河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月2日(夕方)

(令和3年2月2日(火) 17:46~18:00  於:中央合同庁舎第8号館1階エントランスホール)

1.発言要旨


 ワクチンの供給に関しては、朝から変化はありません。依然としてEUとの協議が続いている状況です。EUとの協議がどうなるかによって、いくつかの輸送のオプションをいくつかのケースに分けて考えているところであります。現時点では2月下旬の接種開始に向けて準備を進めているところで、今のところそのスケジュールでいきたいと思っております。
 それでワクチンの日本への輸送に関して、セキュリティーの観点から、不測の事態を起こしたくないということで、輸送の日時・場所については、非公開にさせていただきたいと思っておりまして、できれば取材・報道は差し控えていただけると非常にありがたいと思っております。その後の展開について、あるいは接種の開始時期、どこからどういう順番で接種をやるかといった国内での接種に関する動きは、確定次第、逐一お知らせしていきたいと思っておりますが、ワクチンを持ってくるところは、これは今度の接種の根幹に関わるところのものですから、セキュリティー面での不測の事態を避けなければいけないということで、そこについては非公開でやらせていただきたいと考えているところでございます。
 承認については、これは田村大臣の方の担当でございますから、私から申し上げるところはございませんが、承認が得られ次第、予診票の確定その他、接種に関する業務ができるような準備も、併せて行っていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)輸送の日時・場所を非公開にしたいということですが、大臣が具体的に想定されている不測の事態というものを例示していただけますか。
(答)様々なテロから妨害行為に至るまで、いろいろなこともあり得ると思っておりますので、そこにはしっかり備えておかなければいけないと思っております。
(問)テロや妨害行為というのは、第三国から仕掛けられるリスクがあるという認識なんでしょうか。
(答)この内容をあまり申し上げるのはどうかと思いますが、様々なことが想定されると思っております。
(問)詳細は説明できないけれども、そういった関連情報が寄せられているという認識で良いのでしょうか。
(答)この日本への輸送について、ここはかなりしっかりやらなければいけないと考えています。
(問)一応確認なんですけれども、今、2月下旬から、医療従事者への接種というようなことも計画しているところですが、そこの供給のスケジュールもまだ未定ということでしょうか。
(答)日本への供給のスケジュールで、今のところまだしっかり確定しているものはありません。ただ、2月の下旬に接種を開始するために、EUとの協議がこうなったらこういうケースというケース分けはいくつかしているところです。
 ただ、今朝申し上げた状況から、EUとの協議の状況に変化はありません。EUとの協議の内容が固まれば、これはまたお知らせすべきだと思っておりますが、現時点で確固たるものはございません。日本に対して最大限の配慮はするという話はありましたが、その内容がどういうことになるのか、あるいは日本のワクチンの供給にどういう影響があるのかないのかといったことについても、まだ確固たる状況ではないものですから、今、こういうケースというものを申し上げることはできません。お許しいただきたいと思います。
(問)別件で、与党内から、職場での集団接種の要望論が出ています。田村厚労大臣は午前中の会見で、職場と市町村、それぞれ両立が可能なのか検討し、河野大臣の下で調整を進めたいと述べられました。大臣はこの職場での大規模接種をどのようにお考えか、両立可能か、検討状況をお聞かせください。
(答)当初は高齢の方ですから、自治体の今の計画に沿って行っていくことになろうかと思います。特殊な冷凍庫が必要なものについては、かなり難しいのではないかと思っておりますが、インフルエンザウイルス並みの管理でいけるものについては、いろんなことが想定されるだろうと思っております。そういうことについても、いずれしっかり検討しなければいけないと思っておりますが、まず、高齢者の接種の準備を自治体が進めてくれておりますので、現時点では、それをきちんと進めるというところに注力していきたいと思っております。
(問)輸送の関係ですけれども、そういう事情があるとしても、なかなか我々にはどんなリスクがあるかというのは説明できないところもあるんでしょうけれども、そのリスクはわからない中で、報道をやめて欲しいというのは、そこはよくよく大臣としても検討した上で、そういったことをおっしゃっているんですか。
