河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月19日

(令和3年2月19日(金) 14:03~14:31  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103記者会見室)

1.発言要旨


 2つございます。1つは、霞が関の国家公務員の超過勤務手当について、残業時間を正確につけて、その残業時間に対して満額の超過勤務手当を支払うということを各府省に指示しておりました。16日から18日にかけて、各府省での給与の支払いが行われました。
 1月分の支給につきましては、超過勤務手当が満額出たという人もいれば、若干違うのではないかという声がありましたので、至急調べさせておりますが、主に他省庁との併任がかかっている職員、それからテレワークをしてきた職員の勤務時間について不十分なところがあるということを聞いております。
 特に、併任がかかっている職員やテレワークというところに注意して、今後、超過勤務手当が確実に支払われるように、各府省に指示・徹底をしていきたいと思っております。
 これまで、課長をはじめ管理職は、あまり部下の超過勤務時間に注意を払っていなかったのかもしれませんけれども、今後は管理職について、部下の超過勤務時間のマネジメントがしっかりできているかどうかを人事評価の中の大きな柱として組み入れるようにしていきたいと思っておりますので、霞が関の管理職は、今までのようにもらった紙にただぽんと承認のハンコをつくだけでなく、部下の時間管理をしっかりやってもらいたいと思っております。
 また、超過時間に対する手当はしっかり満額を払えるようにしてまいりますが、各府省においては業務の効率化をやっていただかなければなりませんので、業務の効率化というところについてもしっかりやっていきたいと思います。また、この超過勤務の時間をしっかりととれるようなシステムの導入を各府省に急いでもらいたいと思いますし、内閣人事局としてもそれをしっかりサポートしていきたいと思っております。
 2つ目です。ワクチンでございますが、先行接種が17日にスタートし、昨日5時の時点で16施設で611人の接種が終わりました。現時点でPMDA(医薬品医療機器総合機構)に対して、接種直後のアナフィラキシー、あるいは死亡するといった案件の報告はございません。
 先行接種に続きまして医療従事者の優先接種が行われますが、そのためのコロナワクチン1,000箱(195,000バイアル)の配布を行います。3月1日の週に500箱、8日の週に500箱、ワクチンが順調に入ってくればという前提ではございますが、お手元に配布数をお配りしていると思いますが、この数量でお配りしていきたいと思っております。とりあえず、来週24日に各都道府県からこの数字で示されたワクチンをどこに配布するのか、配布予定先を報告していただいて、再来週早々からこのワクチンをお届けして、医療従事者向けの接種をスタートしていきたいと思っております。
 このワクチンで1回目の接種を受けた方が、3週間たって2回目を確実に打てるように、次の1,000箱のワクチンを改めてお届けしたいと思っております。
 ワクチンの第2便の承認が得られているということを御報告いたしましたが、第2便は、387箱(75,465バイアル)が到着する予定になっておりますので、500箱、500箱、やや自転車操業かもしれませんが、しっかりと医療従事者用にスタートさせていきたいと思っております。
 高齢者の接種がそれに続きますが、4月から開始する方向で準備を進めております。高齢者は、基本的に数が3,600万人、桁違いに更に増えていきますし、全ての自治体にお願いすることになりますので、都道府県、市区町村の御協力をいただきながら、まずテスト的に限られた数量のワクチンをお配りして、配送ですとかシステムですとか、様々なことを確認していただきたいと思っております。そこから順次広げていって、3,600万人の高齢者への接種ができるように、少し段取りを丁寧に確認していきたいと思っております。
 詳細につきましては、自治体とも相談して、できるだけ速やかにスタートしたいと思っております。
