河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年1月22日

(令和3年1月22日(金) 9:23~9:46  於:参議院本館3階・内閣記者会3)

1.発言要旨


 3点ございます。まず、国家公務員の超過勤務手当、残業手当に関して、財務大臣に御相談にまいりまして、御理解いただきました。 今後、残業時間は厳密に行った分を全部つける。もうテレワークその他全部含めて、残業時間は全部つけて、それに対して残業手当を全額支払う。それをとにかく徹底していきたいと思います。
 その際、残業時間を調整したり、何か不正を行うようなことがあったら、必ずそれは私のところへ、あるいは内閣人事局に言っていただきたいと思います。それは当事者だけでなく、隣の島とか隣の課とか、何かそういうことがあったら黙っていないで必ず言う。それをやろうとした者については、厳格に対応する。だから、やらない、やらせない、見逃さない、それらを徹底していきたいと思います。
 その上で、まず残業を全部つけて残業代を全額支払うという大前提のもとで、今後はそれをきっちりやりますから、無駄にだらだら仕事が続くということがないように、また、各省庁で業務の効率化にしっかり取り組んでもらいたいと思っております。
 今、各省庁の中で、最初に残業代を各局に割り振って、こっちは足らなくなったけれども向こうは余っているみたいなところがありますけれども、そういうことがないように、各省で、しっかり適切に配分していただきたいと思います。そういう意味で、業務時間がきちんと的確に把握されるようなシステム、仕組みを一刻も早く各省に導入していただきたいと思っております。
 さらに、テレワークについて、本省ではかなり機器の導入が以前より進んできました。ただ、出先機関その他、まだまだ機器の整備の遅れがあります。そういうことで、今年度のそれに関する予算を早期に執行して、必要な環境整備、あるいは使い勝手の向上をやっていただきたいと思っております。それについても各省に私からしっかりお願いをしていきたいと思っています。
 2つ目です。今日の午後4時をもちまして、首相官邸のホームページにワクチンに関する特設ホームページを設置すると同時に、首相官邸ツイッターにもワクチンに関する専用アカウントを開設いたします。
 このホームページ、あるいはツイッターアカウントなどを通じて、国民の皆様にワクチンに関する正確な情報をわかりやすく発信していきたいと思っております。
 今日の閣議後の閣僚懇談会において、各府省に発信する必要のある情報を積極的に提供していただくようお願いをすると同時に、このホームページ、ツイッターのアカウントの周知を、各省のSNSなどを通じて積極的に広報いただくように協力をお願いいたしました。ワクチンに関する正しい情報をなるべく速やかに発信していきたいと思っております。
 3件目です。ワクチンの現在の準備状況と今後の見通しでございます。まず、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3社との契約ができましたので、ファイザー社が約1億4,400万回、モデルナ社が5,000万回、アストラゼネカ社が1億2,000万回分のワクチンを契約いたしましたので、国民に必要な数量の確保を見込むことができております。当面は、薬事承認を前提として、ファイザー社のワクチンによる接種が先行いたします。当分、このファイザー社1社で先行いたします。
 昨日、官房副長官の会見で、6月中に数量の見込み云々という発言が副長官からありましたけれども、申し訳ございませんが、政府内の情報の齟齬がございまして、スケジュールに関する御発言については修正させていただきます。このような政府内の情報の齟齬がないように、今後、きっちり徹底してまいりたいと思います。
 ファイザー社のワクチンにつきましては、昨年、12月18日に薬事承認申請が行われた上で、審査を行った上、まずできる限り2月下旬から、コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある医療従事者から接種を開始できるように準備したいと思っております。
 ファイザー社のワクチンの具体的な供給スケジュールが今の時点でまだ未定でございますので、この供給スケジュールを調整しながら、接種のスケジュールを決めていきたいと思っております。
