河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月12日

(令和3年3月12日(金) 14:08~14:39  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 まず、「縦割り110番」に、「国民年金の保険料の免除手続をオンラインでやれるようにしてほしい」という要望が寄せられております。国民年金の保険料は、納付が難しい方を対象に保険料の免除制度が設けられております。免除制度の該当する可能性がある方ということで、年金機構からはがきで申請をしてくださいという勧奨をしたり、あるいはマイナポータルを通じてオンラインでの情報提供というのが行われておりますが、免除の申請そのものは、はがきでこれまで行わなければならないということになっておりました。
 昨年の12月に「デジタル・ガバメント実行計画」が閣議決定されておりますが、令和4年度までにこの手続の電子化を実現することとされております。
 直轄チームから、できる限りの前倒しのお願いをしたところ、令和4年度前半の5月を目指してマイナポータル上での手続を可能とするスケジュールで、システム開発を行うことになりました。免除措置の手続は毎年7月でございますので、来年の手続からオンラインで行うことができるようになります。田村大臣、厚労省の素早い対応に御礼を申し上げたいと思います。
 ワクチンについてでございますが、ワクチンの接種スタートから3週間が経過し、昨日、夕方5時の時点で、642の施設、18万1,184人が接種され、2回目が終わった方もいらっしゃいます。
 昨日までにアナフィラキシーとして報告された事例が37件ございますが、いずれも症状は改善したと報告されております。今日、厚労省の審議会が行われておりまして、これについて専門家に評価していただいております。その結果も遅滞なく公表するようにしていきたいと思います。
 ワクチンのヨーロッパからの輸送につきまして、3月15日(月)に第5便、360箱のワクチンが我が国に到着する予定でございます。
 それから、注射器の確保とワクチンの増量の交渉を行ってまいりましたが、注射器の確保につきましては、4月12日(月)の週から配送することを予定しております。医療従事者の1回目の接種分の2,400箱、これについて6回接種が可能となる注射器をお届けできる見込みとなりました。ここから6回分を医療従事者の接種についてはスタートしていきたいと思っております。
 医療従事者のワクチンにつきましては、5月10日の週には480万人全ての医療従事者2回分の配布を完了することができそうでございます。
 それから、供給量につきましては、ファイザーとの交渉の結果、3月、4月の供給量が、6回分だと約400万人分になると思いますが、合計で3,419箱増加することになりました。3月分は最後の2週間に増量し、4月は毎週増量するということになっております。それから、5月は毎週9,188箱ですから、おそらく毎週約1,000万人分ずつ来るということになります。おそらくこれは毎週9,000箱と言っても1つの便では乗り切れないわけですから、5月分をどういうふうにこれから供給するかというところを、これから詰めることになります。6月分は更に5月分を上回る供給量となる予定でございます。
 それから、高齢者への優先接種ですが、これまでも申し上げてきたとおり、4月12日から接種を開始していただくことにしておりますが、そのために4月5日の週に100箱、それからその後12日の週、19日の週に、それぞれ500箱を全ての都道府県に配送いたします。4月26日の週に、全ての市区町村に1箱ずつ、1,741箱を配布するということにしておりますが、1,741箱に加えて、5月9日までに到着するように4,000箱程度を配送していきたいと思っております。この4,000箱から、供給量に合わせて、V-SYSに自治体が入力していただいた需要に応じて配分していくということになりますので、自治体の皆様にはお待たせいたしましたが、御準備いただきたいと思っております。
 それ以降、6月末までに高齢者3,600万人に2回接種できる分のワクチンをお届けするということになります。5月9日までに到着するようにこの4,000箱を出したいと思っておりますので、5月10日からは打っていただける状況になるのではないかと思います。
 それから、3,600万人の高齢者に対する優先接種を行っている中で、予約のキャンセルなどによってワクチンの余剰が発生する恐れがあるのではないかということでしたが、可能な限り無駄なく打ってくださいということが第一でございます。予約日以外にも来られる日がありますかといってキャンセルのリストを作っていただいたり、自治体でそれぞれ様々な工夫をしていただいて、キャンセル待ちに対応していただきたいと思っております。
