河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月23日

(令和2年10月23日(金) 16:20~16:47  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 幾つかございます。まず、コロナで特例措置として飲食店が店内の人数を限っていますので、路上を占用して、今、営業をする特例措置が行われております。この特例の期限の話もありましたが、11月から新しい制度が恒久的に始まるということで、そこまでまず切れ目なく、現在の特例を延長して新制度につなげようということ、それから、この新制度のもとでは、今、国交省、道路管理者、警察、それから保健所、この辺に事前協議に回ったりしなければいけないということで、非常に時間と手間がかかるという話がございました。国交省、警察庁、国家公安委員会、厚労省、消防庁に集まっていただきまして、新制度のもとでは国交省のホームページから申請を一元的にワンストップでできる。警察に関する事項も国交省のホームページで、一元的にワンストップで申請をしていただく。保健所と消防庁については、特に申請その他必要ないということで、最初に区域を指定して、その区域内ではそういう形で、ワンストップで申請をすると、ほぼそのとおりに許可が下りる。
 定められた区域の外は様々な事前の協議が必要になるということはありますが、少なくともその特定の区域内でのワンストップ化というのを実現するということになりました。国交省、警察庁、厚労省、総務省、消防庁にはいろいろと御協力をいただきまして、このいろんなところへ事前に協議に行かなければいけないということが必要なくなって、縦割りがなくなってワンストップということができるようになりましたので、関係省庁に改めて御礼を申し上げたいと思います。
 それから、10月2日の「2+1」で萩生田文部科学大臣に入っていただきました。今週の火曜日に、学校と保護者間の連絡における押印の見直し及びデジタル化の推進について、文科省から通知を発出いただきました。また、今日、萩生田文部科学大臣から、デジタル教科書の使用の基準を見直すということを担当部局に指示されたと伺っております。総理からも、オンライン教育について、スピード感を持って進めろという指示を、今日直接いただきましたので、このオンライン教育についてしっかり進めてまいりたいと思います。萩生田文部科学大臣に改めて御礼を申し上げたいと思います。
 昨日の「2+1」は赤羽国土交通大臣でございました。書面、対面原則の見直しとIT化、国交省に関するものについては、基本的に御了解をいただきました。
 それから、特に御要望いただいておりました、救急車が行くときは高速道路は無料になるのだけれども、帰りは無料になるところとならないところがあって、地面を通って戻って来なければいけない。そうすると、高速道路で戻って来られれば次の出動が早くなるので、これは、今、消防車は全国的に行きも帰りも無料なんだそうですが、救急車に関しても同じ扱いをしてほしいという御要望がございましたので、それについてもしっかり検討をしていただけるということになりました。
 北方領土の関係ですが、一昨日、北海道の本島側上空から航空機を利用した慰霊を行いました。今年は四島交流事業が全て中止となった中で計画されたものでございます。明後日25日にも上空慰霊を行う予定にしております。

2.質疑応答

(問)今の上空慰霊の関連でお伺いするんですけれども、北方領土の元島民との懇談会が先だって行われたと思うんですが、先月の大臣訪問の際と、今月19日の副大臣の懇談の時でも、冒頭を除いて非公開の形式に変わりました。2015年以降は全て公開されていたんですけれども、大臣が密な話をしたいという要望を伝えて変わったというふうに伝わっております。なぜ公開から非公開の形に転じたのかという理由と、その狙いについてちょっと教えて下さい。
(答)副大臣がやられたことについては承知しておりませんが、私が行った時は、やっぱり本音の話をいろいろしていただきたいと思いましたので、冒頭だけメディアに入っていただきました。
(問)関連で、出席した元島民からは、国の要望を広く伝える機会なので非公開の必要はないという意見や、非公開だと出席していない元島民に話の内容が伝わりにくいといった声も出ています。こうした指摘に対してはどう受け止めるかということと、今後の懇談の形式を改めていくような考えはあるんでしょうか。