 それから、ワクチン接種の記録システム、ナショナルデータベースのシステムにつきましては、2月17日にシステム開発・運用に関する契約を締結いたしました。クラウドに市区町村のデータをアップしてもらって、管理してもらうということで、一つは災害への備えに強くなると思っております。これなしですと、自治体の接種台帳に入力されるまでは、予診票という紙を物理的に持っていなければいけないということで、災害に非常に脆弱になってしまうのではないかとちょっと心配しておりますが、ナショナルデータベースに日々入力していただくことで、災害時には非常に強いと言うことができると思います。
 それから、住所地以外で接種を行っていただいたり、あるいは1回目と2回目の間に引っ越されたり、接種券をなくしてしまったりという方の再発行などの問合せも、予診票をめくって捜さなければいけないというところから、この管理システムで情報を引き出すことができるようになりますので、自治体の皆さんからしてみると、住民の方々の問合せに迅速に効率的に対応ができるようになるのではないかと思います。接種台帳からLGWAN(総合行政ネットワーク)上にデータをアップしていただくという一手間がかかりますけれども、あとの入力はバーコードで簡単に入力できるようなものになる予定にしておりますので、最初の一手間が余計にかかりますが、あとは様々な対応を考えると、自治体の皆さんの手間も軽減できるのではないかと思っております。
 いろいろ意見交換をしながら詰めてまいりましたので、しっかりと期日に間に合うというか、その前に自治体の皆さんにもさわっていただけるようなスケジュールでやってまいりたいと思っております。

2.質疑応答

(問)いただいた資料の配送の件でちょっと確認させてください。合計1,000箱で195,000バイアル分を記したものだと思うんですけれども、第1便が約6万バイアルだったと思うんですが、第2便が今、75,465バイアルとありまして、合わせると約13万バイアルとなるんですけれども、つまり、第3便以降の供給したものも含めたこの3月8日までの発送分ということになるんでしょうか。
(答)そのとおりです。この数量に十分な量がEUの承認を受けて入ってくるという想定でこの数字を出しています。
(問)あと1点、第2便は到着するのはいつになるか、教えていただけますでしょうか。
(答)21日に到着予定です。
(問)ワクチンで2点伺います。まず、医療従事者が推計の370万人から100万人増えたと、大臣が昨日テレビ番組で表明されました。具体的にどういった属性の方々が多いのかというのと、今回の470万人のうち、現時点でその何割程度の方が接種を希望すると想定されているのか。また、今回お示しされたこの配分量はどのような基準で決められたのかお聞かせください。
(答)都道府県には医療従事者等ということで、こういう属性の方を報告してくださいというのをお願いして上がってきた数が、厚労省が最初に推計していたものよりも少し大きくなりました。どこがどれぐらい増えているかというのは、私はよくわかりませんが、その医療従事者等に応じて、まずワクチンの配分をしてまいりたいと思っております。どれぐらいの方が打たれるか、意向確認をした数字ではありませんのでよくわかりませんが、医療従事者の方に配ったワクチンが余れば、それは当然、次の高齢者の方に回していただくことになります。
 しばらく高齢者と医療従事者が、高齢者の先行のトライアルを4月には始めたいと思っておりますので、そのあたりは重なると思いますが、これはトライアル用というのは別に分けて送ることを考えたいと思っております。
(問)関連でもう一点です。今、言及のあった高齢者接種と医療従事者の優先接種が重なるということも昨日表明されましたけれども、高齢者接種は、大臣は従前から2か月と3週間で終えるという目標を掲げています。これがずれ込む見通し、現時点でないのかどうか、お聞かせください。
(答)トライアルは少し限定的にやりますので、ワクチンがかなり立ち上がって潤沢に供給されるようになって、全ての自治体で「行くぞ」と言って、フルキャパシティーで動けるようになってから、2か月と3週間を目標にやれるような体制をつくってほしいというのは変わりはございません。どれぐらいの方が打ってくださるのかというのも、まだ見えていないところですが、なるべく2か月と3週間を頭に描きながら、それぞれの市区町村で接種体制をつくっていっていただきたいと思っております。
(問)関連して、医療従事者の数が増えたということに関してなんですけれども、100万人増えたということですが、具体的に470万人ということで確定しているのか。それともこれから増える見込みがあるのか、その点をお願いいたします。
