合いましたので、人事異動のときに、4月から統合様式で愛知県をはじめ多くの自治体が新しい身分証を発行してくれるそうです。
 直轄チームの担当者が来ておりますので、御質問があればお尋ねいただきたいと思っております。今回は環境省の身分証について、様式の統合をやりましたが、おそらく他の役所でもこういったことがあるのだろうと思いますので、他の分野でも見直しをやりたいと思っております。自治体から、他の分野での身分証の統合について御要望があれば、お待ちして、併せてやっていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)ワクチンについて2点伺います。大臣は、昨日国会で、いわゆるワクチンパスポートについて、国際的に必要な状況になれば検討せざるを得ないと述べられました。これまで大臣はアレルギーで打てない人もいるということで否定的な見解でしたけれども、この考えに変わりはないのかという確認と、また国際的に必要な状況に実際になったときに、このワクチンを打てない方々をどう救済すべきとお考えか、認識をお聞かせください。
(答)アレルギーなどで打てない方はいらっしゃいますし、既に今回の接種でアナフィラキシーの疑いのある症状を出した方は、2回目は当然打たれないことになるのだろうと思います。そういう方もいらっしゃいますので、ワクチンの接種済証は会場でお渡しいたしますけれども、国内でワクチンの接種証明を使って何かやるということは特に考えておりません。
 ただ、対外的に、国際的な海外渡航にこうしたものが求められるというような状況に万が一なった場合には、日本としても対応することが必要になってまいりますので、そこについては考えておかなければいけないだろうと思っております。もちろん、国際的にもアレルギーのある方はいらっしゃって、どういうことになるのかというのは当然これから国際的に議論をしていかなければいけないことだと思いますので、そうしたことにしっかり注目していきたいと思います。
(問)もう一件関連で、ワクチン接種で弊社の調査では4月12日の高齢者接種について、少なくとも30道府県が県庁所在地で接種を開始する方針でした。自治体への取材をしていますと、当初は供給量が少ないため、人口順にするのか、過疎地にも配慮するのか、あくまで平等にするのか、その接種第1号の優先付けでいろいろ苦労されている自治体も多いようです。こうした中で、優先付けをした見解と、対応を任された自治体がいろいろ苦難しながら、試行錯誤しながら進めている状況に、政府としてどう寄り添い接種を進めていく考えかを改めてお聞かせください。
(答)これからも様々自治体に柔軟に対応していただかなければいけないことは多く出てくると思いますので、そこはいろいろ考えていただきたいと思います。政府としては、これは絶対にだめですということ以外は、もう箸の上げおろしについてはとやかく言わずに、お任せするということにしたいと思います。これまでの予防接種において、これはだめとかあれはだめとかということがあったようですけれども、そのようなことを言っていたら今回はスピーディーにやれませんから、どうしてもだめなもの以外は、自治体の判断でどんどんやっていただきたいと思っております。
(問)冒頭で御紹介のあった身分証の統合についてですけれども、はたから見て、こんな25種類もある身分証をジャラジャラつけているのは明らかに無駄なように見えるのですけれども、なぜこういったものがこれまで残っていたのかという、その問題の根っこの部分に何があると大臣はお考えでしょうか。
(答)不便なことを不便だと感じて行動するということが行われてこなかったことが問題なのだろうと思います。誰が見たって不便なことはやめたほうがよいわけですから、不便なことがあったら、どうしたら改善できるのかというのを、やはり役所がしっかり考えて言われる前にアイデアを出すと。言われる前に自分で気付いて改善していくということがこれまでなかった。ルールどおりにやっていればよいということだったのだろうと思いますが、そのおかげで行政手続に関する生産性が極めて低くなっているという現実を直視して、やはり直さなければいけないもの、不便なものは、自ら直すということが必要になってくると思います。
(問)それは、国の問題なのか、地方の問題なのか、国と地方の問題なのか。
(答)それは両方でしょう。行政の問題と言ってよいと思います。民間なら不便なものは直そうというインセンティブがどんどん働くと思いますけれども、行政にはどちらかというとお上の意識があって、決められたとおりにやるのがよいと、便利にするかどうかよりもルールを逸脱しないのがよいということがはびこっているのだと思います。法令を曲げてはいけませんけれども、法令の範囲内で便利にするというのは当然やらなければいけないことで、それがやられていなかったということが問題なのだろうと思います。
(問)ワクチンの話題に戻ります。明日、3月17日でワクチンの接種スタートから丸1か月となります。これまでに29万回を超える接種が行われてきたとのことですが、ここまでの進捗状況について大臣はどう評価されていますでしょうか。また、今後も引き続き大きな懸念となっている供給スケジュールや6回打てる注射器の話、自治体の混乱回避といった課題について、改めてどのようなスタンスで取り組まれるか、考えをお聞かせください。
(答)私の役割は評価する方ではなくて、評価される方だと思っていますので、それは自治体なり医療機関から評価を受けて、改善すべきところはしっかり改善していきたいと思っております。ワクチンについては、高齢者分の供給は、かなりしっかりと確保できる見通しですので、それぞれの自治体において接種体制をしっかり作っていっていただきたいと思います。
(問)再び身分証に戻って恐縮ですが、これは今回環境省ということですけれども、環境省以外の霞が関の横展開はどうなるのかということと、あと北海道をはじめ全国の市町村に対してはどうやって展開していくのかという見通しを教えてください。
(答)環境省でとりあえずやりましたが、おそらく他の役所にも立入検査をやっているところがありますから、身分証は出てくると思いますので、そういうものもあわせて今回は調査して横展開をしていきたいと思っております。
 環境省が条例についても全部統合してよろしいということにしてくれましたので、今後、国だけでなく都道府県、市町村、もし身分証を出しているようでしたら、1つにまとめられるような方向で調整をしていきたいと思います。
(問)確認ですけれども、つまり、今回の環境省がモデルになって、他の省庁でも同じようにやっていくという流れでよろしいのでしょうか。
(答)環境省と他の省庁を統合しても全然問題ないだろうと思いますので、立入検査用の統合ということが最終的にできれば、それがベストだと思います。
(問)関連して、もう既に他の省庁で、大臣の中で視野に入っているというか、もう調整を始めている省庁とかはあるのでしょうか。
(答)これから頑張ります。ありそうだという役所は当然もう皆さんも頭にあるのだろうと思いますが、きちっと調べてから対応していきたいと思います。
(問)別件ですが、本日、政権発足から半年経つのですけれども、振り返りと自己採点などを伺えたらありがたいです。
(答)もう半年ですか。早いなという感じがいたします。デジタルとかグリーンとか、この菅カラーを出してスタートして、デジタルも着々とデジタルトランスフォーメーションに向けていろいろ動いていますし、2050年のカーボンニュートラルというのは、国際的にもいよいよ日本が乗ってきたということで、そこは評価されていると思います。そういった意味で、しっかりとこの政権の掲げた政策を実現できるように頑張っていきたいと思います。

(以上)