 3社とも、ワクチンの供給のために必要な航空会社との調整、あるいは税関との調整といった手続は、出荷のスケジュールに合わせてやっていただいております。特に、ファイザー社は昨年12月23日に海外のワクチン工場から国内到着予定空港の保税エリアの搬入まで国際輸送の検証を行ったところでございます。
 ファイザー社のワクチンについては、輸送会社が陸送、一部空路もあるかもしれませんが、12月15日から18日にかけて輸送の検証も行っております。フリーザーについて、マイナス75度1万台、これはファイザー社ですが、またマイナス20度1万台というのも必要になりますが、フリーザー2万台は国の方で契約していただいておりますので、順次、これを自治体の必要なところに配送してまいります。
 また、承認が取れ次第、約1万人の医療従事者に国立病院などでまず接種を先駆けて行います。先行接種を行う国立病院、100病院ぐらいだと思いますが、どこでこの先行接種をやるかは、1月20日付で通知をしております。これをきっかけに370万人の医療従事者に接種を行っていきたいと思っております。
 医療提供体制を確保するために、まずこの医療従事者に接種をした後に、重症化リスクを考えて、高齢者に接種を行い、その次に高齢者以外で基礎疾患を有する者、高齢者施設などの従事者への接種を今、考えているところでございます。それ以外の方については、その後、ワクチンの供給量に応じて決めてまいりたいと思っております。
 まだ、未定なところが多くて、国民の皆様、それから準備をしていただいている自治体、医師会の皆様には御迷惑をかけておりますけれども、なるべく供給スケジュールが決まった分からしっかり流していけるようにやってまいりたいと思っております。

2.質疑応答

(問)最初のテレワークに関しての質問からさせてください。2点ありまして、テレワークを各省に呼びかけていると思うんですけれども、なかなか数値としてこれくらい進んでいるというのは出しにくいと思うんですけれども、大臣の感覚として、どれぐらい各省庁の取組が進んでいるのかというのが1点です。
 あと、残業代があったと思うんですけれども、テレワークをするとなかなか残業が見えにくくなるという点もあると思うんですが、その辺について、大臣、どういうふうにお考えなのか、教えてください。
(答)テレワークについては、たぶん、各省で大きな差があるのだろうと思います。防衛省とか外務省のような機密を扱っているところは、私も所管の大臣をやっておりましたので、なかなか難しいということでありましたが、これも機器の整備をきちんとやることによって、前向きに進めてもらいたいと思っております。
 テレワークに関することについても、必要な勤務時間をきちんと申告してもらう必要があると思います。これはもう民間では当たり前にやられていることだろうと思いますので、国家公務員についても同様にしっかりやっていただきたいと思います。
(問)ワクチンについて2点伺います。先ほど3社との契約、昨夜のツイッターで新たに3月末までに冷凍庫3,000台の確保という言及がありました。これらは、総理が明言されている、できる限り2月下旬までに開始するというスケジュールにどう影響するのか。現在、大臣としては前向きに2月下旬開始を捉えているのか、その点の見解を教えてください。
(答)2月下旬スタートを目標にしておりますが、これはまだ承認がおりておりませんので、まず承認がおりるということが大前提でございます。その後、このファイザー社との供給スケジュールを確認した上で、2月下旬にスタートできるようにやってまいりたいと思います。
 まず、先ほど申し上げましたように、100病院で1万人というところからスタートをいたしますので、それがスタートできるようにしっかりやってまいりたいと思います。
(問)もう1点です。国民の多くは、一体いつ、どのような形でそのワクチンを接種できるのか、またそのワクチンの副作用にはどの程度のリスクがあるのかというのが懸念されていると思います。そういった方々に対して、大臣としてどのようにメッセージを発信していきたいかお聞かせください。
(答)もう既に先行してこのワクチンを打っている国がありますので、そういう国の情報を正確にお伝えしていきたいと思っております。接種については、もう自治体が様々な準備をしていただいておりますが、供給のスケジュールがそこにはまらないといろんなことが決まってこないということがありますので、供給スケジュールをまずきちんと決めるというところから、順次、情報を出していきたいと思います。
