河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月27日

(令和2年11月27日(金) 9:01~9:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭2件です。まず1件目、「縦割り110番」に寄せられていた、競争的研究費の扱いに関する御意見がございましたが、直轄チームから文科省をはじめとする関係省庁に対応を依頼しておりましたところ、対応方針の整理ができたものが幾つかございます。
 まず1つは、科研費の内定の通知時期、これまでは4月1日となっておりました。この内定の通知を早められないかという御意見が結構ございましたので、来年度は間に合いませんけれども、令和4年度からこの時期を前倒しして、令和4年度の公募は、令和4年2月をめどに採択通知を出すように体制を整備するということになりました。来年の夏頃までにそういう準備ができると思います。
 次に、科研費の研究計画調書の様式の欄が要らないのではないか、申請者にとって、そのためだけに何か書かせるということにもなりますし、審査員もそれを見なければいけないということで、両方の負担軽減につながるような変更をしようということで、令和4年度の公募が始まる時期までに新たな形式を詰めていただくことになります。
 それから、これはすぐにやるものですが、国の競争的研究費と大学の運営費交付金の合算使用ができないという御意見がございました。各省に確認して、競争的研究費について合算可能ということが確認できましたので、競争的研究費を所管している各省庁から、大学・研究機関の研究者に運営費交付金との合算使用は可能だという通知を直ちに出していただくことにいたしました。
 2つ目です。「PPP/PFIワンストップ窓口」ですが、今は電話などで御相談を受け付けておりまして、令和元年度は地方公共団体から約300件、民間事業者から約100件、合わせて約400件前後の御相談を受け付けておりました。今まで電話などだったものですから、内閣府のホームページ上の問合せフォームから、24時間オンラインで御相談の受け付けができるように、昨日、ワンストップ窓口のリニューアルが終わりましたので、地方公共団体、民間事業者などに御活用いただければ幸いでございます。
 地方自治体の財政状況が厳しく、また、人口減少の中で、様々な公共施設の整備や運営、これをどう効率的にやっていくかという中で、PFIの手法の活用は非常に重要だと思っております。岡下政務官に、地域を回って地銀や地方公共団体にこのPFIの活用についての布教活動というようなものをやってもらおうと思っておりますので、ワンストップの窓口機能もしっかりと強化していきたいと思っております。ここでPFIに関する御相談は一元的にお受けしておりましたが、少しこの機能も強化していきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)冒頭の競争的研究費関係で2点伺います。今回の取組で大臣が期待される効果と、実際に具体的に研究者の皆さんにどのようなメリットが生じるのか。そして、以前、大臣は井上大臣と一緒に競争的資金における執行ルールを統一すると言っておられました。今回の発表がその統一に当たるのか、それぞれお聞かせください。
(答)ルールの統一とは全く別のものです。今、井上大臣の部局と一緒にやらせていただいているのは、各省がそれぞれ持っている科研費のルールが、消耗品を幾らまでとするとか、あるいは使い終わったものを継続して使って良いのか、捨てなければいけないとか、もうばらばらなルールになっていますので、大学や研究機関が、システムでこの科研費の管理ができない。それぞれのルールが違っているので、それぞれのルールに合わせてお金の管理をやらなければいけないという、極めてばかばかしいことになっていますので、一番自由に使えるように、全ての競争的資金のルールの統一ができないかということで、今、着手しているものです。これはまた、別途終わり次第発表したいと思います。
 今回のものは、例えば4月1日からの年度の科研費の採択通知が4月1日に来てしまうと、そこから様々な準備を始めなければいけないと、研究期間が短くなる。2月に採択されましたというのがわかれば、4月1日から研究が始められるような下準備ができるということになるわけです。
 それから、研究計画調書も、もうあらかじめこういう研究をやるという文書があれば、それを例えばコピペすれば、研究者の負担はないのですけれども、この申請のためだけに何か文書をつくって出さなければいけないというと、このためだけに文書をつくらなければいけないのは研究者にとって二度手間になりますので、そういうことがないようにしたいと思っておりまして、その方向で様式、形式を詰めていただくということになりました。