(答)要望は広報していただけば良いだけですから、別にその場だけが広報の機会ではないと思います。
(問)確認です。そうすると、今後も非公開の形式は続けられるということで良いですか。
(答)今後はまだ考えていません。
(問)4省庁のワンストップというのは、これは私はすごいことだと個人的に思いますが、これは9月の中旬に菅政権ができて、そこからいわゆる縦割り打破ということで一挙に決まったようなお話なのか。それから、区域とおっしゃったけれども、例えば浅草とか新宿とか、盛り場のことをおっしゃっているのか、どういう形の区域の指定になっていて、それがどんどん広がっていて、ワンストップが広がっていくという、そういう話になっていくのか、その辺のことを、もう少し具体的に伺いたいです。
(答)先日の規制改革推進会議の中でもこの制度をどうするのだという議論になりましたが、その際に、最初にこれをやるために数カ月かかった、そういう話が実際にやった方からございました。良い制度ですが、数カ月調整をしなければならないというのでは有効性が減じられることになりますので、これはもうワンストップでやろうと。
 それから、その事前の調整、これはルールが明確になっていれば、そのルールに合っているかどうかをやる側が判断して、後日必要なら確認をすれば良いわけですから、事前に審査するよりも後日確認を事後的にするということで、これはワンストップできないかと。国交省が非常に新しく素晴らしいこの申請用のウェブサイトを作ってくれることになりましたので、そこに警察も入れてもらえればOKになる。保健所については、今後は保健所の確認は必要ないということでございますし、消防庁も必要ないということですので、そういう形でワンストップを実現することができました。
 これは、新しい制度のもとで、正式な名前は忘れましたけれども、こういう区域というのが指定をされますので、その区域内であるならば、もうこれでいけるだろうということになっています。それは、道路の幅がちゃんとしているとか、確保できるとか、いろんな条件に合えばその区域に入ることができるということです。今は、コロナ専用特例という特例でやっておりますけれども、今後は歩行者利便増進道路制度という制度ができて、この制度の中で飲食店などの路上利用に伴う道路占用、これが行われることになります。利便増進誘導区域というのが設けられることになりまして、この範囲内であればもう簡便な申請でOKになるということでございます。
(問)2点お伺いします。1点目は、先ほど大臣は川崎重工のPCRの方を御覧になってきたと思うんですけれども、もう少しわかりやすくお伺いしたいんですが、規制改革を担当する大臣として、何をどうすることによってPCRの機械というものの利便性を高めたり、あるいはそれを活用していこうというふうにお考えなんでしょうか。もう少し分かりやすく教えて下さい。
(答)これまで日本はドラッグラグ、デバイスラグと言われていたように、薬や医療機器の認可が他国と比べて非常に時間がかかる、手間がかかるということが言われておりました。今、新たにSaMDと言われている例えばスマートウォッチを活用したり、いろいろな電子デバイスを活用して健康増進を図る、そういう機器がハードウェア、ソフトウェアで導入されようとしておりますが、それについても、承認が遅れている、あるいは基準がよく分からない、そういうことが指摘されております。
 規制改革推進会議のワーキングの中でもそのことが議論されていますが、これだけ高齢化が進んでいる日本社会だからこそ、そういう健康増進のためのデバイス、ソフトウェアというものが次々と開発されて、むしろ世界市場に日本発で出ていくというのが本来あるべきなのだろうと思いますが、今は全くそういうふうになっていない。厚労省にはそういう現実をしっかり認識してもらって、頑張りますではなくて、頑張らなくても良いから、きちんとそういうことが日本発でいろいろ世界市場に出ていけるような仕組みをつくってもらわなければならないということを申し入れをしております。
