河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月5日(夕方)

(令和3年3月5日(金) 16:32~16:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 2月17日(水)にワクチンの接種がスタートして約2週間になりました。昨日3月4日(木)午後5時の時点での接種実績は、108の施設で3万9,174人となりまして、先行接種の100施設以外の医療機関での医療従事者優先接種が始まっております。
 既に公表されているとおり、ワクチンの接種後にくも膜下出血と推定される死亡事例が1件ございましたが、ワクチン接種との因果関係は不明であり、海外でも、くも膜下出血と新型コロナウイルスワクチンとの関連は報告がされていないところであります。厚労省の審議会において詳細な情報を基に評価するということでございますが、これ以外にアナフィラキシーや死亡といった事案は報告されておりません。
 今日、ワクチンに関して、5点報告がございます。3月8日(月)、第4便として850箱、16万5,750バイアルのワクチンが我が国に到着する予定であります。
 次に、EUの承認が前提ではありますが、4月中の供給量の見込みを申し上げます。4月中の供給量の合計が8,766箱、170万9,370バイアルです。4月5日の週と4月12日の週にそれぞれ2,191箱、4月19日と4月26日の週に2,192箱の予定です。これは、EUの承認が前提です。
 次に、医療従事者の優先接種について、今週と来週合計で1,000箱を出します。そして、この1,000箱の2回目分として3週間後に1,000箱を配送いたします。さらに、3月22日の週と29日の週にそれぞれ追加で200箱、合計400箱を配送するということをお知らせしておりますが、これらに加えて、4月には、3月22日、29日の週に出す400箱の2回目分の400箱を配送する。さらに、4月12日と19日のそれぞれの週に1,200箱をそれぞれ配送いたします。
 ここまでの医療従事者等への優先接種の1回目の接種分が3,861箱となります。上積みができれば上積みしたいと思いますが、これまで申し上げてきたように、当初見込んでおりました優先接種の医療従事者370万人分の1回分の配送は4月中に完了する見込みです。その後、100万人程度、数が増えましたので優先接種の医療従事者は約480万人になりますけれども、5月前半にはこの2回分を含めた必要量の配送が終わるということになります。
 次に、御質問の多い針と注射器です。6回分を取れる針と注射器の確保に全力で取り組んでいるところでございますが、3月の優先接種の医療従事者については、既に確保している5回分用の針と注射器ということでお願いすることになります。また、4月5日から4月19日の週までにかけて配送する高齢者の優先接種についても、5回接種の針と注射器でスタートすることになります。6回分を取れる針と注射器の確保を進めておりますが、これはばらばらと変えるわけにはいかないものですから、それなりの量の確保ができたところで5回分から6回分に一斉に切り替えていきたいと思っておりますが、現時点で3月分の医療従事者の優先接種には間に合わないということと、4月5日からの高齢者の優先接種についても19日の週に配送する分までは難しいと申し上げざるを得ない状況です。
 次に、ワクチン接種の費用、これは全額国で賄うということをたびたび申し上げております。つい先日も見込みの上限額を2倍に引き上げたところでございますが、自治体から見込みの所要額を報告していただきましたところ、2倍に引き上げた想定額2,890億を532億円上回る所要額ということが報告されましたので、この分を含めて財源の手当てをいたします。各自治体においてはしっかりと体制確保をしていただきたいと思っております。
 次に、「ワクチン接種記録システム」でありますが、2月17日にシステムの開発・運用に関する契約を締結いたしました。また、2月26日に入力のためのタブレット端末ですとか、そのための通信回線、あるいはヘルプデスクなど、保守・運用等についての契約を締結したところでございます。前から申し上げているように、タブレットでバーコードやOCRラインを読み込めるような簡単な入力方法でできるようにする予定です。
 さらに、登録された接種情報で住民の皆様からの問合せの対応に活用することはもちろんできますが、これまで予防接種法で要請されている接種台帳については、この登録接種記録システムを以て接種台帳にかえることができます。そうすると、紙の予診票が回ってきたときに、自治体で予防接種台帳にこの入力をしていく作業というのが要らなくなります。この他にも自治体にとって使いやすい、自治体の業務全体の効率化になるようなことを考えていきたいと思っております。
 今日、自治体向けにこの「ワクチン接種記録システム」の内容やスケジュールに関する通知を発出する予定にしております。4月12日からの高齢者の接種にしっかり間に合うように、自治体と緊密に連携して準備を進めていきたいと思っております。
 最後に、国会の日程によって若干変動はあるかもしれませんが、来週の木曜日、3月11日の5時過ぎに、東京山手メディカルセンターで、接種の状況を私も視察してまいりたいと思っているところでございます。

