河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月17日

(令和2年11月17日(火) 9:19~9:35  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭、1件報告があります。「縦割り110番」で、「災害時における貨物自動車の運転者の応援」という御要望がありました。店舗に商品配送などを行う貨物運送事業を行う場合には、法律に基づく安全規則において、運送会社は必要な人数の自社運転者を常時専任しておくということが定められております。
 ただ、災害が起きたときに、その自社の運転手が被災したりして、いないという場合に、この安定的な商品の運送ができなくなる恐れがあります。災害時において、被災地に必要な商品を届ける手段を確保するために、他の運送会社から運転者の応援を認めてほしいという要望が「縦割り110番」に寄せられておりました。
 国交省に検討をお願いしたところ、災害時などの非常時に限って、選任手続は不要であり、他の運送会社から運転者の応援を受けて運送を実施することは可能ですという回答をいただきました。災害時に、他の運送会社からの運転者の応援をもらうことができるということを明確にするために、国交省から速やかに通達を出して、各都道府県のトラック協会などに周知していただけることになりました。国交省には迅速な対応をしていただいて感謝したいと思います。
 三重県及び那須塩原市から直轄チームに派遣されている2人がこの件を担当いたしましたので、後ほど詳しい質問がございましたら、2人にお尋ねいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)今の冒頭の御発言の関係で具体的に教えて下さい。各都道府県のトラック協会に通達するということだったんですけれども、特に政令とか省令とか、そういったものを改正する必要はないということでしょうか。
(答)ありません。安全規則でできるということで、災害時に関しては必要ないということです。
(問)時期としてはいつから実際に導入されるのですか。
(答)もう実際にできます。できるということを明確にするための通知の発出を速やかにやっていただくことになります。これは実際に運送会社からそういう要望がありましたので、おそらく勘違いというか、知らない運送会社も結構あるのだろうということで、もう一度明確にするために、しっかり通知を出してくれることになりました。
(問)今のことに関連して、要は、元々できていたんだけれども、できると明示されていなかったので、今回通達書を出してそれを明確にしたのであって、何か規則とか法令、省令等を改正する必要があったわけではないということでしょうか。
(答)そういうことです。
(問)行政事業レビューについて伺います。大臣は公開プロセスについて、日曜日の会見で、無駄を削減する視点から言えば、公開プロセスでなくても良いと御発言されました。来年の概算要求前に次回の公開プロセスが予定されているかと思いますが、これは大幅に見直す形で実施するお考えなのか。
 また、近年、予算案への反映額、圧縮額が減少傾向にあります。2017年度以降は1,000億円を下回っているかと思いますが、一部で無駄削減の効果に限界があるのではという指摘があります。この指摘は当たるとお考えか、それぞれお聞かせください。
(答)元々5,000ある政府の事業のうちの、今回は例えば13ですから、5,000分の13を公開でやっているわけで、別にこれだけでプロセスが終わっているわけではありません。事業レビューというのはこのほかにもやっているわけです。それは、もう常日頃、各省庁、あるいは財務当局などと調整をしながらやっておりますので、この公開プロセスの事業だけを取り上げて、幾ら削減されたというのは余り意味がないと思っております。今回のやり方を踏まえて、良かったところ、あるいは反省すべきところを踏まえて、次はどういうふうにするのかということを考えなければいけないと思います。
 今回の公開プロセスで、様々な事業の背景ですとか、いろんな論点がよく分かったという声もございましたので、そういう声にも何らかの形でこれから答えていくということは必要になるかと思っております。
(問)関連で、5,000の全事業のレビュー、つまり無駄削減そのものは続けていく、この形に変わりはないけれども、それを一部取り上げたいわゆる公開プロセスに関しては、今後改善の余地がある、あるいはまた別途そこで出た意見を踏まえて、視聴者の意見も踏まえて、何かしら発信をするお考えがあると、そういう理解でよろしいでしょうか。
(答)そうです。やり方として、大きなものだけピックアップして公開プロセスにのせるという、予算削減型のやり方もあるでしょうし、今回の次期戦闘機とか子供の貧困のような公開プロセスというのも、両方ありますので、どういうやり方、あるいはどういう組合せが良いのかということは、少し考えていきたいと思っています。
(問)昨日の平井大臣とのオンラインイベントで、住所変更と苗字の変更手続のワンストップ化に言及されていましたけれども、改めて狙いと今後のスケジュール感を伺えますでしょうか。