(問)今、会見の中で、昨日の6月云々というところは齟齬があったということですけれども、では、何が正しいのかというところと、なぜそういう齟齬が生じてしまったのか、お願いします。
(答)どうしてそういう古い情報が行ってしまったのかはわかりません。ペーパーが紛れ込んでいたということで、坂井副長官には大変御迷惑をおかけいたしました。
 現時点では、先ほど申し上げましたように、2月下旬の接種開始を目指して準備をしているというところで、その後の供給スケジュールが決まり次第、その後のことについては、順次、お知らせをしていきたいと思います。
(問)接種に関して、マイナンバーの紐付けを総理も明言されたわけなんですけれども、確認させてほしいんですけれども、そもそもこのマイナンバーの紐付けに関しては、どこが所管官庁になるのか、河野大臣のところになるのかどうか、まず確認させてください。
(答)現在、システムについていろいろと検討しているところでございますので、これについてもきちんと決まり次第お知らせしていきたいと思っております。
(問)このシステムに関しては、2月下旬の接種開始までに間に合わせたいという思いでやっていらっしゃるということでしょうか。
(答)どのようなシステムを構築する必要があるのかについて検討しております。今、既にもう走っている部分がありますので、そこに御迷惑をかけないようにしなければいけないと思っておりますが、必要な情報を必要なところへきちんとお伝えするというようなことも含めて、どのようなシステムが必要かというところを検討しておりますので、決まり次第、きちんと出したいと思います。
 検討している中身を外に申し上げると、動いているシステムが止まってしまったり、いろいろな混乱が起きたらいけませんので、決まるまでは差し控えたいと思います。
(問)先ほど、ホームページの立ち上げの話をされていらっしゃいましたけれども、大臣はツイッターには220万人ぐらいフォロワー数がいらっしゃいますけれども、同様のことを大臣のツイッターでも発信されていく御予定とかはありますか。
(答)私のツイッターは暇つぶしですので、官邸のツイッターでしっかり情報を出していきたいと思っています。
(問)つまり、官邸のホームページに一元化されていくということでしょうか。
(答)官邸のホームページが政府としての広報であります。私のツイッターについては、今までと全く変わるところはなく、暇つぶしにやっているだけです。
(問)冒頭発表がございました残業の支払いの件なんですけれども、確認なんですが、これは今後支払うということなんでしょうか。例えば、今年度の4月まで遡ってお支払いするということはあるんでしょうか。
(答)今まで残業時間というものがきちんとついておりませんでしたので、遡ってということはできないだろうと思います。今後、きちんと残業時間をつけた上で、それに対してお支払いするということになろうかと思います。
(問)そうしますと、いつから残業代のお支払いというのはされるんでしょうか。
(答)いや、もう残業代は、今は支払われていることになっておりますが、残業時間が正確についていないということですので、今後、残業時間を正確につけろということを内閣人事局から各省庁にしっかり連絡をいたします。
(問)あともう1点、ワクチンの件なんですけれども、19日の官房長官の会見で、円滑なワクチン接種については広報とか発信というのも重要な任務というか、そういうような御発言があったんですけれども、河野大臣、現状はロジの御担当だと思うんですが、その広報・発信というのも大臣の御担当になったということでよろしいんでしょうか。
(答)そこはリスクコミュニケーションを含め、しっかりやってまいりたいと思っております。
(問)先ほどの官房副長官の発言の齟齬の部分なのですが、6月までに対象となる全国民に確保できるようにという話だったと思うんですが、それのどの部分が違うのかというのを、改めてお願いします。
(答)その部分全部1文を削除してください。
(問)そのかわりのスケジュールというのは。
(答)まだ供給スケジュールは決まっておりません。
(問)今の関連で、6月というのは古い情報で、今は決まり次第お伝えしますということですが、それは6月よりも早くなりそうということでそれがなくなったのか、遅くなりそうなのか。
(答)これまで様々な想定を出しておりましたので、それはもう現実に物が動き出すというところに来ましたから、本来、昔の計画をつくるための想定というのは捨てなければいけないということでございます。