2.質疑応答

(問)2点伺います。大臣は先週のテレビ番組で4月の供給量の増加に期待を示されていました。実際にその供給増に至った理由・経緯と、その際におっしゃっていたように、4月の供給増加分は全て国の在庫として確保するのか、在庫分の数量は一体どの程度になるのか、これをまずお聞かせください。
(答)ファイザーといろいろと交渉して4月分の上積みをしていただきました。上積み分をどうするか、少し検討が必要かと思っておりますので、決まり次第、またお知らせしたいと思います。
(問)確認ですが、現時点では国の在庫として確保するかどうかは、おっしゃっていたとおりには決めていないという理解で良いのでしょうか。
(答)様々検討したいと思っております。
(問)医療従事者480万人について、これを大臣の口から480万人と明示されるのは初めてかと思います。この数字はもうフィックスされたという理解でよいのかというのと、当初は6月末までに配送完了とおっしゃっていました。これが5月前半に前倒しされましたけれども、この要因と、より早まったということで、今後の接種日程にどのような影響をもたらすと考えているのか、お聞かせください。
(答)接種日程は、高齢者3,600万人に対していかに2回打っていただくかというのが鍵になりますので、特にその部分が影響するということではないだろうと思います。
(問)日本テレビの河合です。針とシリンジに関してお伺いしたいんですが、3月分の医療従事者の優先接種には間に合わず、高齢者も19日の週に配送するのは難しいというところだと思いますが、それ以降については見込みが立っているということなのでしょうか。
(答)かなりいけるのではないかとは思っておりますが、こちらは5回分だけれどもこちらは6回分とかというわけにはいかないので、切り替えるときには一斉に切り替えるのが、一番混乱が少ないかと思っております。どれぐらいの量をどのタイミングで確保できるかによって切り替えのタイミングを決めていきたいと思っています。
(問)それから、どれぐらいのタイミングでそれを発表できるというか、公表できるようなスケジュール感になるのでしょうか。
(答)固まったら公表したいと思います。
(問)関連して、この5回打ちでいくのがどこまでかという話なんですけれども、3月の医療従事者の優先接種とおっしゃったのですが、4月にも優先接種は続くと思うんですけれども、そこはどうなのでしょうか。
(答)先ほど申し上げたとおりです。
(問)480万人全てが5回打ちではないということで、3月は、ということですね。
(答)今のところ、先ほど申し上げたとおりです。
(問)自治体向けの補助ですけれども、この500億円ぐらい増えてという話ですけれども、どういったところが必要だという経費で出てきているのでしょうか。
(答)すみません、それは必要なら後ほど詳細をお伝えします。
(問)医療従事者向けの新しく出た1,200箱以上という部分ですけれども、これは1,200箱と1,200箱で2,400箱ということだと思うのですが、これはまた3週間後にそれぞれ2回目分を送るということになるのでしょうか。
(答)もちろん1回目を出したものは2回目を出します。
(問)5月3日とか10日の週に同じ数量を送ると。
(答)そういう感じです。
(問)海外のことで、大臣もツイッターでも、たぶん言及していらっしゃると思うんですが、イタリアが、アストラゼネカ社のオーストラリア向けの輸出をブロックしました。EUも認めました。今、日本に入っているのはアストラゼネカ社のものではありませんが、今後の日本への供給の確保という点で、どんな影響が出てくるとお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
(答)透明化メカニズムでこうしたことが発動されたのは初めてのケースですから、外務省にもしっかり情報収集していただいているところでありますが、外務省と連携して日本向けのワクチンをしっかり確保していきたいと思います。
(問)追加で、今の時点では供給が増えているということで、まだ影響は感じていないということでよろしいでしょうか。
(答)1便ずつ承認が必要だという状況に何の変わりもございません。
(問)本日、モデルナ社がワクチンの承認申請を厚労省に出しました。併せてアストラゼネカ社も現在審査中ですけれども、もし承認時期の見通しについてあればお話しいただきたいのと、一方で当面はファイザー社製を使っていくことになるのか、2点お願いします。
(答)承認の時期については、私は存じておりません。申し上げているように、現状では高齢者はファイザー社製でいくということに変わりございません。
(問)針とシリンジの件で、5回分で打たなければいけない方々も出てくるということですけれども、5回採取して、残った分は廃棄になってしまうということでよろしいのかどうか、そこを教えてください。
(答)現時点では、残念ながらそうならざるを得ないと思います。
(問)ちなみに、計算としては何万人分が使えなくなるとか、そういう数字というのはあるのでしょうか。
(答)ごめんなさい、すぐには持っていません。
(問)大臣は出演したテレビ番組の中で、余ったワクチンを無駄にしないためのキャンセル待ちの仕組みも必要だとの認識を以前示されました。それについて、どのように今後はどのように対応していくのか、お聞かせください。