 そのときに国からお願いするのは、まず、キャンセル待ちのときに打ってくださいというときに、接種券を既に発行されている高齢者を最初に対象にしてキャンセル待ちをやってくださいということをお願いしておりますが、それでも対応できないという場合が当然あると思いますので、そういうときは柔軟に自治体に対応していただくということでございます。今日の厚労省の説明会でも、自治体にそのような御説明を実務的にさせていただくと思います。
 高齢者の優先接種につきまして、当初から何とかやりたかったのですが、6回接種は当初スタートからは間に合いません。5回分の注射器で始めていただくことになります。医療従事者は先ほど申し上げたように4月12日から6回接種分の注射器を出せますけれども、高齢者分を確保するには数が足りませんので、高齢者分を出すために十分な数の調達ができたところで6回接種に切り替えていきたいと思っております。
 鳥取県で5回用の針で6回採れたという話もございますし、インスリンの注射器を使えば7回採れるという話もございます。そういった創意工夫は大いにやっていただいて構わないと思います。インスリンの注射器が足らなくならないように、それぞれの医療機関で余剰分があればそれを使っていただくのは一向に構わないと思います。
 ただ、その5回用の針で6回採るということを標準化できるかというと、かなり難しいのだろうと思いますし、インスリンの針の状況というのはそれぞれの医療機関で事情が違うと思いますので、国として何か標準化するということはございませんが、それぞれの医療機関が創意工夫でやっていただく分には構わないと思っております。7回用の注射器、針、今の時点ではそんなに数がないようですので、国が調達はいたしませんということでございます。
 それから、「ワクチン接種記録システム」につきまして、今週水曜日に自治体に対する説明会を開催いたしました。また、接種会場で入力に必要なタブレットにつきまして、合計5万1,000台の契約をいたしましたので、今月の15日までにタブレットの配送先について自治体から御報告いただいて、今月下旬から順次タブレットの配送を始めたいと思っております。4月12日の高齢者の優先接種に間に合うように、自治体とも緊密に連携していきたいと思っております。
 お配りしたワクチンの配送スケジュールは、若干新しい情報を足してございますが、大きな変わりはございません。

2.質疑応答

(問)ワクチンで伺います。今回、この6回打てる特殊な注射器の確保に至った経緯、国内の複数の企業とどのような交渉を重ねられて生産体制が整ったのか、これをまず具体的にお聞かせください。
(答)まだ調達しているところでございますので、今日の時点で具体的になかなか申し上げるのは差し控えたいと思います。
(問)関連で、この6回注射器、医療従事者向けに4月12日の週から配送ということですけれども、これは480万人全員分を賄える見込みという理解でよいのか。また、大臣がおっしゃられたように、高齢者向けの6回接種への一斉切り替えは5月中に可能なのか。また、十分な調達をした段階で一斉に切り替えとおっしゃいましたが、十分な調達とはどの程度の数量を確保した段階なのか、それぞれ見通しをお聞かせください。
(答)4月12日の週の2,400箱以降は6回で医療従事者は賄えると思います。5回で今まで出している分と、4月12日の週の400箱の2回目接種分、ここまでは5回でやっていただきますが、4月12日の週に新たに出す1回目の接種2,400箱以降は、6回用の注射器を出せます。なるべく早く6回用に切り替えたいと思っております。どこかの時点で高齢者も切り替えたいと思っておりますが、針が混在しないように量を確保した後に出したいと思っておりますので、もう少々頑張らせていただきたいと思います。
(問)最後にもう一点、高齢者接種は4月12日に全国で開始ということですけれども、この日に全47都道府県で一斉にスタートし、26日の段階で1,741の全市区町村でも始まるという理解でよいのか、高齢者接種の開始の詳細についてお聞かせください。
(答)4月12日から打ち始められるように、その前の週に配送しておりますが、自治体の中にはもう少し揃うまで待つというところもあるようでございますので、届いたワクチンをどのタイミングで打つか、我々としては4月12日に打ち始めていただいて構いませんし、なるべく4月12日にスタートして、システムのチェックですとか、あるいは問診の予診のチェックですとか、いろいろなものを確認していただきたいと思っておりますので、なるべく着いたワクチンについては、打てるようになった段階で打ち始めていただきたいと思っておりますが、そこは自治体のいろいろな御事情もあると思いますので、無理強いをするものではございません。
(問)政府は午前の閣議後会見で、菅総理が4月の前半に初めて訪米すると発表しました。菅総理大臣はいつワクチン接種を行う見通しか、その点の御共有があるのかお聞かせください。