 そういう中で、このPCRの全自動ロボットという話がありましたので、一つはこれを見に行くことで、コロナ禍でこういう全自動で検査をすることで、人が介在せず、また時間も短くコストも安くなるようなものを、これはもう世の中的にあったら良いというものが、どれだけのスピードでマーケットに導入されるのかというのは一つ大きな節目だと思いますし、この機械を活用して、沖縄担当ですから、沖縄のことを申し上げましたけれども、人が移動する飛行機、海、あるいはいろいろな大人数が集まるイベントで陰性の確認、そういうことにも使えるだろうと思っております。
 そういう意味で、今日のこのデバイスはどういうものなのかちょっと見てみたいと思ったので行った次第です。
(問)そうすると、機器を何かするために特定の何か規制を外したりとか、そういうことではないという理解でよろしいですか。
(答)医療機器SaMDに関して規制改革が必要であるならば、それは当然に対象になると思います。特にSaMDについては、規制改革の必要があるかどうか、ワーキングでもしっかり検討をしてもらいたいと思います。
(問)話が変わりますけれども、先日のワーキンググループの中で、地方税の収納に関して、大臣は窓口で負担する際には、手数料を支払ってもらうことによって電子化を促したいというお考えを示していらっしゃいましたけれども、一方で、銀行側の方からは、これまで社会への法規として、特に手数料を取っていないだとか、公取の方からカルテルに当たるんじゃないかという懸念もあるという説明ですけれども、大臣はこの施策をどういうふうに進めていこうというふうにお考えなんでしょうか。
(答)今、国・地方の税、手数料、反則金、その他、紙の書類を持って金融機関に行くということが日常茶飯に行われております。先日は、銀行の方から、例えば地方税、千数百の自治体がそれぞれ独自の書類をつくって、それで納付する。現実には、銀行の事務センターで毎日のようにその1,700の書類を仕分けし、それを手入力しということが行われて、ちょっと数字は正確ではないかもしれませんけれども、銀行全体としてコストが600億円以上掛かっている。地方銀行だけでも400億円のコスト負担になっている。そういう状況がずっと続いておりますが、国も地方自治体も、何も銀行に支払っていないわけですから、国や地方自治体にはこのシステムを改善しようというインセンティブが全く働いておりません。
 私が申し上げているのは、納税者から手数料を取ろうと言っているのではなくて、銀行が国や地方から1件当たり幾らの手数料を取るべきだと。それによって、自治体は、いや、それはたまらん、ということになれば、このシステムを改善しなければいけないというインセンティブが働くわけで、今、地銀はなかなか利益が出ないという話があったり、地銀の再編なんていう話がよく言われていますけれども、そういう中で、年間400億円のコストを自己負担しているというのは極めてばかばかしい話だと思いますし、納税者にとっても非常に不便を強いられている。しかし、国も自治体も改善しようというインセンティブが働かないという、今の仕組みはどう考えてもおかしいだろうと思いますので、必要なら、私が公正取引委員会に行って、ノーアクションレターかなんかをもらってきて、銀行に手数料を自治体から、あるいは国から取れと。それによって自治体は何か動きをしなければ税収がその分出ていってしまうわけですから。
 短期的には、その書類にQRコードをつけるだけでもだいぶ業務は改善されますし、最終的にはペーパーレス、オンラインで全部処理ができるようになれば、納税者も利便性が高まりますし、銀行もコストが掛かりませんし、国や自治体も便利になるわけですし。今、納付書を郵送で送っているという実は隠れたコストはずっと掛かっているわけです。それに対して、改善しようという動きもないという、やっぱりこの現状はおかしいだろうと。やはりコストをちゃんと内部化して、コストを見えるようにするというのが問題解決への最初の一歩だと思っています。
 銀行には、へたれないで、手数料を取るぞぐらいのことをやっぱり言って、国や自治体にインセンティブがきちんと働くように、これはしっかりやってもらいたいと思います。
(問)機密情報について伺います。大臣は、今朝のビデオ講演でいわゆる「ファイブ・アイズ」との連携強化を主張し、ゆくゆくは「シックス・アイズ」にしていきたいと述べられました。機密情報の共有にはいわゆるセキュリティクリアランス、SC制度ですね、自民党の甘利税調会長らも主張されていますが、これが不可欠という指摘があります。このSCの意義を大臣はどう考えているのかというのと、いわゆる「ファイブ・アイズ」と情報共有するために克服すべき課題とあわせて認識をお聞かせください。