(答)このようなことができるのではないかというものを、自治体向けに出したいと思っています。なるべく早く出したいと思っています。
(問)目途とかは決まっていますか。
(答)なるべく早くしたいと思います。
(問)新しいシステムの関連でお聞かせください。今、EUだと、域内の移動を活発化するためのワクチンパスポートの導入について議論がされていると思います。新システムの方でも、将来的な住民のニーズに応じて、接種証明を発行するということも想定すると自治体に説明していると思うんですけれども、具体的にどのようなケースで接種証明が求められると考えているのか、国外と国内双方について、それぞれお考えをいただけますでしょうか。
(答)国内で何か接種証明を出す必要があるかというと、今のところはないのではないかと思っております。国際的にそういうものが求められるようなルール化がされた場合に、今の接種記録システムがないと発行は極めて困難になると思いますので、万が一そうした事態になったときには、この接種記録システムを使うことはできるだろうと思います。
(問)関連ですけれども、今後、職場での接種を検討するにあたっても、この新システムを利用すればスムーズな接種管理につながるとお考えでしょうか。
(答)もし職域でやることを考えると、これは紙でやろうとすると、おそらく相当大変なのだろうと思います。
(問)配っていただいた資料の右側の上の「全国知事会調べ」というのは、これは知事会が調べたことで、政府としてではないということですか。
(答)これは、都道府県から出してもらった数字だということだろうと思います。
(問)政府としてもその数字で考えているということですか。
(答)最終的には、しっかりその分のワクチンを出していこうと思います。
(問)4月の供給量増加の分、大臣は先日テレビで増えた分はしっかり在庫として置いておくと、これがないとどこかのワクチンの供給が間に合わないということになってはいけないので、政府の最初の在庫として持たせていただくとおっしゃっていました。先ほどは、検討するということで、在庫確保は明言されませんでしたが、供給量が思ったより多いので在庫に回す必要がなくなったという可能性が出てきたという理解で良いのでしょうか。
(答)いろいろな選択肢があり得る状況になったということです。
(問)シリンジの話ですけれども、この5回打ちが当面続くことによるスケジュールへの影響について、コメントをお願いします。
(答)これまでの供給については、5回打ち前提で出していますので、6回打ちになれば少し早まるかと思いますが、現時点では特に影響はありません。
(問)コロナに関してということですけれども、新型コロナ感染症対策室の残業時間が300時間を超えるという答弁書が閣議決定されているんですけれども、ちなみに大臣のところでは、今、残業時間はどれぐらいと把握されているのでしょうか。
(答)調べます。そこまでブラックではないようにしなければいけないと思います。
(問)300時間を超えるというものに対して、大臣は超過勤務削減の取組をされていると思うんですけれども、この数字についてはどういうふうに考えていますか。
(答)ひと月でということですよね。相当ひどい、もう黒を通り越しているという感じです。
(問)どう対応されますか。
(答)関係部署にしっかり対応してもらわないといけないと思います。
(問)高齢者接種のところですけれども、4月26日の週に1,741箱出荷とあって、先ほど在庫を含めていろいろな選択肢があるということをおっしゃっていましたけれども、これは5月以降というのは、こうやって1箱ずつというようなレベルで少しずつ増やしていくのか。それとも5月に入ると一気に供給が増える目途が立っているのか、どのようになっていくのでしょうか。
(答)5月は相当数の供給が見込めると思っておりますが、この5月の最初の週の供給がいつ入ってくるのかということがまだ確定しておりません。そのあたりを確定させないと、なかなか自治体にお知らせができないと思います。おおよその上限をこの範囲で発注してくださいと言うのか、あるいは入ってくる日時が確定すれば、注文をとってということもあり得るのかもしれません。
 そこのところはもう少し供給を日時まで確定していかないと何とも言えないというのが正直なところです。それから、それぐらい供給量が増えたときのEUの承認プロセスに何らかの影響が出るかどうかというのが、今、正直見えていないというのが現実です。
(問)そのあたりが決まるのは、だいたいいつ頃の想定でしょうか。
(答)正直言って、EUの承認については何とも言いづらいものがあります。
(問)見通しが示せるのはいつ頃になるのでしょうか。
(答)わかりません。
(問)針とシリンジについてまだ理解が追いついていなくて恐縮ですけれども、医療従事者の優先接種について、3月中の医療従事者向けでは、5回打つシリンジになるという理解でよろしいのでしょうか。
(答)そのとおりです。
(問)高齢者について、4月12日から高齢者接種が始まる予定になっていると思うんですけれども、この12日の週からのスタートには、6回分のものが間に合わないという理解でよろしいですか。
(答)間に合わない、そういうことです。
(問)今、お示しされたのはそこまでですね。
(答)そうです。

(以上)