(答)今、精査しているところだと思いますので、まだ確定ではないと思いますし、これは別に意向調査をしているわけでもありませんので、一つの目安ということで、ワクチンを配分する目安にはしたいと思っています。24日までに、どこにワクチンを出してくれという報告をいただくことになりますので、その辺から少しどこに何箱という形でしっかり出していきたいと思っています。
(問)1瓶で6回打てるか、5回打てるかという問題なんですが、先行接種4万人の分は、6回打てる注射器を使えるという話でした。この次の75,465バイアルの分の注射器というのは、6回分のものを使える見込みなんでしょうか。
(答)総量としてはあるのだろうと思うのですが、これを各都道府県に送るわけですから、ちょっとその辺の配送のロットやら何やらと照らし合わせていかないといけないかと今は思っておりますが、できるだけ6回でいけるように努力しているところであります。
(問)基本的に数としては6回分のもので確保はしていて、ただ実際に各病院に配送できるかとか、そこら辺で間に合うかどうかということでしょうか。
(答)具体的に針とシリンジが、どれぐらい発注ができていて、どれぐらい製造ができていて、どれぐらい包装、梱包ができて、どこにどれぐらいの量でいつ入ってくるかというのを見ながら、それと配送のスケジュールを見ながらやらなければいけないものですから、一生懸命努力しているというところまでにとどめたいと思います。
(問)基本的には6回、この分については打てるだろうというような見込みという理解で良いでしょうか。
(答)努力しているというところです。
(問)もう一点です。ちょっと聞き漏らしたかもしれないのですが、都道府県ごとの配分なのですが、どういう基準で分けているのかということを伺えますか。
(答)医療従事者などの数に応じて配分してもらっています。これは、厚労省の方で計算してつくってもらっています。
(問)基本的にその数に比例してという理解で良いのでしょうか。
(答)大体そのような感じなのではないかと思います。あとは24日にどこにというのを見ながら数字を出していきたいと思います。
(問)2点伺います。第3便以降の調整状況と、4月に実施される予定の高齢者接種の先行トライアルなんですけれども、既に大臣の中で想定されている自治体などがあれば伺いたいのですが。
(答)どういうふうにやるか、これから自治体、都道府県、市区町村と相談しながらやっていきたいと思っております。
(問)第3便以降の調整状況もお伺いいたします。
(答)頑張ります。数量、それから承認について、2便までは確定したということと、ファイザーから出して良いという了解をもらいましたのでお知らせしますが、まだこの後については、確定し公開を了承してもらったものから、速やかに出していきたいと思っています。
(問)大臣がおっしゃった高齢者の先行トライアルというものと、そのほかの高齢者全般の接種というのは、どちらも4月に開始を予定しているという理解でよろしいのでしょうか。それとも、3月にトライアルは前倒しで始められるとか。
(答)いえ、高齢者については、早くとも4月1日と申し上げておりましたが、4月1日は年度始めですので、ちょっと年度始めに無理をしてトライアルをやる必要もないと思いますので、そこは柔軟に考えていきたいと思っております。トライアルの規模、その他は、どれぐらいのワクチンが入ってくると見込まれるかによって変わってくると思いますが、医療従事者の2回目がまだ続いておりますので、そんなに急にトライアルを立ち上げる必要はないかと思います。ワクチンの数の制約もありますので、そこは一歩一歩いろんなものを確認しながらやっていきたいと思っております。
(問)そうすると確認ですが、一般の、先行でない部分の全体の高齢者接種というものは、医療従事者が増えていることもありますし、先行のトライアルを挟むということもあって、全体的に少し後ろ倒しになるという理解でよろしいのでしょうか。
(答)高齢者接種をとにかく予定どおりに4月からスタートさせたいということで、様々自治体と相談して、いきなり一気にやって、みんながひっくり返るということにならないようにしようということですので、どういう手順でやるかというのは、これから少し具体的に相談していきたいと思っています。
(問)そのトライアルですが、自治体、都道府県、市区町村と相談しながらということですが、全ての自治体でやろうという意味なのか、それともどこかモデルを選んでやろうというのか、どういうイメージですか。
(答)これはワクチンの数量にもよるのだろうと思いますので、これから少し具体的な戦略を考えていきたいと思います。
