河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月20日

(令和2年10月20日(火) 16:01~16:22  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 今日は1件報告です。内閣人事局で、ICカードやPCのログイン・ログオフの機能を使って、客観的に在庁時間を管理する機能を備えた勤務時間管理システムを開発し、今、内閣人事局で試しているところです。
 私も先程内閣人事局に行って実際に試してみました。こうした勤務時間管理のシステム化、これは勤務時間の見える化にも資することになりますし、今、霞が関でやってもらっている出勤簿、その他の押印の廃止ということにもつながってまいります。また、このシステムは上司が部下の勤務時間を見ることができますので、気がついたら勤務時間の超過時間が相当長かったということがないように、常に上司が部下の勤務時間を把握して、任務が偏っているというようなことの是正につながるのではないかと思っております。
 働き方改革のツールとして非常に有効だと思っておりまして、財務省が今年度中に採用する、環境省なども来年度採用を検討、予定しているということですので、全省庁に採用をしていただけるようにしっかり働きかけをしていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)大臣、冒頭発表のIDカードを用いた勤務時間管理について伺います。意義・狙いについても御説明がありましたが、全省庁で採用をしてもらえるように働きかけるとのことですけれども、まずは内閣府はこれの取組をいつ頃始めるのかというのと、全省庁に実際にこの管理システムが導入される目標時期があれば教えていただきたいのと、今はもうテレワークなどの働き方が多様化する中で、その勤務管理を今後その実態把握と管理をどのように進めていくお考えか、改めてお聞かせください。
(答)内閣人事局はもう既に試しております。内閣府からやらないと、隗より始めよにならないから、そこは内閣府から言って来ようと思います。なるべく早く全府省にやってもらいたいと思っているところです。
(問)縦割りの打破についてお伺いします。自民党の金融調査会が金融庁検査と日銀考査の一体的な運用を求める提言をまとめました。行政の縦割り打破の一環として、データの共有などを通じて検査と考査の重複を回避するように要望しています。月内にも河野大臣のところに提出する予定となっていますけれども、この提言の受止めと、それから金融庁と日銀の縦割りの打破に向けた取組への期待をお聞かせください。
(答)この間の「半沢直樹」でも、黒崎検査官ですか、銀行へ乗り込んでいましたけれども、日銀の考査と金融庁の検査が二重に行われると、これは金融機関にも負担になります。そういうこともあって、これまでも日銀と金融庁の間でなるべくデータを共有したり、運用を一体化するという動きはございましたけれども、FinTechの発展などでそれぞれいろいろと新しい業務をやらなければいけない分野というのも増えてまいりました。
 そういうことで、受け手の金融機関の負担の軽減、それから金融庁、日銀がそれぞれやらなければいけないことに業務を集中化できるように、また共有できるデータについてはしっかり共有をしていただく。そういう必要があるだろうということで、これまで麻生財務大臣と御相談の上、自民党の金融調査会の小倉將信事務局長にだいぶ汗をかいていただいて、金融庁と日銀にこの考査と検査の一体的運用ができないかというお願いをしてまいりました。
 小倉さんが積極的に動いてくれて、金融庁、日銀、双方の了解を取ることができましたので、自民党の金融調査会に少し具体的な提言をまとめてほしいというお願いをしたところでございます。提言が近々出されると思っておりますので、その次の段階として、日銀、金融庁、少し具体的な一体運用について検討してもらいたいと思っております。
 金融の新しい要請に応えるためにも、この一体運用というのは非常に大事だと思っておりますし、もちろん、その大前提として日銀が最後の貸し手でありますから、この日銀の最後の貸し手という判断に必要なデータはきちんと日銀が得る。また、この最後の貸し手というところに揺らぎがあってはいけませんので、そこはしっかり尊重されるような状況のもと、一体運用というのをしてもらいたいと思っております。麻生大臣、あるいは日銀の副総裁、それに事務局長の小倉將信代議士、いろいろとこの間御協力をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。