 それから、運営費交付金と競争的資金を合算できないと、それぞれ何はこちらで、あれはこちらでみたいな、やはり管理が面倒なので、これはもう合算使用ができますということで、各省庁は異存はないようですから、それを周知徹底していただくということになります。
(問)「縦割り110番」に起因する件だと思いますけれども、具体的に研究者の方々の属性、大学に属する研究機関の方々が多かったのか、中堅、若手の声が多かったのか、その辺はどういった声が今回の取組のキーになったんでしょうか。
(答)研究者であることは間違いありませんし、どちらかというと若手、中堅だと認識しております。
(問)昨日、井上大臣と日本学術会議の梶田会長が会談して、政府の機関から切り離すことも選択肢の一つじゃないかということを井上大臣の方が提案されたのですが、現在の機構・定員の見直し状況、検討状況についてお聞かせください。
(答)機構・定員についての審査は粛々と行っておりますが、何か新たな方針が打ち出されれば、それに応じた定員の割り振り、その他はやらなければいけないと思っております。現時点では、まだ何も決まっておりませんので、粛々と審査をしているところです。これは予算についても、公開プロセスは終わりましたので、今、様々な国の事業の予算を見ているところでございますので、その中の一環として、行革のチームが学術会議の予算についても見るということになっているわけです。
(問)12月1日で河野大臣の直轄チーム発足2カ月になります。この会見でもいろいろと成果について御紹介いただいているところなんですけれども、改めてこの2カ月の働きぶりを振り返って、どう評価されるのか。また、改めてになりますが、このチームの評価、今後改善すべき課題などがもしあればお聞かせいただきたいと思います。
(答)MaaSの利用券について景品表示法の対象としないというところに始まって、110番に寄せられた様々な案件、あるいは地方自治体から寄せられている案件をやってくれていると思っております。先ほど申し上げた科研費の案件も直轄チームでやってくれているわけでありますので、とにかく速やかに結果を出すというところで頑張ってくれていると思っております。
 今までのように、それでは来年度に有識者会議を立ち上げて、1年議論して、その後に何をやってというようなペースではないということが各省庁に伝わってきているのかと思いますので、今までとは少し違った意思決定をやってもらえるようになりつつあるのではないかと思います。
 改善点としては、直轄チームは非常に頑張ってくれておりますが、その先の各省庁の働き方がブラックにならないように気をつけながらやらないといけないと思っております。
 「縦割り110番」に7,000件ぐらい来ましたので、これを全部各省庁にそのまま投げてしまうと、向こうが倒れてしまうということになると思いますので、規制・行革の部局、それから直轄チームで相談しながら、優先順位をつけてしっかりやってもらいたいと思っております。これからも、各省庁にまたがるような案件がかなりありますので、そこはきちんと対応できるようにしていきたいと思いますし、なるべく黒を薄めて、薄い灰色ぐらいに早くもっていかないといけないと思っています。
(問)関連して、直轄チームに限らず、規制改革全般についてなんですけれども、これまでのハンコ廃止、オンライン診療、それから産業医などの常駐義務の廃止など、取り組まれてきましたけれども、ここまでの規制改革の取組の評価と、今後の課題について御所感をお願いします。
(答)菅内閣はせっかちだということは共有されつつあって、今までのように何か意思決定を先送りするわけにいかないと、とにかく決めなければという雰囲気になってきているのは良いことかと思っていますが、それがブラックにつながらないように、ちょっとここは私も気を付けなければいけないと思いますし、関係閣僚にも少しそこは何かあったらシグナルを出していただいてということはしていかないといけないと思っております。
 まだまだやらなければいけないことはたくさんありますので、あまり霞が関を驚かさないように、しかし、やるものはぴしっとやらなければいけないと思っています。
(問)先般、文科部会の方で出た決議についてお伺いします。行政レビューを受けて、文科部会から「ふげん」について、これまでどおり地元の約束を遵守するという旨の決議が出されました。大臣のこちらの受止めと、それに至るまでの経緯で、元々海外への搬出も前提とした決議になっていたものが修正されたことなども踏まえて、大臣の受止めを教えてください。
(答)まだ何も聞いておりません。

(以上)