(問)モデルを選んでやるということも、数量によってはあり得るということですか。
(答)数量がないと限定されますので、そこは数を見ながらどんな感じかということはやっていきたいと思っています。
(問)もう一つ、厚労省が出した医療従事者370万人という数字ですが、これは一体どういう数字だったんでしょうか。
(答)コロナ禍でコロナ感染症に接する可能性が高い医療従事者の数というのを、何らかのパラメーターを置いて推計したものだと思います。
(問)何らかのパラメーターというのは把握されていますか。
(答)知りません。
(問)確認しないのですか。
(答)知りません。
(問)確認なんですけれども、1箱当たり195バイアルということで、人数分に換算すると1箱で大体何人分のワクチンが打てるという理解で良いのでしょうか。
(答)195バイアルで、1バイアル6ドーズとすると1,170。
(問)1人当たり2回接種すると思うのですが、1,170というのは、これはそのまま1,170人が2回打てるという理解で良いのでしょうか。
(答)違います。1箱に195バイアル入っていて、1バイアルから6回取れると1,170回分ということになります。
(問)ちょっと細かい話になるかもしれないんですが、先行トライアルと、それ以外の高齢者の接種なんですけれども、2か月と3週間というのは、この先行トライアルも含めて、2か月と3週間ということになるんですか。
(答)そこまで具体的に考えているわけではありませんが、ワクチンの量によって、先行トライアルがどれぐらいになるか。それから、おそらく先行トライアルもそんなに潤沢に自治体のキャパシティーいっぱいに打てるようになるとは思っておりませんので、先行トライアルというか、ワクチンの供給がある程度潤沢になって、立ち上がってきてから2か月と3週間ぐらいなのかという気もいたします。それは、これからのワクチンの入り具合というところに左右される部分が多いのではないかと思います。
(問)確認です。先行トライアルも、それ以外の一般の高齢者の接種も、4月中に始めるというのが、現在の目指すスケジュールという理解でよろしいでしょうか。
(答)4月中にとにかく高齢者接種を始めたいと思っておりますが、あとは、ワクチンの数量によってどういうふうにトライアルをやるかというのをこれから考えていきたいと思います。まだ、現時点で3便がどれぐらい来るかもわからない状況ですから、ここから少しいろいろなことを前広に考えていきたいと思います。
(問)冒頭に御紹介のありました、ワクチン接種を記録するナショナルデータベースについてお伺いします。発表では、契約先が株式会社「ミラボ」という創業8年目のスタートアップ企業との随意契約になりますけれども、改めて、この企業を選定された理由と意義についてお願いいたします。
(答)株式会社「ミラボ」というスタートアップの企業ですが、これまで電子母子手帳のシステムの開発をしていたりということで、予防接種に関するシステムの実績もありますし、マイナンバーを使うところで必要なセキュリティーの面でも実績があるということ、それから、この4月に高齢者接種をスタートするために、ある程度練習というのか、デモを含めた開発がしっかりと間に合うという能力があるというところから選んだわけでございます。
(問)今後の供給見通しの確認ですが、第1便が12日に届いて、2便が21日に届くとおっしゃいました。今後も概ね大体10日間前後でのペース、そして、数が第1便の65,000、第2便の75,000、ペースとこの瓶数は当面こういった形が続くと見ているのか。あるいは、これよりも少なくなってしまうリスクもあるのか、大臣の分析と見通しをお聞かせください。
(答)増やしていきたいとは思っております。
(問)確認ですが、この数、このペースよりも低下することはないという理解で良いのでしょうか。
(答)それはわかりません。EUの承認もとらなければ出せないものですから。
(問)ワクチンの到着の第2便に関してなんですけれども、第1便に関しては特に情報を公開しなかったということですけれども、今回こういうふうに21日に到着予定となぜ発表したのかということと、これから第2便、第3便と続くと思いますが、基本的に成田空港に到着するということでよろしいのでしょうか。
(答)ロジスティクスに関して、ファイザー社が責任を持っているところについては、私から申し上げるのは差し控えたいと思います。ファイザー社から公開する了承が取れているものについては、報告していきたいと思います。

(以上)