(問)霞が関の働き方改革の関連で伺います。大臣は、先週末、御自身が出演されたインターネット番組で、役人が国会に出入りする際の記章の取扱についての見直しについて言及されました。国対と進めているというような趣旨の発言もありましたけれども、見直しに向けた進捗状況がありましたらお聞かせください。
(答)今、霞が関の官僚が議員会館などに入るときにバッジが必要になるのですけれども、数が限られておりますので、レクに行くときなどにバッジの融通をしなければいけない。そういう業務が発生しておりますので、国会議員に説明にいくために必要なわけですから、何か上手い方法はないかということを国対に御検討いただけないかという要請をしているところでございます。
(問)本日、文科省の方から、学校の保護者等に向ける押印の見直しと、スムーズにデジタル化を進めましょうという発表があったんですが、単純にそれの率直な感想と、あとこのスピード感というのはなぜこれだけ早くできたのかと。あともう一点、今後、規制改革大臣として教育分野にどういう形で切り込んでいこうというのかということの3つお願いします。
(答)これも縦割りといいますか、規制改革というのか、多くの方からの御要請があったもので、文部科学省に対応をお願いしたところ、非常に速いスピード感でやってくれました。文部科学省の中でやはり問題を共有している担当の方がいらっしゃって、かなりのスピード感でやってくれましたが、様々なIT企業の御協力もいただいているということのようでございます。
 やはり、このデジタル化、あるいは様々な技術を使って世の中を便利にしていこうという一環として、非常に良かったかと。スピード感を持って対応していただいた萩生田大臣にも改めて御礼を申し上げたいと思っております。
 今、もっと便利にできるはずなのにということはいろいろありますので、便利にできるものは便利にしようということで、これからもいろいろお願いをしてまいりたいと思っています。
(問)2点お伺いしたいのですが、1点目は、再エネの規制について見直しを進めるようにという話がありましたけれども、なぜそういうことをしようとしていらっしゃるのか、その狙いはどこにあるのかということと、それから、各府省庁にまたがっているとは思うんですが、各府省庁に対して何らかの働きかけ、指示・要請等していらっしゃるのかどうか、その事実関係をお願いします。
(答)再エネの規制緩和についても、これは経済界からの要望が非常に強いものがございます。例えば、GAFAなんかは、結構RE100といって、それを実現したりしていますけれども、そのサプライチェーンにもそういうことを段々求めるという動きがあるようで、日本国内で、例えばそれを実現するためにどうするんだといって、製造業その他、検討しているというところもあります。
 そういう中で、国内の再エネの拡大につながるような規制の改革というのが急務という要請もございますので、今、太陽光ですとか、風力、地熱、それから新しい分野では洋上風力、波力、潮力といろいろなものがございますけれども、それぞれの分野で、この改革の必要な具体的な規制を上げてもらうということの作業をしております。これはいずれまとまった段階で、各省庁にお願いに行きたいと思っています。
(問)それは、全省庁に対して押印のときと同じように、それを妨げる規制は何かというのを上げてこいという事務通達を出したりしていらっしゃるのか、それとも、まずは大臣の手元の直轄チームあたりで確認の作業をしているところなのか、そこはどういう状況なんでしょうか。
(答)今、まずはどういう規制がこの再エネの拡大を阻害しているのかという、具体的な規制を集めているところであります。
(問)別件ですけれども、冒頭に御発言がありました記録のことなのですが、どういう形で記録をしていこうという形なのかというのと、その人事局で試行中ということなんですが、どのぐらいの規模でやっているのか、その施策でまず財務省からという形ですけれども、これから閣僚懇等々で要請したりすることをお考えなのか、お聞かせください。
(答)内閣人事局で既にやっているところを見てまいりましたし、私もカードをつくってもらって、ピッというのをちょっとやってまいりました。出入り口で、カードでピッと入れるところ、この8号館もそうですが、霞が関ビルにうちの行革チームは行っていますけれども、ああいうところはなかなかそういうことができないものですから、職場にこのカードでピッとやれるシステムがあれば、霞が関全体で記録が取れるようになるわけで、そういう意味では効率化につながっていくのだろうと思っております。いずれ閣僚懇なり、なんなりの場でお薦めしたいと思っております。
(問)これは霞が関だけなのか。それとも、地方の分局であったり支局、そういったところでも使えるようにしたいのかどちらですか。
