河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月16日

(令和2年10月16日(金) 10:47~11:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。今日の午後、「2+1」を行います。お相手は小此木国家公安委員長、防災担当大臣です。
 直轄チームでございますが、10月1日に9名で発足いたしましたが、各省、また自治体から優秀な人材を送っていただきまして、今日の時点で直轄チームは20名になりました。11月1日までで30名にこれが増える予定になっております。しっかりと改革を進めてまいりたいと思います。
 本日の閣議から閣議の書類の「青枠」、「こより綴じ」、請議大臣の公印の押印、それから閣議決定後の請議大臣宛ての「指令書」、いずれも廃止されました。「青枠」というのは、見ると緑色に見えますけれども、この枠の中におさめて、さらに、枠から文字までが何ミリとかいろんなルールが定められていて、定規で計ったりいろいろやらないといけないとか、ここにきりというか千枚通しで穴をあけて、こういう形でこよりでとめる。それからここにハンコがいっぱいありますけれども、閣議請議をする大臣、請議大臣が多いときには、これを回ってハンコを押してもらわなければいけないという、スタンプラリーをやらなければいけない、そういう長年の慣行がございましたが、あまり合理的ではないということで、官房長官にお願いし、いろいろと御検討いただきまして、廃止されることになりました。官房長官に感謝したいと思います。
 3件目、押印義務の見直しについてですが、年間手続件数1万件未満のものも、いろいろ各省から戻ってまいりましたが、当初の数に加えて、添付資料に様々な押印を求めているものがあったりしますので、数はまだ確定をしておりませんが、これからも若干変わるかもしれません。押印を求める行政手続、これまで約1万1,000というふうに申し上げておりましたが、きょうの時点で約1万5,000、1万4,745手続がございます。この手続は増える可能性がございます。
 そのうち、99.247%は廃止、あるいは廃止の方向で検討という御回答をいただいております。この111種類の中には、これまでの1万件以上の手続で廃止できないと言っていた、35種類ございますが、そのうち1種類については、手続そのものを廃止ということにいたしましたので34件と、1万件未満の手続で押印を求めている77の手続、合わせて111種類、存続の方向で検討したいという話がございましたので、それについては、今、一つずつ詰めているところでございます。これにあわせまして、自治体向けに押印をどうやって廃止できるかというマニュアルの策定作業も始めてもらっております。
 最後、4件目ですけれども、昨日、沖縄県浦添市の松本哲治市長がいらっしゃいました。牧港補給地区、キャンプ・キンザーの返還後についてお話がありました。内閣府が「基地跡地の未来に関する懇談会」というものをやっておりまして、今年の半ばだったかに第一次の取りまとめを提言された中の、「沖縄先端実験都市(シリコンリーフ)」と言っておりましたが、様々な規制をなくして、いろいろと実験的なことを再開発されたところ全体でやるというような話が、その第一次の取りまとめにありましたけれども、そういうものも参考にして、地元で検討していきたいというお話がございました。内閣府として地元の御検討をしっかり支えていきたいと思っているところでございます。ちなみに、このシリコンリーフは、規制のサンドボックスと言われている構想になります。

2.質疑応答

(問)冒頭発表の閣議請議などの簡略化について伺います。改めて意義と、今後期待される実際の効果、また、春先にテレビ会議を開催していた閣議そのもののオンライン化を含めて、今後、閣議関連で緩和、あるいはこうした改革を検討すべき課題があれば、あわせて見解をお聞かせください。
(答)閣議をどのようにやるか、これは官房長官のところでいろいろとお考えになるだろうと思います。今回廃止することになりましたものは長年の慣行でありましたけれども、非常に手間がかかる作業ということで、特に若手の霞が関の職員の時間を非常にとるということもありまして、その割に果たしてどんな便益があるのだろうかということから、官房長官に御検討をお願いしていたところでございます。いろいろと御検討されて、やめようという御判断をいただいたわけでございます。