(答)防衛大臣の時に会合で話をしてほしいと頼まれて、録画したものが、今日流されたわけでございます。防衛大臣の時の主張を流していただいたわけでございますので、防衛省、外務省にお聞きいただきたいと思います。
(問)2日前のツイートかと思うんですけれども、内閣人事局の出退勤システムを御自身で試されたというふうなことで、これは、もう既に稼働しているシステムなのか、それともこれから導入しようとしているものなのか教えていただければと思います。
(答)内閣人事局で自ら使って試しているというシステムです。
(問)まだ実際には稼働していないということですか。
(答)一部の省庁で今年度、来年度に導入するという動きにはなっているようです。
(問)前回の大臣御自身のYouTubeチャンネルで、霞が関の官僚の方からも何件も質問があったかと思います。その中で、服装に関する質問があったと思うんですけれども、それに関して若干コンサバな御意見だったかと思うんですが、大臣御自身、仕事上の服はどういうふうであるべきかと考えているか、教えていただければと思います。
(答)特に服装の規定は、今はないと思います。環境省はスーパークールビズといってポロシャツでもOKになっていますし、今度のデジタル庁も服装はかなり自由にしたいという、デジタル庁はおそらく勤務地も、勤務時間もかなり自由になると思うので、あまり服装云々ということではないのだろうと思います。仕事ができればそれで良いのだろうと思いますし、周りの人が不快に思ったり、あるいは外部の人と面会をするときに、何か奇異な印象を与えるというのはいかがなものかと思いますが、原則的には、仕事がきちんとできれば良いのだろうと。国会に行く場合には、国会から、確かスーツにネクタイまで求められているのだろうと思いますので、そういう場合にはルールに従ってもらう必要があろうかと思います。
(問)国会が始まりますが、規制改革といえばもう総論賛成、各論反対で全く進まないというのがずっとこの何十年だと思うんですけれども、先ほどの納付書は面白くて、やはりインセンティブというか、この推進力というのは、アメとムチと言うんでしょうか。そのインセンティブを与えるような、そういう新しい方法を河野さんはお考えかなと、まさに先ほどの。これをどうして進めるかですが、そこについて、北風と太陽を含めまして、どうお考えなのか伺いたいです。
(答)交通反則金については、今、紙でやっていて、それが全部日銀を経由するということで、日銀に年間600万枚といったか、かなりの紙が来て、これを手作業で処理をしなければいけない部分と。それから今は交通反則金は98%収納されているということで、特にシステムを変えるインセンティブがあまり警察にはないということでございましたので、この間の「2+1」に小此木国家公安委員長をお招きして、これの対応をしっかりやってほしいということを申し入れて、警察の方からはこの反則金に対応しますということでございます。
 今度の税の収納については、総務省、武田大臣をお招きした「2+1」も予定をしたいと思っております。総務省にはしっかり対応するように動いてもらいたいと思いますが、自治体がやるところは、やはり自治体がお尻に火がつくみたいな状況にして、とりあえずQRコード、その後はペーパーレスという形で、やはり、やるぞという方向に揃って動いていただかなければいけませんので、アメはあまりないのですけれども。QRコードにしろ、ペーパーレス、オンライン化にしろ、それはコスト削減になりますから、実はアメだと思うんです。だから、ポケットに入れているアメを食べて良いというだけで、それと、ぼやぼやしているとコストが掛かってしまうということで、しっかり進めてもらいたいと思っています。
(問)現在、直轄チームで行っている地方自治体のハンコ廃止マニュアル作成の進捗状況を伺いたいと思うんですけれども。
(答)今度、ルールを国の方も、今までは国が求めているものを除き、ハンコをやめようという自治体が結構ございましたが、国の方が求めるものもだいぶん数が減りますので、今、それが自治体にどのようにはねるか調べてもらっているところです。それに基づいて、ここまではいけるというマニュアルをきちんと出せるようにしていきたいと思います。もう少々時間はかかると思いますが。

(以上)