(答)バイデン大統領以下、先方がワクチンを既に打っていらっしゃるということと、CDCがワクチンを接種した者同士の会食はよいというようなことを出していると聞いておりますので、総理及び総理に同行して訪米する者については、儀礼上ワクチンを打って訪米すると私は聞いております。詳細については官邸にお尋ねいただきたいと思います。
(問)EUから届く量で、念のために確認ですけれども、5月毎週9,188箱ということは、基本その5月にどれだけ届くかというのを知りたいんですけれども、「×4」をするという理解でよいですか。
(答)おおよそそう思っていただいてよいと思っております。もちろん、EUの承認が大前提だという状況は残念ながら変わりません。それから、約9,000箱が1つの便に乗るわけではありませんので、これをどのように便に乗せて出すか、受け取るかというのは、まだ交渉中でございます。
(問)6月も5月を上回るということなので、単純に足し合わせると、1瓶6回打ちの計算で、6月末までに1億回を超えるような計算になるかと思うんですけれども、そういう理解でよろしいですか。
(答)かなりの量になると思います。
(問)今の関連で、EUの規制の関係というのは、結局その頃までやはり日本に対しても変わらないという認識でしょうか。それと、先日、大臣はベルギーの大使とお話しされたと思うんですけれども、どの時にどのようなお話をされて、どのような反応があったのか、お願いします。
(答)当初の透明化メカニズムは3月末と聞いておりますが、6月末までの延長という話も聞いておりますので、おそらくその可能性は非常に高いのではないかと思っております。
 ベルギーの大使とは様々な話をいたしましたけれども、EUからのワクチンの供給に問題が生じないように、ベルギー政府にもよくお願いしたところでございます。先方の反応は、先方にお尋ねいただきたいと思います。
(問)高齢者接種の方で、5月9日までに4,000箱程度ということですが、確認ですが、この1回というわけではなくて、これ以降は大臣がよくおっしゃる、弾切れをさせることなく自治体の求める量を随時送っていけるという理解でよろしいのでしょうか。
(答)はい、1,741箱をまず4月26日の週に送り出しますが、それに続けて4,000箱、4,000箱というのは上限になってしまいますが、その範囲内で、自治体からのリクエストベースで送り出したいと思っております。それは自治体からV-SYSに入力していただいたその数字で、上限があれば傾斜配分をかけるという、普通のルールにそこからいきたいと思っています。それ以降は、自治体のリクエストに合わせてこちらが発送していくということになります。
(問)その4,000箱という上限が、少し時間がたつと更に増えていくという理解でよいのでしょうか。
(答)その後は、5月は週で9,188箱が来ます。ただ、それがずれる、何回かに分けて送り出されるというのと、到着したらすぐ発送できるというわけではありませんので、そこのロジを今、やっていますが、週の上限というのは、少なくとも9,000箱近くまで引き上げられることになるだろうと思っています。
(問)EUの承認の関係ですけれども、今後、このように非常に供給量が増えてくると、今までは1便1便全て承認が出ていますけれども、承認を得る難しさというのは、量が増えると変わってくると見込んでいるのでしょうか。
(答)先日、ベルギー大使とも話をしましたし、外務省が先方でEU本部並びにベルギー政府とも日々やっておりますので、そこはきちんと出してもらえるように頑張っていきたいと思います。
(問)読売新聞の阿部です。4月26日の週以降、4,000箱程度を5月9日までに配送するということですけれども、ちょうどこの5月9日を挟んで大型連休がありますけれども、それに何とか間に合わせるようになるべく早めにしたいという自治体からの声を受けての今回の措置なのでしょうか。
(答)正直言いますと、ゴールデンウィークに打つところもあるかもしれないので、もう少し前倒しをしたかったのですけれども、なかなか、本当は4月30日までに確実にお届けできれば、ゴールデンウィークも接種体制を組んでということが可能だったと思いますけれども、様々な状況でそれが難しいということでございましたので、とにかく5月9日までに1,741箱、プラス4,000箱をお届けする。
 ですから、10日から接種体制を組んで打ち始めていただけるという状況になりました。もちろん、その間に届いたワクチンをどんどん打っていただくというのはできますから、届いたワクチンをすぐに打ち始めるというオペレーションをやっていただくのは一向に構いません。
(問)総理の訪米との関係ですけれども、同行団も80人から90人いて、ワクチンを接種するという発表が午前中に官房長官の会見であったんですけれども、これはどういう位置付けになるんでしょうか。これまで高齢者接種とか医療従事者とかの優先接種というものがありましたけれども、今回の訪米団はどういう枠組みの接種になるのでしょうか。
(答)これまでの枠組みの外で打つということだと思います。これは外交儀礼みたいなものとして打つということになるのだろうと思います。詳細は官邸にお尋ねください。