 今後も、この霞が関の働き方改革の中で、結構長年やっていますと、何のためにそんなことをやっているのというのがほかにもどうもあるわけで、それについては、本当にそれ必要なのと、長年やっていましたというだけならやめてみようという提案はしていきたいと思っています。
(問)関連して伺います。オンライン化などの効率化を現在進めている一方で、国会改革の停滞が有識者から指摘されています。ヨーロッパの方では既にコロナ禍で国会審議のオンライン化などに踏み切る中、なかなか日本では機運が高まっていませんが、憲法で規定された国会出席の解釈変更ですとか、あるいはタブレット端末導入といった国会改革に政府与党としてどう取り組むべきか、また大臣として打てる方策はないのか、認識をお聞かせください。
(答)国会のことは国会でお決めになると思いますが、与党の部会ですとか、あるいは議員への説明といったものについては、下村政調会長といろいろ御相談させていただいて、政調会長の御判断で部会のペーパーレスということも決めていただきましたし、オンラインでの説明というのも積極的に推奨していただけるということですので、そうしたできることからどんどんやっていきたいと思います。
(問)先程冒頭に御紹介のあった、閣議における押印の見直した意義についてなんですけれども、例えば持ち回り閣議の時とかは、まさにハンコをもらうためにいろいろ各大臣を回っていたというふうに認識しているんですけれども、そういった作業が大分簡略化されるという理解でよろしいんでしょうか。
(答)持ち回り閣議の花押はこのまま続きます。閣議の時の花押をやめるというのではなくて、閣議請議のこの文書にいちいち公印を押す必要はないということです。
(問)別件なんですけれども、ちょうど新内閣が発足してから1カ月たちましたけれども、この1カ月を振り返って、率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)今日で1カ月、随分早いなという気がしますが、マラソンでピストルが鳴って、だーっと結構速いスピードで走り出す場面というのがあると思いますけれども、トラックを回っているうちにペースが落ちついて、競技場から一般道へ出ていくと、そんな感じなのかなと。当初、随分スピードを出していましたけれども、少し長距離走に向けてマラソンを走り切るスピードになってきたかと思います。担当する部署がブラックにならないように気をつけていきたいと思います。
(問)「青枠」に関してお伺いします。2点お伺いします。まず1点、2020年になって、千枚通しで穴をあけていたということについて、大臣は率直にどう思われますでしょうか。
(答)いろんな理由があって、これが一番保存に良いとか、何かいろんな理屈はあるようでございますけれども、労力と便益を比べたときにはっきり言ってどうなのかと。外務省が保存している公文書を見ても、いろんなものがあったように思いますので、こういう時代ですから、むしろ、いかに公文書をオンラインにしてデジタル化して、いろんな人に簡単に見ていただけるようにするかというところを今後は考えていくべきかと。
 かつて、公文書館などを所管しておりまして、公文書館を見せていただいたこともありますけれども、かなり昔の、それこそ江戸時代どころかもっと昔の文章がしっかり保存されているというようなこともありましたので、紙の種類とか綴じ方というのは、それはいろいろあるのだろうとは思いますが、それとこの霞が関がブラック化しているときにどこまでやるのという、その辺を考慮して、長官に御判断いただいたのだと思います。
(問)これに関して、これまで大臣は押印をなくせば電子化できるんだというふうにおっしゃっていましたけれども、閣議請議そのもののオンライン化というものは将来的に目指していくんでしょうか。
(答)将来的にいろんなことがデジタル化されていくようになるだろうと思いますので、これは総理、官房長官の思いもあられるでしょうけれども、私としては、こういうものが全部オンライン化されても良いのではないかと個人的には思っております。
(問)オンライン化を推進していきたいという認識でよろしいでしょうか。
