河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月5日

(令和3年2月5日(金) 8:35~8:46  於:参議院本館3階・内閣記者会3)

1.発言要旨


 まず、本日の閣議におきまして、2月7日の「北方領土の日」について、北方対策担当大臣として発言を申し上げました。2月7日は、北方領土問題の解決を求める日本国民の決意を内外に表明するため、午前11時半から所要1時間程度で、「北方領土返還要求全国大会」が開催されます。
 今年は、新型コロナウイルス感染症の状況に鑑み、全国数箇所をネットで結んで連携を図るとともに、無観客方式とし、大会の模様はネット配信されますので、是非ご覧いただきたいと思います。
 2つ目です。今日、持ち回りで開催いたしました「行政改革推進会議」におきまして、令和2年度「秋のレビュー」の指摘事項に対する各府省の対応状況(フォローアップ)、令和3年度予算の政府案への反映状況について取りまとめました。
 フォローアップの内容につきましては、例えば、「子供の貧困・シングルペアレンツ問題」では、デジタル技術を活用して、教育と福祉の部門のデータの一元管理・連携に向けて、調査研究を実施するということになりました。
 「幼稚園の預かり保育の促進」では、保護者の多様なニーズに対応できるよう、長時間の預かり保育を行う幼稚園の補助単価を充実させることになりました。
 「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」については、補助率の見直し、あるいは申請要件の厳格化など、事業を抜本的に見直ししていただくことになりました。
 また、政府予算案への反映額は、概算要求の段階から1,263億円が減額されることになりました。公益法人などに造成された基金に関しても、令和2年度分及び3年度分として、総額737億円の国庫返納予定額ということになりました。
 無駄の削減はもとより、国民目線で価値を創造していく観点からも、テーマを取り上げて事業の背景や意義について議論をしましたが、一定の効果が出たのではないかと思っております。
 この行政事業レビューについても、不断にやり方を見直ししていかなければいけないと思っております。そういう意味で第一歩は踏み出せたかと思っております。

2.質疑応答

(問)ワクチンの件で2点伺います。政府が2月中旬としている医療従事者1万人の先行接種の時期が迫っています。その中で、なかなかその後の高齢者接種や一般接種の供給スケジュールが確定できない、見通せない現状ですが、最新の進捗状況と、現在抱えている最大の課題について、大臣の見解をお聞かせください。
(答)最大の課題は、ワクチンの供給スケジュールです。これは、EUの透明化プロセスが入りましたので、供給に大きな影響が出ております。供給が見通せないという状況の中で、外務省にもお願いし、しっかりと供給スケジュールを関連する自治体にお示しできるように、努力をしているところでございます。
 自治体には体制を確立していただく作業は進めていただいておりますが、具体的な作業スケジュールが出てこないと、場所の確保とか、あるいはお医者さん、看護師さんの確保のスケジュールが確定できないという話はいただいておりますし、その実情はよく理解できますので、供給スケジュールの確定に向けて頑張ってまいりたいと思います。
(問)関連してもう一点、大臣が総理から政府全体の総合調整役を指示されてから間もなく3週間となります。小林補佐官、直轄チームを立ち上げられて新システムを構築されていますが、これまでの御自身の取組を評価されての御所見と、それから今後の改善点があればお聞かせください。
(答)当初かなりマンパワーがない中で作業を進めてくれておりましたので、ワクチンチームはとりあえず16名の増強をお願いして、増強させていただきました。また、地方自治体、都道府県、市町村との情報のやりとりのためのリエゾンをお願いしているところでございます。
 知事会をはじめ、かなり多くの御協力を得られる見通しとなってまいりましたので、マンパワー的には多少以前よりも改善されたと思います。
 また、与野党の皆様の御理解をいただきまして、個別のレクをやめて、プロジェクトチームなどに御説明を一本化させていただきました。私が担当を拝命した時には、レクで上の方の人間が昼間はいないというような状況もありましたが、かなり自治体との情報交換などの実質的な作業をしっかりやることができるようになってまいりましたので、立法府の皆様には改めて感謝申し上げたいと思います。
 今後は、約1,700の自治体の計画が出てまいりますけれども、それぞれ地域事情が全く違うわけですので、この約1,700の自治体を丁寧にバックアップしていかなければなりません。間で取りまとめをしてくださる都道府県をはじめ、しっかりと意思疎通をやりながら、こちらで決めなければいけないものについては早いタイミングで決断して、お知らせしていく必要があると思います。
 さらに、今後の様々な進展を見ながら、時には大胆な決断をする必要があるかと思いますので、それは私の責任でしっかりやらせていただきたいと思っております。
(問)大臣は発信面の強化というのも期待されていたと思います。御自身は、発信面についてはどのように自己評価をされていますか。
(答)官邸のホームページ、あるいはツイッターのアカウントというようなもので、少しずつ情報の発信をするようにいたしました。また、諸外国、EUですとかアメリカのワクチンの接種状況、副反応の状況というものも上がってまいりましたので、正確で分かりやすい情報をいち早くお届けするように、しっかり今後も心がけていきたいと思います。
(問)ワクチン接種に関連してお伺いします。オックスフォード大学のまとめによりますと、G7の中でも日本以外の国では全て接種が進み、世界各国で接種が進んでいますけれども、まだ日本は始まっていない状況です。一部では遅れを指摘する声もありますけれども、その指摘に対する大臣の御認識をお願いいたします。
(答)G7の欧米と比べると、日本のコロナの状況はだいぶ良いのだろうと思います。また、日本は治験の結果を受けて、承認のプロセスをかなり丁寧にやっていただいていると思います。いざスタートしたら、しっかりと接種を進めていけるように、準備はそれまでにしっかりやっておきたいと思います。
(問)ワクチン接種に関する接種管理の新しいシステムについて、改めてお伺いしたいんですけれども、これまで菅内閣発足後、主に平井大臣と組んで行政のデジタル化というものを進めてきたと思うんですけれども、今回の接種管理のシステムが、今後の行政のデジタル化に向けてどういう影響を与えるか、どういうふうに期待されるかというのを、お考えを改めてお聞かせいただけますか。
(答)当面のワクチン接種状況の管理、あるいは引っ越した人や接種券をなくしてしまった人への自治体の対応ということでも役に立つと思って期待しております。接種台帳を一度クラウドに吸い上げてやってまいりますので、今後も使っていただけるのだろうと期待しております。いろいろなことで今後の行政のデジタル化につながっていったら良いと思います。
(問)冒頭で紹介された北方領土の全国大会についてお伺いします。オンラインということで、これまで以上に参加できなかった方の裾野を広げられるという期待の声もあるんですけれども、一方、元島民は高齢者も多いので、十分に声が伝えられるかということで、ネットに不慣れな方からそういった懸念の声も出ています。大臣も中継で参加されると思うんですけれども、改めてこの大会への意気込みというものを教えてください。
(答)今までは物理的に来ていただいてということでしたので、会場に来られる方は限定されていたと思いますけれども、今回は初めてオンラインでやりますので、物理的な制約はないと思います。
 確かに、元島民の皆様の平均年齢は85歳を超えたという状況ですから、是非、周りの方にそうしたオンライン環境をサポートしていただいて、一人でも多くの方がオンラインで参加していただけるとありがたいと思っております。オンラインでやりますから、今まで参加したことがないような若い世代の皆様にも、全国各地から参加していただけるようになるのではないかと期待しています。

(以上)