(問)6月分もかなり確保できるということですけれども、そうすると、一般向けの配送が6月になるということもあり得るのでしょうか。
(答)自治体によって高齢者が打ち終わったところは次の優先順位に入っていただくことになりますので、自治体のスピードに合わせてその次の優先順位を始めていただくのは一向に構いません。
(問)6回打ちの注射器への順次切り替えが進んでいくということですけれども、接種のスケジュールに与える影響について、一言お願いします。
(答)特にないと思っています。今までの計算は全部5回接種で計算していますので、これが6回になれば、その分前倒しになるということですので、特に問題はないと思っています。
(問)早まることへの期待というのはありますか。
(答)是非早めたいと思っていますので、高齢者分も何とか最初から6回いけないかと思って、まだバタバタあがいているところでございます。
(問)2点お伺いしたいのですが、まず、先ほど冒頭でおっしゃった予約のキャンセル待ちの仕組みについてですが、大臣がおっしゃっている、できれば最初は高齢者の方からキャンセル待ちを利用してということですが、自治体によってそちらが対応できない場合は、キャンセル待ちは一般の方に対して開放するということも、国としては構わないという方針でしょうか。
(答)キャンセル待ちは基本的に接種券を持っている高齢者からやっていただきたいと思います。例えば深夜停電で余ってしまったと、高齢者に集まってもらってもまだ足らないというときに無駄にするよりは、接種券はないけれどもそれ以外の方がやっていただくというのは、これは全然問題ないと思います。そこはもう自治体の判断で、一番良い方法でやっていただきたいと思います。
 1つのバイアルで5人か6人ですから、同時に集団接種の会場で3つぐらい開けていれば、10人以上になることはあるかもしれませんけれども、基本的にそんなに余らないと思っておりますので、できるだけ接種券を持っている高齢者でやっていただきたいと思います。怖いのは、停電時のようなことでかなり大量のワクチンをどうしても何時間で打たなければいけないというような状況になってしまったときに、無駄にならないように、そこは臨機応変にやっていただきたいと思います。
(問)もう一点、話題が変わりまして恐縮ですが、選択的夫婦別姓についてお伺いします。自民党の選択的夫婦別姓のワーキンググループが石原伸晃氏らを幹部として進められることになりましたが、この幹部全員が男性ということに対して、少し疑問の声も上がっています。大臣は以前から選択的夫婦別姓に関して党議拘束をかけずに議論すべきと述べられていますが、今回の幹部が男性ばかりのワーキンググループで、女性側の意見というのはどのように吸い上げられるとお考えでしょうか。
(答)党の方にお尋ねいただきたいと思います。
(問)6回接種可能な注射器等の配布は、医療従事者向け優先接種で4月12日から始まるということに関連して、確認ですが、2月17日から始まった100の医療機関の人たちの2回分は6回採取で打っているけれども、優先接種の最初370万人と言われていた方々は、当面は5回接種打ちを使っていて、それを4月12日から切り替えましょうという理解でよろしいのでしょうか。
(答)おっしゃるとおりです。先行の4万人の2回分は6回打ちの注射器で、先行から優先になった医療従事者の分は、今は5回用を供給しています。それが4月12日から6回接種になるという、そういうことでございます。
(問)あともう一点ですけれども、ちょっと全体的な話ですが、結構プラス、プラスという形で、かなり集められるという感じはするんですけれども、その高齢者接種の開始に向けて、現状のワクチンの集まり具合、このぐらい確保できそうだという見通しについて、大臣御自身はどのように評価されているのでしょうか。
(答)何とか頑張りたいと思っています。EUの承認問題というのがまだ頭の上にございますが、そこはしっかりとEUとやっていきたいと思います。
(問)いわゆる基礎疾患を含む一般の方々、国民の過半数になるかと思いますが、そういった方々への接種は、大臣は現時点で最新の状況を踏まえていつ頃を念頭に置いておられるのか。先ほど自治体によっては、配送自体は6月中になり得るという趣旨の発言があったかと思います。この一般向け接種の見通しについてお聞かせください。
(答)現時点では何とも申し上げようがございません。自治体の接種スピードに応じて、高齢者が終われば次の優先順位に移っていただくということになろうかと思います。
(問)念のため、配付資料の見方について確認ですけれども、供給スケジュールで、括弧の「+855」箱と書いてある、この「+」というのは、何からのプラスになるんですか。
(答)これは前回お示しした資料から「プラスこれだけ」ということです。今回の交渉をやっていましたけれども、これでプラスになった分が、この3月の最後の2週分と、4月の隔週427箱が増えたということです。

(以上)