(答)政府の行政そのものをデジタル化しようということではあります。ただ、以前申し上げましたように、例えば陛下の御名御璽をどうするのかとか、あるいは、霞が関の中でも、永年勤続表彰の表彰状には印を残してほしいとかいろんなこともありますから、何も一直線でいくというよりは、効果の高いものから取り上げてしっかりやっていきたいと思っています。
(問)今日で1カ月ということで、規制改革、デジタル化に向けて、1カ月で最も感じた壁や課題というのはどんなところでしたか。
(答)今までそうやっていましたというところなのかと思います。今までそうやってきたけれども、立ちどまって考えてみたら、何でこれ必要なのというものもありますし、もっと良いやり方があるのに、こうやってきたからということで、そのやり方が続いている、続いてきたというところもあります。やっぱり、一度いろんな節目に立ちどまって、もっと良いやり方はないかというのを考えるというのは大事かと思います。
(問)そうした長年の慣行を廃止していくという方針の中で、押印についてなんですけれども、111種類が残っているもの、これを今後どうしていきたいかという、目途とスケジュールとしてはどうお考えですか。
(答)111の相当部分は、印鑑登録されたもの、あるいは銀行の届出印だったり、登記、登録されたハンコですので、そういうものについては、今回は残ると思います。ただこれが、平井大臣のところでデジタル庁が発足し、業務そのものがデジタル化されたときには、おそらく電子認証というものに置きかわっていくのだろうと思っておりますので、私のところでは少なくともそうしたものが、紙に何かを押すということが原則ではないようにして、平井さんにお渡しをするのかと思っております。
(問)最後に、菅総理大臣も今朝、やるべきことはスピード感を持って、躊躇なく進めていくと話されていましたけれども、そのあたり、やはり躊躇なく進めていくという考えでよろしいですか。
(答)スピード感を持ってやっていきたいと思っております。
(問)私、40年前に自分でそのこよりを役所に習った側なので、すばらしいと思います。伺いたいのは、やはり一番感じたことは、役所はとにかくハンコが多くて、合議も含めて決裁自体が遅いんですけれども、今回そういう形式とか何かをなくすことで、やはり行政の決断も早くなると。そういう効果、その辺はどういうふうにご覧になっているか伺いたいです。
(答)今やっている押印をやめようとか、こういうことも非常に大事だと思いますけれども、デジタル化していく中で大事なのは、業務そのものをやはり見直すことだと思います。今やっていることをそのままデジタル化するのではなくて、業務そのものをどう見直した上でデジタル化していくかというところが大事だと思いますので、今やっていることは極めて表層的な話であって、更なる深掘りというものをやっていかなければいけないと思います。
(問)先生は4回目の大臣で、やっぱり役所は少しハンコが民間に比べて多過ぎるんじゃないかと、私は自分でもそう思うんですけれども、特に合議ですとかを含みましてね。その辺のところというのは、やはりハンコ、もともと多過ぎるんじゃないかという御認識を持っておられるか伺いたいです。
(答)防衛大臣のときに最初に回ってきた稟議が、ハンコだけで2、3ページあって、一体何十個あるんだということで、少なくともハンコは4つまでにしようという指示を最初に出したこともありますので、そのハンコ全てに本当に意味があるのかといったら多分そんなことはなかったと思うんですね。ですから、様々な決裁のスピードアップ、あるいは責任を持って決めるというのが大事だと思います。
 それからもう一つ、行政は間違いをしないみたいな、行政の無謬性というのがずっと言われてきましたけれども、そんなことはないわけで、やはり間違ったときにはお詫びして方向転換をするということもしっかり視野に入れて、必要なものはスピード感を持って時代に合わせて変えていくということがより大事なのではないか。そのための責任をとるために大臣がいるわけですから、霞が関の皆さんには、いざというときには大臣がみんな責任をしっかりとりますから、失敗を恐れず、スピード感を持って仕事をしていただきたいと思います。
(問)先ほど、松本浦添市長との会談で、キャンプ・キンザーの跡地利用についてお話があったかと思うんですけれども、この跡地利用についての話題というのは河野大臣からお話があったのか。