 今後は、現実にワクチンが動いていきますので、それに合わせて供給スケジュールが決まっていきますので、その決まった供給スケジュールで物事を動かしていきたいと思っています。
(問)先ほど、大臣は、国民へのメッセージで先行している国の情報をお伝えしたいとありました。具体的にはイスラエル、それからUAEといった国々が3割、それから10%以上の接種率と進んでいますけれども。その点をどう分析されているのか。イスラエル、UAEの先行している理由等、大臣の考えをお聞かせください。
(答)いろんな国が進んでいたり、あるいは遅れていたり、1回接種を先にやろうとしているところもあったりと、たぶん、やっているところがばらばらだと思いますので、そこのところをもうちょっときちんと調べた上で、必要な情報を出してまいりたいと思っています。
(問)逆に言えば、英国、米国はまだ5%未満にとどまっています。こういった国の反省点も踏まえて、情報発信したいというお考えでしょうか。
(答)英国、米国も、接種した後の副反応の情報などをきちんととっていると思いますので、きちんと先行している情報を集めて、分析をした上で、お伝えしていきたいと思います。
(問)残業時間の関係で質問いたします。残業時間が適切に把握されるシステムや仕組みを一刻も早く導入してほしいということでしたが、具体的にどういうシステムを考えているのか、ありましたら教えてください。
(答)内閣人事局でもシステムのテストをしておりますし、民間でも様々なシステムがありますから、各省できちんと検討した上で導入していっていただきたいと思っております。
(問)関連でお伺いします。それは各省で統一されたシステムというか、全部の省庁で同じシステムを使った方が良いとお考えですか。
(答)今、もう既にばらばらになってしまっているのではないかと思いますが、今後どうするかは、少し内閣人事局で検討させたいとは思っております。
(問)確認で官房副長官の件なんですが、ファイザーとの契約では、年末までに1億4,400万回分としか決まっていない、そういう意味でしょうか。
(答)ファイザーの供給スケジュールで、今、オフィシャルになっているものはそのことでございます。それ以外のモデルナとアストラゼネカからも供給を受けますが、その供給のスケジュールは決まっておりません。
(問)そのファイザーの件に関しては、6月までの供給スケジュールは決まっていないので、昨日の発言は違うと。
(答)そういうことです。
(問)所管外の質問になってしまうんですけれども、特別定額給付金について伺います。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発令を踏まえて、国民の中では2度目となる特別定額給付金の支給を求める動きが出ています。政府内では消極的な姿勢を見せていますけれども、大臣御自身の御見解等があればお聞かせください。
(答)所管の大臣にお尋ねください。
(問)ワクチンの関係で教えてください。ワクチン担当に任命された1月18日の翌日の19日、小泉大臣も一緒に官邸に行っていろいろ打合せをされたかと思うんですけれども、環境大臣としての所管があると思うんですけれども、それ以外にも小泉大臣に何かワクチンに関して連携していく、これをやってもらいたいというようなお考えはありますでしょうか。
(答)特に若い世代にメッセージを出していくというようなことで、小泉さんの力をお借りするところはあると思います。情報発信というところでもあると思いますし、小泉大臣もいろいろ、地元でも熱心にワクチンの準備をされているというところもありますので、いろんなお知恵を借りる。これはもう小泉大臣に限らず閣僚の皆さんからの御助言、お知恵をしっかりお借りしながらやっていきたいと思っています。
(問)アストラゼネカのワクチンに関してなんですが、当初、1億2,000万回のうちの3,000万回は今年第一四半期までにということだったと思うんですが、1月も末になってきまして、まだ承認申請は出ていないと思うんですが、だいぶん期日が迫ってきたような気がするんですが、この計画に関しては、今のところ、何か変更というのはあるんでしょうか。
(答)計画に変更というよりは、まだ何も決まっておりません。
(問)まだ、それは生きているということで考えてよろしいんでしょうか。
(答)何も決まっておりません。

(以上)