(答)来年の通常国会で、公的個人認証法の改正が予定されております。そうしますと、本人の同意があれば、マイナンバーの4情報を使って、本人の最新情報というのを署名検証者が確認することができます。今までは最新情報が失効していないかどうかという確認だったのですけれども、法改正ができれば、失効している場合には最新の4情報はこれですということを検証することができる。検証というか最新の4情報の提供をもらうことができるようになりますので、金融機関ですとか、保険会社ですとか、それを活用して住所変更、あるいは、結婚、離婚、その他苗字が変わりましたという場合に、住所変更、あるいは苗字が変わりましたということを自治体の転出・転入届を出して、マイナンバーにつく4情報が変更されれば、それで関係者に住所、あるいは苗字の変更が通知される。通知されるというか、聞いてくれれば提供されることができるようになりますので、ワンストップで住所変更ができるようになるわけです。
 今のところ、令和4年度までに法改正をして、システム変更をして、令和4年度中に何とかこのワンストップサービスを始めたいというのが政府のスケジュール感ですが、どこにボトルネックがあるのかを確認して、例えば令和3年度中にできないかというようなことを申し上げております。そこは今後やりとりをしたいと思いますが、令和4年度も、相当頑張って前倒しをしてくれた結果、今、令和4年度ということになってますので、令和3年度というのは無茶振りというところはありますが、世の中が便利になるためには、なるべく前倒しでできるものは前倒しでやっていきたいと思っております。これを引っ越しポータル、その他のサービスとつなげることで、さらにいろんなものに展開ができるようになるだろうと期待しております。
(問)レビューなんですけれども、扱った中で「ふげん」のことであったり、各省庁に対して改善を求めるようなものがあったと思うんですが、その後、省庁のやりとりとか閣僚とのやりとりというのは、今、何か進展があったりするんでしょうか。
(答)子供の貧困、シングルペアレントの話については、坂本大臣と話をして、きっちり詰めていきましょうという御相談をしております。あとは、直轄チームなどから、あるいは行政改革事務局から各省にしっかり御説明を求めていくということになります。
(問)あと、やりとりの中で、教育のオンラインのところの最後に、教職員数の合理化ということを取りまとめ案の中で示されて、それはやめましょうということを大臣はおっしゃったと思うんですけれども、取りまとめはそもそも評価者の人がするものであって、あれは大臣の指示なんですか。それとも、単なる意見なんでしょうか。
(答)議論されていないものが取りまとめに入ることはいかがなものかと思いますので、その部分は私の指示で削除していきたいと思っております。きっちりと中で議論されているものは、それはもう評価者の御判断ということになろうかと思いますが、オンライン教育を使った合理化というのは、あの場の議論にもありませんでしたので、それはふさわしくないと思っております。
(問)議論があれば、大臣としてはあそこで合理化を進めても良いというふうにお考えだったんですか。
(答)そこは評価者の取りまとめで、それをどうするかは行政改革推進事務局で考えることになるわけですけれども、今回の教育のオンライン化は、どうやったら人にもっと寄り添うことができるかということを主眼に置いて、このオンライン化を進めようという話をしておりますので、いずれにしろオンライン教育を使って合理化をするというところは、別な話だとそもそも思っております。
(問)昨日の平井大臣とのオープン対話の中であった話ですけれども、「デジタルキャリア」について言及があったと思うんですが、国家公務員制度を担当する大臣としての問題意識と、今後どういうふうに取り組んでいきたいかについて、お考えをお聞かせください。
(答)これまでの政府のデジタル化の遅れの1つは、何かシステムを組むときに必ず外に発注してやらなければいけないというのがあったのだと思います。IT企業を見ていると、やはりユーザーの声をどんどん取り入れてシステムを改善する、それもかなりのスピード感でやるということを、おそらくデジタル庁は狙っていると思っておりますし、平井大臣ともそういう話をしております。
 そうすると、それだけの能力のある人材というものを集めなければならないわけです。おそらく、最初は中途採用という形をとるだろうと思いますが、政府の動き、政策といったことを理解している自前の職員を育てるということも、当然に必要になってくると思います。そうすると、今の霞が関が採用している職種ではない新たな職種での採用ということは、これは当然検討しなければならないと思いますので、どういう試験で採るのか、どういうキャリアパスにするのかなど、人事院とも相談しながらやっていかなければならないので、デジタル庁の立上げに間に合うとは正直思っておりません。少なくとも採用試験などをつくらなければいけないということになると、もう来年の9月とかというタイミングにはならないと思いますが、いずれやらなければいけないことなのだろうと思いますので、人事院としっかり相談をしていきたいと思います。
(問)レビューの今後についてなんですけれども、今回、国民に知ってもらいたい政策だったり、議論だったりということを取り上げたと思うんですけれども、防衛省でいうと、戦闘機の調達を今回は取り上げましたけれども、例えば、辺野古の問題だったり、あと今議論されているアショアの代替とか、そういった話もなかなかまだ国民に説明できているというところではないと思うんですけれども、国会であげているとは思うんですが、そういったことを今後のレビューだったり公開検証だったりで、取り上げることというのはあり得るとお考えでしょうか。
(答)私はそんなことはないと思っております。むしろ、その装備品の調達のように、なかなか国民に御説明をする機会がなかったようなものに光をあてたということです。

(以上)