 あともう一点なんですけれども、14日には岡下政務官が沖縄からお戻りになられたかと思うんですけれども、岡下政務官からの御報告はどんなものだったのか、それで、その報告を踏まえた次期沖縄振興計画のプランとかがございましたらお教えいただければと思います。
(答)昨日、松本市長がお見えになりまして、いろんな話の中で、牧港の補給地区の跡地利用の話も出ました。岡下さんとは、多分、来週どこかで、報告を兼ねていろいろ打合せをすることになっております。
(問)ちょっと確認なんですけれども、冒頭の閣議の書類の関連で、これはいつから大臣の中で問題視をされていて、どのタイミングで官房長官にお願いされて、今日の廃止に至ったのかという、時系列を教えてもらっていいでしょうか。
(答)「青枠」の話は、いつだったか、この1カ月の中です。
(問)提案されたタイミングも覚えていないということですか。
(答)いろんなことをやっていますから、あまり日付はよくわかりません、すみません。何で「青枠」なのに緑なのと思ったことはありました。青いのもあるそうです。
(問)2点お伺いしたいんですが、冒頭におっしゃっていた、今日の「2+1」のお相手が小此木さんということですが、議題は何になりますでしょうか。
(答)議題は内緒です。
(問)話題が変わりまして、先日のオンライン講演で、大臣はハンコや紙の次は、常駐・専任義務の話をやっていきたいというふうに述べられていましたが、今後の具体的なスケジュール感でしたり、企業からヒアリングをされたり、あと法改正の必要性についてどうお考えでしょうか。
(答)いろんな常駐・専任義務があると思いますので、まずしっかりそれを調べていきたいと思っております。これだけ技術が変わってきておりますし、人口減少というのはやはり大きな問題でありますので、それに対応していくためには、人口が増えているときのルールをそのまま適用するわけにもいきませんし、技術が進んでいる中で、技術で補えるものはやはりそれで補っていくというのが、生産性を上げていくためには必要だと思いますので、そこは一つずつ、いろんなグループ分けができるだろうと思いますが、そこはしっかり見ていきたいと思っています。
(問)先日、会議の中で、大臣の方から領収書の電子化について言及があったというふうに聞いていますが、今、領収書の電子化に向けて何か課題はあるのかどうかというのと、その課題に向けての意気込みがありましたら聞かせてください。
(答)この間の規制改革のワーキンググループの中で、紙の領収書を保管するコストについても問題提起がございました。こういう、いろんなものの売り買いも電子化されている部分も相当ありますし、様々なものを、情報を、紙に打ち出さなくても、情報としていろんな形で保管ができる技術は、もう既に確立されている部分があるといっても良いと思いますので、関係する部局になぜ電子化できないのか、電子化するためにはどうしたら良いのかということをしっかり調べて持ってくるようにということを申し上げました。
(問)関連でなんですけれども、民間での規制の廃止も進めていくというふうにおっしゃっていましたけれども、電子領収書に関しては、実際に導入されていても、結局企業の方で精算とかするときにプリントアウトしないといけないというような問題とかも実際に今起こっているみたいなんですけれども、そうした企業の意識とかそういったところも変えていかなければいけないという、今何か問題意識みたいなものがあったら教えてください。
(答)行政との兼ね合いで、領収書は電子情報でも保管して良いということになれば、当然企業のマインドセットも変わってくると思いますので、まず行政の中でできることをやりながら、それが生産性を上げるものだということならば、企業もどんどん取り入れることになっていくと思いますので、まずやれるところをしっかりやっていきたいと思います。
(問)話題が変わって、大阪都構想についてなんですけれども、先日住民投票が告示されまして、行政改革担当の大臣として、都構想について賛否を含めてどのようにお考えでしょうか。
(答)特に私から申し上げることはございません。
(問)昨日、「文科省が動きます」ということでつぶやいておられたと思うんですけれども、内容は来週発表されると思うんですけれども、その内容というのは「2+1」でも上がっていた話題だったんでしょうか。
(答)発表が近々あると思いますので、どうぞ聞いてください。

(以上)