(答)もちろんそうです。霞が関というよりは、各省庁全体でということです。
(問)今の件なんですけれども、他の省庁で既に例えばパソコンのログインの記録であったり、それなりに在庁管理を把握する仕組みを作っているところはあると思うんですが、そういうのを、今、おっしゃったシステムに変えてもらうということなんですか。
(答)そこはいろんな考えがあるのだと思います。全省庁統一的の方が管理がしやすいというところもあれば、今はもう上手くいっているものだったら、何も面倒くさい手間をかけることもないということもありますので、システムの仕上がり具合、実際の使われ具合を見て、各省庁に考えてもらいたいと思っています。
(問)狙いが在庁時間の把握という意味だったら、多分システムは違っても良いんでしょうけれども、先程大臣、統一的に、霞が関を全体的に把握するという意味では多分同じシステムの方が良いんでしょうけれども、その辺はどうお考えなんですか。
(答)まだそこまでいっていないので、それはおいおい考えていきたいと思います。
(問)2点お伺いします。まず勤務時間管理の件なんですけども、実際に使うIDカードは、今、官僚の皆さんがぶら下げておられる既存のIDカードを活用できるのかというのと、特に今回のシステム構築に当たってかかった費用、今後それにかかる費用は幾らなのか、そういった目途をまずお聞かせください。
(答)詳細は事務方から御説明させます。
(問)規制改革について伺います。菅総理は先日の講演で、コメなどの農林水産品の輸出をめぐり、2030年までに輸出額を5兆円に増やすと改めて目標を掲げました。大臣の規制改革会議等でも農林水産分野のワーキンググループを開催されていますけれども、総理が掲げるこの目標達成に向けた現状の課題と、課題の克服に向けた方策について見解をお聞かせください。
(答)この間、官邸で輸出目標5兆円の会議をやりました。おそらくこの政策を進めていく中で、規制改革が必要になってくるものもあるのだろうと思います。そういうのが具体的に出てくれば、しっかり対応してまいりたいと思います。
(問)2点お願いします。今日で回答期限となっている国勢調査についてなんですけれども、国勢調査は政策立案の基礎となる大変重要な調査であると加藤長官も言及されているんですけれども、一方で、国勢調査をしなくても政府が各種統計というのを得ることは可能なのではないかという声もあります。行政改革や国家公務員の働き方という観点から、大臣は国勢調査の在り方についてどのようにお考えになっていますでしょうか。
(答)まず、国勢調査は今日が最終日でございますので、ぜひ全ての国民の皆様に国勢調査への御協力を私からも呼びかけたいと思います。これが様々な統計調査の最もベースになりますので、ぜひお願いをしたいと思っております。
 そういう中で、このマイナンバーをはじめ政府のデジタル化というのが進んで、段々情報が共有化、あるいはいろんな情報をシェアできるようになってくると、いちいち御記入をいただかなくても政府が得られる部分というのがあるのだろうと思います。そういうことを考えながら、総務省が不断にこの国勢調査の実施の仕方というのをもう見直していると思っております。
(問)もう1点お願いいたします。規制改革のことでお願いしたいんですけれども、国政選挙などでのネット投票についてなんですけれども、こちらについて、ネット投票に関する大臣のお考えと、もし賛否等ありましたら、その理由も併せてお願いいたします。
(答)ネット投票につきましては、私が外務大臣の時でしたか、在外投票を、今は公館に足を運んでいただいたり、あるいは郵便投票になると、ぐわっと期間が短くなってしまうものですから、まず在外投票からインターネット投票の導入をしたいということを総務省に申し入れをいたしました。総務省の方で鋭意検討をしてくれていると思います。当時、いつまでにと言っていた目標はだいぶんスリップしていますけれども、まず在外投票で利便性が相当上がりますから、これをやった上で、いろんなことを次の段階で検討できると思っています。
(問)ハンコや押印についてお伺いします。先日、加藤官房長官が確定申告などの税務手続でも押印の廃止を検討していると発言しました。手続自体は財務省で行われますけれども、この動きについて大臣の御所感と、廃止を目指す時期についてお聞かせください。
(答)約1万5,000の民間から行政への手続の中で、現時点で押印を残したいと言っているのが111種類ございます。これはもう少し絞れるかもしれません。99%以上は廃止することができますので、そういうものについては業務の見直しをしながら、しっかりデジタル化していっていただきたいと思っております。平井大臣にその辺はしっかりと受け渡していきたいと思っています。

(以上)