(答)いつから接種が始まるということは、これはもう国民の皆様に関わってくることですので、しっかり確定したらお伝えしていかなければいけないと思いますし、国民の皆様に広く知っていただきたいと思っておりますが、そこに至る手前のプロセスに関しては、これは各企業からもそういう要請が強く来ているところであります。そういうところもあって、そこはぜひお願いしたいと思っています。
(問)報道してはいけないというか、して欲しくないというのは、日時・場所とかですか。
(答)はい。
(問)他には何かあるんですか。何がいけないのかを明確にしていただけますか。
(答)物の動きが特定されるようなことは差し控えていただきたいと思っております。実際の接種の場所とかは、実際に接種される方がいますから、広くいろんな形で自治体も広報していくと思いますし、いろいろあると思いますが、それ以前のところについては、これは誰が輸送の責任を負うかという責任の問題もあるものですから、そこはぜひお願いしたいと思っております。
(問)一方で準備が進んでいるというふうに国民は受け止めて、そうした報道が安心感を与えることもあるかと思うんですけれども、日本が確保できるかどうかというのが心配になってきている中で、準備が進んでいるということについては、どういったメッセージを国民に対して発信していく必要があると思いますか。
(答)今、一番重要なのはそれぞれの自治体における接種の準備状況だと思います。これは、自治体からの質問その他にしっかりとタイムリーに答えられるように、今、集中して厚労省の担当部局でやってもらっているところで、その準備ができれば、そこへワクチンを流していって、皆さんに来ていただいて、打っていただくということですので、準備の中で一番大事なのがこの自治体の準備状況だと思います。これは、それぞれの自治体も段々と準備状況について、地域の皆さんにお知らせしていくということになろうかと思います。
 我々として、責任を持って、そこへワクチンが流せるように努めていきたいと思っております。先行して医療従事者に2月の下旬から、高齢者に関しては、早くて4月1日からということをこれまで申し上げてまいりましたが、今日の時点でそのスケジュールでやっていきたいと思っておりますし、今日の時点でそれができないという情報はございませんので、そういうスケジュールでいくということは、自治体にまだ申し上げております。
 ただ、そのワクチンの供給のスケジュールが確定しないものですから、なかなか自治体に正確なところをお知らせできなくて申し訳ないと思っております。
(問)先ほど、物の動きが特定されるような報道は差し控えてほしいというお話だったと思うんですけれども、これはワクチンに関して、海外から日本に入ってくる動き、プラス国内の輸送状況においても、同じように報道を控えていただきたいという趣旨でしょうか。
(答)本音を言うとなるべく物の動きは差し控えていただきたいと思っております。それは様々な不測の事態が起きるのを防ぎたいということでありますが、自治体が準備をする中で、当然自治体には、ワクチンを送っていくことになりますから、そこについては様々な形で情報が出てしまうと思いますので、そこは皆さんも報道のいろいろなものがあると思いますので、どこまでお願いができるものかというのは、私もなかなか今、判断しづらいところがありますので、必要ならいろいろな形でご相談するということはあるのかもしれませんが、今、当面日本へ持ってきて地方へ出す前のところまでの物の動きについては、ご配慮いただきたいと思っております。
(問)このタイミングで発表されるのは、先ほど、一部報道があったからという理解で良いでしょうか。
(答)そういうことです。
(問)確認ですけども、輸入段階で、テロ等のリスクがあるという認識なのか、あるいは国内の流通段階でも、そういった妨害行為のリスクがあるという認識なのか、それぞれ分けて、大臣に危機意識をお聞かせ願いたいのですけれども。
(答)そこを申し上げるのはあまり賢明ではないと思っております。それからもう一つは、物流の責任を誰が持つかというところもありますので、そこについて政府の方からも、そうした報道についてはご配慮いただきたいとお願いしたいと思います。
(問)一点だけ、日本以外にも、今いろいろなやり方で、世界各国のワクチンを先行して打っている国々はたくさんあると思うんですけれども、そういったところでも、国内で製造していないものを輸入するときは、政府の方が、そういう物流関係の情報というのは公表しないというやり方が一般的なんでしょうか。それとも日本独自の今回のやり方を考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)そこは、おそらく企業ごとのポリシーというのもあるのだろうと思います。

(以上)